地震や台風などの災害に備えて、非常食の備蓄が欠かせません。非常食といえば、特別な食品をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、日常生活で普段口にしている食品の中にも、非常食になるものは存在します。
そこで本記事では、災害に備えて揃えておきたい非常食になるものを紹介します。非常食の選び方や、非常用持ち出し袋に入れるべき非常食も掲載しているので、いつ起きるか分からない災害に備えて食料を確保しておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
非常食になるものの選び方とは
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災害によって物流機能が停止した場合、食料が手に入りづらくなります。事前に十分な非常食を備蓄しておけば、災害時も健康的な生活が送れるでしょう。普段何気なく食べている食品も非常食になる可能性があります。非常食になるものの選び方は、以下のとおりです。
- 栄養バランスが整っている
- 保存期間が長い
- 普段から食べ慣れている
- 調理工程が少ない
- ゴミが出にくい
それぞれの選び方について、詳しく見ていきましょう。
栄養バランスが整っている
災害が起きている状況では、栄養バランスの整った食事が非常に重要です。エネルギー源となる炭水化物ばかり摂取していると、体調不良や病気のリスクが高まります。特に野菜不足に陥ると、便秘や口内炎などの症状に悩まされる場合があります。
災害時にはすぐに医療機関を受診できるとは限らないため、体調不良が悪化する事態にもなりかねません。栄養バランスを考慮した非常食の選び方は、以下のとおりです(※1)。
分類 | 役割 | 非常食になるもの |
主菜 | たんぱく質を多く含む | 肉の缶詰・レトルト食品 |
副菜 | ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む | 野菜の缶詰・乾物 |
主食 | エネルギー源になる | カップ麺・パックご飯 |
果物 | ビタミン・ミネラルを補う | 野菜ジュース・果物の缶詰 |
保存期間が長い
災害はいつ起きるかわからないため、保存期間が長い食品を選びましょう。保存期間の判断材料には、賞味期限と消費期限があります。それぞれの違いは、以下のとおりです。
- 賞味期限:品質が変わらずに美味しく食べられる期限
- 消費期限:安全に食べられる期限
賞味期限は、記載されている日付を過ぎたとしてもすぐに食べられなくなるわけではありません。一方の消費期限は、日付を過ぎたら食べられなくなります。非常食には、賞味期限が5年以上のものが最適です。
普段から食べ慣れている
非常食に普段から食べ慣れている食品を選ぶと、災害時のストレスが軽減されます。普段から食べ慣れない味や食感の食品は、食べづらさを感じて、不安を助長します。
「非常食は特別なもの」という考えを捨てて、普段の食卓に並んでいる食品を上手く取り入れましょう。日常的に親しんでいる食品の味は、安心感を与え、食欲を維持します。
調理工程が少ない
災害時は電気やガス、水道が停止している恐れがあるため、できるだけ調理工程の少ない食品を選びましょう。開封するだけで食べられる食品や、お湯や水を注ぐだけで調理が完了するものが役立ちます。
缶切りやハサミが使えない場合を想定し、開封のしやすい非常食選びも重要です。調理工程が少ないほど、洗い物も少なくて済みます。
ゴミが出にくい
災害時にはゴミの処理が難しくなるため、ゴミが出にくいものを非常食に選びましょう。災害が起きると、自治体が実施するゴミの収集は停止する可能性があります。
ゴミは自宅で管理せざるを得ないので、大量のゴミが出ると衛生面や保管スペースの問題が生じる恐れがあります。缶詰や真空パック食品、個包装されていない乾パンなどは、ゴミを最小限にできておすすめです。
非常食の備蓄にはローリングストックが最適
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普段食べている食品とは別に非常食も管理するのは大変という方は、ローリングストックを活用しましょう。ローリングストックとは、普段の食品を多めに買い置きしておき、消費した分から買い足していく方法です。
日常生活を送りながら、一定量の非常食が常に備蓄されているので、無理せず災害に備えられます。非常食と普段の食品を全く別で管理するよりも、収納の幅はとりません。賞味期限の古い食品から消費していけば、非常食の保存期間を意識する手間も省けます。
【災害時】非常食になるもの10選
被災した経験がなければ、非常食のイメージが湧かない方も多いでしょう。保存期間が25年もあるサバイバルフーズも存在しますが、普段食べているような食品でも問題ありません。簡単に手に入る非常食になるものは、以下のとおりです。
- 缶詰|肉・魚・豆・果物
- レトルト食品
- インスタント味噌汁・スープ
- パックご飯
- アルファ米
- カップ麺
- ドライフルーツ
- 野菜ジュース
- 乾物
- お菓子
それぞれの非常食について、詳しく見ていきましょう。
缶詰|肉・魚・豆・果物
保存期間が長い缶詰は、非常食に最適です。災害を想定した缶詰の場合は、5年の保存期間があるものもあります。野菜、果物、魚、肉、豆などさまざまな食品が缶詰として販売されており、栄養バランスを整えやすいのも魅力です。
開封するだけで食べられるため、調理する必要はありません。缶詰は密閉してから微生物や細菌を加熱殺菌しているので、食品添加物を使わずに長期保存を実現しています。
レトルト食品
ご飯やおかず、スープ、カレーなど、さまざまな種類があるレトルト食品も、災害時に活躍する非常食の一つです。近年は、温めずにそのまま食べられるタイプも販売されています。
野菜の栄養が豊富に含まれているので、災害を健康的に乗り越えるために欠かせません。有名チェーン店が販売しているレトルト食品を選べば、被災して外食ができない状況でも、お店の本格的な味が堪能できます。
インスタント味噌汁・スープ
インスタント味噌汁やスープは、お湯を注ぐだけで簡単に作れる非常食です。冬に災害が起きたとしても、温かい汁やスープが冷えた体に染みわたります。軽量でコンパクトなパッケージが多いので、収納の邪魔になりません。
ローリングストックを実践し、日常生活の延長で備蓄していくのもおすすめです。濃縮タイプやフリーズドライを選べば、長期間保存できます。
パックご飯
電子レンジや湯せんで簡単に白米が食べられるパックご飯。主食として災害を乗り越えるエネルギーを蓄えるために重要です。缶詰やレトルト食品と組み合わせれば、美味しくて栄養バランスの整った食事を揃えられます。
トレーはしっかりした作りになっているため、お皿代わりにもなります。常温での長期保存が可能なので、非常食として常に常備しておきましょう。
アルファ米
お湯や水だけで炊きたてのご飯を再現できる非常食が、アルファ米です。炊きあがった状態のご飯から水分だけが抜けています。アルファ米が作られる過程は、以下のとおりです。
- 硬くて食べられないベータ化状態の生米を炊飯する
- 柔らかくて消火しやすいアルファ化状態の炊いた米を急速乾燥する
- アルファ化状態を保ったまま、水分だけが抜けたアルファ米が完成する
アルファ米は長期で常温保存できるように乾燥されているので、微生物が繁殖できません。
カップ麺
忙しい日の食事に便利なカップ麺は、災害時の非常食にも向いています。お湯を注ぐだけで簡単に麺料理の完成です。焼きそばやラーメン、うどんなど、味のバリエーションが豊富に取り揃えられているので、避難生活が長引いても飽きる心配がありません。
小腹を満たすために大活躍するカップ麺ですが、栄養バランスを考慮すると、野菜を多く含んだ缶詰やフリーズドライと組み合わせるのがおすすめです。
ドライフルーツ
果物を乾燥させたドライフルーツには、栄養価が凝縮されています。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、非常食で不足しがちな栄養素を補える点が魅力です。
ただし、ビタミン類は乾燥する過程で消失量が多くなるので、野菜ジュースや缶詰などで補填するとよいでしょう。水分量が少ない果物の場合、半年以上保存できる商品もあります。
野菜ジュース
手軽に野菜を摂取できる非常食として、野菜ジュースは欠かせません。避難生活が長引くと、野菜不足によって体調不良に陥る場合があります。野菜ジュースであれば、食欲がなくても野菜を摂りやすく、水分補給の役割も担います。
健康のために成人が摂るべき野菜の量は、1日350gです(※2)。野菜ジュースでは、数十品目にも上る野菜を使用し、1日分の350gが凝縮されています。
※2参考:厚生労働省「健康日本21(第三次)」
乾物
乾物は食品を乾燥させて水分をなくし、長期保存を可能にした非常食です。魚介や海藻、豆、野菜など種類が豊富にあるので、栄養バランスを整えられます。
食物繊維も豊富に含んでいるので、便秘対策にも最適です。そのまま食べられる状態で密閉されているため、包丁やまな板を使ったり、湯せんしたりする必要がありません。
お菓子
普段食べているお菓子も、災害時に役立つ非常食です。お菓子に含まれる砂糖は、体内でブドウ糖に変化し、ブドウ糖がセロトニンを生成することで精神の安定にもつながります。
パッケージを開封するだけで食べられるので、電気や水道、ガスなどのライフラインが停止していても問題ありません。手軽なエネルギー補給源として常備しておきましょう。
非常食を簡単調理!ポータブル電源とは
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地震や台風などの災害による停電は、3日以上も長引く恐れがあります。ガスや電気が寸断している状況でも非常食を温めるためには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄え、電化製品に給電できる機器を指します。
災害による停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- 電子レンジや電気ケトルを使い、非常食を簡単に温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品の腐敗を防げる
- エアコンや電気ストーブなどの冷暖房機器で快適な気温を維持できる
- 家族への連絡手段になるスマホを、フル充電にしておける
- 防災ラジオを稼働し、災害情報を迅速に収集できる
- LEDランタンを点灯し、夜の暗闇を照らして安全を確保できる
ポータブル電源は、非常食を温めるだけでなく、避難生活のあらゆる場面で活躍します。ソーラーパネルと併用すれば、充電切れに悩まされる心配もありません。
災害対策に必要な性能|おすすめの製品
非常食を温めたり、冷暖房機器を稼働したりするためには、高出力のポータブル電源が必要です。例えば、電子レンジ(800W)や炊飯器(350W)、電気ストーブ(800W)を
同時に動かすには、1,950W以上のポータブル電源を用意しなければなりません。
EcoFlowは、最大2,000Wの出力を誇るポータブル電源「DELTA 3 Plus」を販売しています。「DELTA 3 Plus」の特徴は、以下のとおりです。
- コンセントから56分、ソーラーパネルから70分で満充電できる
- LFPバッテリーを採用し、10年以上も停電対策として活躍する
- 600W以下で30dbに抑えられるため、就寝中も冷暖房機器を稼働できる
- BMS管理システムを搭載し、爆発や火災からの安全を確保する
- 停電が発生すると、10ms以内に電気供給源が切り替わる
- 重量12.5kg未満の軽量コンパクト設計により、自由に持ち運べる
- エクストラバッテリーを使うと、容量を最大5kWhまで拡張できる
12時間以内に赤色警報が発令される予報を検知した場合は、製品が優先的に充電されるため、急いで充電する必要がありません。災害時に温かい非常食で快適な避難生活を送りたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
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非常食になるものに関するよくある質問
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最後に、非常食になるものに関するよくある質問を紹介します。
- 非常食は何日分備蓄しておけばよい?
- 非常用持ち出し袋に入れるべき非常食は?
- 非常食の熱源に役立つアイテムは?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
非常食は何日分備蓄しておけばよい?
非常食は、最低でも3日分、できれば1週間分を備蓄しておきましょう。自宅に広い収納スペースがない方は、ローリングストックを活用するのがおすすめです。
普段の食品を少し多めに買い置きして、消費した分だけを買い足していきます。普段の買い物の範囲で無理なく備蓄できる上に、収納スペースは最小限で済みます。
非常用持ち出し袋に入れるべき非常食は?
非常用持ち出し袋とは、避難した先で必要になる最小限のものを収納したリュックや鞄です。非常用持ち出し袋に入れるべき非常食を紹介します。
- 肉や魚の缶詰
- インスタント味噌汁
- パックご飯
- レトルト食品
- お菓子
非常用持ち出し袋にものを詰め込み過ぎると、持ち運びの負担が大きくなるので、持ち物は最小限に留めましょう。すぐに持ち出せる玄関に収納しておくのがおすすめです。
非常食の熱源に役立つアイテムは?
災害によって電気やガスが停止していると、調理家電やガス火で非常食を加熱できません。非常食の熱源には、カセットコンロや発熱剤、ポータブル電源がおすすめです。
カセットコンロにカセットボンベを装填すれば、火を使った炒め料理や焼き料理などが可能になります。発熱剤は、水をかけるだけで非常食を温められるアイテムです。電気供給源になるポータブル電源があれば、電子レンジや電気ケトルなどを使用できます。
まとめ
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本記事では、災害に備えて常備しておきたい非常食になるものを紹介してきました。
災害時は栄養が偏りやすくなるので、栄養バランスを考慮した非常食選びが重要です。野菜不足に陥ると、体調不良や病気にかかるリスクが高まります。ライフラインが停止している事態も想定して、調理工程ができるだけ少ないものを選びましょう。
非常食になるものの具体例は、缶詰やレトルト食品、インスタント味噌汁、パックご飯などです。ポータブル電源を常備しておけば、停電が発生していても、非常食を温められます。
EcoFlowでは、災害時に電子レンジや電気ケトルなど、消費電力の高い調理家電を動かせる高出力のポータブル電源を販売しています。災害による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。
→ソーラーパネルから70分で満充電できる「DELTA 3 Plus」