キッチンカーで食材を衛生的に保管するためには、冷蔵庫や冷凍庫などの電気機器が必要です。しかし、その電気機器を動かすには電源を確保する必要があり、そのための方法は複数考えられます。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、「どの方法が自分の状況に合っているのだろう?」と迷ってしまう方もいるはずです。そこで本記事では、キッチンカーの電源を確保する方法、おすすめのポータブル電源を解説します。
キッチンカーでは電源が必要不可欠
キッチンカーで衛生的に移動販売をするためには、何かしらの方法で電源を確保する必要があります。電源を確保しなければ、販売に必要な電気機器を利用できません。なお、キッチンカーでは以下のような電気機器を必要とします。
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- 換気扇
- 給水排水ポンプ
- 電気調理器具
- 照明
- 音響機器
キッチンカーで販売する内容によっては、ほかの電気機器を利用する場合もあります。いずれにしても、キッチンカーで衛生的に移動販売するためには、電源が必要不可欠ということを覚えておきましょう。
保健所の設備検査でも電源が重要
電源は調理や販売で必要になるだけでなく、保健所の設備検査でも重要となります。設備基準の項目の中には、以下のような文言があります。
「営業のために必要な電力が供給される電源装置を営業車の食品衛生上支障ない箇所に設けること」
つまり、電力の供給源となる電源装置は、外や衛生的でない場所に晒してはいけないのです。そのため、車内に電源を組み込む、バッテリーの電力を変換する、ポータブル電源を用いる、などの措置が必要です。
また、保健所の設備検査では、給水排水ポンプや換気扇の動作チェックも行われます。保健所の設備検査を通過するためにも、電源設備を整えておかなければなりません。
キッチンカーの電源を確保する4つの方法
キッチンカーの電源を確保する方法は、大きく分けて4つあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、各方法を比較してみてください。
- 営業場所で電源を借りる
- 発電機で電源を用意する
- 走行充電器で発電する
- ポータブル電源を活用する
それぞれの方法を1つずつ解説します。
方法1.営業場所で電源を借りる
1つ目は、営業場所で電源を借りるという方法です。営業場所で電源を借りることができれば、販売のために電源を用意する必要がありません。
基本的に営業場所で電源を借りる場合、1日で1,000〜2,000円程度かかります。場合によっては、無料で電源を使わせてくれるケースや、キッチンカーの出店料に電源代が含まれているケースもあるため、電源の使用については事前に確認しておきましょう。
なお、電源元がキッチンカーから離れている場合は、延長のドラムリールを使うことをおすすめします。雨に濡れても平気な屋外用のドラムリールであればなお安心です。
【メリット】
- 低予算で電源を利用できる
- 自分で電源を用意する必要がない
【デメリット】
- すべての営業場所で借りられるわけではない
- 利用する際に毎回確認する必要がある
方法2.発電機で電源を用意する
発電機で電源を用意するという方法もあります。発電機は主にガソリンを使用して動かすため、携行缶を用意するなどして、ガソリンを切らさない工夫が必要です。中には、保健所の営業許可を取るために設置する人もいます。
キッチンカーの営業を開始するためには、事前に所定地域の営業許可証を取得しなければなりません。営業許可の条件は地域によって異なり、地域をまたいで営業する場合は各地域の条件を満たす必要があります。
そんなときに活躍するのが発電機であり、発電機をキッチンカーに常備しておくことで、電源供給の条件を満たしていると判断されるケースが多い傾向にあります。とはいえ、営業許可の条件は地域によって異なるため、事前に内容を確認してから検査を受けましょう。
なお、発電機を導入する場合は、事前に必要となる電力を計算してから購入することをおすすめします。キッチンカーによっては通常の発電機ではなく、インバーター発電機を選択しなければならないケースもあります。
【メリット】
- 保健所の営業許可条件を満たしやすい
- 営業場所に頼ることなく電源を確保できる
【デメリット】
- 費用がかさんでしまう
- 稼働音が大きい
- 排気ガスや臭いが発生する
方法3.走行充電器で発電する
3つ目は、走行充電器で発電するという方法です。車で電力を確保するとなると、メインバッテリーを使う方法が一般的です。
しかし、冷蔵庫や換気扇など、電力消費量が多い電気機器を使用する場合、「バッテリーが上がって走行できなくなる」といったトラブルのリスクがあるため、メインバッテリーの利用はおすすめできません。
この問題は、走行充電器、サブバッテリー、インバーターを載せて自家発電する仕組みを整えることで解決します。走行中に発生する電気は基本メインバッテリーに蓄積されますが、走行充電器を使用すれば、サブバッテリーに電力を流すことが可能です。
この際、メインバッテリーの電力量に応じて充電や停止を行うため、「メインバッテリーを使いすぎて上がった」などのトラブルを防げます。ただし、サブバッテリーは充電しすぎたり電力を使いすぎたりすると、劣化が早く進むとされているため、注意しながらサブバッテリーの電力を使いましょう。
また、このままの状態では家庭に送られてくる電気と種類が違うため、サブバッテリーの電力を電気機器に使用することはできません。そこで必要になるのが、インバーターという機器です。
インバーターを使用することで、サブバッテリーに充電された電気を「直流」から「交流」に変えてくれるため、電気機器を問題なく動かすことができます。
【メリット】
- 営業場所に頼ることなく電源を確保できる
- 発電システムに必要なパーツは簡単に購入できる
【デメリット】
- 初期費用が高額になる
- バッテリー等が邪魔になる
- 大量の電気を使う設備には向いていない
- 発電システムの構築が難しい
方法4.ポータブル電源を活用する
ポータブル電源を活用する方法も選択肢の1つです。そもそもポータブル電源は、スマホやゲーム機を充電するモバイルバッテリーのようなもので、事前に溜めておいた電力を電気機器に供給するためのアイテムです。
事前に充電しておく必要がありますが、ほかの方法のような導入時の手間が一切かかりません。なお、ポータブル電源の充電方法には、大きく分けて以下の3種類があります。
- コンセント充電
- ソーラーパネル充電
- シガーソケット充電
ポータブル電源によっても異なりますが、自宅のコンセントで充電したり、ソーラーパネルを使って充電したりなど、いくつかの充電方法があります。車の中でもシガーソケットから充電できるので、いざというとき安心です。
【メリット】
- 配線をつなぐなどの手間が一切ない
- 手軽に持ち運べる
- 充電方法が複数あって便利
【デメリット】
- 高い電圧の電気機器を長時間使用できない
- 使用する前に充電する必要がある
キッチンカーに適したおすすめのポータブル電源4選
ここまで、キッチンカーの電源を確保する方法を解説しましたが、自身の状況に合った方法は見つかったでしょうか?「手間を掛けることなくすぐに電源を確保したい」という状況であれば、ポータブル電源の購入をおすすめします。
ただし、一言でポータブル電源と言っても、その種類は多岐にわたります。「どの製品を購入すればいいんだろう?」と迷ってしまう方もいるはずです。
そこで本項では、4種類のポータブル電源を詳しく解説します。ポータブル電源の購入を検討している方は、ぜひ以下の詳細をご確認ください。
- DELTA Max
- DELTA Pro
- DELTA2
- パワーシステム
それぞれの項目を順番に解説します。
DELTA Max
まずは「DELTA Max」から紹介します。本製品の特徴は、大容量バッテリーを搭載していながらも、22kgという比較的軽い重量を実現しているという点です。
キッチンカーから持ち出して充電する際は荷物の負担になりづらく、外付けのエクストラバッテリーを取り付けることで、容量のカスタマイズも行えます。
また、1612Whと2016Whの2タイプが販売されているのも特徴です。目的や状況に合わせて、適したバッテリー容量を選択しましょう。
容量 | 1612Wh/2016Wh |
定格出力 | 2000W |
AC充電入力 | 最大1500W |
サイズ | 49.7×24.2×30.5cm |
重量 | 22Kg |
出力口 | 合計:15
AC×6 USB×6 DC×2 シガーソケット×1 |
公式サイト(1600モデル) | https://jp.ecoflow.com/products/delta-max-1600-portable-power-station |
DELTA Pro
続いて紹介する「DELTA Pro」は、3600Whという大容量バッテリーを搭載した大型のポータブル電源です。「とにかくバッテリー容量が大きい製品が良い」という方に推奨されます。
ポータブル電源の容量、パワー、充電速度で業界をリードし続けてきたEcoFlowが、「もうこれは敵わない」と周りが口を揃えるほど、圧倒的な性能で開発に成功した製品です。まさに究極のポータブル電源と言えるでしょう。
容量 | 3600Wh |
定格出力 | 3000W |
AC充電入力 | 最大1500W |
サイズ | 63.5×28.5×41.6cm |
重量 | 45Kg |
出力口 | 合計:15
AC×5 USB×6 DC×2 シガーソケット×1 アンダーソン×1 |
公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-pro-portable-power-station |
DELTA2
EcoFlow史上累計販売台数No.1モデルが、約3年ぶりにリニューアルされました。リニューアルされた「DELTA2」には、ブランド創業5年のテクノロジーとノウハウが、余すことなく詰め込まれています。
本製品は50分で80%まで充電可能という、業界屈指の爆速充電スピードを誇ります。また、あとからバッテリーを増設できるため、「キッチンカーの設備をアップグレードしたら電力消費が増えた」という場合でも柔軟に対応できます。
容量 | 1,024Wh |
定格出力 | 1,500W |
AC充電入力 | 最大1200W |
サイズ | 40.0 x 21.1 x 28.1 cm |
重量 | 約12kg |
出力口 | 合計15
ACx6 USBx6 DCx2 シガーソケット x1 |
公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-2-portable-power-station |
パワーシステム
EcoFlowの「パワーシステム」は、業界初のコンパクトなモジュール型電源システムです。カスタム性能が高く、キッチンカーやキャンピングカーなどの電源に適しています。
ソーラー充電、オルタネーター、外部電源、スマート発電機、これら4通りの充電方法に対応しており、そのときの状況に応じて、充電方法を自由に選択可能です。本製品を導入すれば、キッチンカーで使用する電力を安定的に確保できるでしょう。
【EcoFlow パワーシステム専用2kWh LFPバッテリー/EcoFlow パワーシステム専用5kWh LFPバッテリー】
容量 | 2,048Wh/5,120Wh |
サイクル寿命 | 約3,000回/約3,500回 |
蓄電池の種類 | リン酸鉄リチウムイオンバッテリー |
サイズ | 28.4×34.8×19.8cm/30×50×26cm |
重量 | 16.8kg/41kg |
IP保護等級 | IP54 |
公式サイト | https://www.ecoflow.com/jp/ecoflow-power-kits/series?activeTab=product |
走行中も冷蔵庫を稼働させ続ける方法
冷蔵庫や冷凍庫を使用する場合、多くの方が走行中も稼働させたいはずです。そんな場合は、「車載用冷蔵庫」の活用をおすすめします。
シガーソケットから電力供給できるタイプや、家庭用のコンセントで使えるタイプがあるため、キッチンカーの電源状況に応じて選択しましょう。もちろんポータブル電源を使用しても、問題なく冷蔵庫や冷凍庫を稼働させられます。
出店しない日の電源はどうする?
コンセントから電源を供給するタイプの冷蔵庫であれば、自宅に運んで稼働させれば問題ありません。しかし、バッテリーに接続するタイプや備え付けのタイプは移動が難しいため、中身だけを自宅の冷蔵庫に移す必要があります。
食品の賞味期限・消費期限を把握しておくためにも、キッチンカーの中ではなく身近においておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では、キッチンカーの電源を確保する方法、おすすめのポータブル電源を解説しました。
キッチンカーの電源を確保する方法は、大きく分けて「営業場所で電源を借りる」「発電機で電源を用意する」「走行充電器で発電する」「ポータブル電源を活用する」の4つがあります。
どの方法にもメリットとデメリットの両方があるため、目的や状況を考慮した上で選択しましょう。なお、手軽に電源を導入したいのであれば、ポータブル電源の活用をおすすめします。
本サイトを運営するEcoFlowは、キッチンカーに適したポータブル電源を販売しております。ポータブル電源の購入を検討している方は、ぜひ製品の詳細をご確認ください。