キャンプでご飯を炊くことは、アウトドアの醍醐味のひとつです。
しかし、自宅の炊飯器とは異なり火加減の調整や水加減が難しく、焦げ付きや芯が残るなどの失敗をしてしまう人も少なくありません。
キャンプ場でおいしいご飯を炊くためには、道具ごとの正しい炊き方とポイントを理解する必要があります。
この記事では、キャンプ場でおいしいご飯を炊く方法やあると便利なアイテム、炊飯器を使うためのポータブル電源の選び方をわかりやすく解説します。
キャンプでのおいしいご飯の炊き方について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
キャンプ場でおいしいご飯を炊く方法
キャンプ場でご飯を炊く際は、家庭で使う炊飯器ではなく、火を使った炊事が基本です。主にライスクッカーや飯盒(メスティン)、土鍋やダッチオーブンなどを使います。
しかし、それぞれの道具を使った炊き方が分からないという方も少なくありません。ここでは、キャンプ場でおいしいご飯を炊く方法を道具別に解説します。
ライスクッカーで炊く
ライスクッカーは、キャンプ用に設計された専用の炊飯アイテムです。アルミ製の本体は熱伝導率が高く、熱が均一に伝わるため、ご飯を炊くのに最適な構造になっています。
一般的なライスクッカーは2〜3合のお米を炊けるほか、蓋にはパッキンが付いているため、水分と熱を効率よく閉じ込められます。
また、取っ手が付いているため、火にかけたり下ろしたりする際の安全性も高いのが特徴です。
ライスクッカーでの具体的な炊き方は以下の通りです。
- お米を研ぎ、目盛りに合わせて水を入れる
- 30~90分程度水に浸す
- 強火で沸騰させる
- 吹きこぼれが始まったら、弱火にして15分加熱
- 火を止めて10分ほど蒸らす
ライスクッカーは炎の直火でも使えるため、バーベキューコンロやキャンプファイヤーでの調理にも対応できます。専用の目盛りが付いているモデルなら、水加減も簡単に調整できるため便利です。
飯盒(メスティン)で炊く
飯盒(メスティン)は軽量で収納性に優れた、アルミ製の調理器具です。本体、中蓋、外蓋の3つのパーツで構成されており、中蓋のすり切りで2合、外蓋で3合のお米を計量できる便利な設計になっています。
特徴は中蓋によって圧力がかかるため、ご飯が甘く炊き上がり、ムラも少なくなる点です。また、取っ手は折りたためるため、バックパックに収まりやすく、持ち運びに便利といえます。
飯盒(メスティン)での具体的な炊き方は以下の通りです。
- お米を研ぎ、2合なら下の目盛り、4合なら上の目盛りまで水を入れる
- 外蓋をして30~90分水に浸す
- 中火で加熱を始め、沸騰して吹きこぼれが始まったら弱火にする
- さらに15分ほど加熱を続ける
- 火を止めてから飯盒を逆さにし、10分ほど蒸らす
飯盒(メスティン)は専用のポーチやクッキングシートを使えば、洗い物の手間も最小限に抑えられます。
土鍋やダッチオーブンで炊く
土鍋やダッチオーブンは、熱をムラなく伝える特性を持つ調理器具です。
土鍋は熱が徐々に伝わることで、お米の芯までじっくりと火が通り、ふっくらとした食感のご飯に仕上がります。ダッチオーブンは重い蓋で内部を密閉するため、圧力鍋のような効果でお米の甘みを引き出せます。
土鍋・ダッチオーブンでの具体的な炊き方は以下の通りです。
- お米を研ぎ、1合につき200mlの水を入れる
- 蓋をして30~90分水に浸す
- 中~強火で沸騰させる
- 沸騰したら一度全体を混ぜ、弱火で10分加熱
- 火を止めて10~15分蒸らす
両者とも厚みのある素材で作られているため、熱を長く保持でき、蒸らしの工程でも温度が下がりにくいです。さらに大容量のため、グループキャンプでの炊飯に適しています。
キャンプでおいしいご飯を炊くためのポイント
ここでは、キャンプでおいしいご飯を炊くためのポイントを解説します。
水の量はお米1合に対して200mlが目安
炊飯の成功に大きな影響を与えるのが水加減です。
目安はお米1合(150g)に対して、水は200mlが適量とされています。
ただし、この量は標準的な炊き方の場合です。好みの硬さを追求したい場合は、さらに調整をしなければなりません。
例えば、硬めのご飯がお好みの場合は180ml程度に減らし、柔らかめがお好みなら220ml程度に増やすといった具合です。
また、無洗米を使用する場合は、通常より水を多めにする必要があります。これは無洗米が研ぎ洗いの工程を省いているため、吸水量が若干多くなるためです。
炊き始める前に込めを水に浸しておく
ご飯をふっくらと炊き上げるためには、お米を水に浸す工程が欠かせません。
お米に十分な水分を含ませると、芯までしっかりと火が通りやすくなります。
ただし、浸水時間は季節によって異なるため注意が必要です。夏場は30分程度、冬場は60〜90分程度を目安にしましょう。
また、夏場は雑菌が繁殖しやすいため、日陰やクーラーボックスで保管するなどの温度管理が重要です。
火加減に注意する
おいしくご飯を炊くためには、火加減が重要です。
強火で火にかけ、沸騰したら弱火にすると上手に炊ける可能性が高くなります。
ただし、ご飯を炊く道具によっては火加減の調整が簡単ではありません。特に、焚き火や固形燃料は火力調整ができないため、道具と火の距離で調整する必要があります。
炊きあがったあとの蒸らしが重要
炊きあがったお米をおいしく仕上げるためには、蒸らしが欠かせません。
蒸らすと鍋内の余分な水分が全体に行き渡り、ふっくらとした仕上がりになります。この工程を省くと、べたついたり芯が残ったりする可能性があるため注意が必要です。
蒸らし時間の目安は10〜15分程度です。
土鍋やダッチオーブンは保温性に優れているため、蒸らしに適しています。一方、薄手の鍋は保温性に優れていないため、タオルで鍋全体を包むなどして、保温効果を高めましょう。
お米の研ぎ加減が分からなければ無洗米がおすすめ
お米は研ぎすぎると、表面が傷つき粒が崩れやすくなります。結果、炊きあがりがベタつく可能性があるため、研ぎ加減には十分な注意が必要です。
一方で、研ぎが足りないと、異物や不純物が残る可能性があります。
そのため、適切な研ぎ加減が分からなかったり、手間を省きたい場合は、無洗米を選ぶとよいでしょう。
無洗米は水を使わずそのまま炊けるため、キャンプには最適です。特に、寒い冬場のキャンプでは、冷水でお米を研ぐ必要がないメリットがあります。
無洗米の価格はやや高めですが、手間や時間を短縮できるメリットを考えると、コストパフォーマンスに優れています。
キャンプでご飯を炊く際にあると便利なアイテム
ここでは、キャンプでご飯を炊く際にあると便利なアイテムを解説します。
耐熱グローブ
キャンプでご飯を炊くときは、鍋や飯盒が高温になるため、耐熱グローブを使用すべきです。
耐熱温度が200〜300℃以上のものを選ぶと、安全に作業できます。
耐熱グローブを使うと、炊飯器具を持ち運ぶ際の火傷のリスクを防げます。また、焚き火で炊飯する場合、薪を追加したり火加減を調整するシーンでも活躍するでしょう。
ただし、煤が付着する可能性があるため、汚れても気にならない素材を選んでください。
バーナー
バーナーは、キャンプでの炊飯を効率的に行うために欠かせないアイテムです。
火力調整が簡単で、初心者でも安定した加熱を実現できます。
魅力はガスボンベを使用するため、点火後すぐに調理を始められる点です。火力が安定しているため、ご飯の炊きあがりにムラが少なくなります。
また、ツーバーナータイプを選べば、炊飯しながら別の料理を同時に調理できます。
バーナーは焚き火に比べて、準備や片付けが簡単です。時間を節約したいキャンプには欠かせないアイテムといえるでしょう。
燃料
キャンプでバーナーや焚き火を利用してご飯を炊く際には、適切な燃料を用意しなければなりません。
一般的に使用される燃料には、ガスボンベや固形燃料があります。
ガスボンベは火力が安定しており、初心者でも扱いやすいのが特徴です。固形燃料は火力調整はできませんが、一定時間放置できるため、失敗が少なく手軽といえます。
また、焚き火でご飯を炊きたい場合は、薪や炭を準備しましょう。ただし、薪は火力が強く調整が難しいため慣れが必要です。炭は比較的安定した火力を維持できます。
燃料の種類を選ぶ際は、キャンプ場のルールや自分の炊飯方法に適したものを選んでください。
風防
風防は屋外でバーナーを使用する際に、風による火力の影響を抑えてくれる便利なアイテムです。
風が強いと火が安定せず、炊飯にムラができる可能性があります。しかし、風防を火元の周囲に設置すれば、熱効率が向上し、炊きあがりが均一になります。
また、燃料の消費を抑える効果も期待できるでしょう。
風防は軽量で折りたたみ可能な製品が多いため、持ち運びも簡単です。炊飯を成功させるための重要なサポートアイテムとして、キャンプ初心者から経験者までおすすめできます。
シェラカップ
シェラカップは多用途に使えるキャンプ用アイテムで、炊飯にも便利です。
特に少量のご飯を炊く場合や、計量が必要な場面で活躍します。
軽量で持ち運びやすく、フタをアルミホイルで代用すれば、簡易的な炊飯器としても使用可能です。炊きあがったご飯をそのまま食器として利用できるため、洗い物を減らせるメリットもあります。
また、飲み物やスープを入れる容器としても使用できる汎用性の高さが魅力です。
コンパクトで手軽に使えるシェラカップは、ソロキャンプや少人数のアウトドアに適しています。
メスティン折り
メスティン折りは、炊飯時の手間を減らす便利なアイテムです。
メスティンにクッキングシートを敷いて使えば、炊き上がった後の洗い物のストレスが減ります。さらに、シートがご飯のこびりつきを防ぐため、鍋自体が汚れにくく、片付けがスムーズです。
焦げ付きやすいキャンプシーンでは、大いに役立つでしょう。
メスティン折りはさまざまなショップで購入できますが、クッキングシートを自分でカットしても代用可能です。炊飯に取り入れて、負担を軽減しましょう。
キャンプ初心者はミニ炊飯器+ポータブル電源でご飯を炊くのがおすすめ!
キャンプ初心者は、ミニ炊飯器とポータブル電源でご飯を炊くのがおすすめです。ここでは、ミニ炊飯器とポータブル電源でご飯を炊くメリットとデメリットを解説します。
ミニ炊飯器+ポータブル電源でご飯を炊くメリット
ミニ炊飯器とポータブル電源を使えば、火を使う必要がなく、安全にご飯を炊けます。
また、炊飯器は炊きあがったご飯を保温できるため、長時間にわたって食べごろの状態を維持できます。
さらに、炊飯に失敗しにくい点も魅力です。自動制御機能により、火加減や水加減の調整が不要となり、初心者でも簡単にふっくらしたご飯が炊けます。
ミニ炊飯器とポータブル電源の組み合わせは、家族連れやアウトドアに不慣れな方におすすめです。
ミニ炊飯器+ポータブル電源でご飯を炊くデメリット
ミニ炊飯器とポータブル電源でご飯を炊くデメリットは、初期費用が高いことです。
性能に優れた炊飯器とポータブル電源を揃えると、予算が限られているキャンパーにとっては大きな負担になる可能性があります。
また、ポータブル電源の容量次第では、使用できる時間が限られます。さらに、火を使わない炊飯は、アウトドア特有の楽しさを感じにくくなるでしょう。
このようなデメリットを考慮しつつ、ニーズに合った選択を心がけてください。
炊飯器を使うためのポータブル電源の選び方
ここでは、炊飯器を使うためのポータブル電源の選び方を解説します。
容量
ポータブル電源を選ぶ際には、容量を重視する必要があります。
ミニ炊飯器を使う場合、少なくとも700Wh以上の容量があるモデルが必要です。
700Wh以上の容量があれば、1回の充電で複数回の炊飯ができます。また、キャンプでの他の電化製品にも対応できる余裕を持たせられるでしょう。
長時間の滞在や家族での利用を想定する場合は、大容量のものを選ぶと安心です。ポータブル電源のベストな容量の目安については、以下の記事をご覧ください。
→ポータブル電源のベストな容量とその目安|製品を選ぶ際に意識すべきポイント
定格出力
炊飯器を安定して稼働させるためには、ポータブル電源の定格出力を確認しましょう。
一般的なミニ炊飯器は、300〜500W程度の消費電力が必要です。そのため、定格出力が500W以上のポータブル電源を選べば、安全かつ安定した稼働を実現できます。
余裕のある出力を選ぶと、他の電化製品を使用する際のトラブルも防げるでしょう。
周波数
ポータブル電源を選ぶ際は、使用する地域の電力周波数に対応しているか確認しましょう。
日本では東日本が50Hz、西日本が60Hzと異なります。対応していない機器を使用すると、正常に動作しない場合があるため注意が必要です。
ただし、一部のポータブル電源は、両方の周波数に対応しています。購入するときは必ず仕様を確認しましょう。
サイズや重量
ポータブル電源のサイズや重量は、キャンプでの使用を考えると重要な判断材料です。
容量が大きいモデルは、重くなる傾向があり、持ち運びが負担になる可能性があるため注意が必要です。
キャンプで使用する場合は、軽量かつコンパクトな製品が適しています。車での移動が多い場合は収納スペースを考慮し、他の荷物との兼ね合いをチェックしましょう。
屋外使用での耐久性
ポータブル電源をキャンプで使用する際は、耐久性に注目しましょう。
アウトドア環境では天候や衝撃などの影響を受けやすいため、防水や防塵性能を備えた製品が最適です。また、頑丈な外装を持つモデルであれば、持ち運び中の衝撃にも耐えられます。
高温や低温といった過酷な環境下でも、正常に稼働する製品を選びましょう。
ポータブル電源で炊飯器を使うならEcoFlow DELTA 3 Plusがおすすめ!
キャンプで炊飯器を使用するなら、ポータブル電源EcoFlow DELTA 3 Plusがおすすめです。
1,024Whの大容量を備え、1,500Wの出力によってほとんどの炊飯器を使用できます。さらに5kWhまで容量を拡張可能なため長時間の使用にも適しています。
また、IP65等級の防塵や防水性能を備えているため、キャンプやバーベキューなどのアウトドア環境でも問題なく使用可能です。
ポータブル電源で炊飯器を使うなら、ぜひEcoFlow DELTA 3 Plusを検討してみてください。
まとめ
キャンプ場でおいしいご飯を炊く方法やあると便利なアイテム、炊飯器を使うためのポータブル電源の選び方を解説しました。
キャンプでおいしいご飯を炊くためには、適切な道具の選択と使い方の把握が欠かせません。炊きあがった後の蒸らしや、お米の研ぎ加減などの基本的なポイントを押さえれば、失敗を防げます。
また、便利なアイテムを活用すれば、初心者でもスムーズに炊飯が可能です。特に、ミニ炊飯器とポータブル電源を使用すると、火加減の調整が不要で、安全かつ簡単にご飯を炊けます。
アウトドアをもっと楽しむために、必要な道具を揃えて、快適なキャンプを実現してください。