南海トラフ地震が起きた場合、大阪ではどこに逃げるのか気になる方も多いのではないでしょうか。地域によっては震度7、津波高30m超えが予想されているので、逃げ遅れると命に関わります。いつ地震が起きても、焦らず迅速に逃げられる準備を整えておきましょう。
そこで本記事では、南海トラフ地震が起きた際に大阪ではどこに逃げるべきかを解説します。大阪における津波の到達範囲や想定被害、必要な対策も掲載しているので、南海トラフ地震から家族を守りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【大阪】南海トラフ地震が来たらどこに逃げる?

関東地方から九州地方にかけての広範囲で発生する南海トラフ地震。大阪においても比較的大規模な揺れや津波が想定されるため、必要に応じて自治体が定める避難場所に逃げてください。大阪府では、自治体ごとに広域避難場所や一時避難場所が指定されています。
大阪湾に隣接する大阪市は比較的平坦な地形なので、津波から身を守るために建物の3階相当以上の高所に逃げましょう。ただし、津波による浸水が及ばない丈夫な高層マンションにお住まいの場合は、在宅避難が有効な場合もあります。
南海トラフ地震はいつ大阪に来るのか

2025年1月に政府の地震調査委員会は、今後30年以内に南海トラフ地震が起きる確率は80%と発表しました(※1)。周期は約100〜150年であり、既に前回の地震から約80年が経過しているため、南海トラフ地震がいつ大阪にやってきてもおかしくありません。
※1参考:地震本部「南海トラフで発生する地震」
大阪で想定される南海トラフ地震の規模

昨今、メディアでよく目にする機会が増えた南海トラフ地震ですが、大阪では実際にどの程度の規模になるのか知らない方も多いでしょう。主に静岡県や高知県、宮崎県などで最大の被害が予想されていますが、大阪府も決して安心できるレベルの規模ではありません。
大阪で想定される南海トラフ地震の規模について、以下の項目を解説します。
- 大阪で観測される南海トラフ地震の震度
- 南海トラフ地震が来たら大阪は沈むのか
それぞれの想定について、詳しく見ていきましょう。
大阪で観測される南海トラフ地震の震度
大阪府では、南海トラフ地震で最大震度6強の揺れが予想されています(※2)。ただし、地区やケースによっては震度5弱の場合もあるので、確認してみてください。震度5弱〜6強の地震における揺れの状況は、以下のとおりです。
震度 | 揺れの状況 |
震度5弱 | ・棚にある食器類や本が落下する場合がある ・固定していない家具が移動する場合がある ・不安定な家具が転倒する場合がある |
震度5強 | ・物に掴まらないと歩くのが難しい ・棚にある食器類や本で落ちるものが多くなる ・固定していない家具が倒れる場合がある |
震度6弱 | ・立っているのが困難になる ・固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある ・耐震性の低い木造建物が傾いたり、倒れたりする |
震度6強 | ・地面を這わないと移動できない ・耐震性の低い木造建物は、傾くものや倒れるものが多くなる ・大きな地割れや地すべり、土砂崩れなどが発生する |
南海トラフ地震が来たら大阪は沈むのか
南海トラフ地震が来たら、大阪の一部地域は津波や液状化現象によって沈む可能性があります。内閣府は、液状化によって約9.4万〜11万棟の建物が沈下被害を受けると発表しました(※3)。液状化が起きると、建物が倒壊して人が下敷きになる恐れもあります。
※3参考:中央防災会議「南海トラフ巨大地震最大クラス地震における被害想定について」
【大阪】南海トラフ地震の津波はどこまで来る?

大阪湾に隣接する大阪府で南海トラフ地震が起きると、大規模な津波による被害が想定されます。特に大阪市は最も人口が多く、沿岸部の地域から河川を遡上して市街地に津波が押し寄せるので、被害は甚大です。南海トラフ地震の津波による大阪の被害想定を解説します。
- 津波の高さ
- 津波の到達時間
- 津波で浸水する地域
それぞれの想定について、詳しく見ていきましょう。
津波の高さ

大阪の海岸における津波の高さは、0〜5m程度です(※4)。特に大阪市此花区は津波高が5mに達する想定なので、南海トラフ地震が起きたら早急な避難が必要です。津波の高さは、2mを超えただけでも木造家屋が全面破壊するリスクが高まります(※5)。
※4参考:内閣府「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会 津波高」
※5参考:気象庁「津波について」
津波の到達時間
南海トラフ地震が発生すると、最短1時間50分で1mを超える津波が押し寄せます(※6)。時間的猶予があると油断せず、津波警報が発表されたら迅速に避難しましょう。
大阪の海岸沿いには防潮堤が整備されていますが、地盤沈下によって津波の到達までに浸水する可能性もあります。
※6参考:内閣府「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会 津波到達時間」
津波で浸水する地域
南海トラフ地震で津波が押し寄せてきた場合、泉大津市や高石市、大阪市の住之江区や此花区、西淀川区などで大規模な浸水が予想されます(※7)。特に大阪市では、浸水する面積が7,1461haにものぼるため、沿岸部にお住まいの方は長距離の避難が必要です(※8)。
※7参考:内閣府「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会 浸水図」
※8参考:大阪市「大阪府下における南海トラフ巨大地震・津波の想定結果」
大阪の南海トラフ地震で想定される被害3選

大阪に南海トラフ地震が来たら、以下の3つの被害が想定されます。沿岸部周辺だけでなく、大阪府全域に被害のリスクがあるため、注意してください。
- 被害1|人的被害
- 被害2|建物被害
- 被害3|ライフラインの停止
それぞれの被害について、詳しく見ていきましょう。
被害1|人的被害
大阪で南海トラフ地震が起きると、建物の倒壊や津波、急傾斜地崩壊、火災などによって甚大な人的被害が予想されます。大阪府で想定される最大の負傷者数と死者数を原因別に見ていきましょう(※9)。
原因 | 負傷者数 | 死亡者数 |
建物倒壊 | 約46,000人 | 約2,700人 |
津波 | 約1,000人 | 約2,300人 |
急傾斜地崩壊 | 約10人 | 約10人 |
火災 | 約11,000人 | 約4,700人 |
ブロック塀・自動販売機の転倒や屋外落下物 | 約8,600人 | 約200人 |
※9参考:中央防災会議「南海トラフ巨大地震最大クラス地震における被害想定について」
被害2|建物被害
大阪で南海トラフ地震が起きると、最大震度6強の揺れや液状化現象、津波、急傾斜地崩壊、火災によって建物被害が生じます。大阪府で想定される最大の半壊棟数・全壊棟数・焼失棟数を原因別に見ていきましょう(※9)。
原因 | 半壊棟数 | 全壊棟数・焼失棟数 |
揺れ | 約241,000棟 | 約58,000棟 |
液状化 | 約57,000棟 | 約12,000棟 |
津浪 | 約16,000棟 | 約1,300棟 |
急傾斜地崩壊 | 約200棟 | 約100棟 |
火災 | – | 約226,000棟 |
被害3|ライフラインの停止
南海トラフ地震が起きると、電気や水道、ガス、通信といったライフラインが停止します。停電が起きると、テレビや冷蔵庫、冷暖房機器などの生活家電が使えなくなり、生活の質は一気に低下するでしょう。
断水ではトイレの水が流せなかったり、体が洗えなかったりと、衛生面の悪化が危惧されます。通信障害が発生すると、家族との安否確認や災害情報の収集ができません。大阪で南海トラフ地震が起きた場合に想定される、ライフラインの被害は以下のとおりです(※10)。
ライフライン | 項目 | 大阪の推計値 |
水道 | 断水人口 | 8,320,730人 |
電力 | 停電軒数 | 2,341,756軒 |
ガス | 供給停止戸数 | 1,154,267戸 |
携帯電話 | 停波基地局率 | 48.5% |
※10参考:大阪市「大阪府域の被害想定(ライフライン等施設被害・経済被害等)の公表」
大阪府民必見!南海トラフ地震に備えた対策5選

南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるには、事前の備えが欠かせません。準備を万全にしておけば、揺れを感じてから迅速に避難ができ、避難した先でも健康的な生活が送れます。大阪で起きる南海トラフ地震に備えた対策は、以下のとおりです。
- 対策1|ハザードマップを確認する
- 対策2|建物の耐震化を行う
- 対策3|感震ブレーカーを設置する
- 対策4|地震発生時の対応を把握する
- 対策5|防災グッズを備蓄する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|ハザードマップを確認する
大阪で南海トラフ地震による津波のリスクを判断するために、ハザードマップを確認しましょう。ハザードマップとは、被害想定区域や避難所の場所が示された地図です。
特に大阪市は大部分が低地なので津波による水害に弱く、お住まいのエリアで大規模な浸水に見舞われる可能性があります。自治体のホームページからハザードマップを入手し、家族で安全な避難経路と避難所の場所を確認しておきましょう。
対策2|建物の耐震化を行う
建物の全壊や半壊を防ぐためには、建物の耐震化を進める必要があります。特に旧耐震基準で建てられた建物は、耐震性が低いと言われているため、早急な耐震化が必要です。
まずは、耐震診断を受けて地震に対する安全性を確認しましょう。耐震性が低いと判断された場合には、耐震改修を行います。自治体が提供する助成制度も上手く活用してください。
対策3|感震ブレーカーを設置する
地震を感知して自動でブレーカーを落としてくれる感震ブレーカーを設置すれば、電気火災を防げます。大阪でも大きな被害をもたらした阪神淡路大震災では、原因が特定された139件の火災のうち、約60%が電気火災によるものでした(※11)。
※11参考:内閣府「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会報告書について」
対策4|地震発生時の対応を把握する
南海トラフ地震の発生可能性が高まった際に通知される「南海トラフ地震臨時情報」は、必ずしも発生前に発表されるとは限りません。地震発生時の正しい行動を紹介します。
■揺れが発生したら
- 【屋内】頑丈なテーブルや机の下に隠れる
- 【屋外】ブロック塀やガラス、電柱、樹木などに近づかない
- 【屋外】公園や空き地で揺れが収まるのを待つ
■揺れが収まったら
- 高台の避難所や津波避難タワーに逃げる
- 正確な情報を収集する
対策5|防災グッズを備蓄する
南海トラフ地震によってライフラインや物流が停止した事態に備えて、以下の防災グッズを備蓄しておきましょう。飲料水や非常食は、最低でも3日分用意しておく必要があります。
- 飲料水
- 非常食
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- 衛生用品
- 救急用品
- ポータブル電源
迅速に避難できるよう、防災リュックは玄関に収納しておくのがおすすめです。
南海トラフ地震への備えに必須!ポータブル電源とは

南海トラフ地震によって停電が発生すると、3日以上復旧しない可能性があります。大阪府内で比較的津波のリスクが低い内陸部にお住まいの方でも、安心はできません。停電中も普段通りの生活を送るためには、ポータブル電源が必要です。
ポータブル電源とは、内部に大量の電気を溜め込み、停電中も電化製品に給電できる機器を指します。停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、夜でも安全に避難できる
- 災害警報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける
- スマホを使って、家族と連絡を取り続けられる
ソーラーパネルと併用すれば、停電中に本体が充電切れになる心配はありません。
巨大地震の停電対策に必要な性能|おすすめの製品
南海トラフ地震の停電対策に選ぶポータブル電源は、お住まいのエリアによって異なります。津波のリスクが高い大阪市や泉大津市、高石市などに自宅がある場合は、迅速に避難するために軽量・コンパクトなポータブル電源が必要です。
一方、上記以外の内陸側に自宅がある場合は、長引く在宅避難で電化製品を稼働し続けるために、高出力かつ大容量のポータブル電源を選ぶ必要があります。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
- 移動避難「RIVER 3 Plus」
- 在宅避難「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
移動避難「RIVER 3 Plus」
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、南海トラフ地震が発生して津波の危険が迫っていても、迅速に避難できます。
X-Boostで最大900Wの出力を誇り、避難所では自宅にある家電の90%が使用可能です。LEDライトを搭載しているので、停電時でも明かりを確保できます。防水、耐火、耐衝撃設計に優れているため、巨大地震が起きた厳しい環境下でも大活躍するでしょう。

在宅避難「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。最大2000Wの高出力を誇り、容量を最大5kWhまで拡張できるので、大家族の停電対策にも最適です。
高度な電源自動切り替え機能を搭載しており、停電が起きると電気供給源がポータブル電源へと10ms未満で切り替わります。ACやDC、USB、シガーソケットなど、計13個の出力ポートを搭載しているので、停電中も複数台の家電を同時に動かせます。

【大阪】南海トラフ地震でどこに逃げるかに関するよくある質問

最後に、【大阪】南海トラフ地震でどこに逃げるかに関するよくある質問を紹介します。
- 南海トラフ地震発生時の避難場所はどこ?
- マンションで南海トラフ地震が起きたらどこに逃げる?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
南海トラフ地震発生時の避難場所はどこ?
大阪で南海トラフ地震が発生した際の避難場所は、自治体ごとに緊急避難場所や広域避難場所、一時避難場所などが指定されています。自治体のホームページを確認し、自宅に最も近い避難場所をいくつかピックアップしておきましょう。
災害時に自宅から離れた場所にいて、周辺の避難場所が分からない場合は、津波による浸水が及ばない頑丈な建物の3階以上に避難してください。
マンションで南海トラフ地震が起きたらどこに逃げる?
マンションで南海トラフ地震が発生し、身の危険がある場合は、地上階に降りて一時集合場所や避難所に逃げましょう。ただし、沿岸部で津波警報が出された場合は、できるだけ高台に移動する必要があります。余震に備えて、エレベーターは使用しないでください。
まとめ

本記事では、大阪で南海トラフ地震が起きた際、どこに逃げるかについて解説しました。
大阪で南海トラフ地震が起きたら、自治体ごとに指定されている広域避難場所や一時避難場所などに避難しましょう。大阪湾に隣接する大阪市は比較的平坦な地形なので、津波による被害を受けやすいのが特徴です。
大阪府では最大震度6強の揺れが予想されており、耐震性の低い木造建物は倒壊の危険もあります。南海トラフ地震に備えて、建物の耐震化や防災グッズの備蓄を行いましょう。
EcoFlowは、南海トラフ地震による大規模な停電時に活躍するポータブル電源を販売しています。自宅や避難所で家電を使用し続けたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。