地震速報でよく目にする「震度4」はどれくらいの揺れなのか、イメージできない方も多いのではないでしょうか。人命に直結する被害は少ないものの、繰り返し建物にダメージが蓄積していけば、大地震への脆弱性を高める結果になります。
そこで本記事では、震度4がどれくらいの影響を及ぼすのかについて解説します。震度4による揺れの規模や頻度、震度4を超える地震への対策も掲載しているので、地震による被害を最小限に抑えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
震度4は震度階級でどれくらいの大きさ?

震度4の地震は、気象庁が示す10段階の震度階級のうち、下から5番目に位置する大きさです(※1)。震度階級では「中程度」にあたりますが、歩いている人のほとんどが揺れを感じるでしょう。揺れの強さを示す加速度は、25gal~80gal程度です(※2)。
※1参考:気象庁「気象庁震度階級関連解説表」
※2参考:田原市「地震の正しい知識」
震度4はどれくらい揺れる?

震度3までは揺れを感じない人もいますが、震度4になるとほとんどの人が揺れを感じ、驚きます。眠っている人も過半数が目を覚ますほどの揺れです。
電線が大きく揺れているので、自動車や自転車を運転している人も揺れに気付く場合があります。これまでに地震の経験が少なければ、揺れの大きさに恐怖を抱くでしょう。
震度4の地震による家具や人への影響
震度4による直接的な被害は、ほとんどありません。ただし、一部の人にとっては精神的なストレスにつながります。震度4の地震が家具や人に与える影響は、以下のとおりです。
- つり下げ物は大きく揺れる
- 棚にある食器類が音を立てる
- 座りの悪い置物が倒れる
- 人が恐怖心に襲われる
- 眠っている人が目を覚ます
また、震度4程度の揺れでも建造物に少しずつダメージは蓄積しており、繰り返し起こると損傷が広がります。その結果、1度の大地震をきっかけに倒壊のリスクが高まるのです。
日本で震度4の地震はどれくらい起きる?

気象庁の調査によると、2024年4月1日~2025年3月31日までの1年間において、震度4の地震は29回発生しました(※3)。毎月1〜4回の頻度で必ず発生しており、震源地も九州地方から東北地方まで幅広く分布しています。
地震が全国各地で頻発する理由は、日本列島の周辺にプレートの境界が複数存在するためです。震度4にとどまらず、より大きな地震がいつ起きてもおかしくありません。
※3参考:気象庁「震度データベース検索」
過去に起きた震度4の被害事例3選

最大震度が4を超えると、人的被害や物的被害が起こり始めます。場合によっては津波が押し寄せるケースもあるため、油断はできません。過去に起きた震度4の被害事例を参考に、的確な対策へとつなげて被害を最小限に抑えてください。
- 2014年7月12日|福島県沖地震
- 2006年5月15日|和歌山県北部地震
- 2006年4月21日|伊豆半島東方沖地震
それぞれの被害事例について、詳しく見ていきましょう。
2014年7月12日|福島県沖地震
2014年7月12日に東日本大震災の余震域内である福島県沖で、マグニチュード7.0の地震が起きました(※4)。宮城県や福島県、茨城県、栃木県では、最大震度4を観測し、1名の負傷者が出ています。さらに宮城県の石巻市鮎川では、17cmの津波が襲来しました。
2006年5月15日|和歌山県北部地震
2006年5月15日、和歌山県北部の深さ3km地点でマグニチュード4.5、最大震度4の地震が起こりました(※5)。和歌山市では重傷者1名、ブロック塀の倒壊1件、ガラスの破損2件の被害が出ています。和歌山県では、警戒本部(1号)が配備されていました。
※5参考:総務省 消防庁「和歌山県北部を震源とする地震(確定報)」
2006年4月21日|伊豆半島東方沖地震
2006年4月17日頃から伊豆半島東方沖を震源とする地震活動が活発化し、4月21日にはマグニチュード5.4、最大震度4を観測しました(※6)。大和市や湯河原町、伊東市では、軽傷者が3名出ています。その他、水道管漏水や落石、ブロック塀倒壊も発生しました。
※6参考:総務省 消防庁「伊豆半島東方沖を震源とする地震(確定報)」
震度4を超える巨大地震への対策7選

震度4の地震を単体で見ると、大きな人的・建物被害はほとんど起きません。しかし、震度4の地震は日本で頻繁に起きており、その蓄積によって建物の脆弱性は高まります。今後、巨大地震が起きた際に、大規模な倒壊へとつながる可能性は十分にあるのです。
震度4を超える巨大地震への対策を紹介します。
- 対策1|住宅の耐震化を進める
- 対策2|ハザードマップを確認する
- 対策3|安否確認の手段を確認する
- 対策4|家具類の転倒防止対策を行う
- 対策5|感震ブレーカーを設置する
- 対策6|防災訓練に参加する
- 対策7|防災グッズを備蓄する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|住宅の耐震化を進める
住宅の損壊や倒壊を防ぐためには、耐震化が欠かせません。特に昭和56年以前に「旧耐震基準」で建築された建物で想定されているのは、震度5強程度までです。
まずは、耐震診断を実施し、耐震性が不十分と判定された場合には、耐震改修や建て替えを検討しましょう。耐震化に伴い、国や自治体から補助金が支給される場合もあります。
対策2|ハザードマップを確認する
震度4を超える地震では、津波や土砂災害、液状化現象などの危険も高まります。自治体が提供するハザードマップを入手し、自宅周辺で起こりえる被害を確認しましょう。
ハザードマップとは、被害想定区域や避難所の場所が記された地図です。家族全員で地震発生時の正しい避難ルートと場所を特定しておけば、万が一はぐれても安全に避難できます。
対策3|安否確認の手段を確認する
災害時は通信障害が起こりやすいので、普段使っているアプリで安否確認が行えるとは限りません。家族とはぐれた場合に備えて、安否確認の手段を話し合っておきましょう。災害時でも利用できる、安否確認の手段は以下のとおりです。
安否確認の方法 | 内容 |
災害用伝言ダイヤル(171) | 伝言を音声で録音し、再生できる |
災害用伝言板(web171) | 伝言をテキストで登録し、確認できる |
携帯電話各社の災害用伝言板 | 各社の電話番号を元に伝言を登録・確認できる |
対策4|家具類の転倒防止対策を行う
震度4では座りの悪い家具が倒れるのみですが、震度5を超えると固定していない家具の大半が転倒・落下・移動し、人的被害をもたらします。近年発生した大規模な地震による負傷者のうち、30〜50%は家具類の転倒・落下・移動が原因です(※7)。
家具類の転倒防止対策は、以下の手順で行いましょう。
- 生活空間に家具類を置かないようにする
- 怪我や避難障害が起きにくいレイアウトに工夫する
- 器具を使い、家具類と床・壁・天井を固定する
※7参考:東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」
対策5|感震ブレーカーを設置する
地震による通電火災を防ぐには、感電ブレーカーの設置が重要です。感電ブレーカーとは、震度5強以上の揺れを感知した際に、自動で電気供給をストップする装置を指します。
通電火災は通常、暖房機器と可燃物が接触した状態で通電することによって発生する災害です。感震ブレーカーを設置しておけば、出火の原因となる通電を防げます。
対策6|防災訓練に参加する
いくら災害発生時の行動を頭では理解していたとしても、いざ災害に直面すると冷静さを欠いて危険な行動を取ってしまう恐れがあります。防災訓練に参加しておけば、実際に手足を動かしてシミュレーションができるので、災害時に迅速かつ安全な行動が取れるでしょう。
対策7|防災グッズを備蓄する
震度4を超える地震が原因で物流機能が停止すると、必要なものが簡単には手に入らなくなります。日頃から以下の防災グッズを備蓄し、大規模な地震に備えましょう。
- 飲料水
- 非常食
- 衛生用品
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- 救急用品
- ポータブル電源
飲料水は、一人当たり1日3Lが必要と言われています。非常用持ち出し袋には、500mlペットボトルを2本ほど入れておくと安心です。非常食は、栄養バランスを考慮しましょう。
震度5弱以上で起こる停電対策!ポータブル電源とは

震度5弱以上の揺れがあった地域では、停電のリスクが高まります。地震による停電は、3日〜1週間以上も続く恐れがあり、その間は電化製品が一切使用できません。停電時も自宅にある電化製品を動かすには、ポータブル電源が必要です。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄えておき、停電中も電化製品に給電できる機器を指します。停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、避難時や避難所での明かりを確保できる
- 災害情報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける
- スマホを使って、常に家族と安否確認が行える
ポータブル電源はモバイルバッテリーを遥かに超える出力と容量を備えており、コンセントと同様のAC出力ポートも搭載しています。ソーラーパネルと併用すれば、停電生活が長引いたとしてもポータブル電源が充電切れになる心配はありません。
大規模な停電対策に必要な性能|おすすめの製品
地震による大規模な停電対策には、自宅周辺の危険度に合わせたポータブル電源が必要です。津波や土砂災害、液状化の被害想定区域内に自宅がある場合は、迅速な避難を実現するために軽量かつコンパクトなタイプを選びましょう。
一方、被害想定区域から離れている場所に自宅がある場合は、在宅避難に備えて高出力・大容量のタイプが必要です。ソーラーパネルからも充電できれば、電力不足に困りません。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
- 移動避難「RIVER 3 Plus」
- 在宅避難「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
移動避難「RIVER 3 Plus」
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、取っ手を持って避難所へと迅速に避難できます。最大900Wの出力を誇り、避難所では自宅にある90%の家電に給電可能です。ACコンセントからは、わずか1時間で満充電できます。
LEDライトを搭載しているので、避難時には足元を照らして安全を確保できるでしょう。30dB以下の静音設計により、他の被災者を気にせず家電が使えます。

在宅避難「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。最大2000Wの高出力を誇り、容量を最大5kWhまで拡張できるので、3人家族以上や長期間の停電生活でも家電を使用し続けられます。ソーラーパネルを使えば、万が一充電が切れてもわずか70分で満充電が可能です。
計13個の多彩な出力ポートを搭載しているので、自宅にある複数台の家電を同時に動かせます。重量12.5kgの小型設計なので、家中どこでも気軽に持ち運べるでしょう。

震度4はどれくらいかに関するよくある質問

最後に、震度4はどれくらいかに関するよくある質問を紹介します。
- 震度5・6弱強と比べると震度4はどれくらい?
- 最大震度4の地震に気付く人はどれくらい?
- 震度4の地震への対策はどれくらい重要?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
震度5・6弱強と比べると震度4はどれくらい?
震度4・5・6の揺れが人や物に与える影響を比較してみましょう(※1)。
震度階級 | 人への影響 | 物への影響 |
震度4 | ・歩行者の大半が揺れを感じる ・寝ている人の大半が目を覚ます | ・吊り下げ物が大きく揺れる ・座りの悪い置物が倒れる |
震度5弱 | ・大半の人が恐怖を覚える ・物に掴まりたいと感じる | ・棚の食器類や本棚の本が落ちる ・固定していない家具が移動する |
震度5強 | 大半の人が行動に障害を感じる | ・テレビが台から落ちる ・固定していない家具が倒れる |
震度6弱 | 立っているのが困難になる | ・壁のタイルや窓ガラスが破損する ・ドアが開かなくなる |
震度6強 | 床をはわないと動けない | ・固定していない家具の大半が倒れる ・補強されていないブロック塀が崩れる |
最大震度4の地震に気付く人はどれくらい?
最大震度4の地震には、ほとんどの人が気付きます。就寝中であっても、ほとんどの人が目を覚ますほどの揺れです。屋外で自転車を運転していて、揺れに気付く人もいます。電線が大きく揺れているので、恐怖を感じる人も多いでしょう。
震度4の地震への対策はどれくらい重要?
震度4の地震では、座りの悪い置物が倒れる程度で、大きな被害はほとんどありません。そのため、震度4に特化した対策は必要ないでしょう。しかし、震度5を超えると甚大な人的・建物被害につながるため、巨大地震を想定した備えが重要です。
まとめ

本記事では、震度4の揺れがどれくらいかについて解説してきました。
震度階級における中程度の震度4が起きると、歩行者のほとんどが揺れを感じます。電線が大きく揺れているので、自転車に乗っていて気付く人もいるでしょう。座りの悪い置物が倒れたり、棚にある食器類が音を立てたりする場合もあります。
震度4は単体で見ると被害が少ないですが、頻発する震度4以下の軽微な地震が、大規模な地震発生時に建物が倒壊するリスクを高めているのです。住宅の耐震化や家具類の転倒防止対策、防災グッズの備蓄を行い、大規模な揺れに備えましょう。
EcoFlowは、災害による停電時でも電化製品が動かせるポータブル電源を販売しています。停電中も快適な避難生活が送りたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。