直挿しタイプのモバイルバッテリーは、一見するとケーブル不要で利便性に優れて見えますが、実はデメリットが多いアイテムです。
バッテリー容量が少ない製品が多いだけでなく、サイズが大きく、端子が折れるなどのリスクを抱えています。また、充電中のスマホ操作も不便で、複数機器への同時充電にも制限があるのがデメリットです。
そのため、従来のケーブルタイプのモバイルバッテリーのほうが使い勝手がよいという方も珍しくありません。
この記事では、直挿しタイプのデメリットとともに、ケーブルタイプのモバイルバッテリーがおすすめな理由をわかりやすく解説します。
直挿しタイプのモバイルバッテリーとは?
直挿しタイプのモバイルバッテリーには、電源コンセントに直接挿せるアダプター内蔵タイプと、スマホなどの機器に直接挿せる充電端子一体型タイプの2種類があります。
アダプター内蔵タイプは、モバイルバッテリー本体にプラグが収納されており、ケーブル不要でコンセントから本体を直接充電できます。一方、充電端子一体型は、ケーブル不要で機器に接続できる製品です。
これらの製品はプラグやケーブルを用意する必要がない点が、ケーブルタイプのモバイルバッテリーとは異なる特徴です。
直挿しタイプのモバイルバッテリーのデメリット
ここでは、直挿しタイプのモバイルバッテリーのデメリットを解説します。
バッテリー容量が少ない製品が多い
直挿しタイプのモバイルバッテリーは小型化を実現しているため、バッテリー容量の少ない製品が一般的です。
5,000mAhクラスが中心であり、スマホの電池容量によっては複数回の充電ができません。
一方、従来のケーブルタイプでは、10,000mAh以上の製品が一般的です。製品によっては、コンパクトながら20,000mAhの大容量を実現しているものもあります。
そのため、タブレット端末などの大容量バッテリーを搭載した機器でも、余裕を持って充電できます。
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、出張や旅行など長時間の外出で複数回の充電が必要な場合には適していません。容量不足に悩みたくないなら、従来のケーブルタイプが最適です。
ケーブルタイプのモバイルバッテリーよりもサイズが大きい
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、プラグや端子の収納機構が必要なため、従来のケーブルタイプと比べてサイズが大きめです。
例えば、同じ10,000mAhクラスの製品を比較した場合、ケーブルタイプは厚さ20mm台に収まりますが、直挿しタイプは30mm台と厚みが増します。重量面でも、ケーブルタイプは200g前後が一般的ですが、直挿しタイプは電源プラグ部分の重さがさらに加わります。
特に、AC電源プラグが内蔵されているタイプは、プラグ機構の分だけサイズが大きくなるため、持ち運ぶ際に不便を感じるケースがあるかもしれません。
端子が折れてしまうリスクがある
充電端子一体型タイプのモバイルバッテリーは、スマホに接続した状態で何かに引っかかると、端子に過度な負荷がかかり破損するリスクがあります。
特に、バッグやポケットに入れたまま移動する際、本体の重さで端子部分に負荷がかかり続けるため注意が必要です。この状態で急な動きをすると、端子が折れてしまう可能性が高まります。
また、端子が折れた際に懸念されるのが、破損した端子の一部がスマホの充電口に残ってしまうケースです。この場合、専門店での修理が必要になるほか、高額な修理費用が発生する可能性があります。
さらに、スマホの充電口自体も破損する危険性があり、最悪の場合は本体の買い替えを余儀なくされるでしょう。
直挿しタイプのモバイルバッテリーを選ぶ際は、この点を十分に考慮しなければいけません。
スマホに接続すると使いにくい
充電端子一体型タイプのモバイルバッテリーは、スマホに接続すると通常の使用感が大きく損なわれます。
スマホとモバイルバッテリーの重量を合わせると400g近くになるため、片手での操作は困難です。
画面をタップする際もバランスが取りにくく、文字入力やゲームなどの操作精度が低下します。カバンの中に入れて充電する場合でも、直挿し式のため着脱が面倒で、メッセージの確認や写真撮影などの急な操作に対応できません。
また、スタンド機能付きのスマホケースと組み合わせた場合、端子の出っ張りによってスタンドを使用できなくなります。特に、動画視聴などの際に画面を見やすい角度で固定できないため、エンターテイメント性も損なわれてしまうでしょう。
アダプターとモバイルバッテリーを別々に買うよりも割高
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、5,000mAhクラスで3,000円前後、10,000mAhクラスで5,000円前後が一般的な価格帯です。
一方、同等の性能を持つアダプターとモバイルバッテリーを個別に購入すると、合計金額を抑えられます。
さらに、直挿しタイプは製品寿命も考慮しなければいけません。一体型製品はアダプター部分かバッテリー部分のどちらか一方が故障しても、製品全体を買い替える必要があります。
対して、個別購入の場合は故障した機器のみを交換すれば済みます。
また、価格の安さに惹かれて製品を選ぶと、PSEマークがない粗悪品をつかまされるリスクがあります。こうした商品は発熱や発火の危険性が指摘されているため、安全面で注意が必要です。
複数の機器の同時充電ができない
充電端子一体型タイプのモバイルバッテリーは、複数の機器への同時充電ができません。
基本的にスマホにケーブルレスで直接接続するため、他の機器への接続ができなくなってしまいます。
一方、従来のケーブルタイプのモバイルバッテリーであれば、複数のポートが用意されており、同時充電も可能です。
スマホとワイヤレスイヤホンなどを同時に充電したいというようなシーンでは、従来のケーブルタイプのほうが優れているといえるでしょう。
スマホケースに干渉する場合がある
充電端子一体型の直挿しタイプのモバイルバッテリーは、スマホケースの厚みやデザインによって使用できない場合があります。
ケース下部の厚みが5mmより厚い製品や、充電口の開口部が13mm未満のケースでは、端子が十分に差し込めず接触不良を起こしやすいです。
また、スマホショルダーなど、ストラップを取り付けるために充電口付近に出っ張りがあるケースも、端子との干渉によって使用できません。万が一、無理に差し込もうとすると端子やスマホの充電口を破損する危険性があります。
特に衝撃吸収構造を採用したケースは、厚みが増すため非対応になる場合がほとんどです。
そのため、充電端子一体型のモバイルバッテリーを接続する際は、使用するケースによっては一時的に外さなければいけない場合があります。
直挿しタイプのモバイルバッテリーが向いているのはこんな人
直挿しタイプのモバイルバッテリーには多くのデメリットがあるものの、利用環境によっては向いている場合があります。
ここでは、直挿しタイプのモバイルバッテリーが向いている人を解説します。
荷物を減らしたい人
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、荷物を減らしたい人に最適です。
従来のモバイルバッテリーでは、本体に加えてケーブルも必要なため、バッグやポーチの中で予想以上のスペースを取ります。また、複数の機器を充電する場合は、それぞれに対応したケーブルを用意する必要があり、荷物が増える可能性が高いです。
一方、直挿しタイプはモバイルバッテリー本体とACアダプター、ケーブルの機能を1台に集約しています。
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、出張や旅行など、限られたスペースで荷物をコンパクトにまとめたい場面で重宝するでしょう。手荷物や小さなカバンで身軽に移動したい方におすすめです。
ケーブルが絡まるのが嫌な人
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、ケーブルの絡まりを嫌う人におすすめです。
バッグの中でケーブルが他の物と絡まり、取り出すのに手間取る煩わしさから解放されます。
魅力はケーブルレスのデザインにより、バッグの中での取り回しが格段に向上している点です。必要な時にサッと取り出せ、使用後もスムーズに収納できるため、時間の節約にもつながります。
特に、急いでいるときや、片手で操作しなければならない状況で重宝します。
また、ケーブルの断線や損傷のリスクも軽減されます。頻繁な巻き取りや折り曲げによるケーブルの劣化を心配する必要がなくなるため、長期的な耐久性も期待できるでしょう。
ただし、直挿しタイプは接続部分に負荷がかかりやすいため、使用時は慎重な取り扱いが必要です。
パススルー充電をしたい人
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、パススルー充電を重視する人におすすめです。
パススルー充電とは、モバイルバッテリー本体を充電しながら同時にスマホなどの機器を充電できる機能を指します。一度の接続で、両方のデバイスを同時に充電できるため、時間と手間を大幅に節約できます。
長時間の移動中にスマホを使用し続ける必要がある人に便利な機能となるでしょう。
また、接続がシンプルなため、ケーブルの取り回しに悩まずに、スマホを使用しながら充電できます。
ただし、パススルー充電は発熱を伴うため、長時間の使用には注意が必要です。パススルー充電について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→パススルー充電とは?利用するメリットと注意事項、おすすめ商品を紹介!
充電する端末が少ない人
直挿しタイプのモバイルバッテリーは、充電する端末が少ない人に最適です。
従来のケーブルタイプに比べてバッテリー容量が小さいため、1〜2台程度のスマホを充電するのに適しています。
主にスマホのみを使用し、タブレットやノートパソコンなど他のデバイスを持ち歩かない人にとっては十分なケースが多いです。加えて、日常的な使用や短時間の外出時の充電にもおすすめといえるでしょう。
また、充電頻度が低い人や、バッテリー持ちの良いスマホを使用している人にも適しています。必要最小限の充電容量で済むため、無駄に大きく重いバッテリーを持ち歩く必要がありません。
直挿しタイプよりもケーブルタイプのモバイルバッテリーがおすすめな理由
ここでは、直挿しタイプよりもケーブルタイプのモバイルバッテリーがおすすめな理由を解説します。
高速充電に対応した製品が多い
ケーブルタイプのモバイルバッテリーのメリットは、高速充電に対応した製品が豊富な点です。
製品によっては、Quick ChargeやPower Deliveryなどの高速充電技術に対応しており、従来の充電方法と比べて充電時間を大幅に短縮できます。
例えば、スマホの場合、通常の充電では0%から100%まで充電するのに2時間以上かかる場合がありますが、高速充電対応のモバイルバッテリーを使用すれば、同じ充電量を30分から1時間程度で達成できる場合があります。
この高速充電機能は、急な外出前や短い休憩時間など、時間が限られている状況で重宝します。また、バッテリー残量が少ない状態でも、短時間の充電で十分な使用時間を確保できるため、緊急時の対応力も高いといえるでしょう。
さらに、最新の高速充電技術は効率的な電力供給を実現しているため、デバイスのバッテリー寿命への悪影響も最小限に抑えられています。
バッテリー容量が大きい
ケーブルタイプのモバイルバッテリーのメリットは、大容量のバッテリーを搭載している点です。
一般的に、10,000mAhから30,000mAh以上の容量を持つ製品が多く存在します。直挿しタイプの多くは5,000mAh前後の容量のため、その差はかなり大きくなるでしょう。
例えば、20,000mAhのモバイルバッテリーがあれば、一般的なスマホを4〜5回フル充電可能です。
また、タブレットやノートパソコンなど、より電力消費の大きいデバイスの充電にも対応できます。USB Power Delivery対応のモバイルバッテリーであれば、ノートパソコンの充電も可能です。
汎用性が高い
ケーブルタイプのモバイルバッテリーは、汎用性の高さがメリットです。
スマホだけでなく、タブレット、ノートパソコン、イヤホン、カメラなど、さまざまなデバイスへの充電ができます。
多くの製品はUSB-AやUSB-Cポートを搭載しており、異なるコネクタタイプの機器にも柔軟に対応できます。 特に、複数のデバイスを持ち歩く頻度が高い方には重宝するでしょう。
高性能なモバイルバッテリーをお探しならEcoFlow RAPID Magnetic Power Bankがおすすめ
EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankは、最新技術を結集したハイスペックなモバイルバッテリーです。
5,000mAhの容量を持ち、マグネット吸着式の革新的なデザインを採用しています。
特に、MagSafe対応のiPhoneユーザーに最適で、スマホに吸着させながら充電できる利便性がメリットです。 急速充電にも対応しており、短時間で効率的に充電できます。
また、軽量でコンパクトな設計のため、持ち運びにも優れています。過充電保護や温度管理機能などが搭載され、安全面でも優れた製品です。
安全性に優れた高性能なモバイルバッテリーをお探しの方は、EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankをご検討ください。
まとめ
この記事では、直挿しタイプのデメリットとともに、ケーブルタイプのモバイルバッテリーがおすすめな理由を解説しました。
モバイルバッテリーは、個人の使用環境や目的によって適した製品が異なります。
直挿しタイプには一部のユーザーに適した特徴をもっていますが、バッテリー容量の少なさや端子破損のリスク、使用する機器との相性などのデメリットが懸念されます。
そのため、総合的に見るとケーブルタイプの方が多くのメリットを得られるでしょう。
特に、高速充電、大容量、汎用性の観点から比較すると、ケーブルタイプのモバイルバッテリーがおすすめです。自分のライフスタイルやニーズに合わせて、最適な製品を選びましょう。