防災士は、防災に関する一定の知識・技能を習得した者に認証される資格です。災害大国である日本に住む以上、防災士のメリットを実感できる機会は数多く存在します。実際の災害時だけでなく、組織の防災活動においてもリーダーシップを発揮できることでしょう。
そこで本記事では、防災士の資格を取得するメリット・デメリットについて解説します。防災士の資格が活躍した事例や、防災士の資格を取得するまでのステップも掲載しているので、防災士の資格を取得するか判断したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
防災士の資格とは

防災士とは、防災に関する十分な意識と一定の知識・技能を習得した者に対して、日本防災士機構が認定する資格です。防災士は「自助」「共助」「協働」を原則として、社会のあらゆる場面で防災力を高める行動が期待されます。
防災士になるためには、研修や試験、救急救命講習を受けなければなりません。2025年1月末時点では、約31万人もの防災士が登録されています(※1)。
※1参考:日本防災士機構「防災士とは」
防災士の資格を取得するメリット3選

防災士の資格には、個人のみならず、社会全体としても大きなメリットがあります。防災士の資格取得で得た知識・技能は、家族や会社、地域の防災活動で重要な役割を担うでしょう。防災士の資格を取得するメリットは、以下のとおりです。
- メリット1|防災に関する実践的な知識が身につく
- メリット2|災害時にリーダーシップを発揮できる
- メリット3|地域・企業の防災活動に関われる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
メリット1|防災に関する実践的な知識が身につく
防災士の資格を取得すれば、平常時の備えや災害時の対応に関する実践的な知識が身につきます。防災士になるまでの過程で身につく主な知識は、以下のとおりです。
- 地震や津波、気象災害などの仕組み
- 災害関連情報と予報・警報
- 被害想定とハザードマップ
- 災害医療とこころのケア
- ライフラインや交通インフラの確保
- 地震や津波、風水害などへの備え
- 避難所の設置と運営協力
- 防災士に期待される活動
防災リテラシーを向上させて、自分や家族を守れる術を習得しましょう。
メリット2|災害時にリーダーシップを発揮できる
防災士は災害時にリーダーシップを発揮し、初期消火や避難誘導、避難所開設を先導できます。消防・警察などの公的機関による救助活動は、災害の規模が大きくなればなるほど、機能するまでに時間を要します。
救助活動が本格的に行われるまでの間、防災士が指揮をとって迅速かつ的確な初動対応を行えば、多くの命を救える結果につながるでしょう。
メリット3|地域・企業の防災活動に関われる
防災士は、防災・減災に関わる機関や団体、企業と密接に関わり、地域の防災活動に取り組めます。災害に強い社会を目指すべく、防災士の育成をサポートしたり、防災訓練を指揮したりと、防災士が活躍できる場面は様々です。
防災士のネットワークを活用して、防災力の向上を目指す仲間と交流すれば、さらなるスキルアップも期待できます。個人や家庭の枠を超えて、地域や企業の防災力を支える重要な役割を担えるでしょう。
防災士の資格を取得するデメリット2選

防災士になったからといって、特別な権利が与えられるわけではありません。目的を定めずに防災士を志すと、講座を受講した段階で後悔する可能性があります。防災士の資格を取得するデメリットは、以下のとおりです。
- デメリット1|就職・転職で有利にならない
- デメリット2|研修費含めて6万円前後かかる
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
デメリット1|就職・転職で有利にならない
防災士になったからといって、就職・転職活動では有利に働きません。防災士の資格はあくまでも民間資格なので、履歴書に記載しても効力は薄いでしょう。
ただし、企業に就職・転職した後では、防災士を育成するための重要な役割を任命される可能性があります。卓越した防災知識で大きな功績を納めれば、昇進も夢ではありません。
デメリット2|研修費含めて6万円前後かかる
防災士の資格を取得するには、研修費含めて6万円前後かかるため、安易に防災士を志すと後悔する可能性があります。防災士の資格取得にかかる費用の内訳は、以下のとおりです。
- 研修講座受講料:約56,000円
- 資格取得試験受験料:3,000円
- 資格認証登録料:5,000円
ただし、自治体の助成制度を利用すれば、受講料や交通費などを補助してもらえます。
防災士の資格が活躍した事例3選

防災士の資格が役立つのは、災害時だけではありません。地域や企業、個人において、防災士の資格が活躍した主な事例は、以下のとおりです。
- 【地域】非常持出品セットの販売を開始した
- 【企業】防災士が防災活動を牽引している
- 【個人】復興に向けて支援活動拠点を設立した
それぞれの事例について、詳しく見ていきましょう。
【地域】非常持出品セットの販売を開始した
長野県辰野町では、辰野町防災士連絡協議会と町の危機管理係が協議を重ねて中身を決定し、災害発生時の備蓄品「非常持出品セット」を販売しました(※2)。
辰野町防災士連絡協議会とは、約40名の防災士で構成される地域密着型の団体です。辰野町防災士連絡協議会の監修が追い風となり、完売の見通しがたっています。
※2参考:日本防災士機構「有賀 元栄(長野県防災士) 辰野町防災士連絡協議会長」
【企業】防災士が防災活動を牽引している
食料品・衣料品・日用雑貨品等を販売する株式会社フジでは、各店の店長及び本部マネジャーが防災士の資格を取得し、防災活動を牽引しています(※3)。
市から消防団協力事業所としての認証や、NPO法人日本防災士機構から防災協力事業
所の認証を受けており、地域防災のリーダー役を担う企業です。
※3参考:内閣官房「地域の防災力を高め、災害時のリーダー役となる」
【個人】復興に向けて支援活動拠点を設立した
防災士である天野 時生氏は、2017年に福岡県朝倉地域で起きた九州北部豪雨による被災体験を機に、朝倉市甘木に支援活動拠点を設立しました(※4)。
「防災士 朝倉災害支援ボランティア活動センター」の近くにはコンビニやレストランが充実し、自動車の駐車スペースも広々と備えています。
防災士の資格を取得するまでのステップ

防災士の資格を取得するには、自宅学習や会場研修、資格取得試験を行わなければなりません。自宅学習を開始してから防災士の認証登録が完了するまでには、3か月ほどを要します。防災士の資格を取得するまでのステップは、以下のとおりです。
- ステップ1|防災士養成研修講座を受講する
- ステップ2|防災士資格取得試験に合格する
- ステップ3|救急救命講習を受ける
- ステップ4|防災士認証登録申請を行う
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
ステップ1|防災士養成研修講座を受講する
まずは、日本防災士機構が認証した研修機関で防災士養成研修講座を受講します。講座はガイドラインに沿ったカリキュラムで構成され、会場研修の形式で行われるのが特徴です。
会場研修の3〜4週間前には教材が自宅に届くので、自宅学習を行い、研修初日に課題を提出しましょう。会場研修で履修しなかった項目は、レポートを提出しなければなりません。
ステップ2|防災士資格取得試験に合格する
会場研修2日目の最後には、防災士資格取得試験が以下の概要で実施されます。次のステップに進むためには、研修履修証明の取得と併せて試験の合格が必須です。
試験範囲 | 該当年度の防災士教本 |
出題数 | 30問 |
出題形式 | 三択形式 |
試験時間 | 50分 |
合格点 | 80%以上 |
ステップ3|救急救命講習を受ける
防災士研修カリキュラムでは、消防署等が実施する「救急救命講習」の受講が義務付けられています。救急救命講習は、普通救命講習Ⅰと同等の内容であり、心肺蘇生法とAEDが範囲に含まれていなければなりません。
また、防災士の認証登録申請時点で、5年以内に発行された受講修了証であり、発行者が定めた有効期限内である必要があります。救急救命講習として認められる講習の一覧は、こちらを参考にしてください。
ステップ4|防災士認証登録申請を行う
防災士養成研修講座・救急救命講習を履修し、防災士資格取得試験に合格した方は、日本防災士機構への防災士認証登録申請が可能です。
登録申請書を日本防災士機構へ郵送したら、防災士台帳に氏名が登録されます。防災士認証状と防災士証が届けば、あなたも晴れて防災士の仲間入りです。
防災士が推奨する防災グッズ「ポータブル電源」とは
防災士の資格を取得するメリットとして、平常時の備えと災害時の対応について深く学べる点が挙げられます。平常時の備えを万全にする上で、ポータブル電源は欠かせません。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに電気を溜め込み、停電時に電化製品へ給電できる機器を指します。停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を使い、快適な室温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを使い、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電し、食品が傷むのを防げる
- 夜間にLEDランタンを点灯し、暗闇でも安全を確保できる
- 防災ラジオを動かし、災害情報を迅速に収集できる
- 家族との連絡手段になるスマホを、常にフル充電にしておける
ポータブル電源があれば、停電中も電気のある快適な生活を維持できます。ポータブル電源は持ち運びできるので、在宅避難だけでなく、避難所生活や車中泊避難でも大活躍します。ソーラーパネルを使えば、停電中にポータブル電源が充電切れになる心配はありません。
防災対策に必要な性能|おすすめの製品
防災・減災のために揃えるポータブル電源は、軽量コンパクトなタイプを選びましょう。災害による停電生活は、3日以上に及ぶ場合があります。
重量のあるポータブル電源を選んでしまうと、家の中での持ち運びが大変です。また、重たいポータブル電源を携えて避難しようとすると、逃げ遅れるリスクが高まり、かえって危険な目に遭いかねません。
EcoFlowは、約4.7kgのコンパクトで軽量なポータブル電源「RIVER 3 Plus」を販売しています。「RIVER 3 Plus」の特徴は、以下のとおりです。
- X-Boostで900Wの家電を稼働できる
- ワイヤレス接続で最大858Whに容量を拡張できる
- 本体にはライトが内蔵され、停電時も明かりを確保できる
- エクストラバッテリーを追加すると、140WのUSB-C充電ポートが増設される
- UPS機能を搭載し、停電時は10ms以内に電力を切替える
- 30dB以下の静音設計により、就寝中も使用できる
- ACコンセントから1時間で満充電できる
- 220Wのソーラー入力で、停電中も1.5時間で満充電できる
- LiFePO4セルを採用し、10年以上も災害対策で活躍する
AC出力ポート2口は背面にあり、ケーブルを隠せる設計になっているので、普段から接続していたとしてもインテリアを邪魔しません。防水・耐火・耐衝撃設計なので、屋外に避難する際にも大活躍します。
家庭の停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

防災士の資格を取るメリットに関するよくある質問

最後に、防災士の資格を取るメリットに関するよくある質問を紹介します。
- 日本で防災士の資格が必要な理由とは?
- 家族を守るために防災士の資格を取るメリットは?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
日本で防災士の資格が必要な理由とは?
日本は、毎年のように地震や豪雨、台風、土砂災害などが発生する災害大国です。防災士の資格を通して、災害から自分や家族の命を守るための実践的な知識を身につけられます。
防災士の資格を取得すれば、防災グッズの備蓄や避難訓練への参加などによって、平常時の備えを万全にできるでしょう。災害時には、家族や地域の人達を先導できます。
家族を守るために防災士の資格を取るメリットは?
防災士の資格を取得するメリットとして、防災・減災に関する知識・技能が体系的に学べる点が挙げられます。防災士の資格取得で学べる主な内容は、以下のとおりです。
- 災害発生のしくみ
- 災害情報の活用と発信
- 被害想定・ハザードマップ
- 災害医療とこころのケア
- ライフライン・交通インフラの確保
- 行政の災害救助・応急対策
- 地震・津波への備え
応急処置のやり方も救急救命講習を通して、実際に体を動かして学べます。
まとめ

本記事では、防災士の資格を取得するメリット・デメリットについて解説してきました。
防災士の資格を取得するメリットとして、防災に関する実践的な知識が身につく点が挙げられます。自然災害の仕組みや備え、ライフラインの確保、心のケアなど、平常時の備えから災害時の対応に至るまで、幅広い知識が身につくことでしょう。
防災士は個人や家族の枠に留まらず、地域・企業の防災リーダーとして重要な存在です。防災士の育成を先導したり、避難訓練を実施したりと幅広いステージで活躍します。
EcoFlowでは、災害時に90%の家電を稼働できるようになるポータブル電源を販売しています。防災士として、災害による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。