電気を使い過ぎたわけではないのにブレーカーが落ちる場合は、電気回路のどこかで漏電が起きている可能性があります。漏電には火災や感電のリスクがあるため、早急な対応が欠かせません。漏電を防ぐためには、日頃からの点検やメンテナンスが重要です。
そこで今回は、漏電ブレーカーが起きる場合の原因や対処法について解説します。漏電ブレーカーを落とさないための対策も掲載しているので、漏電から家族の安全を守りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
漏電ブレーカーが落ちるとどうなる?
電子機器や配線を通る電流の漏れを検知すると、漏電ブレーカーが落ちて電気回路が遮断されます。停電が起きる範囲は、漏電が起きている場所だけでなく家全体です。
万が一、夜に漏電ブレーカーが起きた場合には、暗闇での視界が悪くなり、歩行中の転倒や物にぶつかるなどの事故に繋がりかねません。スマートフォンの充電がなければ、対処法や緊急時の連絡先も調べられなくなるため、事前の備えは万全にしておきましょう。
漏電ブレーカーの仕組み!落ちる7つの原因
漏電ブレーカーが起きる原因は、家の中だけに留まりません。雷や津波などの災害が関係しているケースもあります。漏電ブレーカーが起きる原因は、以下のとおりです。
- 原因1|配線や絶縁体が劣化している
- 原因2|水漏れが起きている
- 原因3|プラグとコンセントに隙間がある
- 原因4|電化製品が劣化している
- 原因5|雷サージで誤作動している
- 原因6|塩害・害獣被害が起きている
- 原因7|漏電ブレーカー自体が故障している
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
原因1|配線や絶縁体が劣化している
コンセントに挿す配線やその絶縁体の劣化は、漏電を起こす原因の一つです。絶縁体とは、家電の安全性を保つために取り付けられている電気を通さない物質を指します。
配線や絶縁体が劣化すると電気が通る金属線が露出し、漏電を引き起こします。どれだけ丁寧に電化製品を使用していたとしても、配線の経年劣化が起こりえるので注意が必要です。
原因2|水漏れが起きている
水漏れによって電化製品に水がかかると、漏電を起こす可能性があります。電化製品や配線を保護している絶縁体の隙間に水が入り込んでしまうと、絶縁が機能しません。
水は電気を通しやすい性質があるため、水を伝って電気が外に漏れ出してしまうのです。水場周りだけでなく、雨漏りが起きていれば家のどこでも漏電は起こりえます。
原因3|プラグとコンセントに隙間がある
トラッキング現象とは、プラグとコンセントの隙間にホコリが入り、ホコリが空気中の湿気を吸収して漏電を引き起こす現象です。コンセント周りが発火して大事故に繋がる恐れがあります。トラッキング現象が起きやすい家電は、以下のとおりです。
- プラグをコンセントに差したまま長期間使用している家電
- 台所や洗面所などの湿気が多い場所で使用している家電
- 水槽や加湿器などの水を使った家電
特に冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの常時接続している家電のコンセント周りにはホコリが溜まりやすいので、注意してください。
原因4|電化製品が劣化している
電化製品自体の劣化も漏電を起こす原因の一つです。長年使っている電化製品であれば、内部の部品が経年劣化し、漏電を防ぐために重要な絶縁部分が機能しなくなっている恐れがあります。外見からは内部の劣化が分からないので、異常な熱や動作音を感じたら、即座に使用を控えるようにしてください。
原因5|雷サージで誤作動している
雷サージとは、雷によって電源線やアンテナなどを通して、自宅に侵入してくる過電流・過電圧のことです。雷サージは1,000アンペア〜300kアンペアにも上る大きな電流なので、漏電ブレーカーが過電流を検知して誤作動する可能性があります。
原因6|塩害・害獣被害が起きている
屋外で起こりえる漏電の原因としては、塩害・害獣被害が挙げられます。海水に含まれる塩化物イオンが屋外にある電源コードに付着すると、絶縁部分の腐食や劣化を引き起こし、漏電が起きるのです。ネズミに電源コードをかじられた場合にも、内部の銅線が露出して、漏電に繋がる恐れがあります。
原因7|漏電ブレーカー自体が故障している
上記の何れの原因にも該当しない場合には、漏電ブレーカー自体が故障している可能性があります。漏電ブレーカーも経年劣化するため、前回のメンテナンスから年数が経っている場合には注意が必要です。漏電ブレーカーが上がらなければ家全体の電気が使えないため、早急に修理業者を手配する必要があるでしょう。
漏電ブレーカーを復旧させるための対処法
3種類のブレーカーの中で、漏電ブレーカーの復旧作業が最も危険を伴います。明かりを確保し、コンセントや家電から十分距離を取った上で、以下の復旧作業を行ってください。
- 1.漏電箇所を特定する
- 2.該当の部屋にある電化製品のコンセントを抜く
- 3.電気工事会社の連絡先に問い合わせる
それぞれの復旧手順について、詳しく見ていきましょう。
1.漏電箇所を特定する
漏電ブレーカーやその他のブレーカーを操作して、漏電箇所を特定する方法を紹介します。
- 全ての安全ブレーカーをオフにする
- 漏電ブレーカーをオンにする
- 安全ブレーカーを一つずつオンにしていく
- 漏電ブレーカーが落ちるのを確認する
- 直前にオンにした安全ブレーカーが管理する部屋で漏電が疑われる
- 1~3の手順を行い、該当の安全ブレーカー以外をオンにする
これで、漏電が疑われる部屋を除いて停電が復旧しました。
2.該当の部屋にある電化製品のコンセントを抜く
漏電個所が特定できたら、感電しないためにゴム手袋を着用して、該当の部屋にある電化製品のコンセントを抜きましょう。コンセントを抜く際には、必ず該当の部屋の安全ブレーカーがオフになっている状態で行ってください。
これで安全ブレーカーをオンにしても停電しないはずですが、万が一再び漏電ブレーカーが落ちる場合は、家屋の電気配線に問題がある恐れがあります。
3.電気工事会社の連絡先に問い合わせる
漏電個所を特定し、コンセントを抜いて安全が確保できたら、電気工事会社に問い合わせて見てもらいましょう。電気配線の修理には電気工事士の資格が必要です。
素人では漏電の原因を特定するのは難しく、感電のリスクもあります。家全体が停電してパニックに陥ると、漏電個所の特定方法を誤る恐れもあるので、最初から電気工事会社に連絡して指示を仰ぐのも一つの方法です。
漏電ブレーカーを落とさないための対策6選
漏電ブレーカーが落ちるリスクを下げるには、事前の対策が重要です。漏電の原因になりえる場所が多いと、漏電ブレーカーが頻繁に落ちて生活に支障をきたします。漏電ブレーカーを落とさないための対策は、以下のとおりです。
- 対策1|アース線をつなぐ
- 対策2|タコ足配線を避ける
- 対策3|電気コードを折り曲げない
- 対策4|電源プラグを掃除する
- 対策5|漏電ブレーカーを交換する
- 対策6|テストボタンで動作確認しておく
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|アース線をつなぐ
電化製品のアース線がアース端子に繋がれていれば、万が一漏電が起きたとしても電気を地面に流してくれます。特にキッチンや洗面所などの水回りにある家電は、濡れた手で触る可能性があるため、アース線を繋いでおくと安心です。
対策2|タコ足配線を避ける
コンセントの量を増やして複数台の家電が同時に使えるようになるタコ足配線。便利な機能とは裏腹に漏電リスクが高いので、使用を控えるのがおすすめです。
タコ足配線は電気量の上限を超えやすく、発熱によってコードの劣化を促進します。また、コンセントの数に比例してトラッキング現象のリスクも上がるため注意が必要です。
対策3|電気コードを折り曲げない
電気コードを粗末に扱っていると、急速に劣化して漏電リスクが高まります。電源コードが露出していると見栄えが悪くなるため、折り曲げたり束ねたりしている方も多いのではないでしょうか。
意図せず他の家具で踏みつけてる可能性もあるでしょう。電源コードが不自然に折れ曲がったり、圧力がかかったりしていないかを定期的に点検してください。
対策4|電源プラグを掃除する
トラッキング現象を防ぐには、電源プラグの掃除が必要不可欠です。以下のような手順に従い、電源プラグの掃除を行いましょう。
- 綿棒やエアダスターでホコリを除去する
- 水気を切った雑巾で汚れを落とす
- 空拭きして乾かす
冷蔵庫や洗濯機、テレビ、ウォシュレットなどはプラグを挿しっぱなしにしているので、特にホコリが溜まりやすいです。掃除する際には、液体を使わないように注意してください。
対策5|漏電ブレーカーを交換する
古い漏電ブレーカーを使用している場合、交換するのがおすすめです。ブレーカーの寿命は10年前後と言われています。ブレーカー交換にかかる費用は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼するのがポイントです。日本のブレーカーは高品質なので、高価なブレーカーを選ぶ必要はありません。
対策6|テストボタンで動作確認しておく
漏電ブレーカーには、発生を検知した際に正常に回路を遮断できるかを確認するためのテストボタンが付いています。外からは漏電ブレーカーの故障が分からないため、定期的にテストボタンで動作確認を行いましょう。テストボタンを押すと家の電気が全て消えるので、明るい日中帯に作業を行ってください。
漏電による停電時に活躍!ポータブル電源とは
漏電ブレーカーが落ちることによる停電が長引く事態に備えて、ポータブル電源があると安心です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄えておき、コンセントから供給できない状況でも電化製品を動かせる機器を指します。
漏電ブレーカーが落ちると、家全体が停電します。漏電個所の特定方法が分からなければ、漏電個所以外の復旧ができません。また、漏電ブレーカー自体に故障が起きていると、何度ブレーカーを上げてもすぐに落ちてしまう可能性があります。
ポータブル電源があれば、スマホに電気を給電して、漏電ブレーカーの上げ方を調べられます。それでも漏電ブレーカーが上がらなければ、電気工事会社に連絡して、迅速に駆けつけてもらえるでしょう。業者が来るまでは、家電の使用も可能です。
仮に電気が復旧しても漏電箇所にあるコンセントの使用は避けた方がよいので、漏電している部屋でポータブル電源から電化製品に給電できます。
漏電対策に必要な性能|おすすめの製品
漏電対策として使用するポータブル電源は、業者にすぐに来てもらえないケースも想定して、2〜3日間の生活が送れるだけの容量があると安心です。例えば、1日に以下の家電を使用する場合、ポータブル電源はに2,760Whの容量を備えている必要があります。
- 扇風機(20W):2時間
- 電子レンジ(800W):30分
- 冷蔵庫(20W):24時間
本サイトを運営するEcoFlowが販売するポータブル電源「EcoFlow DELTA シリーズ」は、1台で最大4,096Whの大容量を備えています。製品の特徴を見ていきましょう。
- 約10年以上も漏電や災害による停電対策として活躍する
- 最大4,096Whの大容量と3600Wの高出力を誇る
- 最大24kWhまで容量を拡張できる
- わずか1時間でゼロから80%まで充電できる
- 純正弦波採用により、家電が故障する心配はいらない
- 30dBの静音設計により、睡眠中も電化製品に給電できる
大容量機種はハンドルを備えているため、自宅のあらゆる場所まで簡単に持ち運べます。ポータブル電源を導入して、漏電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してみてください。
→UPS機能により停電時は10ms以内で電気供給を切り替える「EcoFlow DELTA シリーズ」
漏電ブレーカーが落ちるに関するよくある質問
最後に、漏電ブレーカーが落ちるに関するよくある質問を紹介します。
- 原因不明で漏電ブレーカーが落ちる場合はどうする?
- 漏電ブレーカーを上げても落ちる場合はどうする?
- 漏電ブレーカーが落ちると火災が起きる?
- 漏電個所の修理・原因調査にかかる費用は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
原因不明で漏電ブレーカーが落ちる場合はどうする?
漏電の原因を素人が特定するのは困難を極めます。自力で原因を探ろうとすると感電する危険があるため、必ず電気工事会社に修理を依頼しましょう。原因の特定は専門業者にお任せして、漏電個所以外の電気を復旧できるようにブレーカー操作を行ってください。
漏電ブレーカーを上げても落ちる場合はどうする?
一度漏電ブレーカーを上げても、すぐに落ちてしまう場合には、電気配線やブレーカー自体に問題がある可能性があります。前述した復旧手順に従って、漏電個所以外の安全ブレーカーを上げられるか確認してみてください。それでも漏電ブレーカーが落ちてしまう場合には、修理業者が来るまでポータブル電源から電気を供給するのがおすすめです。
漏電ブレーカーが落ちると火災が起きる?
漏電ブレーカーが落ちることで直接火災は発生しません。漏電を検知して電気供給を遮断するので、火災の発生を防いでくれます。ただし、漏電ブレーカーが落ちたにも関わらず、漏電個所を放置し続けていると、電気を流した時に発火して火災に繋がる恐れがあります。
漏電個所の修理・原因調査にかかる費用は?
漏電の修理にかかる費用は、7,000円〜30,000円程度と言われています。業者によって修理費用は異なるので、複数業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。ただし、漏電の原因によって必要な作業は変わってくるので、当初の見積もりより高くなる場合があります。
まとめ
本記事では、漏電ブレーカーが落ちる原因や対処法について解説してきました。
漏電ブレーカーが落ちる原因として、配線や絶縁体、電子機器、漏電ブレーカーの劣化が挙げられます。いずれも経年劣化するので、古い製品を使っている場合には交換するのがおすすめです。配線の折り曲げや下敷きも劣化を招く原因になります。
また、プラグとコンセントの間に溜まったホコリも漏電を起こす原因の一つです。常にコンセントに挿しっぱなしにしている家電は特に、定期的な掃除を心がけましょう。
本サイトを運営するEcoFlowでは、漏電ブレーカーが落ちた際にも電気供給を継続できるポータブル電源を販売しています。緊急時の停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してみてください。
→最大容量を21,600Whまで拡張できる大容量「EcoFlow DELTA シリーズ」