キャンプ場で、自然に囲まれながら飲む一杯のコーヒーは格別です。焚き火で自家焙煎を行い、手間をかけて淹れるコーヒーは、普段の何倍も美味しく感じられるでしょう。同じコーヒー豆を使っていても、焙煎の方法・挽き方・淹れ方によって味は大きく異なります。
そこで本記事では、キャンプで美味しいコーヒーを淹れる方法について解説します。コーヒー作りに欠かせないアイテムや、焙煎する際の注意点も掲載しているので、キャンプで至福の一杯を堪能したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
キャンプでコーヒー焙煎する魅力
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コーヒーの焙煎(ロースト)とは、コーヒーの生豆を煎り、熱と圧力を加えていく工程を指します。日常生活において、コーヒーを焙煎から行っている方は少ないのではないでしょうか。焙煎は、コーヒーを自分好みにアレンジしていく上で重要な作業です。
同じ銘柄のコーヒー豆を使っていたとしても、焙煎度合いによって苦みや酸味は異なります。不自由さが醍醐味のキャンプだからこそ、コーヒーを焙煎から楽しみ、極上の一杯に挑戦してみてはいかがですか。焙煎したての新鮮なコーヒーをぜひご賞味ください。
キャンプでコーヒー豆を焙煎する方法
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キャンプ場で自家焙煎を楽しむために、まずは以下の道具を準備しましょう。
- コーヒー生豆
- 焚き火台
- 薪
- 焙煎器(手網)
- ザル
- 耐熱グローブ
- うちわ
焙煎中は持ち手が高温になるので、軍手ではなく耐熱グローブがおすすめです。焚き火は火力調整が難しいですが、スモーキーな味わいが楽しめます。キャンプに慣れていない方は、火力調整が容易な炭火の遠赤熱で焙煎するとよいでしょう。
キャンプでコーヒー豆を焙煎する手順は、以下のとおりです。
- 手順1|欠点豆を取り除く
- 手順2|手網に生豆を入れて蓋を閉める
- 手順3|火にかけて10分後に1ハゼが起きる
- 手順4|1ハゼから2~3分後に2ハゼが起きる
- 手順5|焦げた豆を取り除く
それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。
手順1|欠点豆を取り除く
まずは、生豆の中から欠点豆を取り除く作業「ハンドピック」を行います。欠点豆とは、虫食いや未成熟のもの、カビが生えたもの、割れたものなどを指し、コーヒーの風味が落ちる原因です。欠けている豆や異形豆は、加えても問題ありません。
欠点豆が一つ入っているだけでも渋みやえぐみが出てきてしまうので、目視で入念に確認し、一つずつ手で取り除きましょう。コーヒー豆をザルの上に平らに広げると、欠点豆を判別しやすくなります。
手順2|手網に生豆を入れて蓋を閉める
ハンドピックが完了したら、生豆を焙煎器に入れて蓋を閉めましょう。初めは強火で生豆の水分を飛ばす作業です。焙煎器を焚き火にかけて、左右・前後に揺らします。
焙煎のコツは、豆を常に動かし続けることです。手を止めてしまうと焙煎ムラの原因になり、味が変わってしまうので注意してください。豆を焦がさないように、豆が直接火に当たらないように距離を保ちましょう。
手順3|火にかけて10分後に1ハゼが起きる
火にかけて10分ほど経過すると、煙が上がり豆の薄皮が舞ってきます。その後、パチパチと豆の爆ぜる音が聞こえてきます。
これを1ハゼと呼び、1ハゼの開始から終了までの状態が浅煎りです。浅煎りが始まると、急速に焙煎が進むので、豆が焦げないように火から少し離し、こまめに確認しましょう。
手順4|1ハゼから2~3分後に2ハゼが起きる
1ハゼの音が止まった状態は、中煎りです。さらに2〜3分経過すると、ピチピチと軽く爆ぜる音が聞こえてきて2ハゼが始まります。2ハゼの音が聞こえると、深煎りの合図です。
蓋を開けて状態を確認しながら、好みの焙煎具合になったらザルにあけましょう。ザルにあけた後も余熱で火が通ってしまうので、うちわで素早く冷ましてください。
手順5|焦げた豆を取り除く
粗熱が取れたら、焦げた豆をハンドピックして焙煎の完了です。焚き火で焙煎する場合は、焼きムラができやすく、焦げた豆も存在するでしょう。焦げた豆は、苦味や渋みにつながるので、できるだけ取り除いておくとより美味しく味わえます。
緑がかった白色だった生豆は、よく見る茶色のコーヒー豆に生まれ変わりました。元々含まれる油分が表面に出てきて、ツヤっぽさもあるのではないでしょうか。
キャンプでコーヒーを挽く・淹れるための道具5選
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焙煎が完了したら、早速新鮮なコーヒー豆を挽いていきましょう。コーヒーを挽くとは、焙煎したコーヒー豆を粉砕し、粉状にする作業です。焙煎直後に挽くと香りが立ち、自家焙煎の魅力を存分に味わえます。
キャンプでコーヒーを挽き、淹れるために必要な道具は、以下のとおりです。
- コーヒーミル
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- ケトル
- カップ
それぞれの道具について、詳しく見ていきましょう。
コーヒーミル
焙煎されたコーヒー豆を粉砕するための道具が、コーヒーミルです。コーヒーの濃さや味わいは、挽いた豆の粒度によっても異なります。挽き目調節ネジが搭載されたミルであれば、挽き具合を調節してお好みの味を探せます。
コーヒーミルには電動式と手動式がありますが、アンティークなデザインで軽量コンパクトな手動式が、キャンプにはぴったりです。キャンプでは荷物に制限があるので、卓上タイプよりもパーツごとに分解できる持ち運びタイプを選びましょう。
ドリッパー
アウトドアで手軽に本格的なコーヒーが楽しめるドリップコーヒー。挽いたコーヒー粉を入れたドリッパーをセットし、熱湯を注いでコーヒーを抽出します。ドリッパーは、大きく分けて「円錐型」と「台形型」の2種類です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
円錐型 | ・穴が大きく、中心に集まったお湯がそのまま落ちる・注ぐお湯の量や速さによって味わいが変わる |
台形型 | ・穴が小さく、ドリッパーの底にお湯が溜まってから落ちる・注ぐお湯の速さにコーヒーの味が左右されにくい |
ドリップした経験が少なく、安定して美味しいコーヒーを味わいたい方は、台形型がおすすめです。お湯の量や速さを調節して、自分好みにアレンジしたい方は、円錐型を選びましょう。
ペーパーフィルター
コーヒー豆を入れたドリッパーにお湯を注ぐ際に、粉をろ過してくれるアイテムがペーパーフィルターです。金属製のフィルターはかさばるので、キャンプでは使い捨てのペーパーフィルターが重宝します。
ドリッパーによってペーパーフィルターの形状は異なるので、注意してください。荷物を最小限にするために、使う分だけのペーパーフィルターを持参しましょう。
ケトル
ドリッパーにお湯を注ぐために必要なアイテムが、ケトルです。一般的なケトルではなく、お湯を少量ずつ注げるように細長い注ぎ口が備わったドリップケトルを選びましょう。
せっかく焚き火で自家焙煎をしたのであれば、そのまま焚き火の直火でお湯を沸かせるタイプがおすすめです。容量は1L前後あれば、コーヒーを3杯程度抽出できます。
カップ
自家焙煎したコーヒーを最高の一杯にするためには、マグカップ選びも重要です。お気に入りのマグカップで飲むコーヒーは特別感があり、贅沢なひとときを演出してくれます。
キャンプ用のマグカップにおすすめの素材は、以下のとおりです。
マグカップの素材 | 特徴 |
ステンレス | ・保温性や保冷性に優れている・リーズナブルな価格で購入できる |
チタン | ・軽量で耐久性に優れている・他の素材と比べて値段が高い |
樹脂 | ・軽量のため、持ち運びやすい・デザインのバリエーションが豊富にある |
キャンプで美味しいコーヒーの淹れ方
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自家焙煎をしてコーヒー豆を挽いたら、いよいよ淹れる工程です。ハンドドリップでは、お湯の温度や注ぐ時間・場所などによっても味に変化が現れます。キャンプで美味しいコーヒーを淹れるためのポイントは、以下のとおりです。
- お湯の温度は85〜95℃にする
- 約20〜30秒は粉を蒸らす
- 粉の中心からお湯を注ぐ
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
お湯の温度は85〜95℃にする
コーヒーを抽出する際には、お湯の温度を85〜95℃に調節しましょう。沸騰直後のお湯で抽出すると、苦味成分が想定よりも早く出てきてしまい、コーヒーが苦くなります。
焙煎具合によっても適切な温度は変わり、浅煎りなら高めの温度、深煎りなら低めの温度がおすすめです。正確に温度を測りたい方は、温度計を用意しましょう。
約20〜30秒は粉を蒸らす
お湯が適温になったら、粉全体が湿る程度にゆっくり注ぎます。その後、すぐにお湯は注ぎ足さず、約20〜30秒は粉を蒸らしてください。蒸らすことによって、コーヒー豆に含まれる炭酸ガスが放出し、コーヒー豆の表面積が広くなるのです。
コーヒー豆の表面積が広くなると、成分がより多く抽出され、深い味わいが楽しめます。焙煎したての新鮮なコーヒー豆には炭酸ガスが多く含まれているので、お湯を注ぐと粉がもこもこと膨らんでくるでしょう。この炭酸ガスこそが、コーヒーの香りの元です。
粉の中心からお湯を注ぐ
蒸らしが終わったら、粉の中心から円を描くようにゆっくりとお湯を注ぎましょう。粉の周りのペーパーフィルターにお湯がかかってしまうと、お湯が粉を通過せずにカップへと落ちてしまい、薄味になってしまいます。
また、注ぐ勢いが強すぎると、水圧で穴が開いてしまい、十分に抽出が行えません。3回に分けて静かに注ぎ、間には20秒〜30秒程度の蒸らしを挟みます。
キャンプで手軽にコーヒー!ポータブル電源とは
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キャンプ初心者で、コーヒー豆の焙煎・挽く・淹れるという過程にハードルが高いと感じる方も多いでしょう。そこでおすすめのアイテムが、ポータブル電源です。
ポータブル電源とは、内部に大量の電気を溜め込み、コンセントがない場所でも電化製品を動かせる機器を指します。ポータブル電源があれば、コーヒーメーカーを稼働して、ボタン一つで簡単に美味しいコーヒーが作れます。
キャンプならではの不自由さも体験したい方は、挽く・淹れる過程で電気ケトルや電動コーヒーミルを導入するのもおすすめです。また、ポータブル電源は、コーヒー作り以外にも以下のような場面で大活躍します。
- 電気ストーブや扇風機を稼働して、快適な気温で過ごせる
- 電子レンジや電気式グリルを使い、簡単にキャンプ料理が作れる
- ポータブル冷蔵庫を稼働し、キャンプ料理の食材を冷蔵保存しておける
- キャンプ料理のレシピを調べるためのスマホを、常にフル充電にしておける
- LEDランタンを点灯し、アウトドアの雰囲気を演出できる
「キャンプに興味があるけど、テント泊に抵抗がある」「キャンプに慣れてきて、快適性を追求したい」という方には、ぴったりなアイテムです。ソーラーパネルと併用すれば、キャンプを楽しみながら、ポータブル電源の充電も行えます。
キャンプに必要な性能|おすすめの製品
キャンプで手軽にコーヒーを味わいたい方は、高出力のポータブル電源を選びましょう。コーヒーの抽出に欠かせないコーヒーメーカー(1,300W)や電気ケトル(1,000W)に加えて、冷暖房機器や調理家電も同時に動かすとなると、2,000W程度の出力が必要です。
EcoFlowは、最大2,000Wの出力を誇るポータブル電源「DELTA 3 Plus」を販売しています。「DELTA 3 Plus」の特徴は、以下のとおりです。
- コンセントから56分、ソーラーパネルから70分で満充電できる
- LFPバッテリーを採用し、10年以上もアウトドアシーンで活躍する
- BMS管理システムによって、爆発や火災から安全を確保する
- 600W以下の動作では、稼働音が30dbに抑えられる
- 重量12.5kgの軽量コンパクト設計により、気軽に持ち運べる
計13個の多彩な出力ポートを搭載しているので、冷暖房機器や調理家電を同時に稼働し、快適なキャンプが実現します。キャンプで電化製品をフル稼働させたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
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キャンプで淹れるコーヒーに関するよくある質問
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最後に、キャンプで淹れるコーヒーに関するよくある質問を紹介します。
- キャンプでコーヒーを淹れるための道具は100均で手に入る?
- アウトドアでコーヒーを焙煎する際の注意点は?
- キャンプでコーヒー豆を持ち運ぶための道具は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
キャンプでコーヒーを淹れるための道具は100均で手に入る?
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出典:ダイソーネットストア通販【公式】「アウトドアコーヒーメーカーカップセット」
ダイソーは、カップ、手動式ミル、ドリッパーがセットになった商品を販売しています。1セットを持っているだけで、挽く・淹れる・飲むの3役を担います。
ドリッパーは、ステンレスフィルターになっているので、ペーパーフィルターが必要ありません。スタッキングできるカップで、携帯性も抜群です。
アウトドアでコーヒーを焙煎する際の注意点は?
キャンプで自家焙煎する際には、焚き火の火加減に注意しましょう。強火で熱し過ぎると、中まで火が通らずに表面だけが焦げてしまいます。焦げたコーヒー豆は、苦味や渋みが強くなってとても美味しいとは言えません。
特に、焙煎器を揺らす手を止めてしまうと、焙煎のムラができてしまいます。火元からは一定の距離を保ち、手が疲れたら持ち替えたり、交代したりして揺らし続けてください。
キャンプでコーヒー豆を持ち運ぶための道具は?
キャンプでコーヒー豆を持ち運ぶ際には、遮光性・密閉真空に優れた容器を選びましょう。
キャンプでコーヒーを美味しく味わうためには、コーヒー豆の保管方法も重要です。
コーヒー豆が紫外線の光に当たると、温度が上がり劣化が進んでしまいます。空気中の酸素に触れただけでも、酸化によって劣化していくでしょう。
まとめ
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本記事では、キャンプで美味しいコーヒーを淹れるための方法について解説してきました。
焚き火の炎で自家焙煎している時間は、コーヒー好きにとってたまりません。コーヒーの味は、焙煎の時間や挽く粒度、淹れる速度などの細かい要素によって異なります。自分好みの味を探していると、つい夢中になり過ぎて時間を忘れてしまうほどです。
ただし、自宅のガス火とは異なり、焚き火は火加減の調整が難しいので、焚き火からは十分に距離を保って焙煎を行いましょう。コーヒー豆が焦げると、苦味が出てしまいます。
EcoFlowでは、キャンプでコーヒーメーカーを稼働して初心者でも簡単にコーヒーが楽しめるようになる高出力のポータブル電源を販売しています。電気を持ち運んで、快適なキャンプを実現したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。