モバイルバッテリーによる充電が遅い原因は、低速充電になっているためかもしれません。
低速充電はバッテリーの劣化を防ぐ機能ですが、スピーディーな充電が必要なときにはデメリットといっても過言ではありません。
低速充電になる原因は、使用するケーブルや接続機器の問題、モバイルバッテリー本体の性能や故障などさまざまです。
しかし、適切な対処法を知れば、多くの問題を解決できます。
この記事では、モバイルバッテリーからの充電が低速充電になる原因や解除方法、充電速度の早さに満足できる製品の選び方をわかりやすく解説します。
モバイルバッテリーの充電が低速充電になって困っている方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
低速充電とは?
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低速充電は、スマートフォンやタブレットの充電速度が通常よりも遅くなる状態です。バッテリーの劣化を抑え、長寿命化を図るために設計されています。
メリットは、バッテリー性能の維持と劣化防止を実現できる点です。過放電や過充電を避けられるため、バッテリーの寿命を延ばせます。
一方、デメリットは充電に時間がかかる点です。急いでいる場合や外出前の短時間での充電では、不便さを感じるでしょう。
なお、Android、iPhoneのどちらのスマートフォンでも端末が自動的に判断して、低速充電モードに切り替わる場合が一般的です。
モバイルバッテリーからの充電が低速充電になる原因
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ここでは、モバイルバッテリーからの充電が低速充電になる原因を解説します。
使用するケーブルの問題
使用するケーブルに問題があると、低速充電になるケースがあります。
ケーブル自体が高速充電に対応していなかったり、断線、劣化などが主な原因です。
ただし、高速充電に対応したケーブルであっても、長期間の使用や不適切な取り扱いにより性能が低下する場合があります。
また、ケーブルの規格も重要です。USB Type-CケーブルにはUSB 2.0、USB 3.0、USB 3.1などさまざまな規格がありますが、高速充電を行うためには適切な規格のケーブルを使用しなければいけません。
さらに、ケーブルの長さも充電速度に影響を与える場合があります。長すぎるケーブルを使用すると、電力の損失が大きくなり、充電速度が低下する可能性があります。
他にも、安価な非純正ケーブルは品質にばらつきがあるため、十分な電力を供給できない可能性があります。
接続する機器の問題
接続する機器に問題があると、低速充電になる可能性があります。
スマートフォンやタブレットの機種や製造年によっては、高速充電技術に対応していないものもあるため、事前に確認しておきましょう。
高速充電に対応していない端末は、モバイルバッテリー側が高速充電に対応していても、機器側の制限により充電速度が上がりません。
また、機器設定の問題で低速充電になっているケースもあります。設定が有効になっていると、充電速度は意図的に抑制されるため注意が必要です。
さらに、機器の温度管理機能が働いて、低速充電になる場合もあります。スマートフォンやタブレットは、過熱を防ぐために温度が高くなりすぎると自動的に充電速度を落とします。
モバイルバッテリー本体の性能
モバイルバッテリー本体の性能も、低速充電の原因になる場合があります。
高速充電に対応していない製品を使用すると、接続する端末側が高速充電に対応していても、充電速度は上がりません。
モバイルバッテリーの性能を判断する際は、定格出力とアンペア数に注目する必要があります。 定格出力が低い製品は、そもそも高速充電ができない場合があるため注意してください。
例えば、5V/1Aの出力しかないモバイルバッテリーでは、最新のスマートフォンを高速で充電できないでしょう。現在の高速充電技術に対応するためには、少なくとも5V/2A以上、さらに9V/2Aや12V/1.5Aなどの出力に対応している必要があります。
また、アンペア数も重要な要素です。アンペア数が高いほど、充電速度は速くなります。
モバイルバッテリー本体の故障
高速充電に対応したモバイルバッテリーであるにもかかわらず、低速充電になる場合は本体の故障も考えられます。
モバイルバッテリーは電子機器のため、使用年数や使用状況によって性能が劣化したり、内部の部品が故障したりする可能性があります。このような場合、本来の性能を発揮できないため、結果として低速充電になってしまうでしょう。
モバイルバッテリーの故障が疑われる場合は、まず接続する機器を変えて試してみてください。異なる機器でも同様に低速充電になる場合は、モバイルバッテリー側に問題がある可能性が高いです。
一方、特定の機器でのみ低速充電になる場合は、機器側に問題がある可能性が考えられます。
また、モバイルバッテリー本体の外観や動作にも注意を払う必要があります。膨張や変形、異常な発熱、充電中のLEDインジケーターの異常な点滅などが見られる場合は、内部の故障を示唆している可能性があります。
低速充電を解除する方法
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ここでは、低速充電を解除する方法を解説します。
接続するケーブルの規格を確認する
モバイルバッテリーや充電する機器の規格と合っていないケーブルを使用すると、低速充電になる可能性が高いため、まずは確認しましょう。
例えば、USB PDに対応したケーブルを使用すれば、高速充電が可能です。ただし、対応ケーブルでも、3A対応と5A対応の2種類があるため、適したものを使用する必要があります。
また、ケーブルの長さも考慮しなければいけません。長すぎるケーブルは電力の損失が大きくなり、充電速度が低下する可能性があります。使用環境に応じて、50cm〜1m程度の短めのケーブルを選ぶのがおすすめです。
接続する機器の設定を見直す
接続する機器によっては、すでに低速充電状態になっている可能性があります。
特に過充電を防ぐための機能が搭載されている端末では、機能がオンになっているかもしれません。
Androidなら設定からバッテリーやデバイスケアなどの項目を探し、バッテリー保護や最適化された充電などの機能をオフにしてみてください。iPhoneの場合は、設定アプリからバッテリーを選択し、バッテリーの状態と充電の中にあるバッテリー充電の最適化をオフにすると、高速充電が可能になる場合があります。
ただし、これらの機能をオフにすると、バッテリーの劣化が早まる可能性があるため、必要な時だけオフにするのが望ましいです。
高速充電が可能なモバイルバッテリーに買い替える
ケーブルの変更や設定の見直しを行っても低速充電になる場合は、モバイルバッテリー本体に不具合が起こっている可能性があります。
この場合は、高速充電が可能な新しいモバイルバッテリーへの買い替えがおすすめです。
ただし、買い替える際は、使用する機器との互換性や必要な出力を確認する必要があります。
まずは、使用する機器の充電規格を確認しましょう。スマートフォンやタブレットの多くは、USB PDやQuick Chargeなどの高速充電規格に対応しています。これらの規格に対応したモバイルバッテリーを選べば、高速充電が可能です。
また、出力ポートの種類や数も考慮しましょう。USB Type-CポートやLightningポートなど、使用する機器に合わせて選択してください。
充電速度の早さに満足できるモバイルバッテリーの選び方
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ここでは、充電速度の早さに満足できるモバイルバッテリーの選び方を解説します。
モバイルバッテリーの定格出力をチェック
モバイルバッテリーを選ぶ際は、定格出力に注目しましょう。
定格出力は、モバイルバッテリーが供給できる電力の最大値です。高速充電を実現するためには、使用する機器の要求に見合った定格出力を持つ製品を選ばなければいけません。
例えば、一般的なスマートフォンなら、18Wから30W程度の出力があれば十分な高速充電が可能です。タブレットやノートパソコンなど大きな機器を充電する場合は、45Wや60W、さらには100Wの出力を持つ製品を選ぶとよいでしょう。
ただし、高出力のモバイルバッテリーは大きさや重量が増す傾向にあるため、携帯性とのバランスを考慮する必要があります。また、複数の出力ポートを持つ製品の場合は、各ポートの最大出力と同時使用時の合計出力にも注意が必要です。
定格出力に関する基本知識については、以下の記事をご覧ください。
→ポータブル電源における定格出力とは?最大出力や定格消費電力についても解説
アンペア数をチェック
モバイルバッテリーを選ぶ際は、アンペア数にも注目してください。
アンペア(A)は電流の単位で、一般的に数値が大きいほど充電速度が速くなります。ただし、接続する機器側の対応状況も考慮しなければいけません。
多くのスマートフォンは2A〜3Aの充電に対応しており、これらの機器を高速充電するには、少なくとも3A以上の出力が可能なモバイルバッテリーを選ぶ必要があります。一方、タブレットやノートパソコンなど大きな機器を充電する場合は、5Aやさらに高いアンペア数に対応したモバイルバッテリーが必要です。
ただし、アンペア数が高ければ高いほど良いというわけではありません。機器側が受け入れられる最大のアンペア数を超えた場合、余分な電力は無駄になります。
充電規格をチェック
モバイルバッテリーを選ぶ際は、充電規格を確認しましょう。
主な高速充電規格には、Quick ChargeとUSB Power Delivery(USB PD)があります。
Quick Chargeは、Qualcomm社製のプロセッサを搭載したAndroid端末で使用される規格です。最新のQuick Charge 5.0では、100W以上の高速充電ができます。
一方、USB PDはより汎用性が高く、多くのスマートフォン、タブレット、ノートPCなどで採用されています。最大100Wまでの出力に対応し、機器に応じて適切な電圧と電流を自動で選択できるのが魅力です。
iPhoneやiPadなどのApple製品は、USB PDを使用した高速充電に対応しています。
ワイヤレス充電の有無を比較
ワイヤレス充電機能の有無もモバイルバッテリーを選ぶ際のポイントになります。
ワイヤレス充電対応のモバイルバッテリーは、Qi(チー)規格に対応したスマートフォンやイヤホンケースなどを、ケーブル接続なしで充電できる点がメリットです。 ただし、ワイヤレス充電は有線充電と比べて充電速度が遅くなる傾向があります。
ケーブルを持ち歩きたくない方、充電ポートの摩耗を気にせずに充電したい方にはおすすめです。
ワイヤレス充電のメリット・デメリットについては、以下の記事をご覧ください。
→コードレスモバイルバッテリーとは?ワイヤレス充電のメリット・デメリットも解説
用途にあった最適なサイズを選ぶ
モバイルバッテリーを選ぶときは、サイズにも注目しましょう。
小型のモバイルバッテリーは携帯性に優れていますが、容量が限られます。そのため、充電回数が少なくなります。
一方、大容量のモバイルバッテリーは、複数回の充電が可能です。ただし、重量が増加するため、携帯性が低下します。
このように、モバイルバッテリーは用途にあった最適なサイズを選ばなければいけません。使用頻度や外出時間、充電する機器の数などを考慮して、適切な製品を選びましょう。
例えば、日帰りの外出で1台のスマートフォンを充電する程度なら、5,000mAh〜10,000mAh程度の小型モバイルバッテリーで十分です。長期の旅行や複数の機器を充電する必要がある場合は、20,000mAh以上の大容量モデルが適しています。
PSEマークのある製品
モバイルバッテリーを安全に使用するためには、PSEマークのついた製品を選ぶ必要があります。
PSEマークは、電気用品安全法に基づいて定められた技術基準に適合していることを証明するマークです。PSEマークがある製品は安全性が確認されており、信頼して使用できます。
また、PSEマークには、特定電気用品に付けられる菱形PSEマークと、特定電気用品以外の電気用品に付けられる丸形PSEマークの2種類がありますが、モバイルバッテリーは後者の丸形PSEマークの対象です。
なお、マークがない製品は、日本国内での販売が禁止されています。 取得されていない製品は過充電保護や過放電保護、短絡保護などの安全機能が備わっていないため、使用にはリスクが伴います。
その他の機能を比較
モバイルバッテリーを選ぶときは、基本性能に加えて、その他の機能も比較検討しましょう。
例えば、スタンド機能付きのモバイルバッテリーは、充電しながらスマートフォンを立てかけて動画視聴などができるため便利です。
マグネット機能を備えたモデルなら、対応するスマートフォンに直接取り付けられるため、充電中も使いやすいメリットがあります。
さらに、過熱防止装置の有無も欠かせない基準です。充電中のバッテリーの温度上昇を監視し、過熱を防ぐ役割を果たします。
長時間の使用や高速充電時の安全性を高めたいなら、これらの機能がある製品を選ぶとよいでしょう。
高速充電対応のモバイルバッテリーならEcoFlow RAPID Magnetic Power Bank
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EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankは、高速充電に対応した5,000mAhのモバイルバッテリーです。
MagSafe対応のiPhoneに磁力で装着でき、最大15Wの高速ワイヤレス充電ができます。
また、内蔵USB-Cケーブルを使用すれば、最大30Wの高速充電にも対応可能です。
また、薄型設計となっており、本体の厚みはわずか約1.44cmしかありません。携帯性にも優れており、外出時でも気軽に持ち運べます。
さらに、パススルー充電機能を搭載しているため、モバイルバッテリー自体を充電しながら、接続したデバイスを同時に充電できます。
安全性も配慮されており、過充電保護や過放電保護、温度管理システムなどの機能を備えています。
EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankは、高速充電と携帯性、安全性を兼ね備えた製品です。高速充電対応のモバイルバッテリーをお探しなら、ぜひご検討ください。
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まとめ
この記事では、モバイルバッテリーからの充電が低速充電になる原因や解除方法、充電速度の早さに満足できる製品の選び方を解説しました。
モバイルバッテリーからの充電が遅い原因には、使用するケーブルの問題、接続する機器の設定、モバイルバッテリー本体の性能や故障などが挙げられます。
これらの問題を解決するためには、適切なケーブルの使用、機器の設定確認、高性能なモバイルバッテリーへの買い替えが効果的です。
モバイルバッテリーを選ぶ際は、定格出力やアンペア数、充電規格、サイズなどを考慮し、自分の使用状況に合った製品を選びましょう。また、安全性を確保するためにPSEマークの有無を必ず確認してください。
高速充電や携帯性を重視する場合は、EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankのような安全性が高くハイスペックな製品が最適です。