ポータブル電源で冷蔵庫は使用できます。ただし、ポータブル電源の定格出力が冷蔵庫の消費電力を上回り、かつ出力が交流100V正弦波である必要があります。
ポータブル電源は災害時やアウトドアなど、電源の確保が難しい状況で活躍する便利なアイテムです。とくに冷蔵庫との組み合わせは、食品の保存や快適な環境維持に重要な役割を担うでしょう。
この記事では、ポータブル電源で冷蔵庫は使えるのか、主な活用シーン、動作させる際のポイントについてわかりやすく解説します。また、冷蔵庫の動作におすすめなポータブル電源EcoFlow DELTA 2についても紹介しています。
ポータブル電源で冷蔵庫は使えるかどうか知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
ポータブル電源で冷蔵庫は使える?
ポータブル電源で冷蔵庫は使用できますが、以下の2つの条件をクリアする必要があります。
- ポータブル電源の定格出力が冷蔵庫の消費電力を上回っている
- ポータブル電源の出力が交流100Vの正弦波出力であること
ポータブル電源の定格出力が冷蔵庫の消費電力よりも低い場合は動作しません。
また、一般的な家電製品が正弦波の電力を前提に設計されているため、矩形波や修正正弦波の出力では正常に動作しない可能性があります。
条件を満たしていれば、ポータブル電源で冷蔵庫を安全かつ効果的に使用できます。ただし、使用時間や効率については機器の特性や使用環境によって変わってくるため、実際の使用時には注意が必要です。
正弦波とは何かを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→電源における正弦波とは?ポータブル電源の正弦波・修正正弦波・矩形波を解説
冷蔵庫の稼働時間を計算する方法
冷蔵庫をポータブル電源で使用する際は、どれくらいの稼働時間になるのか把握しておくべきです。
稼働時間を計算するには、まずポータブル電源の容量(Wh)と冷蔵庫の消費電力(W)を確認します。これらの情報はそれぞれの製品の仕様書や説明書で確認可能です。
次に以下の計算式を使用します。
冷蔵庫の稼働時間 = ポータブル電源の容量(Wh)× 80% ÷ 冷蔵庫の消費電力(W)
80%を掛けているのは、バッテリーの効率や安全マージンを考慮するためです。例えば、1,000Whのポータブル電源で100Wの冷蔵庫を使用する場合、稼働時間は約8時間と計算できます。
ただし、この計算結果はあくまでも理論値であり、実際の稼働時間は使用環境や冷蔵庫の設定温度、開閉頻度などによって変動します。そのため、計算結果は目安として捉え、実際の使用時には余裕を持った運用を心がけてください。
冷蔵庫の電気代について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→冷蔵庫の電気代は1ヶ月いくらが相場?電気代の計算方法や節約方法を解説
省エネ性能の高い冷蔵庫のほうが長時間の利用が可能
ポータブル電源で冷蔵庫を使用する場合は、省エネ性能の高い製品を選ぶと長時間の利用が可能です。省エネ性能が高い冷蔵庫は消費電力が少ないため、同じ容量のポータブル電源でもより長く使用できます。
なお、省エネ性能を確認する際には、統一省エネラベルが役立ちます。
統一省エネラベルは5段階評価で省エネ性能を視覚的に表示しており、星の数が多いほど省エネ性能が高い製品です。また、ラベルには年間消費電力量や省エネ基準達成率、年間の目安電気料金なども記載されているため、製品選びの際の重要な指標になります。
例えば、年間消費電力量が300kWhの冷蔵庫と400kWhの冷蔵庫では、前者のほうがポータブル電源での使用時間が約25%長くなります。
省エネ性能の高い冷蔵庫を選べば、ポータブル電源の効率的な利用につながるほか、長時間の使用や頻繁な利用を実現できる可能性が高くなるでしょう。
ポータブル電源を使った冷蔵庫の活用シーン
ポータブル電源を使った冷蔵庫の主な活用シーンは以下の通りです。
- 停電して冷蔵庫が止まってしまった場合
- キャンプやバーベキューなどのレジャーで活用
- ソーラーパネルとポータブル電源を併用して節電する場合
ここでは、それぞれの活用シーンについて詳しく解説します。
停電して冷蔵庫が止まってしまった場合
停電時に冷蔵庫が止まってしまった場合、ポータブル電源の存在は心強い存在になります。
突然の停電で冷蔵庫の電源が落ちると、庫内の温度はみるみるうちに上昇し、食品が腐敗するリスクが高まります。しかし、ポータブル電源があれば、冷蔵庫に電力供給が可能になるため、食品の鮮度を保ち、腐敗を防げます。
ただし、ポータブル電源の容量には限りがあるため、長時間の稼働は難しい場合があります。そのため、停電時には冷蔵庫の開閉を最小限に抑え、必要最低限の食品だけを冷やすなどの工夫が必要です。
停電時のポータブル電源による冷蔵庫の使用は、食の安全を確保できるだけでなく、不安を軽減できます。事前に使用方法や接続手順を確認し、いつでも使えるよう準備しておきましょう。
キャンプやバーベキューなどのレジャーで活用
キャンプやバーベキューなどのアウトドアレジャーでは、ポータブル電源とミニ冷蔵庫の組み合わせは非常に便利です。電源が確保できない屋外での環境でも、冷たい飲み物や新鮮な食材を楽しめます。
とくに夏場のアウトドア活動では冷蔵機能の重要性が高いでしょう。例えば、ビールやソフトドリンクを冷やしたり、生肉や乳製品などの傷みやすい食材を安全に保管したりできます。これにより、食中毒のリスクを軽減し、安心して食事を楽しめます。
また、釣りなどの活動で獲れた魚を新鮮なまま保存も可能です。
ポータブル電源とミニ冷蔵庫を組み合わせれば、アウトドア体験の質を大きく向上できます。
ただし、使用時はポータブル電源や冷蔵庫の動作音など、周囲の環境に配慮しましょう。静音性能の高い製品であれば、周りへの影響を最小限に抑えつつ利用が可能です。
ソーラーパネルとポータブル電源を併用して節電するため
ソーラーパネルとポータブル電源を併用して冷蔵庫を動かすと、効果的な節電を実現できます。日中にソーラーパネルで発電した電力をポータブル電源に蓄え、その電力を冷蔵庫に供給する方法です。
電力会社からの電力使用量を減らせるため、電気代の節約につながります。とくに日照時間が長い夏季には大きな効果を期待できるでしょう。
例えば、100Wのソーラーパネルで1日6時間発電した場合、600Whの電力を得られます。この電力は多くの家庭用冷蔵庫を数時間動かすのに十分です。
ただし、ソーラーパネルとポータブル電源を併用する方法は長時間の連続稼働には向いていません。冷蔵庫を少しでも長く使用する場合は方法を工夫する必要があります。例えば、日中はソーラーパネルとポータブル電源で冷蔵庫を動かし、夜間は通常の電源に切り替えると効果的です。
ソーラーパネルとポータブル電源を併用して、環境に配慮しつつ電気代を抑えましょう。
ポータブル電源を使って冷蔵庫を動作させる際のポイント
ポータブル電源を使って冷蔵庫を動作させるポイントは以下の通りです。
- ドアの開閉回数を減らす
- 食品を入れすぎない
- 長時間使用するなら大容量のポータブル電源がおすすめ
- 屋外で使用する場合は直射日光を避ける
- 水気のある場所での使用は感電やショートの危険性がある
ポータブル電源を使って冷蔵庫を動作させるポイントについて解説します。
ドアの開閉回数を減らす
冷蔵庫をポータブル電源で動作させる際は、ドアの開閉回数を減らすと消費電力を削減可能です。冷蔵庫のドアは開けるたびに冷気が外に逃げるため、庫内の温度が上昇し電力の消費量が増加します。
例えば、ドアを開ける時間を20秒から10秒に減らすだけで、年間で約6.1kWhの省エネになるという研究結果があります。一方、ドアの開閉回数を2倍に増やすと、年間で約10.4kWhの電力が余分に消費されるともいわれています。
これらの数値からも、ドアの開閉が消費電力に大きな影響を与えるのは明らかです。ポータブル電源の容量には限りがあるため、この点に注意を払わなければなりません。
ドアの開閉回数を減らすためには冷蔵庫の中身を整理整頓し、必要なものの位置を把握しておきましょう。一度に必要なものをまとめて取り出すなど、効率的な使用を心がけるのも大切です。
さらにドアを開ける前に何を取り出すかを決めておけば、開ける時間を短縮できます。
食品を入れすぎない
ポータブル電源で冷蔵庫を使用する際は、食品を詰め込みすぎないようにしましょう。冷蔵庫内に食品が多すぎると、空気の通り道がなくなり、効率的に冷やせなくなります。
例えば、冷蔵庫内の食品量を半分に減らすと、年間で約43.84kWhもの省エネ効果が得られるという研究結果があります。ポータブル電源の使用時間に換算すると、想像以上の延長を実現できるでしょう。
入れる食品量の目安としては、冷蔵庫の容量の7割程度までとされています。数値以内に収められれば、冷気が効率よく循環するため、庫内が均一に冷やされるでしょう。
また、食品同士の間に適度な隙間を設ければ、冷気の流れが改善され、さらに効率が上がります。食品の整理整頓を心がけ、冷蔵庫には必要最小限の量を保管するようにしましょう。
長時間使用するなら大容量のポータブル電源がおすすめ
ポータブル電源で冷蔵庫を日常的に使用したり、長時間の使用を想定していたりする場合は、大容量のポータブル電源を選びましょう。容量が大きいほど、長時間の稼働が可能になります。
例えば、1,000Whの容量を持つポータブル電源と2,000Whの容量を持つものを比較すると、同じ消費電力の冷蔵庫を使用した場合、後者は約2倍の時間稼働が可能です。これは停電の長期化にも備えられるメリットといえます。
また、大容量のポータブル電源は、冷蔵庫以外の電化製品も同時に使用が可能です。例えば照明やスマートフォンの充電など、他の電力需要にも対応できるでしょう。
ただし、大容量になるほどサイズや重量も大きくなるため、持ち運びの頻度や使用場所に応じて適切な容量を選びましょう。
屋外で使用する場合は直射日光を避ける
ポータブル電源を駆使して冷蔵庫を屋外で使用する場合、直射日光を避ける必要があります。直射日光は冷蔵庫とポータブル電源の両方に負荷をかけ、効率を大幅に低下させる原因です。
例えば、夏場の直射日光下では短時間で機器の表面温度が50℃以上に上昇する場合があります。表面温度が高温になっている場合、冷蔵庫の冷却システムに過度の負担をかけるだけでなく、消費電力を増加させてしまうでしょう。
同時にポータブル電源のバッテリーにも悪影響を与え、性能低下や寿命の短縮につながる可能性があります。そのため、屋外で使用する際は必ず日陰に設置しましょう。
テントやタープの下、木陰など、直射日光が当たらない場所を選ぶ意識が大切です。
また、地面からの熱も考慮し、断熱マットなどを敷いて使用しましょう。これらの対策を実施すれば、ポータブル電源と冷蔵庫の効率を維持し、長時間の使用が可能になります。
ポータブル電源の適切な保管場所の選び方は、以下の記事をご覧ください。
→ポータブル電源の保管方法を徹底解説!保管場所の選び方や長持ちさせる5つの工夫
水気のある場所での使用は感電やショートの危険性がある
ポータブル電源で冷蔵庫を使用する場合は、水気のある場所を必ず避けるようにしてください。海や川、水たまりの近くに設置して使用した場合、感電やショートの危険性があります。
さらには本体が故障するおそれがあるため、さまざまなリスクを背負ったり事故に遭ったりする可能性があるでしょう。そのため、ポータブル電源と冷蔵庫は、必ず水気のない安全な場所で使用するようにしてください。
EcoFlow DELTA 2なら7~14時間冷蔵庫の使用が可能!
ポータブル電源で冷蔵庫の長時間利用を予定している方には、EcoFlow DELTA 2がおすすめです。1,024Whのバッテリー容量を搭載しているため、AC120Wの冷蔵庫であれば7〜14時間の使用が可能です。
さらにEcoFlow DELTA 2はバッテリーの増設ができます。最大で3,040Whまで容量を拡張できるため、より長時間の使用や大型の冷蔵庫への対応できます。
充電方法も多様で、AC充電、シガーソケット充電、ソーラーパネル充電、スマート発電機充電など、さまざまな方法に対応しています。そのため、充電切れの心配が少なく、多くのシーンで柔軟に使用が可能です。
また、同時に15ポートの出力が可能です。冷蔵庫だけでなく、照明やスマートフォンの充電など、他の電化製品も同時に使用できます。
この多機能性により、災害時や長期のアウトドア活動で重宝します。EcoFlow DELTA 2の詳しい製品情報については、以下のページをご覧ください。
まとめ
ポータブル電源で冷蔵庫は使えるのか、主な活用シーン、動作させる際のポイントについて解説しました。
ポータブル電源での冷蔵庫の使用は、条件を満たせば難なく実現できます。停電時の食品保存やアウトドアでの快適な生活など、さまざまなシーンで活用できる便利なアイテムになってくれるはずです。
ただし、効果的に使用するためには冷蔵庫の消費電力とポータブル電源の容量のバランスをはじめ、省エネ性能の高い冷蔵庫の選択、適切な使用方法の実践が重要です。とくにドアの開閉回数を減らす工夫や、食品を詰め込みすぎないようにする工夫は、長時間使用するための重要なポイントといえます。
また、屋外での使用時は直射日光や水気を避けるなど、安全面にも十分に注意を払わなければなりません。安全性にも考慮しながら、キャンプや停電時などさまざまなシーンでポータブル電源と冷蔵庫の組み合わせを活用しましょう。