移動販売を始めたくても、「どのように始めればいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
移動販売を始めるには、保健所の許可だけでなく食品衛生責任者の資格や自動車の確保、搭載しなければいけない設備があるため準備は大変です。
この記事では、移動販売を始めるために必要な3つのもの、移動販売に必要な自動車の設備、許可を得る手順をわかりやすく解説します。
移動販売を始めようと考えている方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
移動販売を始めるには?
一般的に、移動販売の方法は2種類あります。ここでは、移動販売を始める方法について解説します。
方法1.自分で調理して販売する
移動販売は、自分で調理してキッチンカーで販売する方法が代表的です。自分で調理して販売する方法であれば、移動販売の強みを最大限に活かして商売を始められます。
イベント会場やオフィス街などに出店して、自分の料理を楽しんでもらえるため、やりがいもより一層感じられる方法といえるでしょう。
方法2.既存の食品を仕入れて販売する
移動販売は、既存の食品を仕入れて移動スーパーで販売する方法もあります。既存の食品を仕入れて販売する方法であれば、移動販売の強みを活かしつつ商売が可能です。
コンビニやスーパーがあまり出店していない地域に出向くなど、過疎化が進む地域にも商品を届けられるため、地域の支えになれる方法といえるでしょう。
移動販売に必要な3つのもの
移動販売に必要なのは、「保健所の許可」「食品衛生責任者の資格」「自動車の確保」の3つです。ここでは、移動販売に必要な3つのものについて解説します。
保健所の許可
移動販売を行う際は、保健所の許可が必要となります。移動販売を行う場合は、保健所に営業許可を申請または届出が必要となるため、あらかじめ手続きを済ませておきましょう。
食品衛生法の改正により2021年6月1日より全国で基準が統一されたため、これから移動販売を始める方は、新しい法令に則った許可・届出を理解しておく必要があります。
取り扱う商品や提供形態 | 必要な許可・届出 | 備考 |
料理や飲料を調理して提供 | 飲食店営業の許可 | 喫茶店は飲食店営業に統合 |
パンや菓子を調理して提供 | 菓子製造業の許可 | あんパンや調理パンを含む |
牛乳や乳飲料の販売 | 乳類販売業の届出 | |
野菜や果物の販売 | 野菜果物販売業 | |
包装された魚介類の販売 | 魚介類販売業の届出 | |
包装された食肉の販売 | 食肉販売業の届出 | |
あらかじめ製造・包装された弁当の販売 | 弁当販売業の届出 | キッチンカーで調理する場合は飲食店営業の許可 |
米・麦・豆の販売 | 米穀類販売業 | |
あらかじめ包装されたパン・豆腐・卵の販売 | その他の食料・飲料販売業 |
キッチンカーで営業する場合は仕込み場所も必要ですが、仕込み場所もキッチンカーと同様の許可を得る必要があります。
ただし、許可の基準は地域の保健所により異なるため、早い段階で最寄りの保健所に相談しておくのがおすすめです。
なお、例外として長期保存可能で包装された常温品を販売する場合は、保健所の許可も届出も不要です。この点も含め、一度保健所に相談することを推奨します。
食品衛生責任者の資格
移動販売を行う際は、食品衛生責任者の資格が必要です。以下の資格保有者が、食品衛生責任者になる資格を持っています。
- 食品衛生管理者または食品衛生監視員の有資格者
- 医療従事者の一部(医師・歯科医師・薬剤師・獣医師)
- 調理従事者の一部(栄養士・調理師・製菓衛生師)
- 船舶料理士
- 食鳥処理衛生管理者
- 普通職業訓練「調理科」の受講者
上記資格を持っていない方は、食品衛生責任者の講習を受け修了証を受け取りましょう。
講習は1日で終わり、地域によってはeラーニングでの受講も可能となっています。そのため、都合に併せて取得することが可能です。
自動車の確保
移動販売を行う際は、自動車の確保も忘れてはなりません。
必要な装備を搭載していないと、保健所の検査で指摘される可能性があります。そのため、移動販売に使用する自動車を用意した段階で保健所に助言をしてもらうことが重要です。
キッチンカーを使用する場合は購入した自動車を改造することも多いため、保健所のアドバイスに従って行った方が手続きがスムーズです。
移動販売で使用する自動車であっても2年ごとに車検を受ける必要があるため、カスタムする場合は法令に適合した自動車が必要となります。
なお、キッチンカー用の自動車を取り扱う専門業者のなかには、車検時の手間と法令遵守を理由に「8ナンバー」を推奨するケースもあります。
移動販売用の自動車を購入する際は、ディーラーにも相談してみましょう。
移動販売に必要な自動車の装備
移動販売で使用する自動車には、いくつかの装備が必要です。ここからは、移動販売に必要な自動車の装備について解説します。
ただし、この記事で解説する内容はあくまでも目安となります。実際の要件は保健所ごとに違うため、申請前に最寄りの保健所で必ずご確認ください。
冷蔵庫・冷凍庫と電源
移動販売には電源が必須です。食材を保管する冷蔵庫や冷凍庫を設置する場合は電源がないと動かせないため、電源の確保は最優先課題となります。
冷蔵庫や冷凍庫は食品を十分に収納できる容量のものを選び、電源はそれらを十分に稼働させられる容量のものを選びましょう。
なお、エンジン停止中でも冷蔵・冷凍を続けられるよう、ポータブル電源があると便利です。特に交流100Vに対応する製品を選ぶと、電源を確保しやすくなります。
→キッチンカーの電源を確保する4つの方法|おすすめのポータブル電源も紹介
→サブバッテリーの種類や使い道を徹底解説|使用する際の注意点とは?
衛生的な構造
キッチンカーはトランクや窓を開けたまま販売するため、害虫や害獣が侵入することも多いです。そのため、害虫や害獣が入らない対策は必須といえるでしょう。
例えば、扉付きの収納棚を用意して食品を収納したり、開口部に網戸を設置したりするなど害虫や害獣が食品に触れられない構造にすることが重要です。
運転席との仕切り
キッチンカーは、運転席と作業場が完全に分かれていなければなりません。保健所の許可を取るためには、運転席と作業場の間仕切りが必須です。
間仕切りのない自動車を購入した場合は、保健所の検査を受ける前にあらかじめ間仕切りを設置しておきましょう。
シンク・非接触水道
移動販売には、シンクと非接触水道が必須です。
特に手洗い用と調理器具洗浄用で別々のものが必要となる他、保健所によっては食材洗浄用シンクの設置が求められることもあります。
手洗い用のシンクには、手洗い後に水を止める行為で手を汚さないよう、手のひら以外で閉栓できる蛇口を備える必要があるため、次のような蛇口を選びましょう。
- 自動式(センサー式)
- 足踏み式
- レバー式
上記のいずれかの蛇口であれば、手洗い後に水を止める行為で手が汚れることもありません。併せて、石鹸や消毒液、キッチンペーパーの設置も行っておきましょう。
貯水用・排水用タンク
移動販売には、貯水用・排水用タンクが必要です。
十分な量の水を積む必要がある他、使用した水を無断で捨てるのは禁止されているため、貯水用と排水用の両方が必要となります。
容量は200lのタンクがあれば、大半のメニューには対応できるでしょう。特にラーメンやうどん、そばなどの麵料理を提供する場合は200lのタンクが必須です。
ただし、提供するものによっては40l〜80lでも対応可能であるため、移動販売で取り扱うメニューに併せて判断しましょう。
照明器具
照明器具は、食品を安心・安全に調理するうえで必要不可欠です。作業や清掃を円滑に行うためにも、50ルクス以上の明るい照明器具を設置しましょう。
保健所によって必要な明るさを設定しているところもあるため、保健所に相談した際に聞いておくのが賢明です。
換気扇
移動販売には換気扇も必要不可欠です。調理中は煙や匂いが発生する場合もある他、車内に湿気が溜まることもあります。
その他、カビや水滴を防ぐためにも換気扇の設置はマストといえるでしょう。初夏や真夏に移動販売する場合は熱中症を防ぐ意味でも、換気扇の設置は必要不可欠です。
ゴミ箱
移動販売にはゴミ箱も必須となります。キッチンカーでは食材の切れ端や包装フィルム、使い捨て容器など、廃棄物の処理が避けられません。
そのため、悪臭や水漏れを防ぐためにも蓋付きのゴミ箱があると便利です。ゴミ箱はプラスチック製など耐水性のある製品を設置し、掃除しやすい環境を整えておくと安心です。
仕込み場
移動販売には仕込み場も必要です。キッチンカーの場合、車内で仕込みができない場合もあります。特に生ものは車内での仕込みを禁止している保健所もあります。
その場合、仕込みを行える場所を別途確保してから保健所の許可を得なければいけません。
ただし、自宅の台所は仕込み場として認められないことが多いため、別途で仕込み場を用意した方が無難です。
店舗がある場合は店舗備え付けのキッチンでも可能ですが、そうでない場合は新たに仕込み場を用意すると覚えておいてください。
移動販売の許可を得る手順
移動販売の許可は保健所に申請することで得られます。一般的に許可を得るまでの手順は、以下の通りです。
- エリアやメニューを決める
- キッチンカーの図面を作る
- 食品衛生責任者の資格を取る
- 保健所の許可を得る
まずは、どのエリアやメニューを取り扱うか決めましょう。最初にエリアやメニューを決めないことには、保健所のアドバイスも受けられません。
どこでどのような移動販売を行うのかを決め、キッチンカーの図面を作ってから保健所に相談してください。
その後、食品衛生責任者の資格を取り、最終的に保健所の許可が下りれば移動販売開始となります。
移動販売に便利なポータブル電源
移動販売にはポータブル電源が便利です。
ポータブル電源は電源が取れない場所でも電源を確保できる製品で、あらかじめ充電しておくことで外部でも使用可能となります。
移動販売は冷蔵庫や冷凍庫を稼働させるために電源が必要ですし、その他の調理家電を使用する際も電源が必要です。そのため、移動販売にはポータブル電源が必須といえます。
EcoFlowでは、移動販売にも最適な高性能ポータブル電源を取り扱っています。製品によって性能は変わるものの、どれも高速充電かつ長寿命なので利便性は折り紙付きです。
製品によっては持ち運びに便利な小型・軽量タイプもあるため、移動販売のように各地を転々とする場合にも便利といえるでしょう。
幅広いバリエーションのポータブル電源の他、持ち運び可能なソーラーパネルも取り扱っているため、長期的に移動販売を行う場合も対応可能です。
これから移動販売を行う予定の方は、ぜひEcoFlowのポータブル電源をお試しください。
→EcoFlow DELTA Pro
→EcoFlow DELTA 2 Max
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まとめ
移動販売を始めるには保健所の許可をはじめ、食品衛生責任者の資格や自動車の確保が必須です。また、自動車には冷蔵庫や冷凍庫の他、ポータブル電源も必要となります。
これから移動販売を始める方は、ぜひ必要なものをしっかりと準備してから保健所に相談しましょう。ただし、設備が整っていないと保健所の許可は下りません。
EcoFlowでは、移動販売にも応用できるポータブル電源を取り扱っています。
静音設計で騒音が発生しない製品はもちろん、大容量&高出力のDELTA ProをはじめハイエンドなDELTA 2 MaxやスタンダードなDELTA 2など、ラインナップは多種多様です。
移動販売以外の目的でも使用できるため、ぜひ一度ご検討ください。