7〜10月の台風が起こりやすい時期は、さまざまな被害が気になるという人は少なくはないでしょう。被害を最小限に抑えるには、正しい知識を持って日頃から備えておくことが重要です。そこで、今回の記事では、台風の基礎知識と起こりやすい災害などを紹介し、そのうえで備えておきたいものや被害をできるだけ避けるための心がまえについて解説していきます。
台風の基本知識
台風は、熱帯低気圧の中で風速17m(34ノット)を超えるものを指します。海水温度が高い地域で発生するのが特徴で、主な発生場所は熱帯地域です。発生した台風は、少しずつ発達しながら上空の風によって北へと流れていきます。実際には1年を通して発生している台風ですが、そのすべてが日本まで来るわけではありません。27個ほど発生する中で、日本の付近にまでやって来る台風の数は年間で7個ほどです。そのうち、平均して3個程度が日本に上陸します。
台風は太平洋高気圧の力が強いと上陸できないため、日本には太平洋高気圧が弱まってくる秋が影響を及ぼしやすくなります。台風情報を見ているとき、大きさに触れて説明している場面を見ることはないでしょうか。台風の大きさは、強風域である風速15m/sを超える領域の半径を基準として分けられています。500km以上800km未満の台風は「大型」、800kmを超える台風は「超大型」です。ただし、大きさと強さは別であり、大きいからといって強い台風であるとは限りません。
台風の風速の単位や大きさ
台風の気圧や風速を示す単位には「ヘクトパスカル(hPa)」と「ノット(kt)」があります。「ヘクトパスカル(hPa)」は気圧を表す単位のことです。以前は、台風の気圧を表すときは「ミルバール(mb)」という単位が使われていました。しかし「ミルバール(mb)」は日本国内で使われていた単位で、1992年から国際単位の「ヘクトパスカル(hPa)」に変わりました。
ただし、単位が変わったといっても1ヘクトパスカルは1ミリバールのことです。そのため、数値自体が変わったということではありません。「ヘクトパスカル(hPa)」は圧力の単位で、1ヘクトパスカルで1ニュートンの圧力がかかることになります。「ノット(kt)」は、速さを表す単位です。1ノットは1時間で1海里進む速度のことをいいます。
風速から予想される台風の影響
台風の情報を数値で聞いても、実際にはどういった影響が出やすいのか判断に迷う人は多いのではないでしょうか。そこで、風速ごとに予想される影響を紹介します。
風速20m
小さな子どもなら飛ばされるかもしれません。大人でも、まっすぐ立っているのが難しいレベルです。
風速25m
樹木が折れやすくなり、煙突なども倒れる可能性が高まります。屋根がわらも飛ばされので、注意が必要です。
風速30m
雨戸や屋根そのものが飛ばされることもあります。電柱が倒壊しやすくなり、停電なども予想されます。家の作りによっては倒れてしまうでしょう。
風速35m
自動車や電車などが倒れるほどの威力です。
風速40m
小石が飛ばされるほどの風速で、屋外に出るのは大変危険です。身体を傾けないと立っていることはできません。
風速50m
木造の建物はほとんど倒壊するレベルです。樹木は倒れるどころか根こそぎ飛ぶ可能性が出てきます。
風速60m
鉄塔のような頑丈な工作物鉄でも曲がることがあります。
台風で起こりやすい災害とその被害
では、台風によってどのような災害が起こりやすいのでしょうか。ここでは、台風によってもたらされる災害と被害について解説していきます。
台風によって引き起こされる災害
台風のときに起こりやすい災害といえば、暴風、大雨、洪水、暴風、高波、そして高潮などです。それにともない、河川の氾濫やがけ崩れ、地すべり、土石流などが発生しやすい状況になります。近年増えているのは、狭い範囲で短時間のうちに降水量が集中することです。都市部の場合、側溝路と道路との区別がつかなくなるほど冠水することもあるため、沿岸地域以外でも安全とはいえないでしょう。また、近くに渓流や山林があるような地域では、川の水と土石が混合することによって土石流が発生することもあります。これは、鉄砲水や山津波とも呼ばれている災害で、山間部で起こりやすい水害の一つです。
台風の災害でもたらされる被害
沿岸部の場合は、高波や高潮によって家屋が浸水するという被害が出てきます。河川の氾濫も同様で、家屋や車などが浸水することも少なくありません。台風が発生しやすい時期は稲の収穫時期にもさしかかるため、水没によって収穫できないこともあります。暴風で果実が落ちてしまうなど、農作物の被害も出やすいでしょう。土石流やがけ崩れが起これば、家屋が流されたり土砂に埋もれたりといった被害も出ます。暴風による倒木や落下物で電線が切断されるなど、停電の被害も出やすくなります。
台風時の好ましい行動と事前に備えておきたいこと
台風の特徴や起こりやすい災害などを踏まえ、実際に台風が起こったときにはどのような行動が好ましいのか、また事前に備えておきたいことを紹介していきます。
河川など水辺に近づかない
台風のとき、大雨によって河川の水位が急激に上昇するのはよくあることです。河川の他にも水田や池なども、水が溢れてしまうこともあります。台風のときは、水辺には近づかないようにしましょう。また、水辺から離れていても低い場所だと水が溜まりやすくなります。通勤などで慣れている道路でも、低い場所は迂回するほうが無難です。
外出中は安全な場所に避難する
外出中に暴風雨に遭遇したときは、適切な状況判断が求められます。早めに帰宅できるのは好ましいことですが、無理をすることはありません。状況に応じて、安全な場所に身を寄せることも必要です。帰宅経路で災害が発生していないか確認し、安全第一で移動しましょう。
屋外の物を片付けておく
台風のとき、強風でさまざまなものが飛ばされやすくなります。周囲に危険が及ばないよう、屋外にある飛びやすいものは片付けることです。鉢植えなどは屋内に取り込むか風が当たりにくい場所に運び、移動が難しいものは飛ばないように紐で括るなどの対策を取りましょう。また、屋外で犬を飼っているときは屋内に退避させることも忘れてはいけません。
必要と感じたら素早く安全に避難する
避難勧告が出ているのに、タイミングを逃してしまうというケースもあります。「自分だけは大丈夫」と考えず、必要だと感じたら迅速安全に避難することです。そのためにも、貴重品や着替えなど必要最低限の荷物をまとめておくといいでしょう。
飲料水と食料などを備蓄しておく
台風のときは、外が落ち着くまで外出がままならないことも出てきます。買い物に行けない状況に備え、飲料水や食糧を備蓄しておくことも重要です。飲料水は1人1日当たり2リットルを目安にし、食糧と合わせて最低でも3日分を用意しておくと安心できます。万が一トイレが使えないことも想定し、簡易トイレもあるとさらに安心です。
ポータブル電源を用意しておく
台風の影響で考えられるのは、災害による被害だけではありません。停電も起こりやすいものです。もしも停電になったときに備えて、ポータブル電源を用意しておくといいでしょう。EcoFlowポータブル電源なら、通常のコンセントに加えてUSB電源も複数利用できるため、スマートフォンやタブレットなどの充電が可能です。現代において、情報収集にこうしたデバイスは欠かすことができません。もちろん、キッチン家電などの電源としても使えます。EcoFlowポータブル電源を備えておけば、いざ停電になったときも安心です。
台風の停電でも困らないよう普段から備えることが大切
台風のときは、沿岸部に限らずさまざまな災害が発生しやすい状況になります。床上浸水や家屋の倒壊といった被害は、その後の生活にも大きな影響を及ぼしかねません。台風が接近したら、状況に応じて身の安全を確保することがまず先決です。しかし、大きな被害には及ばなくても、停電になれば日常生活がままならなくなります。飲料水や食糧の備蓄だけでなく、EcoFlowポータブル電源を用意しておきましょう。
関連記事:
https://jp.ecoflow.com/blogs/ecoflow-blogs/bousai-taisaku-natural-disaster
https://jp.ecoflow.com/blogs/ecoflow-blogs/summer-power-outage