台風は、海にある熱帯低気圧が徐々に成長することで発生するのが一般的です。
厳密には、発達した熱帯低気圧が勢力を拡大させたものが台風といえるでしょう。
この記事では、台風はなぜ起こるのか、台風が発生する主な原因や理由、発生する具体的な流れ、構成する要素、よくある質問をわかりやすく解説します。
台風はなぜ起こるのか
台風はなぜ起こるのか、その背景には熱帯低気圧が関係しています。
そもそも台風とは、北太平洋南西域の熱帯地方で発生した低気圧が発達したものです。
熱帯地方の海では海水の蒸発が活発に行われており、低気圧に吹き込む空気が水蒸気をたくさん含むため熱帯低気圧が台風へと成長しやすいわけです。
具体的な台風発生の仕組みやメカニズムは、以下を参考にしてみましょう。
- 低気圧内に送り込まれた水蒸気は上昇気流に乗って上空に運ばれ、やがて凝結する
- 同時に、放出される潜熱によって上昇気流がさらに強力になる
- 大量の水蒸気を含んだ空気を吸い込み、より発達する
国土交通省・気象庁では熱帯の海上で発生した低気圧と熱帯低気圧と呼び、そのなかで最大風速が毎秒17m以上になったものを台風と定義しています。
つまり、簡単にいうと熱帯の海の水蒸気が雲となって発達したものが台風となります。
なお、台風とは何か、大きさや強さの基準については以下の記事でも解説しているため、興味がある方はあわせてお読みいただけると幸いです。
⇒台風とは何かを簡単に説明！季節別の特徴や台風による停電対策も徹底解説
⇒台風の「大きさ」と「強さ」の基準｜影響や被害について詳しく解説
台風が発生する主な原因や理由
台風を構成する重要な三つの要素が、海水・水蒸気・積乱雲です。
ここでは、台風が発生する主な原因や理由について詳しく解説します。
台風ができる要素1.海水
台風は、海水から生まれるといっても過言ではありません。
台風に成長する熱帯低気圧は、海水が蒸発したことで生まれた水蒸気からできています。具体的には、海水が太陽の熱で蒸発することによって台風の元が生まれているわけです。
つまり、台風の始まりは海水にあるといえるでしょう。
台風ができる要素2.水蒸気
水蒸気が上昇気流となることで、台風のエネルギー源となります。
単に海水があるところで台風が生まれるわけではなく、海水が蒸発してできた水蒸気が上昇気流を伴うことで熱帯低気圧へと成長していくと表現した方が正確でしょう。
その後成長した熱帯低気圧が積乱雲を纏い、より巨大な台風へと勢力を拡大するわけです。
熱帯低気圧が台風にまで成長するには、水蒸気による上昇気流が欠かせません。
台風ができる要素3.積乱雲
水蒸気の上昇気流によって生まれた積乱雲は、さらにコリオリの力で発達していきます。
コリオリの力とは、地球の自転によって発生する力です。具体的には、北半球では進行方向の右側、南半球では進行方向の左側に力が働くように見える力をいいます。
日本に接近・上陸する台風は反時計回りで回転しているのですが、そこにはコリオリの力が働いているといえるでしょう。
最終的に、回転しながら成長した積乱雲は大雨や強風を伴う災害となるわけです。
台風が発生する具体的な流れ
台風が発生する具体的な流れについては、順を追って見ていくと意外にもシンプルです。
ここでは、台風が発生する具体的な流れについて詳しく解説します。
STEP1.太陽によって海水が蒸発する
台風の始まりは、太陽の熱による海水の蒸発です。
特に、赤道付近は海水温が高く、大量の水が水蒸気となって大気中に舞い上がるため、台風が発生しやすいとされています。
STEP2.水蒸気が上昇気流に乗る
海から生じた水蒸気は、温められた空気と一緒に上昇していきます。
同時に、上昇気流が発生すると水蒸気はさらに高くまで持ち上げられ、積乱雲といった雲の材料となるわけです。
STEP3.水蒸気が冷えて雲ができる
上空に運ばれた水蒸気は、気温の低い場所で冷やされ、やがて水滴や氷の粒に変わります。
結果的に、雲が形成され、徐々にまとまりを持つ集合体となっていくのです。
STEP4.湿った空気で積乱雲へと成長する
次々と蒸発した水蒸気が加わることで、雲は急速に積乱雲へと成長します。
特に、湿った空気が大量に流れ込むと積乱雲となり、台風の母体ともいえる巨大な雲の塊へと勢力を拡大させるのが一般的です。
STEP5.成長過程で大量の熱を放出する
水蒸気が雲へと変化する過程では、潜熱と呼ばれる熱が大量に放出されます。
この熱は周囲の空気をさらに温めて上昇気流を強め、雲の成長を後押しします。そうしたサイクルが繰り返されることで、熱帯低気圧が発達し、やがて台風となるのです。
もちろん、必ず上記のように成長するとは限りませんが、甚大な被害をもたらすような規模の台風は南部の海上で発達した台風のたまごが北上してきたものといえるでしょう。
なお、台風のたまごについては以下の記事でも解説しているため、あわせてご覧いただけると幸いです。
⇒【最新】台風のたまご情報|リアルタイムで確認する方法や被害と対策も解説
台風を構成する要素
台風を構成する要素については、以下の一覧表を参考にしてみましょう。
- アイウォール：猛烈な雨風を伴う台風中心部を囲む雲の壁
- アウターバンド：外側に広がる帯状の雨雲群
- 下降気流：乾いた空気が下に流れ込む気流
- 上昇気流：湿った空気が上に流れ込む気流
- スパイラルバンド：渦を巻くように伸びる雨雲の帯
- 台風の目：風雨が止み晴れ間が見える台風の中心エリア
以上は、台風を構成する要素についてまとめたものです。
日本に到来する台風は、一般的に上記のような構造で形成されているため、どのような要素から成っているのかを知っておくとより一層理解が深まります。
すべて覚える必要はありませんが、下降気流と上昇気流、台風の目といった要素について理解を深めておくとより台風情報が頭に入ってくるようになるでしょう。
台風の発生に関するよくある質問
台風の発生については、どうしてもわかりにくい部分があるため、よくある質問にも目を通しておくのが良いです。
ここでは、台風の発生に関するよくある質問について詳しく解説します。
台風が消滅する条件には何がある？
台風は、エネルギーの喪失や構造の変化によって消滅することがあります。
台風が上陸してすぐに消滅することもあれば、接近している段階で消滅することもあるなど、いつどこでどのように消滅するかは台風によって様々です。
なお、台風は日本付近をはじめ東シナ海や南シナ海で消滅しやすいという見解もありますが、確かなことはいえません。
途中でジグザグに動いたりUターンして曲がったりと、急に進路変更するものもあるため、進行方向についてはあくまでも目安として参考にする程度にとどめておきましょう。
台風情報に関しても、数時間おきに確認するのが良いでしょう。
台風が発生したらどうする？
台風が発生したら、まずは安全の確保を最優先にしましょう。
台風は地震や津波と比べ、幸いにも被害が最小限で済むこともありますが、大雨や強風によって停電や土砂災害といった二次災害が発生することがあります。
高潮や暴風雨を伴うものだと死者や行方不明者も出る恐れがあるため、避難情報を参考にしながら対策を講じることが重要です。
具体的には、土嚢を敷き詰めて浸水に備えたり、ポータブル電源を充電したり、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ったりするのが良いでしょう。
台風で避難は必要なの？
台風の規模によっては、避難が必要となります。
特に、ハザードマップで冠水する恐れがあるとされている地域にお住まいの方は、適宜避難しましょう。また、山間にお住まいの方も、がけ崩れや地すべりに考慮して避難するのが良いでしょう。
台風は、日本に近づく頃には勢力が弱体化していることもあるため必ずしも避難が必要とはいいませんが、危険な場所からはすぐに離れるのが理想です。
ポータブル電源があれば何ができる？
ここでは、ポータブル電源があれば何ができるかについて詳しく解説します。
スマホ・タブレット・ノートパソコンを充電できる
ポータブル電源があれば、スマホ・タブレット・ノートパソコンを充電できます。
事前にポータブル電源本体への充電が必要ですが、停電中も問題なくデバイスを充電できるというのは何かと安心です。
仮にスマホを2500mAh、ポータブル電源を350Whとすると、スマホの充電1回あたりおよそ10回分と計算できるでしょう。
最近では1,000Whを超える高性能ポータブル電源もあるため、タブレットやノートパソコンも充電するなら、高出力かつ大容量のものを購入しましょう。
家電をはじめとする電気製品に給電できる
ポータブル電源があれば、家電をはじめとする電気製品にも給電できます。
モバイルバッテリーなど、出力も容量も限られる蓄電池では電気製品を動かせませんが、ポータブル電源であれば難なく動かせるでしょう。
もちろん、単にポータブル電源といっても出力や容量は様々なため、台風といった災害に備えるには一定のスペックを持つものを導入しましょう。
製品によっては、エアコンやストーブ、冷蔵庫など生活に直結する家電を動かせるものもあるため、よく吟味して選びたいところです。
太陽光発電システムを構築できる
ポータブル電源とは別にソーラーパネルがあれば、太陽光発電システムが構築できます。
太陽光発電システムとは、太陽の光で発電できるシステムです。本来、ポータブル電源は自宅のコンセントから充電するのが一般的ですが、晴れていればソーラーパネルから充電することも可能です。
太陽光発電システムがあれば長期的に停電しても電力不足に陥るのを避けられるため、防災の観点からも備えておいて損はありません。
なお、一般家庭用の太陽光発電システムがあれば、電気代の節約や電力会社への売電も可能となります。
特定の場所に持ち運んで電源を確保できる
特定の場所に持ち込んで電源を確保できるのも、ポータブル電源の特徴といえるでしょう。
ポータブル電源は、持ち運びを前提とした設計となっています。許可さえ取れば、避難所に持ち込んで使用することも可能なため、1台あるだけで何かと安心です。
なお、Ecoflowでは持ち運びが可能でありながら高出力・大容量を実現したEcoFlow DELTA 3 Plusを販売しています。
EcoFlow DELTA 3 Plusは、台風による停電に耐えられるほどの出力と容量を持っており、防災用品としても心強いです。
普段はアウトドアにも使用できるため、アウトドア用品としても1台あると心強いのではないでしょうか。
まとめ
台風はなぜ起こるのか、台風が発生する主な原因や理由、発生する具体的な流れ、構成する要素、よくある質問を解説しました。
台風は、海にある熱帯低気圧が徐々に成長することで発生するのが一般的です。
厳密には、発達した熱帯低気圧が勢力を拡大させたものが台風となります。
一見すると熱帯低気圧が台風になるまでの過程は複雑に見えますが、海水が水蒸気となり、水蒸気が積乱雲となり、積乱雲が大雨や強風をもたらすといったシンプルな仕組みといえるでしょう。
一方で、台風は高潮や暴風雨を伴い停電や土砂災害といった二次災害を引き起こす可能性もあるため、メカニズムよりも防災に注目しておくことが求められます。
具体的には、ポータブル電源を充電して停電に備えたり、地盤が緩い場所から避難したりといった行動が求められるでしょう。
なお、ポータブル電源をお持ちでない場合は、Ecoflowの高性能モデル、EcoFlow DELTA 3 Plusをご検討いただけると幸いです。
当製品は急速充電対応で、台風の上陸や接近がわかってから充電しても間に合うため、万全の状態で台風に備えましょう。