宮崎県から静岡県にかけての広範囲にまたがる海域を震源地とする南海トラフ地震。全国的に甚大な被害が予想されますが、比較的安全な地域も存在します。危険な地域から安全な地域への移住を検討している方も、多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、南海トラフ地震が起きても安全な地域について解説します。反対に南海トラフ地震で危険な地域や、生き残るための対策も掲載しているので、南海トラフ地震が発生した際の被害を最小限に抑えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
南海トラフ地震で安全な地域・県ランキング

今後30年以内に80%の確率で起きると言われる南海トラフ地震。存在自体は知っていても、現在住んでいる地域が安全なのか理解していない方も多いのではないでしょうか。南海トラフ地震で比較的安全な地域をランキング形式で紹介します(※1)。
- 第1位|北海道
- 第2位|青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県
- 第3位|富山県・新潟県・栃木県
それぞれの都道府県について、詳しく見ていきましょう。
※1参考:中央防災会議「南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害想定について」
第1位|北海道
南海トラフ地震発生時に最も安全な地域は、震源地から最も距離が離れている北海道です。内閣府が管轄する南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループは、2025年3月に最新の被害想定を発表していますが、想定区域に北海道は含まれていません。
ただし、北海道の太平洋沿岸部では、津波による影響が出る可能性もあります(※2)。直接的な被害はなかったとしても、被災地の生産工場が被害を受けたり、交通機関が寸断したりすると物資不足に陥るケースもあるでしょう。
※2参考:国土交通省「南海トラフ巨大地震対策計画 北海道ブロック地域対策計画 」
第2位|青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県
東北地方のうち、福島県を除いた5県も北海道の次に安全な地域です。北海道と同様に、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが発表する被害想定には含まれていません。
ただし、南海トラフ地震で揺れが想定されている都道府県の中で、最も北に位置する福島県は最大震度4の予想なので、東北5県でも多少の揺れは感じる可能性があります。
第3位|富山県・新潟県・栃木県
富山県・新潟県・栃木県は、1位・2位の地域と比べると震源地寄りであるにも関わらず、被害想定では死者数・建物の全壊数が0の地域です。避難者も地震発生から1日後には現れず、1週間を過ぎてからやっと100人未満の避難者が出てきます。
南海トラフ地震で危ない県ランキング

南海トラフ地震の規模はマグニチュード8〜9にのぼり、最大震度7、津波高30m超えの甚大な被害をもたらします。南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが発表した資料において、死亡者が最も多い危険な地域は以下のとおりです(※1)。
- 第1位|静岡県
- 第2位|和歌山県
- 第3位|高知県
- 第4位|徳島県
- 第5位|宮崎県
それぞれの危険な都道府県について、詳しく見ていきましょう。
第1位|静岡県
南海トラフ地震で危険な地域第1位は、最大の死亡者数が約103,000人と予想されている静岡県です。県内の広いエリアで震度7を記録し、下田市の津波高は最大31mにのぼります。
静岡県は、南海トラフ地震による被害を最小限に食い止めるため、公共施設の耐震化や震災総合訓練の実施、耐震補強工事の助成など、様々な対策を講じています(※4)。
※4参考:気象庁「南海トラフ地震地域「防災・減災」シンポジウム」
第2位|和歌山県
南海トラフ地震で危険な地域第2位は、最大の死亡者数が約65,000人と予想されている和歌山県です。最大震度7を記録し、死亡原因の9割以上は津波が占めています。
避難者数は1週間後に約47万人にのぼると予想されており、長期間の避難生活を余儀なくされるでしょう。津波によって30cm以上の浸水が予想される地域では、事業者に南海トラフ地震防災対策計画の作成が義務付けられています。
第3位|高知県
南海トラフ地震で危険な地域第3位は、最大の死亡者数が約46,000人と予想されている高知県です。土佐清水市や幡多群黒潮町では、最大規模となる高さ34mの津波が押し寄せます。
過去の南海トラフ地震「昭和南海地震」においても、高知県内で家屋の倒壊や地盤沈下による浸水、ビルの倒壊など、甚大な被害に見舞われました(※5)。
第4位|徳島県
南海トラフ地震で危険な地域第4位は、最大の死亡者数が約41,000人と予想されている徳島県です。最大の津波高は24mと、四国の中では高知の次に大規模な津波が押し寄せます。
しかし、南海トラフ地震で津波による大きな被害が予想される7つの市町では、災害関連死を認定する審査会に関する規定が設けられていません(※6)。徳島県において、南海トラフ地震への対策は急務と言えるでしょう。
※6参考:NHK「南海トラフ 徳島県内の7市町が災害関連死の審査会の規定なし」
第5位|宮崎県
南海トラフ地震で危険な地域第5位は、最大の死亡者数が約39,000人と予想されている宮崎県です。一部の地域では震度7を記録し、死亡原因の約95%を津波が占めています。
宮崎県が行った調査によると、最大クラスの地震が発生した場合、津波が宮崎県の太平洋沿岸部に到達する時間は最短14分です(※7)。宮崎県では、南海トラフ地震に備えて広域防災体制の確立や公共施設の耐震化を推進しています。
※7参考:宮崎県「南海トラフ地震から身を守ろう!」
【条件別】南海トラフ地震で安全な地域

南海トラフ地震が発生した際に地域が安全かどうかを判断するためには、最大震度や負傷者数、全壊棟数などから多角的な分析が必要です。南海トラフ地震で安全な地域を、以下の条件別に紹介します。
- 最大震度が小さい地域
- 津波が襲来しない地域
- 負傷者が少ない地域
- 全壊棟数が少ない地域
- 停電軒数が少ない地域
それぞれの地域について、詳しく見ていきましょう。
最大震度が小さい地域
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが発表している被害想定区域において、もっとも最大震度が小さいのは震度4の福島県です(※3)。震度4では、吊り下げている家電が大きく揺れ、安定感のない置物は倒れる可能性があります。
被害想定区域に含まれていない北海道・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・沖縄県も、安全な地域と言えるでしょう。ただし、震度1〜3の軽微な揺れは生じる可能性があるので、注意してください。
津波が襲来しない地域
太平洋側の海に面している地域において、津波が襲来するリスクが低いのは、北海道・青森県・岩手県・宮城県・沖縄県です。ただし、津波が絶対に来ないという保証はないので、津波警報が発表されたら迅速に避難できる態勢は整えておきましょう。
負傷者が少ない地域
南海トラフ地震が発生した際に、負傷者が出ないと想定されている地域は、以下のとおりです。ただし、負傷者が出なかったとしても、ライフラインや交通機関などの被害によって、生活に支障をきたす恐れがあるので注意してください。
地方 | 都道府県 |
北海道地方 | 北海道 |
東北地方 | 青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県 |
関東地方 | 栃木県・群馬県 |
中部地方 | 新潟県・富山県 |
九州地方 | 佐賀県・沖縄県 |
全壊棟数が少ない地域
南海トラフ地震による全壊棟数が少ない地域は、北海道・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・栃木県・新潟県・富山県・沖縄県です。
また、全壊棟数が多い地域に住んでいたとしても、新耐震基準に基づいて建てられた建物であれば、全壊のリスクは下がるでしょう。自宅が全壊する原因として、揺れや液状化、津波、急傾斜地崩壊、火災が挙げられます。
停電軒数が少ない地域
南海トラフ地震によって送電設備が損傷を受けると、大規模な地震が発生します。地震発生時も停電が発生しないと予想されている地域は、以下のとおりです。
地方 | 都道府県 |
北海道地方 | 北海道 |
東北地方 | 青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県 |
関東地方 | 茨城県・栃木県・群馬県 |
中部地方 | 新潟県・富山県・石川県 |
九州地方 | 沖縄県 |
南海トラフ地震に備えて必要なポータブル電源

南海トラフ地震が起きると、安全な地域でも大規模な停電に見舞われる恐れがあります。停電時に電化製品を動かし続けるには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を溜めておき、コンセントがなくても家電に給電できる機器を指します。
南海トラフ地震による停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、夜の明かりを確保できる
- 災害警報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける
- スマホを使って、家族と連絡を取り続けられる
ポータブル電源は持ち運びできるので、在宅避難だけでなく、避難所でも活躍します。ソーラーパネルと併用すれば、停電中に充電切れになる心配はありません。
巨大地震の停電対策に必要な性能|おすすめの製品
南海トラフ地震による停電対策として、住んでいる地域に合ったポータブル電源を選びましょう。安全な地域にお住まいの場合は、在宅避難を想定して高出力・大容量のタイプが必要です。一方、危険な地域では、身軽に動ける軽量コンパクトなタイプが重宝します。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
- 移動避難「RIVER 3 Plus」
- 在宅避難「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、南海トラフ地震の危険な地域に住んでいる場合も、迅速な避難が実現します。
X-Boostで最大900Wの出力を誇り、避難所では自宅にある90%の家電が使用可能です。LEDライトを搭載しているので、停電時には素早く明かりを確保できます。防水、耐火、耐衝撃設計に優れているため、地震発生時の過酷な環境でも安心して使用できるでしょう。

在宅避難「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。最大2000Wの高出力を誇り、容量を最大5kWhまで拡張できるので、安全な地域における長引く停電生活に最適です。
高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると電気供給源がポータブル電源へと10ms未満で切り替わります。ソーラーパネルと併用すれば、わずか70分で満充電が可能です。約12.5kgの小型設計により、家中どこでも楽々持ち運べます。

南海トラフ地震で生き残るための対策5選

南海トラフ地震で危険な地域に住んでいる場合、建物の倒壊や津波、家具類の転倒などへの対策が欠かせません。安全な地域に住んでいたとしても、物流の停止による物資不足に備える必要があります。南海トラフ地震で生き残るための対策は、以下のとおりです。
- 対策1|被害が少ない安全な地域に移住する
- 対策2|ハザードマップを確認する
- 対策3|建物の耐震化を行う
- 対策4|家具類の転倒防止対策を行う
- 対策5|防災グッズを備蓄する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|被害が少ない安全な地域に移住する
南海トラフ地震による人的被害や建物被害を防ぐ最も有効な対策は、危険な地域から安全な地域への移住です。特に、南海トラフ地震で影響を受けやすい静岡県や和歌山県、宮崎県、高知県などにお住まいの方は、移住が命を救う結果になる場合もあるでしょう。
災害のリスクだけを考えるのであれば、南海トラフ地震の被害が想定されておらず、海や河川、山から離れた安全な地域がおすすめです。地域によっては移住に関する補助金が支給されるケースがあるので、自治体のホームページを確認してみてください。
対策2|ハザードマップを確認する
南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるためには、ハザードマップの確認が重要です。ハザードマップとは、被害想定区域や避難所の場所が記された地図を指します。
南海トラフ地震で被害が想定されている地域にお住まいの方は、自宅周辺でどの程度の浸水被害が起こりえるのかをハザードマップで確認できます。また、近隣の安全な避難所を特定し、最適な避難経路を導き出しておけば、災害時に迅速な避難が実現するでしょう。
対策3|建物の耐震化を行う
建物の倒壊を防ぐためには、建物の耐震化が欠かせません。南海トラフ地震が起きると、建物の全壊・焼失棟数が全国で235万棟にのぼると言われています(※8)。想定される死者数29万8,000人のうち、建物の倒壊が原因で亡くなる方は7万3,000人です。
特に1981年5月以前に「旧耐震基準」で建てられた住宅にお住まいの場合は、倒壊のリスクが高くなるため、早急に耐震化を進めましょう。自治体によっては補助金が支給されます。
※8参考:NHK防災「南海トラフ巨大地震 やっておくべき事前対策は 専門家が解説」
対策4|家具類の転倒防止対策を行う
1995年の阪神淡路大震災で亡くなられた方の約8割は、家具の転倒や家屋の倒壊による窒息死・圧迫死でした(※9)。命を守るために、家具類の転倒防止対策を行いましょう。
家具類の転倒防止対策の方法は、レイアウトの見直しと器具による固定です。まずは、寝室にある家具や出入り口を防ぐ恐れのある家具を、他の場所へ移動させましょう。
※9参考:名古屋市「家具転倒防止対策「南海トラフ巨大地震から命を守るために!」」
対策5|防災グッズを備蓄する
南海トラフ地震で安全な地域に住んでいたとしても、交通機関や生産工場に被害が出ると、物資不足に陥る恐れがあります。地震に備えて、以下の防災グッズを準備しましょう。
- 食料
- 飲料水
- 携帯ラジオ
- 懐中電灯
- 衛生用品
- 救急用品
- ポータブル電源
南海トラフ地震で危険な地域にお住まいの場合は、避難を想定して非常用持ち出し袋も準備しておくと安心です。非常用持ち出し袋は、重たくなり過ぎないよう注意してください。
まとめ

本記事では、南海トラフ地震で安全な地域について解説してきました。
南海トラフ地震で比較的安全な地域は、北海道・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・富山県・新潟県・栃木県です。いずれの地域も、人的被害や建物被害が想定されていません。反対に、最も危険な地域は、静岡県・和歌山県・高知県・徳島県・宮崎県です。
安全な地域に住んでいたとしても、被災地で生産工場や交通機関が被害を受けると、物流機能が停止して物資不足に陥る恐れがあります。南海トラフ地震は今後30年以内に80%の確率で起きると言われているので、今すぐに必要な防災グッズを準備しましょう。
EcoFlowは、大規模な停電時でも家電を動かせるポータブル電源を販売しています。南海トラフ地震による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。