ワット数の違うソーラーパネルの並列接続は可能です。
しかし、異なるワット数のパネルを接続しても大丈夫なのか、メリットやデメリットはどういったものがあるか知りたい方は多いでしょう。
この記事では、ワット数の違うソーラーパネルの並列接続は可能かどうか、メリットやデメリット、推奨される環境や注意点をわかりやすく解説します。
ワット数の違うソーラーパネルの並列接続を検討している方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
ワット数の違うソーラーパネルの並列接続は可能
ワット数の違うソーラーパネルの並列接続は可能です。
ただし、なかでも重要なのが逆流防止ダイオードの設置です。ワット数の高いパネルから低いパネルへの電流の逆流を防ぐためには欠かせません。
例えば、20Wと50Wのパネルを並列接続する場合を考えてみましょう。50Wパネルに日が当たり20Wパネルが日陰になると、50Wパネルの出力電流が20Wパネルに流れる可能性があります。この問題を防ぐためには、5A程度のダイオードを両方のパネル出力に設置する必要があります。
適切な対策を講じれば、ワット数の違うパネルでも安全に並列接続できます。
また、パネルの電圧が近い値を示していることも重要です。電圧差が大きいと、効率が低下したり、パネルに悪影響を与えたりする可能性があります。
ワット数の違うソーラーパネルを並列接続するときは、適切に設計・施工するよう注意してください。
ソーラーパネルを並列接続するメリット
ここでは、ソーラーパネルを並列接続するメリットを解説します。
安定性が高い
並列接続したソーラーパネルシステムは安定性の高さがメリットです。
一部のパネルが破損しても、システム全体の発電は停止しません。例えば、5枚のパネルを並列接続している場合、1枚が故障しても残りの4枚は正常に機能し続けます。
また、部分的な影や汚れの影響も最小限に抑えられます。一部のパネルが日陰になっても、日当たりの良い他のパネルが発電を継続します。
つまり、並列接続は安定した電力供給が可能となる接続方法です。
さらに季節や時間帯による日照条件の変化にも柔軟に対応できます。朝夕の時間帯に一部のパネルが建物の影に入っても、他のパネルが十分な発電を行います。
ソーラーパネルを並列接続して得られる安定性は、長期的な運用において大きなメリットになるでしょう。
ソーラーパネルの追加設置が簡単
ソーラーパネルを並列接続するメリットは、システムの拡張が容易なことです。新しいパネルを追加する場合でも、既存のシステムを大きく変更する必要がありません。
例えば、初期に3枚のパネルで始めたシステムに、あとから2枚を追加するといった柔軟な対応が可能です。したがって、徐々に発電量を増やしたい場合や、予算に応じて段階的にシステムを拡大したい場合に効果的といえるでしょう。
また、パネルの交換も簡単に行えるため、長期的な維持管理の面でもメリットがあります。さらに異なるワット数や型式のパネルを追加できるため、技術の進歩に合わせてシステムを最新の状態に保てます。
この拡張性は将来的な電力需要の増加や、新技術の導入にも柔軟に対応できます。
ソーラーパネルを並列接続するデメリット
ここでは、ソーラーパネルを並列接続するデメリットを解説します。
配線が難しく業者への依頼が必要になるケースもある
ソーラーパネルを並列接続するデメリットは配線の複雑さです。直列接続と比べると、各パネルから集電箱までの配線が必要となるため、全体的な配線量が増加します。とくに大規模なシステムでは顕著になります。
例えば、10枚のパネルを並列接続する場合、各パネルから集電箱までの独立した配線が必要です。結果、配線経路の設計や施工が難しくなります。適切な接続を確保し、発電効率を最大化するためには専門業者への依頼が必須となるでしょう。
また、配線の複雑さはシステムの故障診断や修理を困難にする可能性もあります。問題が発生した場合、どのパネルや配線に問題があるかを特定するのに時間がかかる場合があります。さらに複雑な配線は電気的なノイズや干渉のリスクも増加させる可能性があるでしょう。
ソーラーパネルの並列接続はさまざまな要因から考えて、専門知識を持った業者による設計と施工が必要です。
コストが高い
ソーラーパネルを並列接続するデメリットは、システム全体のコストが増加することです。並列接続では電流が増加するため、より太い電線が必要となります。
例えば、3枚のパネルを並列接続する場合、各パネルの最大電流の合計に耐えられる太さの電線が求められます。また、逆流防止ダイオードなどの追加部品も必要です。これらの要素により、材料費の上昇は避けられません。
さらに配線の複雑さから施工時間も延びるため、工賃も増加する傾向にあります。結果、直列接続と比較して全体的なシステム構築コストが高くなります。
加えて、メンテナンスコストも考慮しなければなりません。複雑なシステムは定期的な点検や修理の頻度が高くなる可能性があり、長期的な運用コストにも影響します。将来的なシステム拡張時にも、追加のコストがかかる可能性があるため注意が必要です。
高い電圧を生成できない
ソーラーパネルを並列接続するデメリットは、高電圧の生成が難しい点です。並列接続では各パネルの電圧が同じになるため、システム全体の電圧はパネル1枚分の電圧と等しくなります。
例えば、18Vのパネルを5枚並列接続しても、出力電圧は18Vのままです。したがって、高電圧を要する大型電気機器の使用には適していません。
200V以上の電圧を必要とする大型エアコンや産業用機器などを使用する場合では、並列接続のみだと対応が難しくなります。そのため、用途によっては追加のDC-DCコンバータやインバータが必要になるでしょう。
また、低電圧システムでは同じ電力を送る場合に高電流が必要です。配線の損失が増加するリスクをはじめ、全体的な効率が低下する可能性があります。とくに長距離の配線が必要な大規模システムでは問題が顕著になるでしょう。
ソーラーパネルの並列接続が推奨される環境
ここでは、ソーラーパネルの並列接続が推奨される環境を解説します。
一部のソーラーパネルが破損しても発電を停止させたくない場合
並列接続はシステムの信頼性と継続的な発電を重視する環境に最適です。
例えば、通信基地局や緊急用電源システムなど重要な機器や設備に電力を供給するケースです。一部のパネルの故障が全体のシステムダウンにつながるリスクを避けたい場合に効果的といえます。
重要な機器や設備のある施設では、24時間365日の安定した電力供給が求められるため、並列接続によるリスク分散は有効です。メンテナンス時にも一部のパネルを停止させながら、残りのパネルで発電を継続できるメリットがあります。
また、自然災害のリスクが高い地域では、一部のパネルが受ける影響を軽減させる対策が必要です。とくに台風や地震の多い地域では、並列接続によって災害時の電力供給の信頼性を高められるでしょう。
日向と日陰の両方がある環境に設置している場合
設置環境に日向と日陰が混在する場合は並列接続が最適です。
例えば、建物の屋上や庭に設置する際、周囲の構造物や樹木の影響で一部のパネルが日陰になりやすい状況が考えられます。
並列接続を用いれば、日陰になったパネルの出力が低下しても、日向にあるパネルは通常通り発電を続けられます。
並列接続は一日を通じて安定した発電量を確保できるのが特徴です。さらに季節による太陽の角度の変化や、周囲の植生の成長による影の変化にも柔軟に対応できます。
たとえ夏と冬で日影の位置が変わっても、システム全体としての発電効率を維持できるほか、曇りや雨の影響を部分的に受ける地域でも天候の変化に対する耐性を高められます。
ワット数の違うソーラーパネルを並列接続する際の注意点
ここでは、ワット数の違うソーラーパネルを接続する際の注意点を解説します。
電圧の違うソーラーパネルは並列接続できない
ワット数の異なるソーラーパネルの並列接続は可能ですが、電圧が大きく異なるパネル同士の接続は避けるべきです。
例えば、18Vと24Vのパネルを並列接続すると、電圧の低い方に合わせられてしまい、高電圧パネルの性能を十分に活用できません。さらに電圧差が大きいとパネル間で電流が流れ、発熱や効率低下の原因になります。
さまざまなリスクを回避するためにも、並列接続するパネルの電圧は同等か、少なくとも近い値で設定しましょう。電圧が大きく異なる場合は直列接続や別系統での運用を検討する必要があります。
メーカーが販売するソーラーパネル並列接続用ケーブルを使用する
並列接続の安全性と効率を確保するためには、メーカーが提供する専用の並列接続ケーブルを使用しましょう。
例えば、EcoFlow製品では、ソーラーパネル並列接続用ケーブルが提供されています。専用ケーブルは適切な電流容量と絶縁性能を持ち、パネル間の接続を最適化します。
使用すると、110Wから400Wまでの異なるワット数のパネルを安全に接続可能です。
専用ケーブルを使用すれば、配線ミスや不適切な接続によるリスクを最小限に抑えられるほか、システム全体の信頼性と効率を向上できます。
ソーラーパネルを並列接続するならEcoFlowソーラーパネルシリーズがおすすめ
ソーラーパネルを並列接続するならEcoFlow ソーラーパネルシリーズがおすすめです。ここでは、製品の具体的な特徴について詳しく解説します。
ニーズに合わせて選べる4種のワット数
EcoFlowソーラーパネルシリーズは、多様なニーズに対応する4種類のワット数を提供しています。110W、160W、220W、400Wの選択肢があり、使用環境や必要電力量に応じて最適なパネルを選べます。
| 110Wソーラーパネル | 160W片面ソーラーパネルGen2 | 220W片面ソーラーパネルGen2 | 400Wソーラーパネル | |
| サイズ | 42.0×178.5×2.5 cm（展開時） | 600×1610×25 mm（展開時）600×572×32 mm（折りたたみ時） | 600 x 2123 x 25mm（展開時）600 x 571 x 32mm（折りたたみ時） | 約236.5×105.8×2.5 cm |
| 重量 | 6kg（チャージャー部分4kg） | 5.6 kg | 7.2kg | 約19kg |
| 定格出力 | 110W(+/-5W) | 160W (±5W) | 220W (±5W) | 400W(+/-10W) |
| 変換効率 | 22.8% | 25.00% | 25.00% | 22.60% |
| 開路電圧 | 21.8V (Vmp 18.4V) | 21.3V (Vmp 18.6V) | 21.5V (Vmp 18.4V) | 48V (Vmp 41V) |
| 短絡電流 | 6.5A(Imp 6.0A) | 9.1A (Imp 8.6A) | 12.4A (Imp 11.9A) | 11A (Imp 9.8A) |
このようにEcoFlowソーラーパネルシリーズはバリエーションが豊富です。キャンプ用の小型システムから大規模な住宅用設備まで、幅広い用途に対応できます。
折りたたみ可能で利便性が高い
EcoFlowソーラーパネルの特徴は折りたたみができることです。使用しないときはコンパクトに折りたためるため、保管や運搬時の利便性が大幅に向上します。
例えば、110Wパネルは展開時のサイズが42.0×178.5×2.5cmですが、折りたたむとコンパクトになり、車のトランクや収納スペースに簡単に収まります。
400Wパネルは約236.5×105.8×2.5cmと大型ですが、折りたたむことで移動や設置が容易になります。
折りたたみができる利便性は、キャンプやアウトドアイベント、災害時の非常用電源としての使用など、さまざまな状況で役立つはずです。
防水性と耐久性に優れた本体はアウトドアにも最適
EcoFlowソーラーパネルシリーズは高い防水性と耐久性を備えており、屋外での使用に最適です。IP68規格の防水性能を持つため、雨や湿気の多い環境でも安心して使用できます。
例えば、突然の雨でもパネルを急いで片付ける必要がありません。また、耐久性の高い素材を使用しているため、砂や埃の多い環境での使用にも耐えられます。
防水性と耐久性を兼ね備えている点は、ビーチキャンプや山岳地帯でのトレッキングなど、過酷な条件下での使用におすすめです。温度変化や紫外線にも強いため、長期間の屋外設置でも性能を維持できるでしょう。
MC4コネクタ採用で互換性が高い
EcoFlowソーラーパネルシリーズは業界標準のMC4コネクタを採用しているため、高い互換性を誇ります。EcoFlow製品以外のソーラーチャージャーやバッテリーシステムでも簡単に接続できます。
例えば、既存の太陽光発電システムにEcoFlowパネルを追加する場合、特別なアダプターなしで接続可能です。将来的にシステムをアップグレードする際も、他社製品との組み合わせが容易になります。
互換性の高さはシステムの柔軟性を高め、長期的な投資価値を向上させます。さらに交換部品の入手も容易になるため、メンテナンス性も向上するでしょう。
まとめ
ワット数の違うソーラーパネルの並列接続は可能かどうか、メリットやデメリット、推奨される環境や注意点について解説しました。
ワット数の違うソーラーパネルの並列接続は可能です。用途とマッチすれば、システムの安定性と拡張性を高められます。
並列接続を行なう際はメリットとデメリットを理解し、自身の環境やニーズに合わせて製品を選択してください。なかでもEcoFlowソーラーパネルシリーズは、多様なワット数のバリエーション、高い利便性、耐久性、互換性を提供し、並列接続にも適したソーラーパネルです。