「災害用の備蓄食料は実際にどれくらい必要なのだろう?」という疑問を持つ方も多いでしょう。災害用の備蓄食料は、一般的に「最低3日分、できれば1週間分」が推奨されています。
ただし、実際の備蓄量は家族構成や個々の必要カロリーによって異なるため、年齢や性別、健康状態に合わせた計画が必要です。また、日常的に消費・補充する「ローリングストック法」を取り入れることで、常に新鮮な状態で備蓄できます。
本記事では、災害用備蓄食料の必要量、食品の選び方、おすすめの食品カテゴリーについて解説します。
災害用の備蓄食料はどれくらい必要?

災害はいつ発生するか予測できないため、各家庭での食料備蓄は重要な防災対策の1つです。では、実際にどのくらいの量を備えておくべきなのでしょうか。
災害用の備蓄食料は一般的に「最低3日分、できれば1週間分」が推奨されています。食料の備蓄量は、家族構成や個々の必要カロリーによって異なりますが、一般的な目安として以下の表を参考にしてください。
家族構成 | 1日あたりの目安 | 7日分 | 14日分 |
成人男性 | 主食3食+副菜2品+飲料水3L | 主食21食+副菜14品+水21L | 主食42食+副菜28品+水42L |
成人女性 | 主食3食+副菜2品+飲料水2.5L | 主食21食+副菜14品+水17.5L | 主食42食+副菜28品+水35L |
高齢者・子ども | 主食3食+副菜2品+飲料水2L | 主食21食+副菜14品+水14L | 主食42食+副菜28品+水28L |
特に都市部では、物流の停滞によって食料供給が遅れる可能性が高いため、余裕をもった備蓄が望ましいでしょう。また、ペットを飼っている場合は、ペットフードの備蓄も忘れないようにしてください。
災害時の食料備蓄の基本的な考え方

災害時に本当に役立つ食料備蓄を実現するためには、単に食品を購入して保管するだけでなく、家族の特性や生活習慣に合わせた計画的な備蓄が必要です。
まず、家族構成に合わせた備蓄量の計算方法を考えましょう。家族1人ひとりの年齢、性別、活動量、健康状態などに応じて必要なカロリーや栄養素は異なります。
例えば、成長期の子どもや妊婦、授乳中の女性は通常よりも多くの栄養が必要です。逆に、高齢者や活動量の少ない方は、カロリー摂取量を抑えめにする必要があるかもしれません。
次に重要なのが「ローリングストック法」の実践です。これは、日常的に食べている食品を少し多めに購入し、古いものから順に消費しながら、消費した分を新しく補充していくという備蓄方法です。
この方法の最大のメリットは、常に新鮮な状態の食料を備蓄できることと、実際に食べ慣れている食品を備蓄できる点にあります。少なくとも年に2回程度は備蓄品の賞味期限や保存状態を確認し、必要に応じて入れ替えや追加を行いましょう。
災害時の1日あたりの必要カロリー
災害時は平常時とは活動内容が大きく異なり、それに応じて必要なカロリーも変化します。避難所生活や復旧活動が続く状況では、平常時よりも多くのエネルギーを消費することもあれば、活動が制限されて消費カロリーが減ることもあります。
一般的に成人男性の場合、平常時の必要カロリーは約2,200〜3,000kcalですが、災害時の初期段階では1,500〜2,000kcal程度を確保できれば最低限の活動は維持できるとされています。
一方、成人女性の場合は平常時で約1,800〜2,400kcal、災害時初期では1,200〜1,800kcal程度が目安です。
子どもの場合、年齢によって大きく異なりますが、成長に必要な栄養素を確保するためにも、できるだけ平常時に近いカロリー摂取を心がけるべきです。例えば、小学生の場合は1日約1,500〜2,200kcal、中高生では2,000〜2,500kcalが目安となります。
災害用備蓄食料の選び方

災害用備蓄食料を選ぶ際には、いくつかの重要ポイントを押さえる必要があります。ここでは、実用的な観点から備蓄食料の選び方について解説します。
- 常温保存が可能な食品を選ぶ
- 賞味期限の長い食品を選ぶ
- 調理の手間が少ない食品を選ぶ
以下、各ポイントの詳細を見ていきましょう。
常温保存が可能な食品を選ぶ
災害時には電気・ガス・水道などのライフラインが途絶える可能性が高いため、冷蔵や冷凍が不要で、常温で保存できる食品を選ぶことが基本となります。
缶詰は代表的な常温保存食品で、魚(ツナ、サバ、サンマなど)、肉(コンビーフ、ポークなど)、野菜(コーン、トマト、豆類など)など種類も豊富です。
密閉性が高く長期保存が可能なうえ、そのまま食べられるものが多いため、災害備蓄の中心的存在と言えるでしょう。カレー、ハンバーグ、パスタなど、種類が豊富なレトルト食品も優れた選択肢です。
賞味期限の長い食品を選ぶ
災害備蓄食料として理想的なのは、賞味期限が長く、定期的な入れ替えの手間が少ない食品です。一般的に、3年以上の賞味期限がある食品を選ぶと管理が容易になります。
長期保存が可能な主食としては、アルファ米(5年程度)、乾パン(5年程度)、缶入りパン(3〜5年)などがあります。特にアルファ米は水を注ぐだけで食べられ、白米だけでなく、五目ご飯やドライカレーなど味付けされた種類も豊富です。
缶詰は製品によって異なりますが、一般的に3〜5年の賞味期限があります。魚の水煮缶や肉の塩漬け缶などは、タンパク質源として重要な備蓄品です。
調理の手間が少ない食品を選ぶ
災害時は調理設備が限られる可能性が高いため、そのまま食べられるか、お湯や水を加えるだけで簡単に調理できる食品を選ぶことが重要です。特に災害発生直後は混乱状態にあり、複雑な調理に労力を割くことは難しいでしょう。
そのまま食べられる食品としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 缶詰(ツナ、フルーツなど)
- レトルト食品
- ドライフルーツ
- ナッツ類
- チョコレートなどの菓子類
- 栄養補助食品(カロリーメイトなど)
これらは開封するだけですぐに食べられるため、災害直後の混乱期に特に重宝します。お湯を注ぐだけで食べられる食品としては、インスタント麺、カップスープ、フリーズドライ食品、アルファ米などがあります。
災害備蓄におすすめの食品カテゴリー

災害時の食事は単にカロリーを摂取するだけでなく、栄養バランスや食べる喜びを考慮することで、精神的な支えにもなります。ここでは、災害備蓄におすすめの食品を主食、おかず、調味料の3つのカテゴリーに分けて紹介します。
災害備蓄におすすめの主食
主食は災害時のエネルギー源として最も重要な食品カテゴリーです。さまざまな種類の主食を備蓄しておくことで、食事の多様性を確保できます。
アルファ米は災害備蓄の定番です。通常の白米を加工して乾燥させたもので、水やお湯を注ぐだけで15〜20分程度で食べられるようになります。
白米だけでなく、五目ご飯、わかめご飯、ドライカレーなど色々な味があり、5年程度の長期保存が可能です。1食分ずつ個包装されているため、必要な分だけ調理できる点も魅力です。
災害備蓄におすすめのおかず
主食だけでなく、おかずもバランスよく備蓄することで、災害時でも栄養バランスの取れた食事が可能になります。特にタンパク質や野菜からのビタミン・ミネラルの摂取は、免疫力の維持に欠かせません。
魚の缶詰(ツナ、サバ、サンマなど)は、良質なタンパク質と必須脂肪酸を含み、そのまま食べられる便利さから備蓄の定番です。特にサバやサンマの水煮缶は、DHAやEPAなどの健康に良い脂質を含んでいます。
また、肉の缶詰(コンビーフ、ポークなど)も重要なタンパク源です。サンドイッチの具や炒め物の材料として使えるほか、そのままおかずとしても食べられます。
災害備蓄で忘れがちな調味料
災害備蓄において調味料は見落とされがちですが、単調になりやすい非常食に変化をつける重要な役割を果たします。限られた食材でも美味しく食べられ、食事の満足度が大きく向上します。
最低限備えておきたい基本調味料は、塩、砂糖、醤油、味噌であり、これらは小分けパックやミニボトルを選べば使いやすく保存も効率的です。特に塩は調理だけでなく、衛生管理(うがい等)にも使える多目的な調味料です。
複合調味料(ふりかけ、混ぜご飯の素、即席スープの素など)も重宝します。少量で風味や味付けを大きく変えられるため、単調になりがちな非常食に変化をつけるのに最適です。
食事の質を高めたいならポータブル電源の利用がおすすめ!

災害時の食事の質を大幅に向上させる方法として、ポータブル電源の活用が挙げられます。電気が使えることで調理の幅が広がり、温かく美味しい食事を楽しむことができます。
「EcoFlow DELTA 3 Plus」は、災害時の食事準備で活躍するポータブル電源です。1500Wの高出力により、電気ケトルや小型の電気調理器、電子レンジなどの調理家電を稼働させることができるため、インスタント食品やレトルト食品を温かい状態で食べられるようになります。
また、UPS機能と荒天警報機能を搭載しており、停電時にも瞬時に電力を供給できるため、冷蔵庫に保管している食材の劣化を防ぐのに役立ちます。

より大規模な電力が必要な場合には、「EcoFlow DELTA Pro 3」がおすすめです。3.6kWの高出力と4kWhの大容量バッテリーを備え、専用のエクストラバッテリーで最大12kWhまで拡張可能です。
IHクッキングヒーターや電気圧力鍋など、より本格的な調理器具の使用が可能となり、災害時でも日常に近い食事を楽しむことができます。

災害用備蓄食料に関するよくある質問

最後に、災害用備蓄食料に関するよくある疑問を紹介します。
災害用の食料は普段から備えておくべき?
災害用の食料は、間違いなく普段から備えておくべきです。災害はいつ発生するか予測できないため、「いまから準備しよう」と思ったときにはすでに手遅れになっている可能性があります。
効果的な備蓄方法として、ローリングストック法の活用がおすすめです。普段から少し多めに食料を購入し、古いものから消費して新しいものを補充する習慣をつけることで、常に新鮮な備蓄を維持できます。
備蓄食料はどこに保管するのがベスト?
備蓄食料の保管場所は、食品の品質保持と災害時の取り出しやすさの両面から検討する必要があります。理想的な保管場所は、直射日光が当たらず、温度変化の少ない涼しく乾燥した場所です。
具体的な保管場所としては、キッチンの床下収納や押入れ、クローゼットの下段、リビングの収納棚などが候補となります。
ただし、水害のリスクがある地域では1階にすべての備蓄を置くことは避け、2階にも分散させるようにしましょう。
賞味期限切れの備蓄食料は食べられる?
賞味期限切れの備蓄食料を食べられるかどうかは、食品の種類や保存状態、期限切れからの経過時間によって異なります。まず、「賞味期限」と「消費期限」の違いを理解することが重要です。
賞味期限は「美味しく食べられる期限」を示し、この日付を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。一方、消費期限は「安全に食べられる期限」を示し、この日付を過ぎた食品は食べないことが推奨されます。
災害備蓄食品の多くは賞味期限表示のため、期限切れ直後であれば品質の劣化はあっても、安全に食べられる可能性が高いと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、災害用備蓄食料の必要量、食品の選び方、おすすめの食品カテゴリーについて解説しました。
災害時に備えて1週間分、できれば2週間分の食料を備蓄することがおすすめです。備蓄食料は常温保存可能で賞味期限が長く、調理の手間が少ない食品を選ぶのが基本です。
主食、おかず、調味料をバランスよく備えることで、災害時でも栄養バランスの取れた食事が可能になります。
災害時の食事の質をさらに高めるには、「EcoFlow DELTA 3 Plus」や「EcoFlow DELTA Pro 3」などの活用がおすすめです。万が一の災害に備え、EcoFlowのポータブル電源や家庭用蓄電池の導入をぜひご検討ください。