迷走台風とは、進路がおかしかったり変な動きをしたりする台風のことです。
一方、最近ではテレビやラジオでも迷走台風という言葉を目にするようになりましたが、具体的にどのような台風なのかについてはわからない人もいるでしょう。
この記事では、迷走台風とは、見られる動きや進路、主な発生条件、注意点、備え、よくある質問をわかりやすく解説します。
迷走台風とは?

迷走台風は、予測不能な動きや進路から、迷走しているように見える台風のことです。ここでは、迷走台風について詳しく解説します。
進路がおかしい・変な動きをする台風
迷走台風は、進路がおかしかったり変な動きをしたりする台風のことです。
本来、台風は太平洋の海上で発生した熱帯低気圧が北上しながら成長し、ある程度の期間で消滅するのが一般的ですが、迷走台風は異常ともいえる動きや進路を見せます。
急に勢力を拡大したかと思えば、蛇行したり停滞したりすることもあるなど、まさに予測不能といえるでしょう。
その姿が迷走しているように見えることから、予測不能な台風を比喩的に迷走台風と呼ぶようになりました。
今ではテレビやラジオのニュースでも使用されることがあります。
正式な国土交通省・気象庁の表現ではない
迷走台風は、正式な国土交通省・気象庁の表現ではありません。
一般的に、予測不能な進路を取る台風はそのまま複雑な動きをする台風と表現されます。一方、あくまでも造語的に生まれた表現であるため、公的な場での使用には注意が必要です。
公的機関の情報でも迷走台風とは表現されないため、注意しましょう。
冬よりも夏に発生する傾向がある
迷走台風は、冬よりも夏に発生する傾向があります。
通常の台風自体、あまり冬には来ないのが一般的で、主に夏に集中しています。その原因は主に三つです。
・海水が太陽光で蒸発しやすいため
・水蒸気が発生しやすいため
・積乱雲に発達しやすいため
熱帯低気圧が台風になる背景には、海水の蒸発、水蒸気の発生、積乱雲への発達という三つの工程を辿るのが一般的です。
夏は冬と比べ、上記の条件が揃いやすいことから台風になりやすいといえるでしょう。
なお、以下の記事では台風とは何かについて詳しく解説しているため、具体的に台風がどのようなものなのか知りたい人はあわせて参考にしてみましょう。
⇒台風とは何かを簡単に説明!季節別の特徴や台風による停電対策も徹底解説
迷走台風に見られる動きや進路

迷走する台風の動きや進路は、まさに予測不能です。ここでは、迷走台風に見られる動きや進路について詳しく解説します。
進路に関係なく蛇行したり停滞したりする
迷走台風は、進路に関係なく蛇行したり停滞したりすることがあります。
一般的な台風は日本より南の海上で発生した熱帯低気圧が北上しながら発達していくのですが、迷走台風はジグザクに進んだり、Uターンしたりと予測不能です。
場合によっては一か所に長時間とどまることで、甚大な被害をもたらすこともあるため、十分な注意が必要となるでしょう。
予測不能な動きを見せることがある
迷走台風は、予測不能な動きを見せることがあります。
すべての台風が同じ方向へ向かうわけではありませんが、迷走台風はどの方向へ向かうか確実に予測できるわけではありません。
場合によっては他の台風と合体してより巨大な台風になるなど、非常に危険です。
迷走台風の主な発生条件

迷走台風の主な発生条件には、以下のようなものがあります。
- 高気圧の配置が複雑化している
- 台風付近の風が乱れている
- 複数の台風が影響し合っている
迷走台風は、高気圧の配置が複雑化していたり、台風付近の風が乱れていたり、複数の台風が影響し合っていたりすると発生します。
特に、複数の台風が互いに影響し合って複雑な動きをする藤原効果の影響を受けると、進路が迷走しやすいです。
以上の条件が重なることで台風の動向が乱れやすくなるため、常に警戒が必要です。
迷走台風の注意点

迷走台風には、いくつかの注意が必要です。
ここでは、迷走台風の注意点について詳しく解説します。
こまめな情報収集が必要
迷走台風の接近中や上陸中は、こまめな情報収集が必要です。
一般的な台風と比べ、迷走台風は数時間単位で状況が急変することがあるため、常に情報収集しておくのが良いでしょう。
最近ではSNSでの情報収集も可能ですが、なかには真偽不明の情報も含まれているため、台風情報については国や自治体、公的機関の情報を参考にすることが求められます。
くれぐれも、虚偽の情報に惑わされないようにしましょう。
天気予報では予測が困難
迷走台風は、天気予報では予測が困難とされています。
台風の本体を動かす周りの風が複雑な構造をしているため、数値予報モデルのシミュレーション結果にどうしてもばらつきが出やすいです。
高気圧や偏西風の影響で不規則な進路を取ることもあって、どのくらいの速さで進むのか、どの方向にどれほど進むのかといった確かな予測が立てられません。
一定までは予測できても突然方向転換することがあるため、万全の備えが必要です。
なお、地球温暖化の影響によって台風自体が変則的になっていることも、予測を困難にしている一因となっています。
長時間の蛇行や停滞
迷走台風の特徴として、長時間の蛇行や停滞があります。
一般的な台風は、徐々に移動しながらやがて勢力が衰えて自然に消滅するのですが、迷走台風はなかなか移動せず、大雨や強風の影響が断続的に続くものが多いです。
移動の幅が少ない台風ほど同じ地域に被害を出し続けるため、かえって甚大な被害になることが珍しくありません。だからこそ、迷走台風は完全に消滅するまで油断はできません。
迷走台風への備え

迷走台風は予測が困難な分、万全の備えが必要です。
ここでは、迷走台風への備えについて詳しく解説します。
災害用の備蓄品を確認する
まずは、災害用の備蓄品を確認しましょう。
飲料水や食料品をはじめ、貴重品や救急用品、生活用品を備蓄しておくことで迷走台風のように予測不能な災害が来ても柔軟に対応できます。
迷走台風の場合は長期的な被害をもたらすことがあるため、ウェットティッシュやトイレットペーパーなどの衛生用品も備えておくと安心です。
必要に応じて、懐中電灯や軍手、長靴やヘルメット、レインウェアといった避難に必要となりそうなものも備えておくと良いでしょう。
住宅設備を守れるよう保護する
次に、住宅設備を守れるよう保護しましょう。
具体的には、庭の飛散物を固定したり、窓ガラスに飛散防止フィルムや養生テープを貼ったりするのが効果的です。住宅に備え付けの雨戸やシャッター、カーテンやブラインドを閉めるのも有効とされています。
必要に応じて、雨どいや排水溝の掃除も行っておくと良いでしょう。
雨どいや排水溝にゴミが詰まっていると雨水が流れていかず住宅設備のダメージにつながるため、定期的に掃除しておくのが望ましいです。自力で掃除できない場合は、専門業者に依頼することを推奨します。
ハザードマップや避難ルートを確認する
適宜、ハザードマップや避難ルートを確認することも欠かせません。
被災が予測される区域を記したハザードマップには、台風による洪水や土砂災害による被害が出るであろう範囲が示されているため、事前に確認しておくのが望ましいです。
あわせて、避難ルートについても地図上で確認しておくことを推奨します。
できれば、お子さんやお年寄りなどを含め、家族で実際に避難経路や避難場所を訪れ、予行演習しておくのが理想です。予行演習は避難行動の確認につながる他、防災意識にもつながります。
ペットの避難方法を確認する
ペットがいる家庭では、ペットの避難方法を確認することも忘れてはなりません。
最近では犬や猫をはじめ、インコやハムスターといった小動物と暮らしている人もいるため、どのように避難させるのか事前に考えておく必要があるでしょう。
植物も同様に、どのように対応するのか考えておきましょう。
なお、避難所によってはペットが同行できるところとできないところがあります。具体的な避難所の対応については、自治体ごとに確認しておくと安心です。
ポータブル電源を充電する

ポータブル電源をお持ちの方は、事前に充電しておきましょう。
別名ポタ電と呼ばれるポータブル電源は、事前に充電しておくことで、仮に停電が発生してもデバイスを充電したり、電気製品に給電したりできます。
家の非常用電源としても利用できるため、安定した電力供給が必要な場面に便利です。
例えば、高出力かつ大容量のポータブル電源として知られるEcoflowのEcoFlow DELTA 3 Plusがあれば、家電の約9割に対応できます。
急速充電対応でAC入力であれば約1時間で充電できるため、迷走台風のように動向が予測不能な台風にも十分対応できるでしょう。
まだお持ちでない人は、ぜひEcoflowの製品をご検討いただけると幸いです。

迷走台風のよくある質問

迷走台風については、よくある質問も把握しておくと安心です。
ここでは、迷走台風のよくある質問について詳しく解説します。
迷走台風はなぜ危険なの?
迷走台風は、動きや進路が予測できないために危険とされます。
一般的な台風はおおよその方向がある程度までであれば予測できるのですが、迷走台風はいつどこで方向転換するかがわかりません。
ジグザグに進んだり、Uターンしたりと予測不能なため、本来影響が想定されていなかった地域にも甚大な被害をもたらすことがあるのです。
ゆえに、通常の台風よりも危険な台風といえるでしょう。
迷走台風は日本でも発生する?
迷走台風は、日本でも発生することがあります。
一般的な台風と比べ、迷走台風は高気圧や偏西風の影響で方向を変えながら、同じ海域で停滞するのが特徴です。気象条件が重なることで急に複雑化し、方向を反転したり九州や本州の近海で長時間停滞したりすることもあります。
仮に長時間停滞した場合、大雨や強風の影響が長引き、被害が拡大するでしょう。
迷走台風は動きや進路が予測できない分、より一層の警戒が必要です。
迷走台風は他の台風と合体する?
迷走台風は、他の台風と合体することがあります。
これは藤原効果と呼ばれる現象の一つで、二つの台風が互いに回転しながら影響し合い、最終的に合体することをいいます。特に、迷走台風は方向が定まりにくく、周りの台風と合体しやすいです。
その結果、急激に勢力が拡大したり方向を急変させたりすることが珍しくありません。
仮に台風同士が合体した場合、より猛烈な台風になることがあるため、注意が必要です。
まとめ
迷走台風とは、見られる動きや進路、主な発生条件、注意点、備え、よくある質問を解説しました。
迷走台風は、予測不能な方向へと移動する恐れのある台風です。
状況によっては同じ場所に長時間停滞する可能性があり、より被害が拡大することもあるため、常に大雨や強風、高潮や暴風雨に警戒が必要となるでしょう。
さらには停電や土砂災害といった二次被害にも警戒しておく必要があります。
なお、停電に対してはポータブル電源などの持ち運びできる蓄電池があると良いです。ポータブル電源は万が一停電しても即座に非常用電源として切り替わるため、普段と変わらずに生活できます。
例えば、Ecoflowで販売しているEcoFlow DELTA 3 Plusがあれば、フル充電で数日~10日分の電力を賄えます。
AC入力では満充電まで約1時間と急速充電にも対応しているため、まだお持ちでない人はぜひ購入をご検討いただけると幸いです。