大潮は、釣りの成果を大きく左右する要因の一つです。
潮の動きが激しくなる大潮は、魚の活性が高まりやすいことで知られていますが、実際には魚種や釣り場ごとで影響は異なります。
この記事では、大潮と釣りの基本的な関係性、大潮が釣りに与えるメリット・デメリット、大潮時のベストな釣りタイミングなどを詳しく紹介します。
大潮だからこそ狙える好機と注意すべき落とし穴を押さえ、潮のリズムを身につけて釣果アップを目指しましょう。
潮汐と釣りの基本的な関係性

潮汐の仕組みや潮の種類、潮見表の活用法を正しく理解していないと、せっかくの好機を逃してしまうことがあります。
ここでは、釣りと潮汐の基本的な関係性について詳しく解説します。
潮汐(潮の満ち引き)とは何か
潮汐とは、月や太陽の引力で海面が周期的に上下する現象です。
地球上の海水は、月の引力が最も強く作用する側では海水が引き寄せられて満潮となり、反対側でも遠心力の影響で満潮が発生します。
一方、その中間地点では引力と遠心力が打ち消し合い干潮となります。地球は1日に1回転するため、多くの場所で1日に2回ずつ満潮と干潮が訪れます。
釣りでは、潮が動くことでプランクトンが流され小魚や大型魚が活発に動き出すため、潮の動きが釣果に大きな影響を与えます。
潮の種類
潮の動きには5つの種類があります。これらは、月と太陽の位置関係で決まり、約1ヶ月の周期で順番に繰り返されます。
潮の種類とそれぞれの特徴は以下の通りです。
- 大潮:新月や満月の前後に発生し、干満差が最も大きく潮がよく動く。
- 中潮:大潮と小潮の中間で、潮の動きも適度。
- 小潮:半月の頃に起こり、干満差が小さく潮の動きも穏やか。
- 長潮:小潮の後に訪れ、さらに潮の動きが緩やかになる。
- 若潮:長潮の次に潮が再び動き始めるタイミング。
特に大潮や中潮は釣果が上がりやすいとされていますが、魚種や釣り場で例外はあるため、経験を積みながら自分のパターンを見つけることが重要です。
潮見表(タイドグラフ)の読み方と活用法
潮見表(タイドグラフ)は、海面の高さや満潮・干潮の時刻をグラフや表で示したもので、釣りにおいては必須のツールです。
これを活用することで、魚が活発に動く『時合い』を事前に予測し、効率的に釣果を狙うことができます。
潮見表には、1日の満潮・干潮の時刻や潮位、さらに潮の種類(大潮や中潮など)が記載されています。
潮見表を上手に使うことで、限られた釣行時間でも効率よく釣果を上げることが可能です。
大潮が釣りに与える影響

大潮が釣りにどのような影響を与えるかを把握していると、効率よく釣果を上げることができます。ここでは、大潮の特徴やデメリットなどを詳しく解説します。
大潮の特徴と他の潮との違い
大潮は、最も干満差が大きく満潮と干潮の差が最大になる潮汐です。
月と太陽が地球とほぼ一直線に並ぶ新月や満月のタイミングで発生し、月と太陽の引力が合わさることで潮位の変化が大きくなります。
中潮は大潮の次に干満差が大きく潮の動きも活発ですが、大潮ほどではありません。小潮や長潮は干満差が小さく、潮の動きも緩やかです。
大潮の特徴を理解することで、釣りの計画や狙う魚種、釣り場選びに大きなヒントを得ることができます。
大潮時に魚の活性が上がる理由
大潮時に魚の活性が上がる最大の理由は、潮流が強くなることで水中の酸素濃度が高まり、プランクトンや小魚などのベイトが活発に動き出すためです。
これにより、捕食魚であるシーバスや青物などがエサを求めて沿岸部まで接近し、活発に捕食活動を行うようになります。
さらに、大潮は産卵期と重なることが多く、バチ抜け(イソメやゴカイなどの産卵行動)が発生しやすい時期です。
この現象によって、普段は砂の中に潜んでいるベイトが一斉に泳ぎ出し、それを狙う魚たちの活性が一気に高まります。
また、潮の動きが速いことで仕掛けやラインが魚に見破られにくくなり、釣り人に有利な状況が生まれることも大きなメリットです。
大潮のデメリットと注意点
大潮は、干潮時に海水面が大きく下がり、沿岸部では干潟が広がって釣りができなくなる場所が出るデメリットがあります。
また、潮流が速すぎると仕掛けが流されやすくなりコマセや撒き餌が分散してしまうため、釣り方や仕掛け選びに工夫が必要です。
潮の流れが強いエリアでは、釣り糸が絡まりやすかったり狙ったポイントに仕掛けを落としにくくなる場合もあるため、重めの仕掛けを使うなどの対策が求められます。
大潮時の釣りのベストタイミング

潮の動きが活発な大潮では、魚の活性が高まるタイミングを逃さないことが重要です。ここでは、大潮時の釣りのベストタイミングについて詳しく解説します。
「上げ3分・下げ7分」の法則とは
「上げ3分・下げ7分」は、潮の動き始めと終わりを10分割した釣り用語です。
干潮から満潮までの潮位差を10分割し、3分目(干潮後30%)の「上げ3分」と、満潮から7分目(満潮後70%)の「下げ7分」が魚の活性が高まるタイミングとされています。
この原理が働くのは、潮が動き始めることでプランクトンや小魚が流され、捕食魚が活発に行動するためです。
ただし、実際の釣り場では潮が完全に動き切る前(上げ7分・下げ3分)も好機となる場合があり、釣り人によって解釈は分かれます。
満潮・干潮前後の狙い目時間帯
大潮時の満潮・干潮前後2時間は、最も釣れやすいゴールデンタイムです。特に潮が動き始める潮回りのタイミングでは、以下のような現象が発生します。
- 満潮前1時間:潮が岸際まで押し寄せる
- 干潮後30分:潮が動き始め酸素量が増加
- 潮止まり直前:魚が最後の捕食活動を行う
ただし、完全な潮止まりは魚の活性が低下するため、この時間帯は休憩や仕掛け調整に充てるのが効果的です。
月齢と釣果の関係性
大潮は新月と満月の前後に発生し、月齢が釣果に影響を与えます。月の引力が強い大潮では、以下のような現象が確認されています。
- 新月大潮:夜間の暗さを利用した夜釣りが有利
- 満月大潮:月明かり下での表層活性が上昇
- 月齢7日前後:産卵期と重なりベイトが豊富
満月大潮から中潮にかけて釣果が集中する傾向がありますが、地域や魚種でパターンは異なるため、釣り場ごとのデータ蓄積が重要です。
釣り場別の大潮の攻略ポイント

釣り場ごとに大潮の影響は異なるため、適切な攻略法を知ることで釣果が変わります。ここでは、釣り場別の大潮の攻略ポイントを詳しく解説します。
磯釣りでの大潮の活かし方
磯釣りでは、大潮の激しい潮の流れを逆手に取る戦略が有効です。
また、干潮時には普段は隠れている岩場や海底が露出し、潮溜まりで餌を求める魚を発見しやすくなります。
干潮時は沖目、満潮時は岸際と潮位に合わせてポイントを変更し、潮がぶつかる岬の先端や海底の起伏が激しい場所を狙うのがおすすめです。
サーフ(砂浜)での大潮攻略法
サーフ釣りでは、離岸流の特徴を踏まえて干潮時に出現する干潟周辺の溝や海底の起伏を重点的に狙うのがおすすめです。
特にヒラメやマゴチは干潮時の浅場に進入する習性があるため、潮が引ききったタイミングで浅い溝を丁寧に探りましょう。
港湾・堤防での大潮の釣り方
港湾や堤防では、大潮のタイミングで潮の動きが非常に活発になるため、プランクトンや小魚が岸壁周辺に集まりやすくなり大型の魚も回遊してきます。
満潮時には、潮が高くなり魚が岸壁近くまで寄ってくるため、堤防の際や港内の壁際など、足元のポイントが絶好の狙い目です。
一方、干潮時には潮が大きく引くことで魚の姿が岸から遠ざかりやすくなるため、堤防の先端や沖向きの深場を狙うのがポイントとなります。
遠投して沖の潮目やブレイクライン(急に深くなる場所)を攻めることで、回遊してきた魚や底物を狙うことができます。
大潮を最大限に活かす便利ツール

潮汐の動きを正確に把握し、釣り場の環境変化に対応するための最新アイテムを活用することで、釣果が格段に向上します。
ここでは、大潮を最大限に活かす便利ツールを詳しく解説します。
潮見表アプリの活用
潮見表アプリの活用は、現代の釣りにおいて非常に大きなメリットがあります。
アプリを使うことで、その日の釣り場ごとの満潮・干潮時刻や潮位の変化、潮回り(大潮・中潮・小潮など)を手軽に確認できます。
「上げ3分、下げ7分」など魚の活性が高まるタイミングを逃さずに釣行計画を立てることができ、食事や休憩の時間も調整しやすくなります。
また、アプリの多くは天気予報や風向・風速、波の高さ、気温といった釣果に直結する情報も一緒に表示できるため、当日のコンディションを総合的に判断しやすいのが特徴です。
釣り場ごとにピンポイントで潮汐情報を取得できるアプリも多く、全国各地の干満時刻や潮位を正確に把握できるため、遠征釣行や初めてのポイントでも活用できます。
天気・風・波との複合的な情報活用法
大潮時の釣りでは、潮汐情報に天候データを重ねることで精度が飛躍的に向上します。
天気予報は、雨や雷などの荒天を避けるだけでなく、気温や気圧の変化も魚の活性に影響を与えるため、事前にチェックしておきましょう。
また、波の高さや周期も見逃せません。磯やサーフでは波高1.0m以下が理想とされ、周期が長い波は突然大きなセット波が来ることもあるため注意が必要です。
さらに、水温が急激に下がると魚の動きが鈍くなり、曇りや小雨がプラスに働く魚種もいるため、水温や天気のチェックも欠かせません。
天気・風・波・潮汐などの情報を組み合わせて確認することで、無駄な釣行や危険な状況を避け、より良い釣果と安全な釣りを実現できます。
情報活用を支える釣行中に役立つポータブル電源
釣行中の情報活用を支えるのがポータブル電源です。
ポータブル電源があればスマートフォンやカメラ、魚群探知機、LEDライト、集魚灯などの充電や稼働が可能になります。
また、夜釣りや早朝の暗い時間帯でも十分な照明を確保でき、夏は扇風機や空調服、冬は電気毛布やヒーターなどの防寒・防暑対策も可能です。
釣行で活用できるポータブル電源をお探しの方には、EcoFlowのラインナップをぜひチェックしてみてください。
EcoFlowの『RIVER 3 Plus』は、冷蔵ボックスや水中ライトを同時稼働できる900W出力で防水設計のため、沿岸部の塩害にも強い設計となります。

『DELTA 3 Plus』は小型かつ軽量でありながら大容量で、最短56分でフル充電できるため釣りへ行く前の準備時間で充電できます。

商品ページで詳細を確認いただけますので、興味がある方はぜひご確認ください。


釣りと大潮に関するよくある質問

最後に、釣りと大潮に関するよくある質問を詳しく紹介します。
大潮と釣果の関係って本当に実感できる?
大潮は確かに魚の活性が高まりやすいタイミングですが、必ずしも誰もが釣果の向上を実感できるわけではありません。
大潮は特にシーバスや青物、アジなどは大潮で岸寄りに集まり狙い目になることが多く、潮の動きが速いことで仕掛けやラインが魚に見破られにくいメリットがあります。
ただし、潮流が速すぎる場所やタイミングでは仕掛けが流されやすくなったり、狙ったポイントにエサを届けにくくなったりする点に注意が必要です。
魚種や地域、釣り方によっては大潮よりも中潮や小潮の方が釣果が安定する場合もあるため、一概に「大潮だから必ず釣れる」とは言えません。
実際には、大潮だけではなく時間帯や場所、仕掛けなど複数の条件が噛み合い、初めて好釣果につながります。
大潮の日は釣り人が多い?
釣り歴の長い方ほど「大潮=釣れる日」と認識しているため、週末や祝日の大潮は特に多くの釣り人が集まる傾向があります。
大潮は魚の活性が上がりやすく、釣果が期待できるタイミングとされているため、情報感度の高い釣り人やベテランは釣り場に足を運びます。
そのため、人気の堤防や港湾、地磯などでは早朝から場所取りが必要になることも珍しくありません。
一方で、釣り人が多いことで魚が警戒して釣れにくくなるケースもあるため、あえて時間帯をずらしたり、穴場のポイントを探す工夫も重要です。
まとめ
大潮は潮の動きが活発になり、魚の活性が高まる絶好のチャンスタイムですが、釣果向上のためには釣り場の地形特性や天候などを総合的に判断することが重要です。
潮見表アプリで「上げ3分・下げ7分」の法則を活用し、月齢と天候を組み合わせた戦略的釣行計画を立てましょう。
長時間の釣行を支える必須アイテムとしては、EcoFlowのポータブル電源が活躍します。
「RIVER 3 Plus」は軽量設計でスマホ充電から集魚灯まで対応し、「DELTA 3 Plus」は大容量で船釣り機材も安心です。
潮のリズムを読み解く知識と最新ツールを駆使して、大潮の可能性を最大限に引き出しましょう。