家庭の節電対策や停電時の電力確保、売電収入など、多くのメリットがある太陽光発電。初期費用をできるだけ抑えたいなら、ソーラーパネルの自作がおすすめです。DIYが苦手な方でも、自作キットを使えば簡単にソーラーパネルを自作できます。
そこで本記事では、ソーラーパネルを自作するメリット・デメリットや、自作する方法について解説します。ソーラーパネルのDIYに必要なアイテムや、自作するのにかかる費用も掲載しているので、ソーラーパネルの自作に挑戦したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ソーラーパネルは自作できる?

太陽光をエネルギーに変えて、電気を生み出すソーラーパネル。家庭に導入するには、高額な費用がかかると思われがちですが、自作することで気軽に導入できます。
個別に部品を購入する方法と、自作キットを使う方法があり、DIYのレベルに合ったやり方を選べるのも嬉しいポイントです。ただし、組み立ての不備によって事故が起きるリスクも少なからずあるので、知識のない方は自己責任で行いましょう。
ソーラーパネルを自作するメリット4選

業者にソーラーパネルの設置を依頼する場合、融通が利かなかったり、高額な費用がかかったりと納得のいかないケースもあるでしょう。ソーラーパネルを自作すれば、安価で自分好みにカスタマイズできます。ソーラーパネルを自作するメリットは、以下のとおりです。
- メリット1|初期費用を抑えられる
- メリット2|設置場所に合った形状で作れる
- メリット3|用途に合った出力で作れる
- メリット4|後から自由にパネルを増やせる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
メリット1|初期費用を抑えられる
ソーラーパネルを自作する最大のメリットは、初期費用を抑えられる点です。資源エネルギー庁の調査によると、ソーラーパネルの設置に平均28.8万円/kWの費用がかかります(※1)。
一方、ソーラーパネルを自作した場合の費用は、わずか10万円ほどです。自作の場合は、工事費用がかからないだけでなく、パネルや架台などの既製品も安い製品を採用できます。
※1参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について」
メリット2|設置場所に合った形状で作れる
ソーラーパネルを自作する場合、設置場所に合った形状で作れます。市販のソーラーパネルはサイズや形が決まっており、限られたスペースにうまく収まらないケースもあるでしょう。しかし、DIYなら設置場所の広さや形状に合わせてパネルをカスタマイズできます。
メリット3|用途に合った出力で作れる
ソーラーパネルの発電量を示す最大出力も、用途に合わせて自由な調節が可能です。用途にぴったり合致するソーラーパネルを、市場で探すのは困難を極めるでしょう。
例えば、スマホやLEDライト、電気毛布などに給電するなら小型のパネルでも問題ありません。しかし、ドライヤーや電子レンジ、IHクッキングヒーターなど、消費電力の高い電化製品を複数台動かしたい場合は、大型のパネルが必要です。
メリット4|後から自由にパネルを増やせる
ソーラーパネルを実際に使っていく中で、発電量が物足りないと感じる場合があります。そんな時でも、自作のソーラーパネルであれば、後から自由にパネルを増設できます。
市販のソーラーパネルは、増設を見込んで設置されていません。そのため、既存のパネルと同じ場所に設置するのが難しかったり、設置費用が割高になったり、不都合が生じやすいでしょう。ソーラーパネルをDIYする場合は、あらかじめ増設を想定して設計できます。
ソーラーパネルを自作するデメリット5選

ソーラーパネルを自作すると初期費用を大幅に抑えられますが、相応のリスクも存在します。知識のない方が見よう見まねでソーラーパネルを作成すると、思わぬ事故につながりかねません。ソーラーパネルを自作するデメリットは、以下のとおりです。
- デメリット1|専門知識が必要になる
- デメリット2|爆発や感電の危険が伴う
- デメリット3|30V以上は資格が必要になる
- デメリット4|発電量が安定しない恐れがある
- デメリット5|設置後のメンテナンスが必要になる
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
デメリット1|専門知識が必要になる
ソーラーパネルを自作するにあたり、電気設備に関する専門的な知識が必要です。実際に電気工事を行った経験がなければ、途中で挫折する可能性があります。
工具の扱いに慣れていないと、せっかく買った部品を無駄にしてしまうケースもあるでしょう。DIY初心者は、まず最初に前提知識の習得に時間を割いてください。
デメリット2|爆発や感電の危険が伴う
ソーラーパネルを自作する場合、ケーブルの接続に不備があると、爆発や感電のリスクが高まります。市販の製品と違い、自作の場合は安全基準が保証されていません。
接続ミスや絶縁不良を起こさないためには、十分な知識と慎重な作業が必要不可欠です。安さだけに惹かれて自作すると、思わぬ事故を引き起こしかねないので、注意しましょう。
デメリット3|30V以上は資格が必要になる
30V以上の発電機器を製作するためには、電気工事士の資格が必要です。最大出力100Wのソーラーパネルであれば、電圧は18V程度なので無資格でも自作できます。
しかし、100Wのソーラーパネルを2枚以上製作するとなると、屋内には設置できません。家庭の電力をまかなえるほどの大規模なソーラーパネルを設置したい場合は、専門業者に依頼しましょう。
デメリット4|発電量が安定しない恐れがある
自作のソーラーパネルは、市販品と比べて発電量が安定しない可能性があります。ソーラーパネルの発電量を左右するのは、以下のような要素です。
- 日照時間
- 設置角度
- 気温
- 天候
- ソーラーパネルの性能
- ソーラーパネルの劣化や汚れ
天候や日照条件の影響を受けやすいソーラーパネルは、設計や施工が不十分だと十分な発電量を得られないでしょう。発電量を安定させるには、日々のメンテナンスが欠かせません。
デメリット5|設置後のメンテナンスが必要になる
自作したソーラーパネルには保証が付かないため、自分の手で日々のメンテナンスを行う必要があります。メンテナンスを疎かにしていて故障したとしても、全て自己責任です。
たとえ、安価でソーラーパネルを製作できたとしても、メンテナンスが不十分で早期で市販製品への買い替えを余儀なくされれば、自作した意味がありません。
自作よりも安心!おすすめのソーラーパネル

ソーラーパネルを自作すれば、費用は抑えられる一方で、危険性が高まります。自作は難易度が高いので、接続不備によって大事故を引き起こしかねません。
EcoFlowは、自作・設置工事・メンテナンスが一切不要のソーラーパネル「EcoFlow 220W片面ソーラーパネルGen2」を販売しています。自宅に届いたらすぐに太陽光発電を始められ、屋内外どこでも持ち運びが可能です。
「EcoFlow 220W片面ソーラーパネルGen2」の特徴を見ていきましょう。
- N型TOPConセルを採用し、変換効率25%を実現する
- 太陽光角度ガイドとスタンドで、30~60°の角度調整ができる
- IP68防⽔・防塵規格に準拠し、水やホコリに強い
- 軽量コンパクト設計で、持ち運びしやすい
互換性が高いMC4コネクタを採用しているので、EcoFlow製のポータブル電源だけでなく、他社製のポータブル電源とも接続できます。余計な手間をかけず、気軽に太陽光発電を導入したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

ソーラーパネルを自作する2つの方法

ソーラーパネルを自作する方法は、以下の2通りあります。難易度は個別で揃えるよりも自作キットを使う方が易しくなりますが、費用は割高になる点に注意してください。
- 方法1|自作キットを使用する
- 方法2|個別で揃えて組み立てる
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
方法1|自作キットを使用する
DIYに慣れていない初心者には、自作キットを使用する方法がおすすめです。必要な材料は全て揃っているので、製作キットを購入したらすぐに作業を始められます。
製作ガイドが同封されているので、手順に従ってソーラーパネルを製作しましょう。ただし、個別で材料を揃える方法よりも費用が高くなる上に、柔軟性が劣ります。
方法2|個別で揃えて組み立てる
材料やサイズにこだわって自由に自作したい方は、個別で材料を揃えて組み立てましょう。製作ガイドが同封されていないので、調達や設計を全て自分で行わなければなりません。
専門知識が必要で難易度は高くなりますが、その分費用を抑えられます。設計や製作を誤ると大事故につながるリスクが高くなるので、必ず知識を習得した上で着手してください。
自作ソーラーパネルに必要なアイテム

ソーラーパネルの自作は、以下の材料選びから始まります。ソーラーパネルや蓄電池を扱った経験がなければ、聞き馴染みのないアイテムも多いのではないでしょうか。
- ソーラーパネル
- バッテリー
- チャージコントローラー
- DC/ACインバーター
- ケーブル
それぞれのアイテムについて、詳しく見ていきましょう。
ソーラーパネル
ソーラーパネルを自作する上で最も欠かせないアイテムが、ソーラーパネル本体です。太陽光から電気を生み出すためのパネルで、太陽光パネルや太陽電池モジュールなどの呼び名があります。個人で自作する場合、30Vのソーラーパネルは設置できません。
ソーラーパネルに必要な最大出力を計算する際には、15%程度の発電損失を考慮しましょう。ソーラーパネルの最大出力を求める計算式は、以下のとおりです。
最大出力(W)= 電気量(Wh)÷ (日照時間 × 充電日数)× (1 + 発電損失(%)÷ 100)
バッテリー
ソーラーパネルで発電した電気を溜めておくために必要なアイテムが、バッテリー(蓄電池)です。ソーラーパネルは、日が昇っている時間帯にしか発電できないので、夜に電気を使用するためには、バッテリーが欠かせません。
また、日中帯に発電した電気で使い切れない分を有効活用するためにも、バッテリーがあれば便利です。安価でソーラーパネルを自作したいなら、車の廃バッテリーを利用しましょう。より安全性を高めたい方には、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーがおすすめです。
チャージコントローラー
ソーラーパネルとバッテリーの間に設置するチャージコントローラーは、充電に必要な電圧や電流値を適性に保つ役割を担います。万が一、チャージコントローラーを設置せずに自作した場合、バッテリーからソーラーパネルに電流が逆流しかねません。
また、過電流によってバッテリーの劣化や破損を引き起こす恐れがあります。チャージコントローラーに定められた最大入力電圧や入力電流値は、ソーラーパネルに合わせましょう。
DC/ACインバーター
DC/ACインバーターとは、直流電圧を交流電圧に変換する機器です。ソーラーパネルで発電した電気は直流なので、電化製品に給電するためには交流に変換しなければなりません。
インバーターの出力波形には、正弦波、疑似正弦波、矩形波の3種類があります。正弦波でなければ動かない電化製品があるので、注意してください。
ケーブル
各機器をつなげるためのケーブルも必要です。バッテリーとインバーターの間に接続するケーブルは、使用したい電化製品に合った許容電流のタイプを選びましょう。
実際に流れている電力がケーブルの許容電流を上回った場合は、発熱や発火のリスクがあります。また、中古でケーブルを揃える場合、損傷していないかに注意してください。
【簡単】ソーラーパネルをDIYで自作する手順

ソーラーパネルをDIYで自作する手順は、以下のとおりです。
- 自作に必要な材料を揃える
- チャージコントローラーとバッテリーを接続する
- バッテリーとインバーターを接続する
- チャージコントローラーとソーラーパネルを接続する
- 日当たりの良い場所に設置し、パネルを太陽に向ける
- チャージコントローラーの電圧を電圧計で測定する
年間を通してパネルに最も日光が当たるのは、真南の方位で約30度の傾斜角度です。インバーターに電化製品をつないで、電気が使えるか試してみてください。
ソーラーパネルの自作に関するよくある質問

最後に、ソーラーパネルの自作に関するよくある質問を紹介します。
- ソーラーパネルの架台は自作できる?
- ソーラーパネルを自作するのにかかる費用は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
ソーラーパネルの架台は自作できる?
ソーラーパネルの架台は自作できます。架台は、以下の材質によって耐久性やコスト、施工性が異なるので、予算や設置場所に応じて最適なタイプを選びましょう。
架台の材質 | 特徴 |
ステンレス | ・強度が高く、錆びにくい・硬い材質によりカスタマイズ性は劣る |
スチール | ・ステンレスと同等の強度を誇る・ステンレスよりも安価で手に入る |
アルミ | ・軽い材質によりカスタマイズ性が優れる・全ての材質の中で最も安く手に入る |
ソーラーパネルを自作するのにかかる費用は?
ソーラーパネルを自作するのにかかる費用は、おおよそ10万円ほどです。自作キットを使うかや、ソーラーパネルの性能によっても費用は異なります。
材料 | 価格の目安 |
ソーラーパネル | 10,000~20,000円 |
チャージコントローラー | 2,000~5,000円 |
DC/ACインバーター | 5,000~20,000円 |
バッテリー | 15,000~30,000円 |
ケーブル | 3,000~5,000円 |
架台 | 7,000~18,000円 |
合計 | 42,000~98,000円 |
まとめ

本記事では、ソーラーパネルを自作する方法について解説してきました。
ソーラーパネルを自作すると、初期費用を大幅に抑えられます。設置場所や用途に合わせて形状や出力をカスタマイズできる点も、大きなメリットです。
ただし、自作は難易度が高く、専門知識が必要になる点がデメリットと言えるでしょう。ケーブルの接続に不備があると、火災や感電を引き起こすリスクがあります。市販のソーラーパネルに比べると、発電量は安定しません。
EcoFlowでは、30〜60°の角度調整が可能で持ち運び自由なソーラーパネルを販売しています。自作の手間をかけず、気軽に太陽光発電を導入したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。