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【2024年】電気代の値上げ推移|一般家庭の電気代目安や節電対策を解説

「ここ数年間で電気代はどれくらい上がったの?」「電気代の値上げ推移や節電対策を知りたい」という疑問を持つ方もいるでしょう。大手電力会社の電気代は、2023年、2024年ともに値上げ傾向にあります。

電気代の高騰には、燃料価格の上昇や再エネ賦課金の値上げなど、さまざまな要因が絡んでいます。家庭の電気代を抑えるには、家電の使い方を見直したり、電力会社のプランを変更したりするなど、節電対策を複合的に行うことが大切です。

本記事では、電気代の値上げ推移や背景、世帯人数別の電気代平均、効果的な節電方法について解説します。電気代の値上げ推移を把握し、家庭の節電対策を行いたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

【2024年】大手電力会社による電気代の値上げ推移

電気代値上げ

2024年には、大手電力会社10社が4月・5月・6月に値上げや値下げを行っています。電気代の簡単な推移は以下の通りです。

  • 5月電気代:10社中4社値上げ、6社値下げ
  • 6月電気代:10社すべて値上げ
  • 7月電気代:10社すべて値上げ

7月からの大手電力会社による電気代の値上げは、5月に比べて大きなものになると予想されています。値上げの主な原因としては、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の補助金が終了するためです。

以下、それぞれの電力会社の7月電気代の値上げについて見ていきましょう。なお、紹介する以下の金額は、月の使用電力量が260kWhの場合を想定しています。

北海道電力の電気代

北海道電力は、北海道全域に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて463円値上げされ、10,707円となる見通しです。

北海道は冬季の電力需要が高く、暖房用の電力消費が多いのが特徴です。そのため、電気代も全国的に見ると高めの水準にあります。今後も、燃料価格の動向次第では、さらなる値上げの可能性があります。

東北電力の電気代

東北電力は、東北6県に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて419円値上げされ、8,855円となる予定です。

東北地方は、太平洋側と日本海側で気候が大きく異なり、電力需要にも差があります。また、東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止の影響を受け、電源構成が変化しています。こうした要因が、電気代に影響を与えています。

東京電力EPの電気代

東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)は、関東地方を中心に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて393円値上げされ、8,931円になると見込まれています。

東京電力EPは、2016年の電力小売全面自由化以降、新電力との競争が激化しています。そのため、料金プランの多様化や再生可能エネルギーの導入拡大など、さまざまな取り組みを進めています。しかし、燃料価格の高騰などにより、電気代の値上げが続いています。

中部電力ミライズの電気代

中部電力ミライズは、中部地方5県に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて346円値上げされ、8,747円となる見通しです。

中部地方は、日本のものづくり産業の中心地であり、工場などの産業用電力需要が多いのが特徴です。また、太平洋側に位置するため、太陽光発電にも適しています。中部電力ミライズは、こうした地域特性を踏まえた電源構成を進めています。

北陸電力の電気代

北陸電力は、富山県、石川県、福井県、岐阜県の一部に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて455円値上げされ、8,713円となる予定です。

北陸地方は豊富な水力資源を持ち、水力発電の比率が高いほか、原子力発電所の立地県でもあります。こうした電源構成が、電気代の水準に影響を与えています。

中国電力の電気代

中国電力は、中国地方5県に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて452円値上げされ、8,514円となる見込みです。

中国地方は日本海側と瀬戸内海側で気候が異なり、電力需要にも差があります。また、原子力発電所の立地県でもあります。こうした地域特性を考慮しながら、電源構成の最適化を図っています。

四国電力の電気代

四国電力は、四国4県に電力を供給する電力会社です。2024年7月の電気代は、前月と比べて460円値上げされ、8,650円になると予想されています。

四国地方は太平洋に面しており、太陽光発電に適した地域です。また、瀬戸内海沿岸部には、大規模な工業地帯があります。四国電力は、こうした地域特性を生かした電源構成を目指しています。

【2023年】大手電力会社による電気代の値上げ推移

電気代値上げ

続いて、2023年の大手電力会社による電気代の値上げ推移を解説します。ウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰などを理由に、電気の規制料金(特定小売供給約款料金)を改定するため、2022年11月および2023年1月に、大手電力会社7社が特定小売供給約款の変更認可申請を行いました。

それに伴い、大手電力会社は2023年4月〜6月にかけて電気代の値上げを実施しています。以下、それぞれの電力会社の電気代推移について見ていきましょう。

【2023年】電気代の値上げ幅とその推移を徹底解説!政府による緩和措置も紹介

北海道電力の電気代

北海道電力は、2023年6月1日より一般家庭向けの電気料金を22.6%引き上げました。この値上げの背景には、2023年3月期の最終赤字が530億円に上るという厳しい経営状況があります。

また、法人向けについては、2023年4月1日から電気料金の基本料金、電力量料金、燃料費調整額を値上げし、市場価格調整単価を新たに請求しています。一般的なプランでは、電気料金が約20%上昇しました。

東北電力の電気代

東北電力は、2023年5月19日に経済産業大臣から小売規制料金の値上げ認可を受け、2023年6月1日より規制部門の利用者の電気料金を平均25.47%引き上げました。

東北電力は2023年4月28日に、同年3月期の連結最終損益が1,275億円の赤字(前期は1,083億円の赤字)となったことを発表しました。赤字の主因は、燃料価格の高騰によるコストの増加です。

法人向けについては、2022年11月より高圧および特別高圧の電気料金単価を値上げしていましたが、2023年4月にも再度値上げを実施。基本料金と電力量料金が上昇し、市場価格調整単価が新たに請求されることで、電気料金がおよそ20〜30%上昇しました。

東京電力EPの電気代

東京電力EPも、燃料価格の高騰と円安などの影響により、電気料金の値上げを余儀なくされています。特に2023年3月期の連結業績では、経常損益が過去最大の5,050億円の赤字となったことが大きな要因となっています。

これを受けて、2023年6月1日より一般家庭向けの規制料金を平均15.90%引き上げました。また、法人の電気料金についても、同年4月から標準料金を12〜14%値上げしています。

中部電力ミライズの電気代

中部電力ミライズは、2023年4月1日から高圧供給および特別高圧供給の電気料金の値上げを実施すると発表しました。

これは、中部電力パワーグリッド株式会社による託送供給等約款の見直し内容が1月27日に認可されたことを受けたもので、見直し前と比べて約8.6~9.4%の値上げとなります。一般家庭の場合、1ヶ月あたり109円程度の差が生じることになります。

なお、中部電力ミライズは高圧供給および特別高圧供給の電気料金調整とともに、「電気料金の負担軽減策」も実施。2.09円/kWh(税込)を毎月の燃料費調整単価から割引し、軽減期間は2023年6月分~10月分までとなっています。

北陸電力の電気代

北陸電力も、2023年6月1日から一般家庭向けの電気料金を値上げしました。改定率は平均39.70%で、主に電力量料金単価の改定が行われました。また、電源構成や燃料価格の見直しに合わせて、燃料費調整単価の算定諸元も見直されています。

法人向けについては、2023年4月1日から電気料金が25%前後上昇しました。北陸電力の昨年度のグループ全体の決算では、火力発電所の燃料価格高騰などが要因となり、経常損益が937億円の赤字となりました。

中国電力の電気代

中国電力は、2023年6月1日から平均26.11%の電気料金の値上げを実施しました。この大幅な値上げの背景には、2022年度に連結・個別ともに過去最大の赤字を記録したことがあります。

これにより、電気の使用量が平均的な家庭の場合、従来よりも1,667円の電気料金の上昇が見込まれています。

しかし、低圧部門の自由料金を契約している家庭については、規制料金の値上げ幅縮小を踏まえ、一部の料金メニューが値下げされました。その結果、平均的な家庭では逆に300円ほど電気料金が下がりました。

四国電力の電気代

四国電力も、2023年6月1日より平均28.74%の電気料金の値上げを行いました。対象プランを利用している一般家庭では、値上げ前後で1ヶ月あたり2,155円程度の差が生じます。

2022年度のグループ全体の決算では、最終的な損益が前年度から166億円悪化し、228億7,100万円の赤字となりました。この赤字拡大の主な要因は、燃料価格の高騰や円安による燃料調達コストの大幅増加、さらに子会社を通じて出資している台湾の風力発電事業での多額の損失計上です。

電気代が値上げされる主な理由

電気代値上げ

近年、電気代の値上げが相次いでいます。その背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。ここでは、主な理由として以下の5つを紹介します。

  1. ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰
  2. 急激な円安の影響
  3. 新型コロナウイルスの影響
  4. 再エネ賦課金の値上げ
  5. 国内の電気供給力不足

それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

電気代はなぜ値上げされるのか?考えられる6つの理由と効果的な節電対策

理由1.ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰

ロシアのウクライナ侵攻による国際情勢の不安定化により、原油や天然ガスなどのエネルギー価格が高騰しています。日本の電力会社は、燃料費の増加分を電気料金に転嫁せざるを得ない状況に置かれているのです。

世界的にエネルギー需要が拡大するなか、供給不安が価格上昇を招いています。特にロシアからの天然ガス供給が制限されたことで、ヨーロッパでは電力危機が深刻化しており、日本にもその影響が及んでいます。

理由2.急激な円安の影響

2022年以降、急速に進行した円安によって輸入燃料の調達コストが上昇しています。これが電力会社の経営を圧迫し、電気料金の値上げにつながっています。

日本は、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼っているため、円安が進むと輸入価格が上昇し、電力会社の燃料費負担が増大する仕組みです。この負担増を吸収しきれない電力会社は、電気料金の値上げを余儀なくされています。

理由3.新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの感染拡大も値上げ理由の1つとされています。感染拡大に伴う経済活動の停滞により、電力需要が減少しました。電力会社は、固定費の回収が困難になり、収支バランスの悪化に直面しているのです。

経済活動の再開に伴い、電力需要は徐々に回復しているものの、電力会社の経営は依然として厳しい状況が続いています。

理由4.再エネ賦課金の値上げ

再生可能エネルギーの普及を促進するための賦課金である再エネ賦課金が、年々増加傾向にあります。この賦課金は、電気料金に上乗せされるため、電気代の値上げ要因の1つとなっているのです。再エネ賦課金の単価は、年度ごとに国が全国一律で決定しています。

年度標準家庭の負担(300kWh/月)
2012年度月額66円
2013年度月額105円
2014年度月額225円
2015年度月額474円
2016年度月額675円
2017年度月額792円
2018年度月額870円
2019年度月額885円
2020年度月額894円
2021年度月額1,008円
2022年度月額1,035円
2023年度月額420円
2024年度月額1,047円

引用:経済産業省

再エネ賦課金は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を支援するために設けられた制度です。しかし、再エネ発電の普及に伴い、賦課金の総額が増大しています。

理由5.国内の電気供給力不足

日本国内では、老朽化した火力発電所の廃止や原子力発電所の稼働停止などにより、電力供給力が低下しています。電力需給のひっ迫が懸念され、電気料金の上昇圧力となっているのです。

東日本大震災後、安全性の観点から多くの原子力発電所が停止しました。これにより、火力発電への依存度が高まり、燃料費の増加につながっています。

また、再生可能エネルギーの導入が進む一方で、天候に左右される不安定な電源であるため、安定供給に課題を抱えています。電力供給力の不足は、電気料金の高止まりを招く要因となっているのです。

一般家庭における電気代の平均

電気代値上げ

一般家庭における電気代の相場は以下の通りです。自身が支払っている電気代と見比べてみてください。

世帯人数月間の平均電気代※
1人7,150円
2人12,044円
3人13,762円
4人14,092円
5人16,305円
6人以上19,972円
※ 2024年1〜3月期の平均電気代

引用:家計調査 / 世帯人員・世帯主の年齢階級別|e-stat

1〜5人世帯のそれぞれの電気代を解説します。

【世帯数別】一般家庭の電気代平均はいくら?電気代が高くなる原因と対処法を紹介

1人暮らしの電気代平均

2024年1月〜3月の1人世帯の平均電気代は、月額7,150円、年間85,800円です。1日あたりでは約238円の電気代がかかっています。

期間1人暮らしの平均電気代※
1日238円
1ヶ月7,150円
1年85,800円
※ 1ヶ月の電気代からそれぞれの期間を算出

参考:家計調査 / 世帯人員・世帯主の年齢階級別|e-stat

2人暮らしの電気代平均

2人世帯の場合、2024年1月〜3月の電気代平均は月12,044円、年間144,528円となっています。1人暮らしよりは高くなりますが、ほかの世帯構成と比べると比較的安めの部類に入ります。

期間2人暮らしの平均電気代※
1日401円
1ヶ月12,044円
1年144,528円
※ 1ヶ月の電気代からそれぞれの期間を算出

参考:家計調査 / 世帯人員・世帯主の年齢階級別|e-stat

3人暮らしの電気代平均

3人家族の2024年1月〜3月における平均電気代は、月々13,762円、年間165,144円です。1人暮らしから2人暮らしへの電気代の上昇幅ほど、大きな増加は見られません。

期間3人暮らしの平均電気代※
1日459円
1ヶ月13,762円
1年165,144円
※ 1ヶ月の電気代からそれぞれの期間を算出

参考:家計調査 / 世帯人員・世帯主の年齢階級別|e-stat

4人暮らしの電気代平均

4人世帯の電気代平均は、2024年1月〜3月で月額14,092円、年額169,104円となっています。3人暮らしとの金額差はわずかで、ほぼ同水準と言えるでしょう。

期間4人暮らしの平均電気代※
1日470円
1ヶ月14,092円
1年169,104円
※ 1ヶ月の電気代からそれぞれの期間を算出

参考:家計調査 / 世帯人員・世帯主の年齢階級別|e-stat

5人暮らしの電気代平均

5人家族になると、2024年1月〜3月の電気代平均は月16,305円、年間195,660円と大幅に跳ね上がります。1日の電気代は約543円で、ほかの世帯人数と比べて突出して高くなっているのが特徴です。

期間5人暮らしの平均電気代※
1日543円
1ヶ月16,305円
1年195,660円
※ 1ヶ月の電気代からそれぞれの期間を算出

参考:家計調査 / 世帯人員・世帯主の年齢階級別|e-stat

【世帯人数別】オール電化住宅の電気代目安

電気代値上げ

オール電化住宅は、電気だけを使用するため、電気代が高くなる傾向があります。以下、関西電力が公表した2021年におけるオール電化住宅の電気代です。

世帯人数オール電化住宅の電気代※
1⼈暮らし10,777円
2人暮らし13,406円
3人暮らし14,835円
4人暮らし以上16,533円
※ 関西電力のオール電化プランを利用中の「はぴeみる電」会員データ(2020年~2021年の年間使用量の平均値)より算出した平均使用量をもとに、「はぴeタイムR」プランの料金単価を適用して算出。

引用:オール電化世帯人数別の電気代平均額|関西電力

オール電化住宅の電気代は、世帯人数によって大きく変動します。1人暮らしだと少し高いように思えますが、2人暮らし以降は電気代の上昇幅が緩やかです。

ただし、これはあくまで目安であり、生活スタイルや住宅の断熱性能、省エネ家電の使用状況などによって、電気代は大きく変化します。無駄な電気使用を見直し、省エネ対策を講じることで、電気代を抑えることができるでしょう。

【世帯人数別】オール電化住宅の電気代はどれくらい?効果的な節電方法を解説

オール電化とガス併用はどちらが安い?

オール電化とガス併用では、電気料金と都市ガス料金の単価差や、使用量によってどちらが安いかが変わります。一般的には、オール電化のほうが光熱費全体では安くなる傾向にあります。

オール電化のメリットは、深夜電力や季節別料金などの割安な電気料金プランを活用できる点です。電気料金の単価が安い時間帯に電気を使用することで、光熱費を抑えられます。

一方、ガス併用の場合、ガス料金の単価が電気料金よりも安いことがあります。また、ガス機器のほうが電気機器よりも効率が良い場合もあるため、使用量によっては光熱費が安くなることもあります。

ガス併用の住宅オール電化住宅※
電気料金ガス料金他の光熱費光熱費合計電気料金
1⼈暮らし5,482円3,001円651円9,134円10,777円
2人暮らし9,183円4,330円1,311円14,824円13,406円
3人暮らし10,655円4,930円1,169円16,754円14,835円
4人暮らし以上11,836円4,903円878円17,617円16,533円
※関西電力のオール電化プランを利用中の「はぴeみる電」会員データ(2020年~2021年の年間使用量の平均値)より算出した平均使用量をもとに、「はぴeタイムR」プランの料金単価を適用して算出。

引用:オール電化世帯人数別の電気代平均額|関西電力

自分の家庭に合ったプランを選択し、無駄なエネルギー使用を控えることが、光熱費削減の鍵となるでしょう。

一般家庭の電気代の内訳

電気代値上げ

電気代は、基本料金と電力量料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金から成ります。それぞれの内訳について、以下で詳しく解説します。

電気料金の明細書を確認する方法!明細書の内訳や計算方法、節約のコツを解説

基本料金

基本料金は、契約アンペア数に応じて定額で課金されます。一般的な家庭では、10〜30Aの契約が多いでしょう。

基本料金は電力会社によって異なりますが、30A契約の場合、1ヶ月あたり1,000円程度が相場です。この料金は、電気の使用量にかかわらず、毎月固定で請求されます。

電力量料金

電力量料金は、使用した電力量に応じて課金されます。電力量は、キロワット時(kWh)という単位で表されます。

一般的な家庭向けの電力量料金単価は、1kWhあたり平均31円です。ただし、昼間や夜間、季節によって料金単価が変動するプランもあります。

燃料費調整額

燃料費調整額は、火力発電の燃料価格変動に応じて加算または減算される料金です。燃料価格の上昇時には、電気代が高くなる傾向があります。

反対に、燃料価格が下落すれば電気代も減算されるのが一般的です。これらの燃料価格は、国際市況や為替レートの影響を受けて変動します。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの普及を目的とした賦課金です。使用電力量に応じて課金され、電気代に上乗せされます。

この賦課金は、2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)の財源として、電気利用者から広く集められています。賦課金の単価は年々上昇傾向にあります。

一般家庭の電気代が高騰している原因

電気代値上げ

電気代の高騰には、さまざまな要因が関係しています。ここでは、一般家庭において電気代が高くなる主な原因を5つ挙げます。

  1. 電気の市場価値が高騰している
  2. 家電製品の使い方が不適切
  3. 古い家電製品を使っている
  4. 日中に電気を多く使用している
  5. 電力会社や電気プランが合っていない

以下、各原因の詳細について解説していきます。

原因1.電気の市場価値が高騰している

燃料価格の上昇や電力需要の増加により、電気の市場価値が高騰しています。これにより、電力会社の調達コストが上昇し、電気代に反映されているのです。

特に化石燃料価格の高止まりが、電気代に大きく影響しています。原油価格の高騰は火力発電の燃料費を押し上げ、その結果、電気料金の値上げにつながっています。

原因2.家電製品の使い方が不適切

エアコンや冷蔵庫など、大型家電の使い方が適切でないと電気代が高くなります。設定温度や使用時間を見直すことで、電気代の削減が可能です。

【特に注意が必要な家電製品】

  • エアコン
  • 冷蔵庫
  • 照明器具
  • テレビ
  • 洗濯機
  • 電子レンジ
  • 炊飯器

例えば、エアコンの設定温度が1度違うだけで、消費電力は約10%変化すると言われています。冷蔵庫の詰め込み過ぎや、扉の開閉回数も電気代の高騰に影響しています。

原因3.古い家電製品を使っている

古い家電製品は省エネ性能が低く、電気を多く消費する傾向があります。10年以上前に購入した家電製品を使っている場合は注意が必要です。

特にエアコンや冷蔵庫、テレビなどの大型家電は、省エネ性能の差が大きいとされています。家電製品は長く使えば使うほど、電気代がかさむことになるでしょう。

原因4.日中に電気を多く使用している

4つ目の原因は、日中に電気を多く使用していることです。近年、テレワークの導入により自宅で過ごす時間が以前よりも増えました。

この影響で、日中に電気を多く使用する家庭が増え、結果として電気代の高騰につながっているケースがあります。電力需要が高い日中に電気を多く使用すると電気代が高くなるため、夜間や休日など、電力需要が低い時間帯に電気を使うなどの工夫が必要です。

原因5.電力会社や電気プランが合っていない

電力会社やプランによって、電気料金の単価が異なります。自分の生活スタイルに合った電力会社やプランを選ぶことが大切です。

例えば、昼間に電気をあまり使用しない家庭では、夜間の電力量料金が割安なプランがお得かもしれません。逆に、在宅時間が長い家庭では、一律料金のプランが適しています。

また、電力会社がそもそも合っていない可能性もあります。その場合は、新電力会社への切り替えを検討してみてください。

電気代の値上げに対する効果的な節電対策

電気代値上げ

電気代の値上げに対して、家庭でできる節電対策はいくつかあります。ここでは、効果的な節電対策を5つ紹介します。

  1. エアコンと冷蔵庫の使い方を見直す
  2. 新しい家電製品に買い替える
  3. 電気代が高くなる時間帯の使用を避ける
  4. 契約している電気プランを見直す
  5. 電力会社を変更する

少しでも電気代を抑えたい方は、以下の対策を試してみてください。各対策の内容を順番に見ていきましょう。

対策1.エアコンと冷蔵庫の使い方を見直す

エアコンの設定温度を適切に調整し、こまめに電源を切ることで、大幅な節電が可能です。夏季は28度、冬季は20度を目安に設定して、外出時や就寝時はタイマー機能を活用しましょう。

また、冷蔵庫は詰め込みすぎや頻繁な扉の開け閉めを避けることが大切です。食品の間隔を空けて整理したり、必要なものを手早く取り出したり工夫しましょう。

これらの工夫は手軽に実践できる割に、大きな節電効果が期待できます。日々の生活のなかで、意識的に取り組んでみましょう。

エアコンの節電方法を徹底解説!省エネエアコンの魅力、製品の選び方

冷蔵庫の電気代は1ヶ月いくらが相場?電気代の計算方法や節約方法を解説

対策2.新しい家電製品に買い替える

古い家電製品を省エネ性能の高い製品に買い替えることも、節電対策の1つです。特にエアコンや冷蔵庫、照明器具などは、省エネ性能の向上が著しい分野だと言えます。

例えば、10年前のエアコンと比べると、最新の省エネモデルは消費電力が約半分に抑えられています。また、LED照明への切り替えも、大幅な電気代削減につながるでしょう。

初期費用はかかりますが、長期的な視点で見ると、電気代の削減効果は十分にあると考えられます。

対策3.電気代が高くなる時間帯の使用を避ける

電力需要が高い日中は、電気の使用を控えめにすることが賢明です。ピーク時間帯の電気使用をできるだけ控え、割安な時間帯に家事を行うようにしましょう。

深夜の時間帯は電力料金が割安になるプランもあるので、洗濯機や食洗機の使用をずらすことで、電気代を節約できる可能性があります。自分の生活スタイルに合わせて、電気を使う時間帯をコントロールしてみてください。

対策4.契約している電気プランを見直す

契約している電気プランが合っていない可能性もあるため、一度契約プランを見直してみてください。電金プランを最適化することで、無理なく電気代を節約できるでしょう。

例えば、夜間に電気をよく使う家庭なら、夜間割引のプランがお得かもしれません。また、オール電化住宅向けのプランに変更することで、電気料金の単価を下げられるケースもあります。

電力会社のWebサイトや電話での問い合わせなどで、自分に合ったプランを探してみると良いでしょう。

対策5.電力会社を変更する

電力自由化により、電力会社の選択肢が増えています。各社の料金プランを比較し、自宅の使用状況に合った会社を選ぶことが大切です。

新電力会社のなかには、大手電力会社よりも安い料金プランを提供しているところもあります。また、再生可能エネルギーで発電した電力を供給する会社もあり、環境に配慮した電気の使い方ができるでしょう。

太陽光発電は電気代の削減に効果的?

電気代値上げ

太陽光発電システムを導入することで、大幅な電気代の削減効果が期待できます。ある程度の初期費用はかかるものの、長期的に見れば電気代の節約につながる可能性が高くなります。

太陽光発電は、太陽の光を電気に変換するクリーンな発電方法です。昼間の太陽光を利用して発電するため、日中の電力需要をまかなうことができ、電力会社から購入する電力量を抑えられます。

また、余剰電力を電力会社に売電することで、収入を得ることも可能です。売電価格は年々低下していますが、自家消費分の電気代削減効果は大きいと言えるでしょう。

太陽光発電で電気代は削減可能?電気代を0円に近づけるための方法を徹底解説

なお、太陽光発電システムの初期費用については、国や自治体の補助金制度で軽減できる可能性があります。導入を検討する際は、費用対効果をしっかりと試算することが大切です。

【2024年】太陽光発電の補助金制度を徹底解説!制度の種類・金額・条件

太陽光発電を行った場合の電気代のシミュレーション

電気代値上げ

太陽光発電を導入した場合の電気代削減効果を、シミュレーションで確認してみましょう。ここでは、一般的な家庭用の太陽光発電システム(5kW)を想定します。

5kWの太陽光発電システムの初期費用は、おおよそ150万円前後です。この投資に対して、どの程度の電気代削減効果が見込めるのでしょうか。

太陽光発電5kWの発電量と削減量

環境省のデータによると、太陽光発電5kWの年間発電量は6,075kWhです。発電した電力のうち、平均69.4%が売電に、30.6%が自家消費にまわされます。

売電収入は、「年間売電量4,216kWh×FIT売電価格17円(2022年度)」で71,672円となります。一方、自家消費による電気代の節約額は、「年間自家消費量1,859kWh×電力量料金単価31円/kWh」で57,629円です。

つまり、5kWの太陽光発電システムを利用した場合、年間で合計129,301円の経済効果が得られることになります。この試算はあくまで一例ですが、太陽光発電が長期的な電気代削減に効果的であることがわかります。

太陽光発電で電気代は削減可能?電気代を0円に近づけるための方法を徹底解説

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まとめ

本記事では、電気代の値上げ推移や背景、世帯人数別の電気代平均、効果的な節電方法について解説しました。

大手電力会社の電気代は、2023年、2024年ともに値上げ傾向にあります。電気代の高騰には、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰や、再エネ賦課金の値上げなど、さまざまな要因が関係しています。

電気代を抑えるには、エアコンや冷蔵庫の使い方を見直したり、古い家電を省エネ製品に買い替えたりするなど、日々の生活のなかで意識的に節電に取り組むことが大切です。

加えて、太陽光発電システムの導入も、長期的な電気代の削減に効果的と言えるでしょう。ローコストで太陽光発電を始めたい方は、EcoFlowが提供するソーラーパネルとポータブル電源のセット商品をご検討ください。

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