地震や台風、豪雨などの災害が発生した際、迅速に避難するためには、非常用持ち出し袋の備えが欠かせません。土壇場で準備すると、逃げ遅れるリスクが高まるばかりか、忘れ物をして避難所生活に支障をきたす恐れもあります。
そこで本記事では、非常用持ち出し袋の中身で本当に必要なものについて解説します。子ども・赤ちゃん・女性向けの本当に必要なものや、非常用持ち出し袋にいらないものも掲載しているので、災害への備えを万全にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
避難時の生命線「非常持ち出し袋」とは

災害で避難した際に、救援物資がなくても最低限の生活を送るために準備する袋が「非常用持ち出し袋」です。食料や水、日用品などの防災グッズをリュックに入れておきます。
避難所で支援物資が到着するまでの時間を考慮すると、3日間の生活に必要な量があると安心です。非常用持ち出し袋は、いつでも背負って逃げられるように、玄関の近くに置いておきましょう。
非常持ち出し袋で本当に必要なもの7選

非常用持ち出し袋に必要そうなものを何でも詰め込んでしまうと、迅速な避難の妨げになり、逃げ遅れるリスクが高まります。中身は、本当に必要な以下のものに厳選し、救援物資が届くまで生活できるだけの量に留めましょう。
- 飲料水
- 非常食
- 携帯トイレ
- 防災ラジオ
- 懐中電灯
- 衛生用品
- 救急セット
それぞれの中身について、詳しく見ていきましょう。
飲料水
水は、生命維持に欠かせません。人間は水を一滴も飲まないと、わずか4〜5日で息絶えると言われています。非常用持ち出し袋には、1L以上の飲料水を入れておきましょう。
衛生面や飲みやすさを考慮すると、500mlペットボトルを入れておくのがおすすめです。水にも賞味期限があるので、5〜10年の長期保存が可能な保存水が重宝します。家族の人数分あるのが理想ですが、最終的には持ち運びやすい重さに調整してください。
非常食
避難所で健康を維持するために、非常用持ち出し袋には非常食も入れておきましょう。災害時に野菜が不足すると、ビタミンや食物繊維、ミネラルを摂取できず、便秘や口内炎のリスクが高まります。エネルギー源となる炭水化物が不足すれば、病気にもなりかねません。
栄養バランスを考慮して、以下の非常食を選ぶのがおすすめです(※1)。
分類 | 非常食 |
主菜 | 肉・魚・豆の缶詰、レトルト食品、乾物 |
副菜 | 野菜の缶詰、インスタント味噌汁、即席スープ |
主食 | パックご飯、カップ麺、乾パン |
果物 | 果物の缶詰、ドライフルーツ、果物ジュース |
携帯トイレ
場所を選ばずに用を足せる携帯トイレも、本当に必要なものの一つです。2011年に発生した東日本大震災では、仮設トイレが3日以内に避難所に行きわたった自治体は、わずか3割程度でした(※2)。食事は我慢できたとしても、トイレは我慢できません。
※2参考:名古屋大学「災害時における自治体の仮設トイレの調達等に関する調査研究」
防災ラジオ
災害時の情報収集源として防災ラジオが活躍します。災害時は通信回線が混雑するため、インターネットから情報収集できるとは限りません。ネット上には誤った情報も錯綜しているので、スマートフォンは連絡手段として使用するのがおすすめです。
防災ラジオは、通信回線の影響を受けず、周波数を合わせるだけで簡単に信頼できる情報が得られます。非常用持ち出し袋には、軽量でコンパクトな防災ラジオを選びましょう。
懐中電灯
災害は、日中帯に起きるとは限りません。懐中電灯があれば、夜間に地震が起きた場合でも周囲の安全を確保しながら避難できます。停電で街灯が消えている状況でも安心です。
足元が悪い夜道を歩く場合を想定するなら、200〜300lm程度の明るさを確保しましょう。両手が塞がると足元が悪い災害時には怪我をする恐れがあるので、ヘッドライトもおすすめです。避難所での使用を想定するなら、床に置けるランタンも活躍します。
衛生用品
災害時は、断水や下水の流出、害虫の増加などが原因で衛生状態が悪化しやすくなります。さらに、避難所は人が密集しているので、感染症対策として衛生用品の準備が欠かせません。非常用持ち出し袋に入れておきたい本当に必要な衛生用品は、以下のとおりです。
- アルコール消毒液
- ウエットティッシュ
- マスク
- ドライシャンプー
- ポリ手袋
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
救急セット
災害時に怪我を負ったり、体調を崩したりした際に、応急処置を行うためには救急セットが必要です。災害が起きると、医療機関の診療をすぐに受けられるとは限りません。災害時は怪我や病気のリスクが高まるので、以下の救急セットを入れておきましょう。
- 絆創膏
- 消毒液
- はさみ
- ピンセット
- ガーゼ
- 包帯
- つめ切り
- 使い捨て手袋
- 綿棒
- 常備薬
- 市販薬(風邪薬、胃腸薬、解熱鎮痛剤)
非常持ち出し袋・自宅用で活躍「ポータブル電源」

災害時に送電設備が損傷を受けると、3日以上に及ぶ停電が発生する場合があります。停電が起きていなくても、避難所でコンセントが使えるとは限りません。
災害時に電化製品を稼働して快適な避難生活を送るには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に電気を溜め込み、停電時も電化製品に給電できる機器を指します。災害時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- 電気毛布や扇風機などを使い、避難所で体温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを使い、簡単に非常食を温められる
- 自宅で冷蔵庫に給電し、食品が傷むのを防げる
- 夜間にLEDランタンを点灯し、暗闇でも安全に避難できる
- 防災ラジオを動かし、災害情報を迅速に収集できる
- 家族との連絡手段になるスマホを、常にフル充電にしておける
ポータブル電源は自由に持ち運びできるので、在宅避難と避難所のいずれでも活躍します。ソーラーパネルがあれば、避難生活が長引いても充電切れになる心配はありません。
災害対策に必要な性能|おすすめの製品
非常用持ち出し袋の中身で本当に必要なポータブル電源は、軽量コンパクトなタイプです。大容量のポータブル電源は停電生活で重宝しますが、重量が重たくなるため、非常用持ち出し袋の中身には向いていません。
EcoFlowは、約4.7kgの軽量コンパクトなポータブル電源「RIVER 3 Plus」を販売しています。「RIVER 3 Plus」の特徴は、以下のとおりです。
- X-Boostで900Wの家電を稼働できる
- ワイヤレス接続で最大858Whに容量を拡張できる
- 本体にはライトが内蔵され、停電時も明かりを確保できる
- エクストラバッテリーを追加すると、140WのUSB-C充電ポートが増設される
- UPS機能を搭載し、停電時は10ms以内に電力を切替える
- 30dB以下の静音設計により、就寝中も使用できる
- ACコンセントから1時間で満充電できる
- 220Wのソーラー入力で、わずか1.5時間で満充電できる
- LiFePO4セルを採用し、10年以上も災害対策で活躍する
防水・耐火・耐衝撃設計なので、災害時の厳しい環境にも耐えます。避難所で電気のある快適な生活を実現したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

【条件別】非常用持ち出し袋の中身リスト

非常用持ち出し袋の中身は、家族構成によっても異なります。共通で本当に必要なものに加えて、条件に合った以下の中身も揃えておいてください。
- 子供向け非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト
- 赤ちゃん向け非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト
- 女性向け非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト
それぞれの中身リストについて、詳しく見ていきましょう。
子供向け非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト
子ども用の非常持ち出し袋で本当に必要なものリストは、以下のとおりです。
- おかし
- 本やカードゲーム
- 着替え
- ブランケット
- ホイッスル
- レインコート
子どもの力ではリュックを背負えない可能性があるので、荷物は最小限にしてください。お気に入りのおもちゃやゲームがあれば、被災したストレスを和らげる助けになります。
赤ちゃん向け非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト
赤ちゃん用の非常持ち出し袋で本当に必要なものリストは、以下のとおりです。
- 紙おむつ
- 使い捨てスプーン、皿、紙コップ
- おしりふき
- 哺乳瓶
- 粉ミルク
- 離乳食
- 除菌シート
- 着替え
- タオル
- 母子手帳のコピー
- 抱っこ紐
- 授乳ケープ
お湯がすぐに手に入らない状況を想定して、液体ミルクも用意しておきましょう。ポータブル電源があれば、ケトルや電子レンジを使って調乳や除菌が簡単に行えます。
女性向け非常持ち出し袋で本当に必要なものリスト
女性用の非常持ち出し袋で本当に必要なものリストは、以下のとおりです。
- 生理用品
- 下着や着替え
- 髪ゴム
- 手鏡
- 防犯ブザー
- 携帯用ビデ
- 使い捨てカイロ
- ブランケット
大人数と共同生活を送る避難所では、化粧品やクレンジングシートが必要と感じる方も多いでしょう。断水が発生している場合に備えて、クレンジングシートは多めに必要です。
非常用持ち出し袋にいらないもの3選

防災グッズの中には、一見必要そうに見えて、実際の災害時には役立たないものも含まれています。余計なものを非常用持ち出し袋の中に入れてしまうと、荷物は重たくなり、避難の妨げになります。非常用持ち出し袋にいらないものは、以下のとおりです。
- テント
- コンパス(方位磁石)
- 電池式のラジオ・懐中電灯
それぞれのアイテムについて、詳しく見ていきましょう。
テント
避難所に入れなかった場合を想定して、テントを用意している方もいるのではないでしょうか。しかし、テントは避難所で支給されるケースがあります。
また、避難所が埋まっているからといって、野宿を強いられるようなケースはほとんどありません。テントは重量がある上にかさばるので、逃げ遅れるリスクも高まります。
コンパス(方位磁石)
避難所の位置が分からなくなった事態に備えてコンパスを持っていても、使える機会はほとんどありません。コンパスはあくまでも、方角を知るための道具です。
避難所のある方角にやみくもに突き進んだら、かえって危険な目に遭うリスクもあります。スマホのナビ機能が使えない事態に備えて、日頃から避難経路を頭に入れておきましょう。
電池式のラジオ・懐中電灯
防災ラジオや懐中電灯は、非常用持ち出し袋の中身で本当に必要なものの一つです。しかし、電池式のラジオや懐中電灯は、電池の腐食や自然放電によって災害時に使えない可能性があります。災害時にその場で充電できる手回し式やソーラー式のタイプがおすすめです。
非常持ち出し袋で本当に必要なものに関するよくある質問

最後に、非常持ち出し袋で本当に必要なものに関するよくある質問を紹介します。
- 非常持ち出し袋で本当に必要なものの選び方は?
- 防災リュックを選ぶ際のポイントは?
- 非常持ち出し袋の最適な置き場所は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
非常持ち出し袋で本当に必要なものの選び方は?
非常用持ち出し袋で本当に必要なものを選ぶ際は、支援物資が届くまでの3日間を健康的に過ごせるかに着目しましょう。身軽な装備で迅速に避難するためには、軽量コンパクトなタイプがおすすめです。
リュックの重さは男性で15kg、女性で10kg程度を目安に考えてください。実際に背負ってみて、体力的に長時間持ち歩くのは大変だと感じる場合は、荷物を減らしましょう。
防災リュックを選ぶ際のポイントは?
非常用持ち出し袋となる防災リュックは、普段の生活で使用しているものでも問題ありません。防災リュックを選ぶ際は、以下のポイントに着目してください。
- 長時間背負っても、肩が痛くならない
- 外側にポケットが付いている
- 防水・難燃性に優れている
携帯性を重視するあまり、サイズの小さいタイプを選んでしまうと、本当に必要なものが入りきらずに両手が塞がる恐れもあります。
非常持ち出し袋の最適な置き場所は?
非常用持ち出し袋は、家族全員が把握でき、災害時に持ち出しやすい場所に置いておきましょう。出入り口付近である玄関に置いておけば、持ち出し忘れる心配はありません。
家族全員が集まって過ごすリビングに保管するのもおすすめです。災害が発生した際には、家族全員がそれぞれの防災リュックを手に取り、迅速に避難できます。
まとめ

本記事では、非常用持ち出し袋の中身で本当に必要なものについて解説してきました。
非常用持ち出し袋の中身には、飲料水や非常食、携帯トイレ、防災ラジオ、懐中電灯、衛生用品、救急セットが最低限必要です。避難所で支援物資が到着するまでの約3日間を、快適に過ごせるだけの量を用意しておきましょう。
子ども・赤ちゃん・女性は、上記以外にも本当に必要なものがあります。防災リュックは、長時間背負っても肩が痛くならないタイプを選びましょう。
EcoFlowでは、軽量コンパクトで避難所まで持ち運びやすいポータブル電源を販売しています。避難所でも最大900Wの家電を動かしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。