津波は、陸地に到達するまでの時間が非常に短く、迅速な避難が欠かせません。2011年の東日本大震災では、亡くなった方のほとんどが津波による溺死でした。沿岸部にお住まいの方は、日頃から必要な持ち物を準備し、いつでも避難できる態勢を整えておきましょう。
そこで本記事では、津波が発生した際に必要な持ち物や避難の仕方について解説します。迅速に避難するための対策や、避難時の注意点も掲載しているので、津波から自分や家族の命を守りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
津波が来たら迅速な避難が必要な3つの理由

津波が発生したら、とにかく逃げるしか生き残る術はありません。他の災害に比べて時間的な猶予が短いため、判断ミスや迷いが命取りになるケースもあります。津波が来たら迅速な避難が必要な理由は、以下のとおりです。
- 理由1|ジェット機並みの速さで襲来する
- 理由2|凄まじい破壊力を持つ
- 理由3|浸水範囲が広くなる
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
理由1|ジェット機並みの速さで襲来する
津波の速度は、沖合でジェット機並みの時速800km、海岸付近で新幹線並みの時速40kmにのぼります。また、水深が深ければ深いほど、速度も上がるのが特徴です。
1960年5月にチリで起きた世界最大の地震では、発生から約22時間半後に津波が日本へと襲来しました(※1)。日本とチリは約1万7千kmも離れているので、平均時速760kmで進んでいた計算になります。津波が見えてから避難するのでは、到底逃げ切れません。
※1参考:防災リテラシー研究所「津波の速さ」
理由2|凄まじい破壊力を持つ
津波は高潮と違い、海底から海面までの海全体が動かされる現象なので、凄まじいエネルギーを持っています。沿岸部で高さ1mの津波でも、家や車、人を飲み込みながら数倍から数十倍の高さまで陸を駆け上がっていくのです。
津波の高さが2mを超えたあたりから木造家屋が破壊され、8mを超えると石造家屋にまで被害が及びます。今後予想されている南海トラフ地震では、高知県で高さ34mを超える津波が押し寄せる恐れがあり、その破壊力は想像を絶するでしょう(※2)。
※2参考:内閣府 防災情報のページ「南海トラフ地震防災対策」
理由3|浸水範囲が広くなる
低平地では海岸から1km以上離れた地域であっても、河川を逆流してきた津波が広範囲で浸水被害をもたらします。強大な破壊力を持つため、土地が高かったとしても津波が勢いよく押し寄せてくるのです。
そのため、できるだけ迅速に海岸から遠くへと避難しなければなりません。津波警報や避難指示が出ている以上、海岸から遠くに来たからと自己判断で避難を止めるのは危険です。
津波から身を守る!避難の仕方

海の近くにいて強い地震を感じた際は、津波警報や避難指示を待たずに避難しましょう。避難警報よりも早く、津波が海岸まで到達する可能性は十分にあります。津波発生時における避難の仕方を様々なケース別に見ていきましょう。
- 津波が浸水を始めたら、近くの建物で最も高い場所に上がる
- 津波警報が発令されたら、揺れを感じていなくても高い場所へと避難する
- 渋滞に巻き込まれる恐れがあるため、原則徒歩で避難する
- 津波警報や注意報が解除されるまでは、海に近づかない
津波発生時は迅速な避難が重要なので、財産の保全や持ち出しは最低限にしてください。
津波からの避難時に必要な持ち物リスト

津波が住宅地を襲うと、数か月の避難所生活を余儀なくされる場合があります。支援物資がすぐに届くとは限らないため、家族の健康を守れるよう以下の持ち物を準備しましょう。
- 飲料水
- 非常食
- 携帯トイレ
- 歯ブラシ
- ボディシート
- マスク
- 現金
- 常備薬
- 救急セット
- 携帯ラジオ
- ポータブル電源
飲料水は、携帯しやすい500mlのペットボトルを一人2本ほど用意しておくのがおすすめです。津波発生時は迅速な避難が求められるため、あらかじめ非常用持ち出し袋に持ち物をまとめておき、すぐに逃げられるよう玄関付近に収納しておきましょう。
津波による避難生活に必須!ポータブル電源とは

津波によって電柱が倒れたり、電線が損傷したりすると大規模な停電を引き起こします。2011年の東日本大震災では、約466万戸が停電し、約94%復旧するまでに8日間を要しました(※3)。停電中も電化製品を動かすには、ポータブル電源が必要です。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を貯めておき、停電時も電化製品に給電できる機器を指します。停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- 扇風機や電気毛布などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電気ケトルや電子レンジを稼働して、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、夜でも安全に避難できる
- 津波警報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける
- スマホを使って、常に家族と確認が取り合える
ポータブル電源は持ち運びできるので、津波から避難した先での生活をサポートします。
※3参考:経済産業省「3月11日の地震により東北電力で発生した広域停電の概要」
津波対策に必要な性能|おすすめの製品
津波が発生すると時間的な猶予はほとんどないため、避難の妨げにならない軽量コンパクトなポータブル電源を選びましょう。また、津波による避難生活は長期化する恐れがあるため、通信機器の使用時間が長いタイプがおすすめです。
EcoFlowは、約4.7kgの軽量コンパクトなポータブル電源「RIVER 3 Plus」を販売しています。業界初となるGaNテクノロジーを搭載し、通信機器の使用時間を最大2倍に延長しているのが特徴です。「RIVER 3 Plus」の主な特徴を見ていきましょう。
- 定格出力600W、X-Boostで最大900Wの家電を動かせる
- AC出力ポート2口は背面にあり、使用時にケーブルが気にならない
- 30dB以下の静音設計により、他の被災者の迷惑にならない
- LiFePO4セルを採用し、10年以上も停電対策として活躍する
- 停電時は10ms以内に電力を切り替える
- 防水性、耐火性、耐衝撃性に優れている
本体にはライトが内蔵されており、避難時の照明代わりにもなります。最大858Whまで容量を拡張できるので、マンション居住者で在宅避難を想定する場合にも最適です。津波による避難生活を快適に送りたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

津波に備える!迅速に避難するための対策3選

津波から命を守るためには、情報収集の早さと安全な避難経路・場所の選定、初動の正確さが重要です。何れか一つでも欠けてしまうと時間のロスにつながり、逃げ遅れる事態になりかねません。津波発生時に迅速な避難を実現するための対策は、以下のとおりです。
- 対策1|津波警報の種類を把握しておく
- 対策2|近隣の避難場所を確認しておく
- 対策3|避難訓練に参加する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|津波警報の種類を把握しておく
気象庁は、津波による災害が予想されると、津波警報・注意報を発表します。津波警報等を確認した際に緊急度を正確に把握できるよう、以下の種類を覚えておきましょう(※4)。
津波警報等の種類 | 津波の高さ | 取るべき行動 |
大津波警報 | 3m以上 | ・沿岸部や川沿いにいる人は安全な場所へ避難する ・警報が解除されるまで安全な場所を離れない ・できるだけ高い場所を目指して避難する |
津波警報 | 1m~3m | |
津波注意報 | 0.2m~1m | ・海から上がって、海岸から離れる ・注意報が解除されるまで海に近づかない |
※4参考:内閣府 防災情報のページ「特集 津波について知ろう」
対策2|近隣の避難場所を確認しておく
避難指示が出たとしても避難場所が分からなければ、初動は遅れてしまいます。むやみやたらに避難すると、かえって危険なエリアに向かってしまう恐れもあるでしょう。
事前に自治体が発行するハザードマップを入手し、近隣の避難所と安全な避難経路を確認してください。避難所が被災している場合もあるので、複数個所把握しておくと安心です。
対策3|避難訓練に参加する
津波から命を守るためには、冷静かつ迅速な避難行動が欠かせません。災害時の行動を頭で把握しているだけでは、いざという時に焦って頭が真っ白になる恐れもあります。
避難訓練に参加し、津波の発生から安全な場所へと避難するまでの流れを実際に体験してみましょう。実践を通して想定外の課題も見つかり、災害時の柔軟な行動力が身につきます。
【マークあり】津波からの一時避難場所

津波が迫ってきたら、できるだけ高い場所への避難が必要です。津波が建物に衝突すると想定水位より高くなる「津波のせり上がり」にも、注意しなければなりません。自治体や一般企業などは、津波から逃げ込む一時的な避難場所として以下の施設を開設しています。
- 津波避難タワー
- 津波避難ビル
それぞれの避難場所について、詳しく見ていきましょう。
津波避難タワー

津波避難タワーは、⾼台や浸⽔域外の避難場所までの避難が地理的・時間的に困難な地域において、緊急的に一時避難するための施設です。鉄骨造りで高さ数m〜数十mの骨組みの上に避難できるスペースが確保されています。
一般的な津波避難タワーは一定の敷地を必要としますが、歩道橋型は道路空間を有効活用しており、普段は歩道橋として利用されています。収容人数は100〜1000人ほどです。
津波避難ビル

津波避難ビルは、高台への避難に時間を要する地域において、緊急的に一時避難するための施設です。津波避難ビルに指定されている施設は、主に⼀般企業やビル・⼟地所有者などの民間が管理しています。そのため、津波注意報での避難は推奨されていません。
津波避難ビルには、一時的に避難するスペースと垂直移動できる階段やスロープが備わっています。避難スペースは満員になる場合があるため、複数の施設を把握しておきましょう。
津波から安全に避難するための注意点3選

津波から避難する上で、油断は禁物です。津波の高さが低かったり、第一波が過ぎ去ったからといって、安心はできません。津波から安全に避難するための注意点を紹介します。
- 注意点1|津波の第一波が最も大きいとは限らない
- 注意点2|津波の高さが低くても油断しない
- 注意点3|津波は引き波から始まるとは限らない
それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。
注意点1|津波の第一波が最も大きいとは限らない
津波は後ろの波が前の波に追いつき、高い津波となって反射を繰り返すため、複数回陸地へ押し寄せてくる場合があります。そのため、第一波が最も大きいとは限りません。
2010年2月に起きたチリの地震では、日本各地で第二波以降に最大波を記録しています(※5)。また、第一波から最大波到達までの時間差が約6時間に達する場合もあるので、津波警報が解除されるまでは海岸付近に近づかないでください。
※5参考:内閣府 防災情報のページ「特集 津波について知ろう」
注意点2|津波の高さが低くても油断しない
津波の高さが低かったとしても、油断せずに迅速な避難を心掛けましょう。高さ50cmの津波と聞くと、大したことないように感じる方も多いでしょう。
しかし、秒速2mで海底の砂利を巻き上げながら押し寄せてくると、体には0.3トンもの力が働くのです。体に衝突するとバランスを崩されて転倒し、津波に流されてしまいます。
注意点3|津波は引き波から始まるとは限らない
津波は沖合から海岸に向かってくる押し波と、海岸から沖合へと向かう引き波に分かれます。津波の第一波が引き波とは限らないため、海の様子を見に行くのは危険です。断層の傾きや方向、震源地から海岸までの距離などによって、引き波か押し波かが決まります。
津波からの避難に関するよくある質問

最後に、津波からの避難に関するよくある質問を紹介します。
- 津波が来たら自動車で避難してもよい?
- マンション居住者も津波が来たら避難すべき?
- 津波が来たら何階以上に避難した方がよい?
- 津波警報から避難完了までの時間的な猶予は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
津波が来たら自動車で避難してもよい?
政府は、津波から避難するためにやむを得ない場合を除き、自動車での避難を推奨していません(※6)。ただし、津波が迫っている状況で徒歩では逃げ切れない場合は、道路の損壊や信号機の作動停止、道路上の障害物などに注意しながら自動車で避難しましょう。
※6参考:内閣府防災情報「自動車で安全かつ確実に避難できる方策」
マンション居住者も津波が来たら避難すべき?
マンション居住者も津波による被害想定区域内の場合は、避難が必要になる可能性があります。まずはハザードマップを入手し、居住地域でどれほどの浸水が予想されているかを確認しましょう。せり上がりによって浸水深より高く波が襲ってくる恐れもあります。
また、津波避難ビルに指定されたマンションであれば、上層階で一時的な避難が可能です。事前に垂直避難できるスロープや階段を確認し、避難訓練を実施しておきましょう。
津波が来たら何階以上に避難した方がよい?
事前に指定された避難場所や高台まで避難する時間がない場合は、建物の3階以上に避難しましょう(※7)。特に、5階建て以上で鉄筋コンクリート造の建物が避難場所には適しています。高齢者や小さな子供がいる家庭は、近くの津波避難ビルに避難してください。
※7参考:糸満市「津波災害に備えて 津波避難ビルとは 津波避難ビルは」
津波警報から避難完了までの時間的な猶予は?
津波警報が発令されてから避難完了までの時間的猶予は、震源からの距離や津波警報が発令されたタイミングによって異なります。津波警報を確認したら、迅速に避難しましょう。
今後予想されている南海トラフ地震では、地震の発生からわずか5分程度で高さ5mを超える津波が海岸まで押し寄せてくると予想されています(※8)。
まとめ

本記事では、津波からの避難について解説してきました。
津波は凄まじい速さと破壊力で襲ってくるため、津波警報が発令されたら迅速な避難が必要です。避難の仕方として、できるだけ高い場所へ原則徒歩で逃げてください。津波は複数回襲来する場合があるため、津波警報が解除されるまで海に近づいてはいけません。
津波発生時、高台や避難場所に避難している時間がない場合は、周辺の津波避難タワーや津波避難ビルを利用しましょう。迅速な避難を実現するために、飲料水や非常食、救急セットなどの持ち物は非常用持ち出し袋に入れて、玄関付近に収納しておくと安心です。
EcoFlowは、津波による停電時でも電化製品が動かせるポータブル電源を販売しています。災害時も電気のある快適な避難生活を送りたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。