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防災関連の資格について詳しく解説!取得するメリットや向いている人の特徴

防災関連の資格には、国家資格・民間資格ともにさまざまな種類があります。種類が豊富にあるため、「どの資格を取るべきか迷ってしまう」という方もいるはずです。

防災関連の主な資格として、救急救命士・防災管理者・防火管理者・防災士・防災危機管理者の5種類が挙げられます。資格の種類によって特徴や取得方法、メリットが異なるため、自身の状況や目的を踏まえて選定する必要があります。

本記事では、防災に関する資格の種類、資格を取得するメリット、資格取得に向いている人の特徴を解説します。防災関連の資格取得を目指している方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

防災関連の資格は多数存在する

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防災関連の資格と言っても種類はさまざまで、国家資格だけでなく民間資格も存在します。資格によって特徴は異なりますが、防災関連の資格を取得することで、災害発生時や防災対策に必要な知識が得られます。

資格を取得する際に注意すべきポイントは、「知識を得て何がしたいのか」「どんな立場になりたいのか」の2点です。この2つに応じて、以下のように取るべき資格が異なります。

何がしたいか取るべき資格の例
自身や周囲の安全確保がしたい場合「防災士」の資格を取得して避難時の行動や理念を知る
防災に関わる仕事に就きたい場合「救急救命士」などの専門資格を取得して知識を深める
職場の減災に役立てたい場合「防災危機管理者」の資格を取得して災害発生時のリーダーとなる

近年では一般企業が災害対策として、防災担当者に資格取得を促すケースも多くなっています。自身の目的に沿った防災資格を取得することが大切です。

防災関連の国家資格・民間資格

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防災関連の資格は大きく、国家資格と民間資格の2つに分けられます。本項では、その代表的な資格として、国家資格・民間資格を合わせて5つ紹介します。

  1. 救急救命士
  2. 防災管理者
  3. 防火管理者
  4. 防災士
  5. 防災危機管理者

各資格の特徴を1つずつ見ていきましょう。

資格1.救急救命士

救急救命士は、急病人や怪我人が病院に到着するまでの救護を担います。防災に関わる医療国家資格であり、医療機関に搬送するまでの間、傷病者を観察して必要な処置を施します。救急救命士になる主な方法は以下の2つです。

  • 消防官として採用されてから国家試験を受験する方法
  • 養成課程のある大学や専門学校で所定の課程を修了して国家試験を受験する方法

消防官として採用されてから受験する方法では、消防官として5年以上または2,000時間以上の救急業務を経験し、養成所で6ヶ月以上の講習を受けることで、救急救命士の国家資格を受けられます。

救急救命士の資格を保有している場合、災害発生時に救助隊員として災害の救急救助に関与できます。救命業務を行いたい方に適している資格です。

資格2.防災管理者

防災管理者とは、大規模・高層の建築物などにおいて、災害時の被害を軽減するために防災計画を立てたり、計画的な管理を行ったりする責任者のことです。特に大規模な建物の企業や、学校の責任者に求められる国家資格です。

具体的には、消防計画の作成、防災管理業務、地震や兵器関連及び、放射能に対する災害対策を行います。防災管理者の資格を取得するには、原則として「防災管理講習」を受講する必要があります。

防災管理講習(甲種防火管理と併せて行う講習を含む)には、以下の3種類があります。

講習の種類内容
防災管理新規講習防災管理に係る講習修了資格を追加して取得するための講習
防火・防災管理新規講習甲種防火管理新規講習の修了資格と防災管理新規講習の修了資格を同時に取得するための講習
防火・防災管理再講習甲種防火管理再講習と防災管理再講習の内容を併せて実施する講習
引用:防災管理講習|日本防火・防災協会

企業の規模が一定の基準以上の場合、防災管理者を選任する必要があります。選任や解任をする際は、所轄消防機関への届け出が必要になります。

資格3.防火管理者

防火管理者とは、学校や病院、工場、百貨店など、多くの人が利用する建物において、火災予防のために必要な業務を推進する責任者のことです。建築物の安全管理や、火災予防対策を行う場合に必要となる国家資格です。

適切な消火設備の選定や維持により、火災の発生を未然に防ぐことや、発生した場合の被害を最小限に抑えるための活動を行います。防火管理者の資格取得には、原則として「防火管理講習」の受講が必要です。防火管理講習の種類は以下の3つです。

講習の種類内容
甲種防火管理新規講習甲種防火管理者として選任されることができる資格を取得するための講習
乙種防火管理講習乙種防火管理者として選任されることができる資格を取得するための講習
甲種防火管理再講習一定の防火対象物において、甲種防火管理者として選任されている方が受ける講習
引用:防火管理講習|日本防火・防災協会

講習の種類によって、講習時間や講習内容がそれぞれ異なります。受講料も違うため、詳しくは日本防火・防災協会の公式サイトをご確認ください。

資格4.防災士

防災士とは、災害への備えや対応を学ぶ専門の資格を取得し、防災活動を支えるための知識と技術を習得した人のことを指します。防災士の資格を取得する過程では、以下のような知識を得られます。

  • 地震や津波のメカニズム
  • 災害発生時に行うべきこと・推奨される避難方法
  • 災害対策についての行政の取り組み内容
  • 備蓄や住宅の耐震化の知識
  • ハザードマップの使い方

資格を取得するには、最低でも2日以上の講習を受講して「研修履修証明」を取得し、その上で「防災士資格取得試験」に合格する必要があります。さらに「救急救命講習」を受けて修了証を取得した後、申請を行うことで資格の取得が完了します。

もしくは「特例制度」を利用するといった方法もありますが、いずれも資格取得までのハードルは比較的高いと言えるでしょう。年齢や職業を問わず取得でき、家族や地域の減災に貢献できる点が特長です。

資格5.防災危機管理者

防災危機管理者とは、「自助・互助・協働」の原則を大切にし、災害発生時の人命救助や避難誘導、さらには災害後の復興活動でリーダーとして活躍する人のことです。防災関連の民間資格の1つで、資格を取得するには以下4つの手順を踏む必要があります。

手順内容
1.添削問題(通信研修:在宅学習)インターネット講義と参考テキストで学習し、添削問題に解答して郵送する
2.e-カレッジ研修総務省消防庁ホームページ「防災・危機管理 eカレッジ」で「e-カレッジ研修」を受講する
3.普通救命講習各消防署や日本赤十字社で行われる「救急法講習」のいずれかを受講する
4.認証法人に申請一般社団法人教育システム支援機構に、「防災危機管理者講座履修証明書」と「普通救命講習の受講書」の取得申請をする
参考:防災危機管理者の資格取得の流れ|日本防災管理協会

資格取得までの手順は少々複雑ですが、資格を取得したあとは災害発生時だけでなく、災害後の復旧ボランティアとしても中心的に活動できます。企業をはじめ、自治体や病院などでも需要がある資格です。

防災関連の資格を取得するメリット

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防災関連の資格を取得すれば、複数のメリットが得られます。具体的なメリットとして、以下3つの項目に分けて解説します。

  1. 防災に関わる専門的な知識が身につく
  2. 防災関連の仕事を行える
  3. 防災意識を高める啓蒙活動ができる

各メリットを1つずつ解説していきます。

メリット1.防災に関わる専門的な知識が身につく

1つ目のメリットとして、防災に関わる専門的な知識が身につくことが挙げられます。防災関連の資格には、防災・減災の専門的な知識を活かす人材を育てることが目的に含まれており、資格取得の過程でその知識を勉強できます。

例えば、防災士の資格を取得する場合、災害発生のメカニズムから発生時の行動、災害への対策までを教材から学ぶことが可能です。それらの専門的な知識が身につけば、実際に災害が起こったときに正しい状況判断が可能となり、それが自身と周りの安全確保に役立ちます。

メリット2.防災関連の仕事を行える

防災関連の資格を取得することで、その資格に関連する仕事に就くことができます。資格取得の過程で正しい知識が身につき、専門の資格を保有しているため職場の選択肢が広がります。

【防災関連の具体的な職場】

  • 自治体の防災部門
  • 防災関連のNPO
  • 民間の防災企業

建築や土木の分野でも、防災の知識を活かしたプロジェクトがあるため、専門性を活かして活躍できる可能性があります。また、災害時のプランニングや訓練の策定など、専門的な業務を任せてもらえるケースが増えます。

メリット3.防災意識を高める啓蒙活動ができる

3つ目のメリットは、防災意識を高める啓蒙活動ができることです。資格を持っていることで正確な知識と技術があることを証明でき、防災担当・災害担当として求められるケースが増えます。

具体的には、学校や企業、地域の防災イベントで講師を担当したり、防災・災害に関するセミナーの指導役を担当したりできます。

企業内で防災担当になった場合でも、一般社員に防災情報を発信する際、資格を持っていることで信用につながります。啓蒙活動を通して自身の知識を深められるだけでなく、多くの人々の命を救うための活動に貢献できます。

防災関連の資格取得に向いている人の特徴

防災 資格2

防災関連の資格取得には、向いている人とそうでない人がいます。本項では、資格取得に向いている人の特徴として、以下3つのポイントを解説します。

  1. 家族の安全を守りたい人
  2. 災害時に活躍する仕事に就職したい人
  3. 企業や組織で啓蒙活動を行う人

防災関連の資格取得を考えている方は、以下の詳細を事前にご確認ください。

特徴1.家族の安全を守りたい人

災害時に家族の安全を守りたい人は、防災関連の資格取得に向いています。なぜなら、災害に関する正しい知識を持っておけば、家族の安全確保を行いやすくなるからです。資格の知識を活用すれば、以下のようなことが行えます。

  • 災害発生時の防災計画を立て、より良い避難方法を策定できる
  • 家族内で防災訓練を実施し、いざというときに備えられる
  • 防災備品を管理し、避難先でも快適に過ごす方法を提案できる

特に災害時は混乱状態となることが予想されます。しかし、災害に対する知識と技術を有しておけば、混乱状態を避け、安全な状況へと導くことができるでしょう。

特徴2.災害時に活躍する仕事に就職したい人

災害時に活躍する仕事に就職したい人にも向いています。災害関連の資格があれば、知識と技能を持っていることを証明しやすくなります。

災害発生時、現地で活躍するためには知識や技能、経験、体力などが必要です。仕事として活躍したいなら、これらの証明しやすい国家資格を取得しておくべきです。救急救命士などの資格を持っておけば、災害関連の仕事の就職に大きく貢献します。

特徴3.企業や組織で啓蒙活動を行う人

3つ目の特徴として、企業や組織で啓蒙活動を行う人が挙げられます。資格を取得することで、発言に対する情報の信頼性を高められます。

【資格が役立つ主なシーン】

  • 従業員や組織のメンバー向けに防災講習を行うとき
  • 企業のCSR活動の一環として、地域住民向けに防災啓発イベントを主催するとき
  • 新入社員や新メンバーのオリエンテーションで、防災に関する基本を教育するとき

資格を持つことで、啓蒙活動の内容がより専門的に、かつ実践的になります。受講者や参加者からの信頼度が向上し、効果的な啓発が可能となるでしょう。

まとめ

本記事では、防災に関する資格の種類、資格を取得するメリット、資格取得に向いている人の特徴を解説しました。

防災関連の資格には、国家資格・民間資格ともにさまざまな種類があります。具体的には、救急救命士・防災管理者・防火管理者・防災士・防災危機管理者などの資格が挙げられます。

防災関連の資格を選定する際は、「知識を得て何がしたいのか」「どんな立場になりたいのか」を考えることが大切です。本記事を参考にして、自身の状況に適した資格の取得を目指してみてください。

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