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太陽光発電の発電量を計算する3ステップ!計算上の数値に近づけるためのポイントも解説

太陽光発電の導入を検討する際、発電量の把握は重要なポイントです。発電量を計算する方法を知れば、目安になる数値をいつでも導き出せます。

ただし、実際の発電量はさまざまな要因で変動するため、正確な予測は難しいものです。

この記事では、太陽光発電の発電量を計算する3ステップ、計算上の数値と実際の発電量を近づけるためのポイント、蓄電池の併設がおすすめな理由についてわかりやすく解説します。

太陽光発電の発電量を計算する方法について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください

太陽光発電の発電量を計算する3ステップ

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太陽光発電の発電量は、3つのステップで計算します。太陽光パネルの発電容量を確認し、次に設置地域の日射量を調べます。そして、確認した発電容量と日射量を用いて発電量を計算するのが流れです。

ここでは、太陽光発電の発電量を計算する3ステップについて詳しく解説します。

太陽光パネルの発電容量を確認

太陽光発電の発電量を計算するために、まずは設置済みまたは設置予定の太陽光パネルの発電容量を確認してください。発電容量はシステム仕様書などにkW単位で記載されており、発電量の計算には欠かせない重要な数値になります。

太陽光パネル1枚あたりの発電容量がわかれば、実際に設置している枚数をかけるだけで、システム全体の発電容量を算出できます。たとえば、2kWの太陽光パネルを10枚設置している場合、2kW×10枚=20kWです。

発電容量は太陽光発電システムが理想的な条件下で生み出せる最大の電力量を示しています。しかし、実際の発電量はさまざまな要因によって変動するため、この数値はあくまでも基準値として捉えなければなりません。

発電容量を正確に把握すれば、より精度の高い発電量予測が可能です。太陽光発電システムの効率的な運用につながるため、設置業者や製造元に確認し、正確な情報を入手しましょう。

太陽光発電の発電容量について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

太陽光発電の発電容量とは?最適な容量の計算方法や売電価格との関係性を解説

設置した地域の日射量を調べる

発電量を計算するためのセカンドステップは、太陽光パネルを設置した地域の日射量を調べることです。日射量とは太陽から地表に届く放射エネルギーを数値化したもので、発電量に影響を与える重要な数値になります。

日射量は地域によって大きく異なるため、正確な情報を入手しなければなりません。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の年間月別日射量データベース(MONSOLA-20)を利用して、全国各地の詳細データを確認しましょう。

このデータベースでは地域ごとの年間平均日射量や月別の日射量変動などの情報が提供されています。これらの情報を活用すれば、季節や月ごとの発電量の変動も予測可能です。

正確な日射量データの把握によって、より現実的な発電量の予測が可能になるでしょう。太陽光発電システムの導入や運用に関する意思決定をサポートしてくれる数値になるため、地域特性を考慮した発電量予測はきわめて重要です。

システムの効率的な運用や経済性の評価を下すためにも、詳細データの入手に努めてください。

発電容量と日射量から発電量を計算

発電量計算の最終ステップは、確認した太陽光パネルの発電容量と設置地域の日射量を用いて、実際の発電量を算出します。

計算式は以下のとおりです。

発電量(kWh/日)= 発電容量(kW)× 日射量(kWh/㎡)× 損失係数(0.85)

この式における損失係数0.85は、さまざまな要因による発電効率の低下を考慮したものです。たとえば、太陽光パネルの設置角度や方向、パネルの汚れ、配線のロスなどが含まれます。

また、1日の発電量がわかれば、これに365をかけて年間の発電量を概算できます。ただし、季節による日射量の変動や天候の影響などは考慮されていないため、実際の年間発電量とは差が生じる可能性があるでしょう。

この計算方法は太陽光発電システムの導入を検討する際の目安として効果的です。しかし、実際の発電量はさまざまな要因によって変動するため、計算結果はあくまでも参考値として捉える必要があります。

計算した発電量はあくまでも目安

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計算した発電量はあくまでも目安でしかありません。発電量はさまざまな要因によって変動します。ここでは、発電量が変動するさまざまな要因について詳しく解説します。

季節や天候による発電量の変動

太陽光発電の実際の発電量は、季節や天候によって大きく変動します。とくに日本では四季の変化が明確なため、その影響は顕著です。

日照時間が長く晴れの日が多い夏季は発電量が最大になりますが、日照時間が短くなる冬季は発電量が減少するのが一般的です。梅雨の時期は曇りや雨の日が続くため、発電量は大幅に低下するでしょう。

また、天候による変動も無視できません。晴れの日は最大の発電量が期待できますが、曇りの日は晴れの日の50〜70%程度に、雨の日はさらに低下して20〜30%程度になる場合もあるでしょう。

さらに気温も発電効率に影響を与えます。太陽光パネルは高温になると発電効率が低下するため、真夏の猛暑日には予想以上に発電量が低下する場合があります。

このように季節や天候による変動は大きいといっても過言ではありません。年間を通じての平均的な発電量を把握し、これらの変動を考慮したうえで効率的な電力利用を検討しましょう。

地域差による発電量の変動

太陽光発電の発電量は設置する地域によっても大きく異なります。これは主に日射量の違いによるものですが、他の気象条件も影響を与えます。

日本国内では西日本や太平洋側の地域の方が日射量が多く、発電量も多くなるのが一般的です。たとえば、年間日射量が多い宮崎県や和歌山県では、北海道や東北地方と比べて20〜30%ほど発電量が多くなる場合があります。

また、山間部や海岸部など地形による影響も無視できません。山間部では周囲の山々による日陰の影響を受けやすく、海岸部では塩害による太陽光パネルの劣化が早まる可能性があります。

とくに注意が必要なのは積雪の多い地域です。冬季に太陽光パネルに雪が積もると、発電量が大幅に低下します。場合によっては数日間まったく発電できないため注意が必要です。

このような地域差を考慮し、お住まいの地域の特性を理解したうえで太陽光発電システムを設計しましょう。地域の特性に合わせた最適な設置や運用を選択すれば、より効率的な発電が可能になります。

設置する方角や角度による発電量の変動

太陽光発電の発電量は太陽光パネルの設置方角や角度によっても大きく変動します。最適な設置条件は地域や季節によって異なりますが、一般的には南向きで傾斜角30度前後です。

方角に関しては真南がもっとも発電量が多くなりますが、東や西に30度程度ずれても発電量の低下は5%程度に抑えられます。しかし、北向きになると発電量は大幅に低下するため注意が必要です。

角度については緯度とほぼ同じ角度(日本の場合は30〜40度程度)が年間を通じてもっとも効率がよいとされています。ただし、夏と冬で太陽の高度が大きく変わる日本では、季節ごとに最適な角度が異なります。

また、屋根の形状や周囲の環境によっては、必ずしも理想的な方角や角度で設置できない場合もあるため注意が必要です。

ただし、設置方角や角度は一度決めると変更が難しいため、設置前に十分な検討が必要です。専門家のアドバイスを受けながら、自宅の条件に最適な設置方法を選択しましょう。

経年劣化や故障の影響による発電量の変動

太陽光発電システムは時間の経過とともに徐々に発電効率が低下していきます。この現象は経年劣化と呼ばれ、避けられない問題のひとつです。

太陽光パネルの経年劣化は一般的に年間0.5%程度といわれています。つまり、20年経過すると初期の発電量から10%程度が低下します。

ただし、この数値は理想的な環境下での話であり、実際の使用環境ではさらに大きな低下が懸念されるでしょう。

また、設備機器も経年劣化の影響を受けます。とくにパワーコンディショナーは10〜15年程度で交換が必要となる場合が多く、交換時期を誤ると発電効率の低下につながります。

これらの問題に対処するためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。

設置する設備の性能差による発電量の変動

太陽光発電システムの発電量は、設置する設備の性能によっても大きく異なります。とくに太陽光パネルの性能差は無視できません。

太陽光パネルの性能は主に変換効率で表されます。変換効率とは太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する際の効率のことで、高いほど同じ面積でより多くの電力を生み出せる仕組みです。

現在市販されている太陽光パネルの変換効率は15〜22%程度ですが、メーカーや製品によって大きく異なります。また、同じ出力(kW)の太陽光パネルでも、実際の発電量(kWh)が異なる場合があります。

太陽光発電システムを導入する際は価格だけでなく、性能差も考慮して設備を選びましょう。

計算上の数値と実際の発電量を近づけるためのポイント

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計算上の数値と実際の発電量は同じものにはなりません。しかし、より効率的な発電を行うのであれば計算上の数値に近づけるための工夫が必要です。

ここでは、計算上の数値と実際の発電量を近づけるためのポイントについて詳しく解説します。

定期的なメンテナンスを欠かさない

太陽光発電システムの発電効率を維持し、計算上の数値に近い発電量を確保するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。メンテナンスを怠ると、徐々に発電効率が低下し、期待通りの発電量が得られなくなる可能性があります。

定期的なメンテナンスの主な目的は経年劣化や故障の早期発見、パネルに付着した汚れの除去です。太陽光パネルの表面に埃や鳥の糞、落ち葉などが付着すると、それらが影を作り発電効率を低下させます。

定期的な清掃があれば、このような問題を防げます。太陽光発電システムの寿命を延ばし、長期的な発電効率の維持を目指すためにも、メンテナンスを定期的に実施しましょう。

地域に適した設置角度に調整する

太陽光パネルの設置角度と方角は発電効率に大きな影響を与えます。日本では南向きで傾斜角30度前後が最適とされていますが、実際には設置環境や地域の特性によって最適な角度が異なるため注意が必要です。

また、季節によっても最適な角度は変化します。夏は太陽の高度が高いため浅い角度、冬は太陽の高度が低いため急な角度が効率的です。

年間を通じて最大の発電量を得るためには、これらの要素を総合的に考慮する必要があります。

過積載によって発電量を増やす

過積載とはパワーコンディショナーの容量を超える太陽光パネルを設置することです。これを実行すれば、発電量を増やせます。

通常、パワーコンディショナーの容量と太陽光パネルの容量は同等に設計されますが、過積載では意図的にパネル容量を大きくします。たとえば、5kWのパワーコンディショナーに対して6kWや7kWの太陽光パネルを設置するといった具合です。

過積載のメリットは日射量の少ない朝夕や曇りの日でも、より多くの電力を得られることです。太陽光パネルの出力が最大になる晴れた日中は、パワーコンディショナーの容量を超える分は捨てることになりますが、それ以外の時間帯では発電量が増加します。結果として、年間を通じた総発電量が増加します。

ただし、パネル容量が大きくなると屋根への負荷が増加するため、建物の構造上に問題がないか確認しましょう。また、過積載の適切な比率はプロの知識が必要になるため、実行する場合は専門業者に依頼すべきです。

蓄電池を併設して捨てる電気をなくすのもおすすめ

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太陽光発電によって作られた電力はリアルタイムでの使用に限定されます。売電も可能ですが、売電単価が低下傾向にある近年では自家消費にまわしたほうがメリットが多いです。

そのため、自家消費のサイクルを実現するためにも蓄電池の併設が理想的になるでしょう。

ここでは、太陽光発電と蓄電池の併設がおすすめな理由について詳しく解説します。

日中に発電した電力を夜間に利用可能

蓄電池を太陽光発電システムに併設するメリットは、日中に発電した電力を夜間にも利用できる点です。

通常、太陽光発電システムは日中にのみ発電を行い、夜間は発電しません。そのため、夜間の電力需要はすべて電力会社からの購入に頼らざるを得ません。

しかし、蓄電池があれば日中に太陽光パネルで発電した余剰電力を蓄電池に貯めておけば、夜間にその電力を使用可能です。24時間を通じて自家発電した電力を使用できるようになるでしょう。

このように蓄電池の併設は太陽光発電システムの利用可能時間を大幅に拡大し、より効率的で経済的な電力利用を可能にします。

停電時にはバックアップ電源としての役割を担う

太陽光発電システムに蓄電池を併設するメリットは、停電時のバックアップ電源として使用できることです。自然災害の多い日本では非常に価値のあるメリットだといえます。

災害によって停電してしまっても電力の利用が可能となるため、より安心できる環境で生活できるでしょう。

蓄電池の併設は単なる省エネや節約だけでなく、災害時の安全と安心を確保する重要な役割も果たします。これは太陽光発電システムの価値を大きく高める要素のひとつといえるでしょう。

停電時に蓄電池を活用するポイントを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

停電時に蓄電池を活用するためのポイントは?対処法や注意点を解説!

まとめ

太陽光発電の発電量を計算する3ステップ、計算上の数値と実際の発電量を近づけるためのポイント、蓄電池の併設がおすすめな理由について解説しました。

太陽光発電の正確な発電量の予測は簡単ではありませんが、計算方法やポイントを押さえれば、より効率的なシステム運用が可能になります。とくに蓄電池の併設は発電量の有効活用に大きく貢献してくれるでしょう。

太陽光発電とともに蓄電池の併設を検討しているのであれば、EcoFlow DELTA Pro 3がおすすめです。

4kWhの大容量と3.6kWの定格出力を備え、多くの家電製品を同時に使用可能です。また、停電時には10ミリ秒で自動切り替えを行い、安定した電力供給を継続します。

さらにEV向けバッテリーと同レベルのLFPセルを採用し、1日1回の使用で約11年間の長寿命を実現しているため、長期的に利用できる蓄電池になるはずです。

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