突然の落雷によって、行動を制限された経験がある方も多いのではないでしょうか。豪雨と共に落雷が発生した場合、人体や家電、日常生活に甚大な被害をもたらす恐れがあります。事前に落雷の情報を把握しておけば、落雷による被害を最小限に抑えられるでしょう。
そこで本記事では、落雷情報をリアルタイムで確認する方法を紹介します。落雷が引き起こす被害や、落雷に備えて家庭でできる対策も掲載しているので、落雷情報を迅速にキャッチして対策へとつなげたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
落雷情報をリアルタイムで確認する方法

落雷情報をリアルタイムで確認できれば、危険なエリアへの移動を回避できます。外出する前に見ておきたい落雷情報を確認するためのサイトは、以下のとおりです。
サイト名 | 提供機関 | 特徴 |
雷レーダー(実況) | 日本気象協会 | ・現在から1時間前までの落雷と雲放電の情報が確認できる ・1時間後までの雷の活動度が確認できる |
雷レーダー | LINEヤフー株式会社 | ・1時間前から1時間後までの落雷や雲放電が確認できる ・雨に関する警報や注意報が都道府県別に一覧表示されている |
雷活動度(雷ナウキャスト) | 気象庁 | 3時間前から1時間後までの4段階の雷活動度、落雷、雲放電の情報が確認できる |
過去の落雷情報を確認する方法
過去の落雷情報(落雷・雲放電)は、気象庁のデータが元になっている「GPV Weather」で確認できます。GPV Weatherで確認できるのは、現在から約2年前までの期間です。
発雷を時間帯別に色分け表示しているので、当時の雷の様子を時系列で確認できるでしょう。表示時間幅は、5分間から24時間の範囲で自由に粒度を選択できます。
過去に被害をもたらした落雷情報3選

気象庁の資料によると、2005〜2017年の13年間で起きた落雷害は1,540件にのぼります(※1)。日本では年間で約20人程度が被害に遭っており、身近に潜む危険な災害と言えるでしょう。過去に被害をもたらした落雷情報は、以下のとおりです。
- 2016年8月4日|埼玉県川越市
- 2018年1月10日|石川県金沢市
- 2025年4月10日|奈良県奈良市
それぞれの落雷情報について、詳しく見ていきましょう。
※1参考:気象庁「落雷害の月別件数」
2016年8月4日|埼玉県川越市
2016年8月4日午後3時55分ごろ、埼玉県川越市にある県立川越南高のグラウンドに来ていた県立和光高1年の男子生徒が落雷に遭い、心肺停止で病院に搬送されました(※2)。
熊谷地方気象台によると、4日は大気が不安定で朝から雷注意報が発令されていました。しかし、当時雨は降っておらず、雷鳴もなかったために予測が難しかったと言われています。
※2参考:日本経済新聞「落雷で高1男子心肺停止 埼玉、野球の練習試合中」
2018年1月10日|石川県金沢市
2018年1月10日午後7時ごろ、石川テレビの施設内で送信用の鉄塔への落雷が原因で火災が発生しました(※3)。鉄塔は北陸放送と共用していたために、石川県の38万世帯で北陸放送と石川テレビ放送が視聴できない状態になりました。
寒波による悪天候で消火活動が十分に行えなかったため、火災が鎮火したのは翌朝の午前6時ごろです。2社は、仮設アンテナの設営や出力の増強などの対策を講じています。
※3参考:NHK「北陸放送と石川テレビ,落雷で長時間,放送中断」
2025年4月10日|奈良県奈良市
2025年4月10日午後6時前、奈良市にある学校法人帝塚山学園のグラウンドに雷が落ち、生徒6人が病院に搬送されました(※4)。このうち、サッカー部に所属する男子中学生2名が意識不明の重体になりました。
当時は雷注意報が発令されていましたが、部活の顧問は把握していなかったと答えています。雨が降り始めた直後に雷が落ちたため、生徒を避難させる余裕はなかったとしています。
※4参考:NHK「奈良 落雷事故で警察が状況確認 学校側は安全管理指針を公表」
落雷が起きる仕組みとは

1回の雷が持つ電圧は、約1億ボルトにのぼると言われています。普段家庭で使っている約100ボルトの電気でさえ感電すると危険なので、雷に打たれるとひとたまりもありません。それほどの莫大な電圧を持つ落雷が起きる仕組みを見ていきましょう。
- 海水が蒸発して上空にのぼり、雲が発生する
- 雲の温度が下がり、大きな氷の粒が発生する
- 氷の粒がこすれ合い、静電気が生まれる
- 雲が電気を溜められなくなると、地面に向けて逃がそうとする
雲の下部の負電荷が地面の正電荷に向けて放電する現象が、落雷です。一方で、雲の下部の負電荷が雲の上部の正電荷に向けて放電する現象は、雲放電と呼ばれます。
落雷が引き起こす5つの被害

落雷は人体や建物に甚大な被害をもたらすだけでなく、電気の供給が止まったり、電化製品が使用できなくなったりと日常生活に支障をきたします。落雷が引き起こす主な被害は、以下のとおりです。
- 被害1|死傷事故
- 被害2|家電の損傷
- 被害3|火災
- 被害4|通信障害
- 被害5|停電
それぞれの被害について、詳しく見ていきましょう。
被害1|死傷事故
雷が人に落ちると、死傷事故を引き起こします。特に積乱雲から人に直接落雷する直撃雷が起きた場合の死亡率は、約8割です(※5)。木の下で雨宿りしていた場合も、樹木等から人体へ雷が飛び移る側撃雷によって被害を受けます。
過去13年間に起きた人への落雷害のうち、約30%は8月に起きています(※1)。夏は積乱雲が発生しやすいため、落雷の被害が急増するのです。
※5参考:気象庁「「雷」による災害」
被害2|家電の損傷
雷が建物や電線に落ちた場合、自宅で使用している家電は損傷する恐れがあります。電線には非常に大きな電流(雷サージ)が流れるため、電源線や通信線を通って電気機器に侵入すると、電化製品は絶縁破壊や誤動作、劣化を招くのです。
外観は特に異常がなかったとしても、雷サージが機器の内部に流れ込み、基板の焼損や集積回路の破損を起こしている場合があります。
被害3|火災
電柱や電線、立木などに落雷すると、火災のリスクが高まります。住宅に被害がなかったとしても、周辺の立木から出火して延焼するケースも考えられるでしょう。落雷によって火災が発生する主な原因は、以下のとおりです。
- 落ち葉が積もって燃えやすい状態の立木に落雷して出火する
- 屋内に入った雷サージがコンセントの埃に引火する
- 屋内に入った雷サージにより電化製品がショートして出火する
- ガス管からの電流が電気の経路に到達し、爆発により火災につながる
被害4|通信障害
落雷によって雷サージが発生すると、通信障害を起こす恐れがあります。通信障害が起きると、スマホを使った災害情報の収集や家族との連絡ができません。落雷によって起こる主な通信トラブルは、以下のとおりです。
通信トラブル | 特徴 |
ネットワーク機器の故障 | 高い電圧の電流が流れて、通信に必要なルーターやモデム、スイッチングハブが故障する |
インターネット接続の遅延 | 通信回線や電源ラインに雷サージが流れて、通信回線が不安定になる |
電話回線の不具合 | 雷が電話回線に影響を与え、ノイズが発生したり、通話が途絶えたりする |
被害5|停電
電線や電柱に落雷し、送電設備が損傷した場合は停電が発生します。パソコンやハードディスクレコーダーなどは、短時間の停電であってもデータの消失や故障につながるため、注意が必要です。万が一、停電が長引いた場合は、以下のような障害が生まれます。
- エコキュートでお風呂が沸かせなくなる
- 冷蔵庫の中が温まり、食品が傷む
- 屋外の気温と室温の差がなくなる
- 調理家電で料理を温められない
- スマホやラジオを充電できない
屋外では、停電によって信号機が停止していると事故のリスクが高まるでしょう。
落雷による停電対策に必須!ポータブル電源とは

落雷によって発生する大規模な停電中も電化製品を動かすためには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに溜めた電気でコンセントを経由せずに電化製品に給電できる機器を指します。
落雷による停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを使い、簡単に加熱調理できる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防げる
- 懐中電灯を点灯し、ブレーカーの復旧作業が行える
- 携帯ラジオを稼働して、落雷情報を迅速に収集できる
- 家族と連絡するためのスマホを常にフル充電にしておける
ポータブル電源は、雷だけでなく台風や地震などの災害時にも大活躍します。
落雷への備えに必要な性能|おすすめの製品
落雷への備えには、高出力・大容量のポータブル電源がおすすめです。屋外の送電設備に落雷している場合、復旧するまでに3日以上を要するケースもあるでしょう。高出力・大容量のポータブル電源であれば、停電期間中は家電に電気を供給し続けられます。
本サイトを運営するEcoFlowは、家庭の人数に合った高出力・大容量のポータブル電源を販売しています。落雷対策におすすめの機種は、以下のとおりです。
- DELTA 3 Plus
- DELTA Pro 3
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
DELTA 3 Plus
最大2000Wの出力と1024Whの大容量を持つポータブル電源。大容量を備えながら重量12.5kgの軽量コンパクト設計なので、使いたい場所まで自由に持ち運べます。
ACコンセントからわずか56分で満充電できるので、大雨の予報を確認してから充電を始めても十分な電力を確保できるでしょう。災害情報を検知したら自動で優先的に充電を行う荒天警報機能が付いている点も魅力です。

DELTA Pro 3
最大3600Wの出力と4096Whの超大容量を持つポータブル電源。エクストラバッテリーを追加すれば、最大24kWhまで容量を拡張できます。
200Vに対応しているので、大型エアコンやIHクッキングヒーターなどの高出力家電も動かせます。最大2600Wのソーラー充電では、最速2時間10分で満充電できるので、停電生活が長引いても充電切れの心配はありません。

落雷に備えて家庭でできる5つの対策

落雷による被害は、以下の対策によって最小限に留められます。雷サージへの対策や、外出時の直撃雷・側撃雷への対策など、落雷の特性を理解して適切な対策を講じましょう。
- 対策1|SPDを設置する
- 対策2|雷ガードタップを使用する
- 対策3|外出前に家電のコンセントを抜く
- 対策4|雷雨の情報をこまめに確認する
- 対策5|落雷の危険な場所を把握しておく
それぞれの対策について、詳しく解説します。
対策1|SPDを設置する
建物内の電化製品を雷サージから守るためには、SPDの設置が欠かせません。SPD(避雷器)とは、雷サージが侵入してきた際に雷電流を接地へ放流する機器です。
SPDは雷サージを処理した後に高抵抗に戻るため、電源電圧による電流が流れません。屋外から引き込まれる配線と接地線が最短になるように接続しましょう。
対策2|雷ガードタップを使用する
雷ガードタップを経由して電化製品を稼働すれば、雷サージを吸収してくれます。雷ガードタップとは、コンセントの口数を増やす電源タップに、落雷による雷サージから機器を保護する機能が搭載された製品です。
万が一、電化製品の電源プラグを抜き忘れていたとしても、雷ガードタップを設置していれば、心配ありません。雷ガード確認ランプが付いているタイプを選べば、雷ガード機能が作動しているかを確認できます。
対策3|外出前に家電のコンセントを抜く
落雷による雷サージが建物内に侵入すると、コンセントに接続されている電化製品を破損させます。外出前には、雷サージ対策として家電のコンセントを抜くようにしてください。
外出中に雷サージが電化製品に流れると、最悪の場合は出火して火災に発展する恐れがあります。LANケーブルやテレビ接続ケーブルなども抜いておくと安心です。
対策4|雷雨の情報をこまめに確認する
直撃雷や側撃雷による死傷事故を防ぐには、雷雨情報のこまめなチェックが欠かせません。外出時や屋外作業の前には最新情報を確認し、雷の予報がある場合は在宅避難するのが安全です。リアルタイムで落雷が起きている場所には、近づかないようにしましょう。
対策5|落雷の危険な場所を把握しておく
落雷の危険がある場所の特徴を把握しておけば、屋外で雲行きが怪しくなってきた際に正しい場所へと避難できます。雷が落ちやすい場所の特徴は、以下のとおりです。
- 標高が高い場所:高層ビル、マンション、鉄塔、木
- 周囲に建物がない場所:学校のグラウンド、ゴルフ場、畑、河川敷、堤防
落雷情報に関するよくある質問

最後に、落雷情報に関するよくある質問を紹介します。
- 今日の落雷情報を確認できるアプリはある?
- 気象庁が発表する雷注意報とは?
- 落雷による停電が発生した際の対処法は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
今日の落雷情報を確認できるアプリはある?
リアルタイムの落雷情報が見れるアプリをスマホに入れておけば、簡単な操作でいつでも落雷の危険性を判断できます。今日の落雷情報を確認できるアプリとして「ピンポイント雷雨アプリ」がおすすめです。
国土交通省 新技術情報提供システム「NETIS」に登録されているので、高い信頼性を誇ります。落雷、強風、雨雲の接近は、プッシュ通知でお知らせが可能です。
気象庁が発表する雷注意報とは?
雷注意報は、落雷や急な強い雨、竜巻等の突風、降ひょうなど、積乱雲の発達に伴い発生する気象現象が、人や建物に被害を及ぼす恐れがあると予想された時に発表されます。
雷は他の自然現象と異なり、発生場所や時刻を正確に予想できないため、雷警報や雷特別警報はありません。雷注意報が最大級の警告なので、必要に応じて避難しましょう。
落雷による停電が発生した際の対処法は?
落雷によって送電設備が損傷を受けたり、雷サージが流れたりすると、大規模な停電が起きます。落雷によって停電が起きた際には、以下の手順で対処しましょう。
- 壁から1m以上離れて身の安全を確保する
- 懐中電灯で明かりを確保する
- ブレーカーが落ちている場合は上げる
一時的に上限を超える電流が流れてブレーカーが落ちた場合は、上げるだけで復旧します。
まとめ

本記事では、落雷情報の収集方法について解説してきました。
リアルタイムの落雷情報は、WEBサイトやアプリから確認できます。過去の情報や未来の予測も表示される機能が付いていると、外出するかの判断材料になります。気象庁から雷注意報が発表されている場合は、外出を控えた方がよいでしょう。
落雷による被害を防ぐためには、SPDや雷ガードタップを設置するのがおすすめです。落雷による火災対策として、外出前には家電のコンセントを抜く習慣を付けてください。
本サイトを運営するEcoFlowは、停電時も自宅にあるほとんど全ての家電に給電できる高出力・大容量のポータブル電源を販売しています。落雷による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。