室内の汚れた空気と外の新鮮な空気を入れ替える換気扇。お風呂場やトイレ、キッチンなど、使用頻度の高さから電気代を心配されている方も多いのではないでしょうか。電気代を心配するあまり、換気扇の電源を切ってしまえば健康被害をもたらしかねません。
そこで今回は、換気扇をつけっぱなしにした時の電気代を場所別に紹介します。換気扇の電気代を節約する方法や換気扇の掃除方法も解説しているので、換気扇を回しながら節電効果も得たい方は、ぜひ最後までご覧ください。
換気扇をつけっぱなしにした時の電気代
扇風機の羽根に似たファンを電気で動かし、室内外の空気を入れ替える換気扇。カビや悪臭を防ぐために、1日中つけっぱなしにしている方も多いのではないでしょうか。
換気扇をつけっぱなしにした時の電気代を、設置場所別に紹介します。
- お風呂の換気扇の電気代
- トイレの換気扇の電気代
- キッチン・台所の換気扇の電気代
それぞれの電気代について、詳しく見ていきましょう。
※1kWhあたり27円、1ヵ月30日として計算しています。
お風呂の換気扇の電気代
お風呂場は湿気が溜まりやすい空間のため、最も換気扇をつけっぱなしにする頻度が高い場所です。お風呂用の換気扇をつけっぱなしにした時の電気代を紹介します(※1)。
換気扇の種類 | 消費電力 | 24時間 | 1ヵ月 | 1年 |
パイプファン | 3W | 1.9円 | 58円 | 700円 |
浴室暖房乾燥機 | 26W | 17円 | 505円 | 6,065円 |
※1参考:FY-08PDUK9、V-141BZ5
換気機能のみを備えたパイプファンよりも、暖房・乾燥などの機能も備えた浴室暖房乾燥機の方が、消費電力は高くなるのが一般的です。そのため、1年単位で見ると5,365円もの価格差が発生しています。
ただし、浴室暖房乾燥機であっても24時間換気モードを使用した場合には、換気機能(強)を使うよりも電気代を抑えられます。
トイレの換気扇の電気代
トイレは密閉された空間のため異臭がこもりやすく、用を足す度に換気扇をつけている方も多いでしょう。トイレの換気扇をつけっぱなしにした時の電気代を紹介します(※2)。
換気扇の種類 | 消費電力 | 24時間 | 1ヵ月 | 1年 |
パイプファン | 1.9W | 1.2円 | 37円 | 443円 |
ダクトファン | 2.5W | 1.6円 | 49円 | 583円 |
※2参考:FY-08PFRY9VD、VD-10ZVC7
換気扇の種類によって、電気代に大きな差はありません。24時間換気モードがついている場合には、お風呂場の換気扇と同様に電気代はわずかに下がります。
キッチン・台所の換気扇の電気代
キッチンで使用する換気扇は、フードが付いているタイプと付いていないタイプに分けられます。キッチンで使用する換気扇をつけっぱなしにした時の電気代を紹介します(※3)。
換気扇の種類 | 消費電力 | 24時間 | 1ヵ月 | 1年 |
プロペラファン | 23.5 W | 15円 | 457円 | 5,482円 |
レンジフード | 28.5W(強) | 18円 | 554円 | 6,648円 |
※3参考:FY-25PM5、FY-60DWA5-S
キッチンで使用する換気扇の電気代は、他の場所の換気扇と比較しても高額です。調理時に発生する油煙や強い臭いを迅速に外に排出する必要があるため、高い排気能力が求められます。
ただし、キッチンの換気扇は調理中のみ使っている場合が大半ですので、電気代は上記で示したよりも安く抑えられているでしょう。
換気扇を使わないと起こりえる3つのリスク
1年間に約6,000円も節約できるのであれば、換気扇の使用を極力控えてみようと思われた方も多いのではないでしょうか。しかし、換気扇を使用しなければ、以下のようなリスクが発生します。
- リスク1|臭いが家に染みつく
- リスク2|結露・カビが発生する
- リスク3|空気汚染で健康被害をもたらす
それぞれのリスクを理解し、換気扇の重要性を再認識してください。
リスク1|臭いが家に染みつく
嫌な臭いが長時間室内に充満していると、臭いが家に染みつく恐れがあります。家における臭いの発生原因は、調理やタバコ、生ごみ、排水溝など様々です。家具やカーテン、衣服などの布製品には臭いが吸着しやすく、一度染みついてしまうとなかなか取り除けません。
リスク2|結露・カビが発生する
室内の換気を行っていなければ湿度が上がり、結露やカビの発生に繋がります。湿度が高い環境は、カビの繁殖にとって理想的な条件です。カビが発生する弊害は、部屋が不衛生に見えるだけではありません。カビの胞子を吸い込むと以下のような健康被害をもたらします。
- 日和見感染症
- カンジタ症
- 過敏性肺炎
- アトピー性皮膚炎
- 気管支喘息
- アレルギー性疾患
一度カビが発生してしまうと、 市販の洗剤では落ちません。一見なくなったように見えても、すぐにカビが生えてきてしまうため、専門業者に依頼せざるを得なくなります。
リスク3|空気汚染で健康被害をもたらす
室内の汚染された空気が長時間滞留すると、健康被害をもたらす恐れがあります。換気不足が家族の健康寿命を縮めると言っても過言ではありません。室内で発生しうる汚染物質と人体への影響は、以下のとおりです。
汚染物質 | 人体への影響 |
接着剤・塗料に含まれる化学物質 | シックハウス症候群 |
ウイルス | インフルエンザ、ノロウイルス、コロナウイルスなど |
タバコの煙 | 肺がん、心筋梗塞、肺気腫 |
二酸化炭素 | 吐き気、呼吸困難、頭痛 |
換気扇の電気代を節約する方法5選
汚染した空気や臭いを外に排出してくれる換気扇は、健康的な生活を送る上で必要不可欠です。換気扇の電気代が気になる方は、換気扇の使用頻度は落とさずに節約効果も期待できる、以下のような方法を実践してくみてください。
- 古い換気扇を買い替える
- 定期的に換気扇を掃除する
- 換気扇の設置場所を密室にする
- 電気料金プランを見直す
- エアコン使用時は設定を弱める
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
古い換気扇を買い替える
換気扇を買ってから年数が経っている場合は、新しい機種に買い替えるのも一つの方法です。換気扇はいくら定期的に掃除していたとしても、経年劣化します。
モーターやファンの動きが悪くなっていると、余分な電力を消費しているかもしれません。また、最新の換気扇は省エネ技術が向上しているため、より少ない電力で同等以上の換気性能を発揮する可能性があります。
定期的に換気扇を掃除する
換気扇にホコリや油汚れが溜まった状態では、ファンの回転が鈍くなるので、十分な排気能力を発揮するために余分な電力が必要です。定期的に換気扇を掃除していれば、モーターは効率よく稼働するため、節電効果が期待できるでしょう。
また、汚れが溜まった換気扇は故障の原因にもなりかねません。換気扇の買い替えが頻繁に発生するようでは、電気代以上のコストがかかってしまいます。
換気扇の設置場所を密室にする
換気扇を使用する際には、設置している空間をできるだけ密室にしましょう。密室にすれば、換気したい場所の湿気や臭いを最小限の電力で換気できます。窓やドアを開けたままにしていると、周辺の空気も換気の対象になってしまい、より多くの電力が必要です。
電気料金プランを見直す
電力会社と契約している電気料金プランが家庭に合っているのかを、今一度見直してみるのもよいでしょう。契約しているアンペア数よりも多くの電力を使っている場合はブレーカーが落ち、少ない電力を使っている場合は無駄な電気代が発生しています。
参考として東京ガスにおけるアンペア数ごとの基本料金は、以下のとおりです(※4)。
アンペア数 | 基本料金(1ヶ月あたり) |
10A | 295.24円 |
15A | 442.86円 |
20A | 590.48円 |
30A | 885.72円 |
40A | 1,180.96円 |
50A | 1,476.20円 |
60A | 1,771.44円 |
※4参考:東京ガス「電気料金メニュー 基本プラン」
料金体系は電力会社によっても異なるので、電力会社自体を見直すのもおすすめです。
エアコン使用時は設定を弱める
換気扇とエアコンを併用する際には、換気扇の設定を弱めてください。換気扇を「強」で稼働すると、エアコンでせっかく冷やした(または温めた)空気が外に排出されてしまいます。外から入ってきた空気によっても、エアコンの効きは悪くなります。
そのため、エアコンが設定温度を保つためには、より多くの電力が必要です。換気扇の電気代は変わらなくてもエアコンの電気代が上がってしまうので、注意してください。
節電効果が高まる!換気扇の掃除方法
電気代を節約するために欠かせない換気扇の掃除。どれだけ汚れを取り除けるかが、電気代をどれだけ削減できるかに直結します。換気扇の正しい掃除方法は、以下のとおりです。
- 浴室の換気扇の掃除方法
- トイレの換気扇の掃除方法
- キッチン・台所の換気扇の掃除方法
換気扇を掃除する際には、必ず最初にブレーカーを落として電源を切ってください。誤って換気扇が稼働すると、怪我をする恐れがあるためです。
それぞれの掃除方法を習得し、実践してみましょう。
浴室の換気扇の掃除方法
カバーを外せないタイプの換気扇を例に、掃除の手順を紹介します。
- 換気扇の横にあるつまみを引っ張り、フィルターを取り出す
- フィルターに付いている汚れを掃除機で取り除く
- 換気扇のカバーを水拭き・乾拭きした後にアルコール水をスプレーする
- 乾いたフィルターを元に戻す
換気扇は電気機器なので、水がかからないように注意してください。
トイレの換気扇の掃除方法
トイレの換気扇に付いている主な汚れはホコリなので、マスクやゴーグルを着用してから作業に取り掛かりましょう。換気扇の掃除手順は、以下のとおりです。
- 換気扇のカバーを外す
- 大きなホコリは掃除機で吸い取る
- プロペラを外し、中性洗剤を付けた歯ブラシで洗浄する
- 換気扇本体の内部に付いた汚れをブラシやぞうきんで取り除く
- カバーとプロペラを元に戻す
キッチン・台所の換気扇の掃除方法
キッチンの換気扇に付いた汚れは油とホコリなので、お湯にアルカリ性洗剤を溶かした洗剤水があると便利です。換気扇の掃除手順を紹介します。
- 換気扇の下にあるコンロや壁を保護する
- 外せる部品を全て外す
- 外した部品を洗剤水に浸け置きする
- レンジフードを拭く
- 浸け置きした部品を洗い、乾燥させる
- 部品を元に戻す
換気扇の電気代をカバーするポータブル電源とは
モバイルバッテリーを超える大量の電気を蓄電できるポータブル電源があれば、換気扇以外の家電がお得に使えるようになります。ポータブル電源を使って電気代を節約する方法は、以下の2つです。
- 電気料金が安い深夜に充電した電気で日中帯を過ごす
- ソーラーパネルからポータブル電源に蓄電した電気を使う
オール電化の住宅にお住まいの場合は、エコキュートでお湯を沸かす深夜だけ電気料金が安くなるプランを契約している方も多いでしょう。電気料金が安い時間帯に電気を溜めておけば、電気料金が高くなる日中帯にコンセントから電気を給電する必要がありません。
また、ソーラーパネルからポータブル電源に溜めた電気で生活できれば、AC電源やUSB入力に対応している家電の電気代は無料です。ポータブル電源を駆使して、本格的な節電生活を実現してみてください。
節電に必要な性能|おすすめの製品
節電対策としてのポータブル電源には、1日に必要な電気を全てポータブル電源でまかなえるだけの容量が必要です。例として、1日に以下の家電を使用する場合を想定します。
- エアコン(400W):3時間
- 炊飯器(350W):1時間
- 冷蔵庫(150W):12時間
1日に必要な電気容量は、3,350Wh(400W×3時間+350W×1時間+150W×12時間)です。
EcoFlowが販売するポータブル電源「EcoFlow DELTA シリーズ」は、最大4,000Whの大容量を誇ります。製品の特長を見ていきましょう。
- 大容量のバッテリーがわずか1時間でゼロから80%まで充電できる
- 純正弦波を採用しており、電化製品が故障する心配はいらない
- 安全保護機能「BMS」搭載により、過充電や過放電、過電流を防止する
- EPS機能・パススルー充電対応により、停電時も電気の供給を継続できる
- 自宅にある99%以上のあらゆる電化製品に給電できる
- ソーラーパネルを使えば、最短3時間でフル充電できる
- 最大21,600Whまで容量を拡張できる
EcoFlowは高出力のソーラーパネルも販売しており、ポータブル電源と組み合わせれば電気代を大幅に節約できます。ポータブル電源を導入し、節電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてみてください。
→最大15台の家電を同時に使用できる「EcoFlow DELTA シリーズ」
換気扇の電気代に関するよくある質問
最後に、換気扇の電気代に関するよくある質問を紹介します。
- 一人暮らしの換気扇にかかる電気代は?
- 換気扇を24時間つけっぱなしにすると電気代は高い?
- 換気扇をつけっぱなしにするとゴキブリが入る?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
一人暮らしの換気扇にかかる電気代は?
一人暮らしの方が下記の条件で生活した場合に、換気扇にかかる電気代を計算します。
- 1kWhあたりの電気代は27円
- トイレの換気扇は消費電力1.9Wで1日1時間使用する
- お風呂の換気扇は消費電力26Wで24時間換気を使用する
- キッチンの換気扇は消費電力23.5 Wで1日2時間使用する
1日、1ヵ月、1年の単位で一人暮らしの換気扇にかかる電気代を見ていきましょう。
換気扇の設置場所 | 1日 | 1ヵ月 | 1年 |
トイレ | 0.05円 | 1.5円 | 18円 |
お風呂 | 17円 | 505円 | 6,065円 |
キッチン | 1.3円 | 38円 | 457円 |
合計 | 18.35円 | 544.5円 | 6,540円 |
換気扇を24時間つけっぱなしにすると電気代は高い?
お風呂場の換気扇を24時間つけっぱなしにしている方も多いのではないでしょうか。換気扇は消費電力が少ないため、24時間つけっぱなしにしていても電気代はそこまでかかりません。
消費電力26Wの換気扇を2時間つけた場合の電気代は1.4円、24時間4時間つけた場合は17円と、1日わずか約15.5円の差です。むしろ換気扇の稼働時間を短縮して、カビの繁殖や臭いの定着に繋がった方がデメリットは大きくなります。
換気扇をつけっぱなしにするとゴキブリが入る?
換気扇は外と直接繋がっているため、ゴキブリの侵入経路になりやすいです。しかし、換気扇をつけっぱなしにしていれば、風圧で外に追いやれるのでゴキブリが入るリスクはむしろ低くなります。ただし、ゴキブリが入る可能性を0にはできませんので、換気扇にフィルターをつけて、侵入を物理的に防ぐのがおすすめです。
まとめ
本記事では、換気扇にかかる電気代について解説してきました。
換気扇を使用する場所別に1ヵ月の電気代を計算すると、お風呂は58円〜505円、トイレは37円〜49円、キッチンは457円〜554円です。換気扇は内外の空気を入れ替えることで心身の健康も保っているため、節約のために稼働時間を短縮するのは望ましくありません。
換気扇の稼働時間を変えずに節約するには、新しい換気扇に買い替えたり定期的に掃除したりする方法がおすすめです。ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせれば、換気扇以外の家電に要する電気代も節約できます。
EcoFlowでは、99%以上のあらゆる電化製品に使用できる大容量のポータブル電源を販売しています。ポータブル電源で節電効果を得たい方は、ぜひ製品の購入を検討してみてください。
→最大21,600Whまで容量を拡張できる「EcoFlow DELTA シリーズ」