静岡県から宮崎県のプレート境界を震源域とする南海トラフ巨大地震。北海道まで距離が離れているため、影響はないと思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、北海道で人的・建物被害はなかったとしても、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
そこで本記事では、南海トラフ巨大地震が北海道に及ぼす影響について解説します。北海道で必要な南海トラフ地震への対策や、北海道が行う被災地への支援も掲載しているので、巨大地震発生時も健康的な生活を継続したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
南海トラフ巨大地震による北海道への影響
南海トラフ巨大地震は、静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘沖にかけてのプレート境界で発生する地震です。北海道は震源地となる南海トラフから遠く離れていますが、地震による影響を受ける可能性があります。特に太平洋沿岸部では、津波による被害に注意が必要です。
北海道で観測される震度
内閣府管轄の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが発表している資料では、北海道での被害が想定されていません。被害想定地域の中で最も北海道寄りの福島県において最大震度は4と予想されているため、北海道では震度1程度の揺れになるでしょう（※1）。
1944年に発生した南海トラフ地震「昭和東南海地震」では、北海道で震度1を観測しました（※2）。震度1は、屋内で静かに過ごしている人の中に、揺れを感じる人がいる程度です。
※2参考：気象庁「昭和東南海地震から80年」
【北海道】南海トラフ巨大地震の被害想定3選
今後30年以内に80%の確率で発生すると言われる南海トラフ巨大地震。震源地周辺ほどではないものの、北海道においても日常生活に以下のような被害をもたらします。
- 被害1|太平洋沿岸部で津波が襲来する
- 被害2|物資が不足する
- 被害3|交通機関の運休が相次ぐ
それぞれの被害について、詳しく見ていきましょう。
被害1|太平洋沿岸部で津波が襲来する
南海トラフ巨大地震が起きると、北海道の太平洋沿岸部全域に津波が到達する可能性があります（※3）。津波は、早ければ地震の発生から約2時間で沿岸部まで到達するでしょう。
気象庁から津波警報・注意報が発表された場合は、早急に避難が必要です。北海道では津波による影響が少ないと予想されていますが、油断せずに最新の情報を確認してください。
※3参考：国土交通省「南海トラフ巨大地震対策計画 北海道ブロック地域対策計画 」
被害2|物資が不足する
南海トラフ巨大地震が発生すると、震源域では生産工場の被害や交通の寸断が相次ぎます。北海道においても、全国的な物流の混乱によって日用品や食料が長期間不足するでしょう。
北海道は本州と海を隔てているため、港湾や空港が被害に遭ってしまうと、道路や鉄道による物資の供給ができません。物資の不足に備えて、日頃からの備蓄が重要です。
被害3|交通機関の運休が相次ぐ
南海トラフ地震が発生した場合、北海道の交通機関は、本州を経由するフェリー輸送や空輸に影響を受ける可能性があります。特に、本州の高速道路や空港、港湾施設が被災すると、全国的な交通網の混乱が予想されるでしょう。
交通機関の運休が相次ぐと、北海道への物資供給や人の移動が制限されます。南海トラフ地震の震源地周辺に親族が住んでいたとしても、すぐには駆けつけられません。
北海道で必要な南海トラフ地震への対策5選
北海道にお住まいの方は、南海トラフ地震に備えて津波対策や物資の備蓄が必要です。地震が起きてからでは、すぐに準備できない可能性があるので注意してください。北海道で必要な南海トラフ巨大地震への対策は、以下のとおりです。
- 対策1|ハザードマップを確認する
- 対策2|避難訓練に参加する
- 対策3|家族との連絡手段を確認する
- 対策4|情報収集源を確保しておく
- 対策5|日用品や食料を備蓄しておく
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|ハザードマップを確認する
北海道では、南海トラフ巨大地震による津波の心配があるので、ハザードマップの確認が必要です。ハザードマップとは、被害想定区域と避難所の場所が記された地図を指します。
自治体のホームページからハザードマップを入手して、住んでいる地域における浸水のリスクを判断しましょう。北海道防災会議地震専門委員会ワーキンググループが、北海道太平洋沿岸における津波の波高と浸水域を調査した「津波浸水予測図」も参考にしてください。
対策2|避難訓練に参加する
これまでに津波を経験したことがない方は、いざという時にかえって身を危険にさらすような行動をとりかねません。南海トラフ地震を想定した避難訓練に参加しましょう。
津波からの避難だけでなく、安否確認や避難所でのプライバシー確保、炊き出し、物資の仕分けなどの訓練も行っておくと安心です。
対策3|家族との連絡手段を確認する
南海トラフ地震では、大規模な停電や通信障害によって家族と連絡を取りづらくなる可能性があります。家族と事前に話し合い、災害時の連絡手段を確認しておきましょう。南海トラフ地震発生時におすすめの連絡手段は、以下のとおりです。
| 連絡手段 | 内容 |
| 災害用伝言ダイヤル（171） | 電話番号に紐づけて伝言を音声で登録・再生できる |
| 災害用伝言板サービス | 電話番号に紐づけて伝言をテキストで登録・閲覧できる |
| 災害用音声お届けサービス | 音声をパケット通信で送信し、災害時のつながりやすさを実現する |
対策4|情報収集源を確保しておく
南海トラフ地震が発生した際、被害を最小限に抑えるためには迅速な情報収集が重要です。災害時の情報収集源として、携帯ラジオを常備しておきましょう。
携帯ラジオがあれば、災害によって通信障害が起きていても影響を受けません。周波数を合わせるだけで、正確な最新情報が取得できます。一方、スマートフォンは通信障害のリスクがあるだけでなく、誤った情報も錯綜しているため、災害時の情報収集には不向きです。
対策5|日用品や食料を備蓄しておく
南海トラフ巨大地震によって被災地の交通機関や生産工場が被害を受けると、北海道でも物資不足に陥ります。南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくないので、3日〜1週間生活できるだけの日用品や食料を備蓄しておきましょう。
特に飲料水は、生命維持のために最も欠かせません。1日に一人当たり3Lを目安に、家族の人数分用意してください。食料は栄養バランスを考慮して選ぶのがおすすめです。
南海トラフ地震による停電への備え！ポータブル電源とは
南海トラフ地震のような巨大地震が北海道の付近で発生すると、大規模な停電に見舞われる恐れがあります。停電は3日以上に及ぶ可能性があり、電気が使えなければ健康的な生活は望めません。停電時も家電を動かすためには、ポータブル電源が必要です。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄電し、停電時も電化製品に給電できる機器を指します。停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや電気ストーブなどの暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、夜でも安全に避難できる
- 災害警報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける
- スマホを使って、家族の安否確認が行える
ポータブル電源があれば、北海道の極寒な環境で停電が起きても、暖房機器をフル稼働して暖を取れます。ソーラーパネルと併用すれば、充電切れになる心配もありません。
巨大地震による停電対策に必要な性能|おすすめの製品
南海トラフ地震のような巨大地震への対策には、住んでいる地域に合ったポータブル電源を選びましょう。津波の危険がある沿岸部にお住まいの方は、迅速な避難を実現するために、軽量かつコンパクトなタイプを選びましょう。
一方、物資不足や在宅避難が予想される内陸部にお住まいの方には、高出力かつ大容量のタイプを推奨します。自宅にあるほぼ全ての家電を動かせれば、長引く停電でも安心です。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
- 移動避難「RIVER 3 Plus」
- 在宅避難「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
移動避難「RIVER 3 Plus」
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、北海道の沿岸部にお住まいで津波警報が発表されても、迅速に避難できます。
X-Boostで最大900Wの出力を誇り、避難所では自宅にある家電の90%が使用可能です。LEDライトを搭載しているので、停電時には明かりを灯して周囲の安全を確保できます。30dB以下の静音設計なので、避難所で使用しても他の被災者の迷惑になりません。
在宅避難「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。最大2000Wの高出力を誇り、容量を最大5kWhまで拡張できるので、北海道で消費電力の高い暖房機器を長時間使用できます。
高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると電気供給源がポータブル電源へと10ms未満で切り替わります。ACやDC、USB、シガーソケットなど、計13個の出力ポートを搭載しているので、停電中も普段通りに複数台の家電を同時に動かせます。
南海トラフ巨大地震で北海道が行う被災地支援3選
南海トラフ地震が発生した場合、被害が比較的少ないとされる北海道は、被災地への支援活動を行う計画を立てています。広大な敷地と資源に溢れた北海道は、被災地を救う重要な鍵といっても過言ではありません。
南海トラフ巨大地震で北海道が行う被災地支援は、以下のとおりです。
- 支援1|災害対策用ヘリコプターの応援派遣
- 支援2|緊急支援物資の供給
- 支援3|航空機等の代替受入
それぞれの支援について、詳しく見ていきましょう。
支援1|災害対策用ヘリコプターの応援派遣
南海トラフ地震が起きると、北海道開発局は災害対策用ヘリコプター「ほっかい」を被災地に向かわせ、被災地情報の収集や緊急調査などを行います（※3）。
南海トラフ巨大地震では、大規模な被害が同時多発的に発生するため、空からの被災地情報の調査は非常に有効です。各方面で使用される基地は、給油が可能であり、震度5強以下で津波の心配がない場所である必要があります。
支援2|緊急支援物資の供給
南海トラフ地震では、経済活動を支えるサプライチェーンの迅速な確保が重要です。北海道は、日本海側の道路や鉄道、航路等の輸送ルートを活用して、緊急支援物資を供給します。
実際に2011年の東日本大震災では、北海道開発局の広域防災フロートが、北海道内の港湾から生活物資の緊急輸送を行いました（※3）。
支援3|航空機等の代替受入
南海トラフ地震では北海道の被害が本州に比べて少ないと予想されるため、北海道内の陸・海・空路拠点を広域的な代替受入施設として活用します。
地震発生時に想定されるのは、航空機や海上コンテナ貨物の代替受入です。被害が想定される下記の空港を目的地とする航空機を、新千歳空港等でカバーします（※3）。
- 宮崎空港
- 大分空港
- 高知空港
- 関西国際空港
- 中部国際空港
また、後方支援基地としての役割も担うので、関東から九州にかけての太平洋側の被災地に対して、柔軟なルート選択で支援を行えます。
北海道の南海トラフ巨大地震に関するよくある質問
最後に、北海道の南海トラフ巨大地震に関するよくある質問を紹介します。
- 南海トラフ地震が起きても北海道は安全？
- 北海道で南海トラフ巨大地震はいつ来る？
- 北海道で南海トラフ地震よりも警戒すべき地震は？
- 北海道で南海トラフ地震が起きた際の正しい行動は？
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
南海トラフ地震が起きても北海道は安全？
南海トラフ地震は、静岡県から宮崎県にかけての海域を震源地としているため、北海道は比較的安全なエリアです。過去に発生した南海トラフ地震では、北海道が震度1でした。
ただし、太平洋沿岸の地域には津波が押し寄せる可能性もあるので、注意が必要です。津波は地震発生から約2時間で沿岸に到達するので、早急に避難する必要があります。
北海道で南海トラフ巨大地震はいつ来る？
南海トラフ地震は、今後30年以内に80%の確率で来ると言われています（※4）。周期が約100〜150年であるのに対し、前回の南海トラフ地震から既に約80年が経過しているので、いつ起きてもおかしくありません。北海道では、早急に防災グッズを備蓄しましょう。
※4参考：地震本部「南海トラフで発生する地震」
北海道で南海トラフ地震よりも警戒すべき地震は？
北海道では、南海トラフ地震よりも千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震に警戒が必要です。1919年以降、マグニチュード8を超える地震が約8回も起きています。
千島海溝・日本海溝で想定される地震は、マグニチュード8〜9クラスで、高さ30m級の津波が押し寄せます。マグニチュード7を超える地震が起きた場合、北海道では「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されるので、発生から1週間は警戒が必要です。
北海道で南海トラフ地震が起きた際の正しい行動は？
北海道で南海トラフ地震が起きた場合、太平洋沿岸の地域にお住まいの方は、気象庁が発表する津波警報に注意しましょう。津波は地震発生から約2時間で到達するため、避難指示を受けてからすぐに避難できる態勢を整えてください。
北海道でも内陸側にお住まいの方は、物資不足に警戒して食料や生活用品が揃っているかの確認が必要です。停電に備えて、ポータブル電源は満充電にしておきましょう。
まとめ
本記事では、南海トラフ巨大地震が北海道に及ぼす影響について解説してきました。
南海トラフ地震が起きると、北海道では太平洋沿岸の津波や物資不足、交通機関の運行障害が想定されます。津波は発生から約2時間で沿岸まで到達するため、迅速に避難する準備が必要です。被災地周辺で物流が止まると、北海道でも物資不足が懸念されます。
北海道の太平洋沿岸にお住まいの方は、ハザードマップを確認し、避難経路と避難場所を特定しておきましょう。内陸部にお住まいの方は、食料や生活用品の備蓄が欠かせません。
EcoFlowは、大規模な停電時でも自宅にあるほとんどの家電に給電できるポータブル電源を販売しています。停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。