キャンプを楽しむ方法として、軽自動車を活用する人が増えています。
しかし、普通車と比べて狭くないのか、荷物は十分に積めるのか、といった問題が気になる方もいるでしょう。
多くの人は、キャンプとなると広い車内スペースと大きな積載量が必要だと考えがちです。しかし、軽自動車でのキャンプには、意外にも多くのメリットがあります。
コンパクトな車体を活かした機動力や維持費の安さなど、軽自動車ならではのメリットを活かせば、新しいキャンプの楽しみ方を実現できます。
この記事では、軽自動車キャンプのメリット・デメリット、車種選びのポイント、キャンプに最適な軽自動車5選をわかりやすく解説します。
軽自動車キャンプのメリットとデメリットについて知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
軽自動車キャンプのメリット
ここでは、軽自動車キャンプのメリットを詳しく解説します。
購入費用を抑えられる
軽自動車は、普通車と比較すると新車の購入費用を大幅に抑えられます。
軽自動車の価格帯は、100万円台後半から200万円台前半が中心です。一方、普通車の場合は200万円台後半から300万円台が主流といえます。
また、一部のコンパクトカーと軽自動車を比較すると、同程度の価格帯の車種もあります。しかし、軽自動車は自動車税や重量税が安く設定されているため、長期的に見るとコスト面で有利です。
軽自動車は初期投資を抑えつつ、キャンプを楽しめる点が大きなメリットです。車両購入にかける費用を抑えれば、キャンプ用品の充実や、より多くのキャンプ体験に投資できるでしょう。
維持費を抑えられる
軽自動車のメリットは、維持費の安さです。
普通車と比較すると、さまざまな面で費用を抑えられます。
自動車税では、軽自動車の方が圧倒的に安いです。例えば、普通乗用車の自動車税は年間29,500円から45,000円程度ですが、軽自動車の場合は年間10,800円です。
また、自動車重量税も軽自動車の方が安く設定されています。2年間の車検時に納付する重量税は、普通車が24,600円から49,200円程度なのに対し、軽自動車は8,200円です。
さらに、自動車保険料も車両の価格や排気量に応じて決まるため、軽自動車の方が安くなる傾向にあります。
これらの費用の差は、長期的に見ると大きな金額の節約につながるでしょう。
車体が小さくて運転がしやすい
軽自動車は、コンパクトな車体が特徴です。
全長3.4m、全幅1.48m、全高2m以内という規格で設計されているため、普通車に比べて運転がしやすいメリットがあります。
特に、キャンプ場へ向かう途中で狭い道や山道に遭遇しても、軽自動車なら難なく通過できる場合が多いです。また、キャンプ場内の移動や駐車も、コンパクトな車体のおかげで楽に行えます。
さらに、車中泊をするキャンプスタイルを好む方にとっても、軽自動車は魅力的な選択肢です。運転に自信がない方でも、比較的安心して運転できるでしょう。
このように、軽自動車の小回りの利く特性は、キャンプ時の移動や駐車の際に大きなメリットです。運転の負担が軽減されれば、より気軽にキャンプを楽しめます。
軽自動車キャンプのデメリット
ここでは、軽自動車キャンプのデメリットを詳しく解説します。
積載量が限られるため大人数のキャンプに向いていない
軽自動車の特徴であるコンパクトなサイズ感は、積載量の制限というデメリットをもたらします。
場合によっては、荷室の容量が普通車の半分以下になるケースも珍しくありません。
また、車内の就寝スペースも限られます。車中泊をする場合、快適に眠れるのは大人2人が限度でしょう。そのため、家族や友人など大人数でのキャンプには不向きです。
さらに、軽自動車の乗車定員は最大4名です。5人以上のグループでキャンプに行く場合は、複数台の車が必要です。
他にも、4人乗車の状態では荷物を積むスペースがさらに限られてしまいます。
このように、軽自動車は少人数でのキャンプには適していますが、大人数での利用には制限があることを念頭に置かなければいけません。
パワー不足を感じやすい
軽自動車は定義上、排気量が660cc以下に制限されています。
そのため、高速道路や山道などでパワー不足を感じる場合があります。
高速道路では上り坂でスピードが落ちやすく、追い越しの際にもパワー不足を実感するシーンが多々あるでしょう。また、山道では急な坂道や長い上り坂で苦労する場面も想定されます。
特に、キャンプ用品を満載した状態では、この傾向がより顕著です。荷物の重さは車の性能に影響を与えますが、軽自動車の場合はさらに大きくなります。
ただし、近年の軽自動車は技術の進歩により、以前に比べてパワー不足の問題は改善されつつあります。それでも、普通車と比較すると力強さに欠けるのは否めません。
長距離運転の場合は頻繁に給油が必要
軽自動車は燃費の良さが特徴ですが、同時にガソリンタンクの容量が小さいデメリットがあります。
一般的な軽自動車のガソリンタンク容量は、25〜30リットル程度です。 一方、普通車やコンパクトカーの場合、平均して40リットル以上のタンク容量があります。
この差は、長距離ドライブの際に顕著に表れます。
例えば、500km以上の長距離を走行する場合、軽自動車では途中で給油が必要になる可能性が高くなります。特に、高速道路を利用する長距離キャンプの場合は、給油のためにサービスエリアに立ち寄る頻度が増えるでしょう。
そのため、遠方へのキャンプを計画する際は、こまめな給油計画を立てなければいけません。山間部など給油所が少ない地域へ向かう場合は、特に注意が必要です。
キャンプにピッタリの軽自動車選びのポイント
ここでは、キャンプにピッタリの軽自動車選びのポイントを詳しく解説します。
車内の広さ
キャンプ用の軽自動車を選ぶ際は、車内の広さに注目しましょう。
広い車内スペースは、快適な車中泊や荷物の収納に直結します。
特に注目すべきは、後部座席を倒した際の荷室の広さです。フラットに近い状態になるモデルであれば、就寝スペースとしても活用できます。
また、天井高にも注目しましょう。高さがあると荷物の積み方の自由度が増し、車中泊時の圧迫感も軽減されます。
さらに、ドアの開口部の大きさも重要です。大きな開口部があれば、荷物の出し入れがスムーズになります。
このように、車内の広さは単に数値だけでなく、実際の使い勝手を想像しながら検討すべきです。試乗時には、キャンプ用品を積んだ際のイメージを持ちましょう。
軽バンをキャンプ用にDIYする方法については、以下の記事をご覧ください。
→軽バンをキャンプ用・車中泊仕様にDIYする方法は?自作カスタムのメリット・デメリットを解説
シートレンジの可否
キャンプ用の軽自動車選びで注目すべきポイントは、シートアレンジの自由度です。
特に、後部座席を前後にスライドさせたり、背もたれの角度を調整できたりするシートレンジ機能は重宝します。この機能があれば、荷物の量に応じて車内スペースの柔軟な変更が可能です。
例えば、大きな荷物を積む際は後部座席を前方にスライドさせ、車中泊の際は後部座席を倒してフラットな就寝スペースを作れます。 また、リクライニング機能が充実しているモデルなら、車中での休憩時にも快適に過ごせるでしょう。
さらに、助手席を倒せるモデルであれば、長尺物の収納も可能です。
このように、シートレンジの可否は車内の使い勝手に大きく影響します。自分のキャンプスタイルに合わせて、どのようなシートアレンジが必要かを考慮しましょう。
シートアレンジとともに、さらに快適な車中泊を実現する方法は以下の記事をご覧ください。
→車で寝る「車中泊」を快適にする方法|注意点や用意すべきアイテムを徹底解説
収納スペースの有無
キャンプ用の軽自動車を選ぶ際は、収納スペースの有無も注目すべきです。
限られた車内スペースを効率的に活用するには、適切な収納スペースが不可欠です。
まず注目すべきは、ラゲッジスペースの形状と容量です。四角い形状で、できるだけ凹凸の少ないラゲッジスペースがあれば、荷物を効率的に積めます。
また、シートアンダーボックスやドアポケット、センターコンソールボックスなどの小物入れの有無も確認しましょう。これらの収納スペースがあれば、車内の整理整頓が容易になります。
さらに、ルーフラックの装着が可能なモデルであれば、車外にも収納スペースを確保できます。ただし、ルーフラックの使用は燃費や走行性能に影響を与える可能性があるため、必要性をよく検討しましょう。
燃費や走行性能
キャンプ用の軽自動車を選ぶ際は、燃費や走行性能も判断基準です。
特に、遠方へのキャンプを計画している場合は、重要性が増します。
燃費に関してはカタログ値だけでなく、実燃費の評価も参考にしましょう。山道や高速道路など、様々な走行環境での燃費性能を確認するのが大切です。
走行性能は、登坂力や安定性に注目します。キャンプ地への道中で山道や高速道路での走行を考慮すると、十分なパワーと安定性は欠かせません。
また、ターボエンジン搭載モデルは、通常のエンジンに比べて力強い走りが期待できます。
ただし、燃費面では不利になる可能性もあるため、自分の使用環境に合わせて選択しましょう。
安全性の高さ
キャンプ用の軽自動車を選ぶ際は、安全性に注目すべきです。長距離ドライブや山道の走行が多くなるキャンプでは、高い安全性能が求められます。
まず注目すべきは、衝突安全性能です。国土交通省が実施する自動車アセスメント(JNCAP)の評価結果を参考にするとよいでしょう。
衝突時の乗員保護性能が高いモデルを選べば、万が一の事故の際のリスクを軽減できます。
次に、予防安全性能もチェックすべきです。自動ブレーキシステムや車線逸脱警報システムなどの先進安全技術が搭載されているモデルは、事故のリスクを大幅に低減できます。
また、視界の良さも安全運転に直結します。Aピラー(フロントガラスの両端の柱)が細いモデルや、大きなサイドミラーが装備されているモデルは、死角が少なく運転しやすいでしょう。
キャンプに最適な軽自動車5選
ここでは、キャンプに最適な軽自動車5選を解説します。
ダイハツ タフト
ダイハツ タフトは、その名の通りタフな印象を与える軽自動車です。四角いボディと高い地上高が魅力で、アウトドア向きの外観が魅力的です。
特徴は、広々とした室内空間です。後部座席を倒すと、長さ約130cmのフラットなスペースが確保でき、車中泊にも対応可能です。
また、荷室の開口部が大きく、キャンプ用品の出し入れがスムーズに行えます。
さらに、4WDモデルも用意されており、悪路や雪道でも安定した走行が可能です。燃費も良好で、2WDモデル(自然吸気エンジン)では25.7km/Lの低燃費を実現しています。
ホンダ N-BOX
出典:スタイリング・インテリア|N-BOX|軽自動車|Honda公式サイト
ホンダ N-BOXは、軽自動車の中でもトップクラスの室内空間を誇るモデルです。箱型のデザインにより、効率的な空間活用を実現しています。
特徴は、広々とした室内空間と優れた収納力です。後部座席は、フルフラットになるシートアレンジが可能なため、車中泊にも適しています。
また、N-BOXは使いやすさにも配慮されています。例えば、後部座席のドアは大きく開くため、荷物の出し入れがしやすく、チャイルドシートの着脱も容易です。
さらに、N-BOXは燃費性能にも優れています。2WDモデル(自然吸気エンジン)では26.1km/Lの低燃費を実現しており、長距離のキャンプ旅行でも経済的です。
ダイハツ ファンクロス
出典:【公式】タント ファンクロスの外観・室内空間|ダイハツ
ダイハツ ファンクロスは、アウトドア志向の強い軽自動車です。SUVライクなスタイリングと高い走破性が魅力で、キャンプ好きの方に人気のモデルです。
最低地上高が180mmあり、4WDモデルも用意されているため、キャンプ場への道中も安心して走行できます。
室内空間も広く、車中泊に適したフラットなスペースを確保可能です。また、ルーフキャリアの装着も可能で、車外にも収納スペースを設けられます。
燃費性能も優れており、2WDターボモデルで24.3km/Lを実現しています。長距離のキャンプ旅行でも、燃料費を抑えられるでしょう。
スズキ ハスラー
出典:ハスラー 外観|スズキ
スズキ ハスラーは、個性的なデザインと高い実用性を兼ね備えた軽自動車です。四角いボディと高い地上高が魅力で、アウトドア向きの外観が高く評価されています。
最低地上高が180mmあり、4WDモデルも用意されているため、悪路や雪道でも安定した走行が可能です。
また、シートアレンジの自由度が高く、荷物の量や形状に応じて柔軟に対応できます。
燃費性能も優れており、2WDモデルで25.0km/Lの低燃費を実現しています。
スズキ スペーシアギア
スズキ スペーシアギアは、アウトドア志向の強い軽自動車です。ボックス型のボディに、SUVテイストのデザインを取り入れた外観が魅力といえます。
特徴は、多彩なシートアレンジと広々とした室内空間です。助手席側のシートを倒せば、長い荷物を積載できるでしょう。
また、ラゲッジルームには2段式の収納ボードがあるため、効率的な荷物の収納もできます。
さらに、運転席と助手席の間には大容量のセンターテーブルがあり、小物の収納にも便利です。
燃費性能も優れており、2WDモデルで23.9km/Lの低燃費を実現しています。長距離のキャンプ旅行でも、経済的に移動できるでしょう。
EcoFlow DELTA 3とAlternator Chargerで走行充電を実現しよう
キャンプ時の電源確保は、重要性の高い課題です。
しかし、EcoFlow DELTA 3とAlternator Chargerを組み合わせれば、走行中に効率的な充電ができます。
EcoFlow DELTA 3は、大容量1,024Whのポータブル電源です。軽量でコンパクトな設計ながら、1,500Wの出力を誇ります。
さらにX-Boostテクノロジーにより、最大2,000Wの電化製品にも電力供給が可能です。
Alternator Chargerは、車のオルタネーターから直接電力を取り出し、DELTA 3を充電するためのデバイスです。これにより、走行中にDELTA 3を効率的に充電できます。
この組み合わせにより、以下のようなメリットが得られます。
- 走行中の充電が可能になり、キャンプ地での電力不足を防げる
- ソーラーパネルなどの外部充電器が不要になり、荷物を減らせる
- 車のバッテリーを消耗せずに、安全に充電できる
キャンプ時の電源問題を解決し、より快適なアウトドアを実現したい方は、EcoFlow DELTA 3とAlternator Chargerの導入を検討してみてください。
→EcoFlow DELTA 3 + Alternator Charger
まとめ
軽自動車キャンプのメリット・デメリット、車種選びのポイント、キャンプに最適な軽自動車5選を解説しました。
軽自動車でのキャンプは、コンパクトな車体を活かした機動力や低コストで実現できる点がメリットです。しかし、積載量の制限やパワー不足などのデメリットもあります。
軽自動車キャンプを楽しむなら、適切な車種選びと工夫が必要です。デメリットを最小限に抑え、キャンプに適した軽自動車を選べば、理想の環境を実現できるでしょう。