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家庭用ソーラーパネルを導入するとどうなる?発電の仕組みや製品の価格

「家庭用ソーラーパネルを導入するとどうなる?」「導入する具体的なメリットを知りたい」という方もいるでしょう。結論、家庭用ソーラーパネルと蓄電池は生活を変えるほどの効果があります。

例えば、余った電気を売却できる、停電時でも家電製品を用いて快適に生活できるなど、複数のメリットが見込めます。しかし、状況に適した太陽光発電システムを導入するには、発電や各製品の仕組みを理解し、その上で費用などを十分に考慮しなければなりません。

そこで今回は、家庭用ソーラーパネルの仕組みや発電量、設置費用について解説します。家庭用ソーラーパネルの導入を検討している方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

家庭用ソーラーパネルと蓄電池が生活を変える

家庭用ソーラーパネルは、自宅で太陽光発電をするための設備です。正確には、太陽電池を複数集め、これをアルミ枠などに収めて大きなパネルにしたものを指します。

ソーラーパネルに光が当たることによる発電の仕組みを利用して電気を生成します。このソーラーパネルを家庭に導入すると、以下のようなメリットが見込めます。

  • 余った電気を売却して収益を得る
  • 停電時でも家電製品を用いて快適に生活できる
  • 電力消費量の見える化を図れる

家庭用ソーラーパネルのほかに蓄電池を用意すれば、日中に発電した電気を蓄え、必要なときに必要な分だけ自由に使用できるようになります。自宅で発電・蓄電・売電が可能となり、家庭用ソーラーパネルの利用用途や利便性が広がります。

家庭用ソーラーパネルが人気の理由

家庭用ソーラーパネルが注目されている理由として、電気代の節約と活用の広さが挙げられます。日本では特にソーラーパネルが積極的に導入されており、経済産業省の「蓄電池産業戦略」によると、設備容量は2021年までの10年で約12倍となりました。

蓄電池の世界市場に至っては、2050年に約100兆円規模になると言われています。そのほか、注目されている具体的な理由は以下の通りです。

  • 災害時の停電でも太陽光発電で電気供給が可能になるため
  • キャンプや車中泊といったアウトドアで利用できるため
  • 発電した電気の売却も可能で、節電効果が期待できるため
  • 太陽光発電システムの設置費用が低下しているため
  • 国の推進政策による補助金制度があるため

このような理由で、ソーラーパネルと蓄電池のセットを導入する家庭が増加しています。また、近年ではこれまで設置費用が100万円以上だったソーラーパネルが低価格化しており、補助金などを利用して導入しやすくなりました。さらに、環境に優しい発電設備として注目を集めています。

家庭用ソーラーパネルの仕組み

続いて、家庭用ソーラーパネルの仕組みについて解説します。家庭用ソーラーパネルは、以下のような部品で構築されています。

  1. ソーラーパネル
  2. パワーコンディショナー
  3. 分電盤
  4. HEMS
  5. 蓄電池

ソーラーパネルは太陽光エネルギーを直流で生み出します。一般家庭では、その電力を家電製品などに使用するために、直流を交流に変換しなければなりません。以下、各部品の役割を見ていきましょう。

ソーラーパネルの役割

ソーラーパネルは、セルの集合体で構築された大きな板の総称です。太陽光がパネルに当たると、内部の光電効果と光起電力効果が起こり、電気が生み出されるという仕組みです。

発電効率は日射量によって変わります。太陽光をそのまま100%電力に変換することはできず、変換時に多少のロスが発生します。

【ソーラーパネルを構成する単位(大きい順)】

  1. アレイ
  2. ストリング
  3. モジュール
  4. セル

ソーラーパネルは、小さなチップのようなセルをたくさんつなげて構成されています。実際にソーラーパネルを選ぶ際は、セルの変換効率ではなく、モジュールの変換効率を確認することをおすすめします。

→太陽光発電に必要なソーラーパネルの仕組み|構成要素・素材・原理を徹底解説(未公開)

パワーコンディショナーの役割

パワーコンディショナーは電気を変換し、家電製品などに電気を使用できるようにするための機械です。家庭で使用する電気は基本的にすべて交流ですが、太陽光発電で発電される電気は直流であるため、 発電した電気をそのまま使用することはできません。

そこで、パワーコンディショナーによって電気を一度変換する必要があるのです。電気を変換する以外にも、パワーコンディショナーには以下のような機能があります。

  • 発電量を最大化する機能
  • 整備時の事故を減らす単独運転防止機能
  • 停電時に電気を使用できる自立運転機能

パワーコンディショナーの変換率は一般的に95%前後です。変換効率はパワーコンディショナーの性能を判断する数字であり、この変換効率に比例して販売価格も高くなります。

分電盤の役割

分電盤はそれぞれの部屋に電気を送るための設備です。パワーコンディショナーによって変換された電気を、複数の回路に分けて各部屋へ供給しています。

また、分電盤には漏電などの事故防止機能や、電気の使いすぎを抑制する機能も含まれています。ソーラーパネルで発電した電気は電力会社に買い取ってもらうことが可能であり、その際、分電盤は余剰電力を電線に逆流させる大事な役割を担っています。

HEMSの役割

HEMSとは「Home Energy Management System」の略称であり、電力消費量を見える化する機器のことです。以下のような機能があり、電力を無駄なく利用することが可能になります。

  • 各家電の電力消費量を見える化する
  • 各家電の使用量をコントロールする
  • リアルタイムの売電・買電状況を把握する

太陽光発電による電力消費量は、時間単位でHEMSに記録され、消費している電力を確認できます。接続した家電製品ごとの消費電力を確認できる製品もあり、節電に貢献します。効率よく売電したい場合は、スマートメーターも併せて導入しましょう。

蓄電池の役割

蓄電池は、太陽光で発電した電気を留めておくための設備です。ソーラーパネル単体では電気を貯めることができないため、太陽が出ていないタイミングで電気を使用したい場合には、蓄電池の導入が必要となります。

蓄電池があれば電気を停電時に使用したり、電気代の高い時間帯に自家発電の電気を利用したりなど、太陽光発電による利用用途が広がります。「設置費用を抑えたい」「アウトドアでも使いたい」という方は、持ち運び可能なポータブル電源の導入がおすすめです。

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家庭用ソーラーパネルの発電量・発電効率

家庭用ソーラーパネルは、製品によって発電量が異なります。本項では、太陽光発電における「kW」や「kWh」の意味、発電量に関する基本知識を解説します。

kWとkWhの違い

太陽光発電では、「kW」はソーラーパネルの発電能力、つまり「システム容量」を表します。経済産業省によると、家庭用ソーラーパネルの平均的な発電能力は約5.00kWです。

家電を稼働させる場合、必要な電力はkWから判断できます。一方、「kWh」は実際の発電量を表す単位です。一般的にはシステム容量1kWあたり、年間約1,000kWhの発電が可能だと想定されています。

ソーラーパネルの設置枚数で発電量が変わる

ソーラーパネルは、設置枚数が多いほど大きな発電量に期待できます。例えば、1枚300Wのパネルを10枚設置すると、「300W×10枚=3kW」の発電が可能であり、年間で約3,000kWhの発電に期待できます。

ソーラーパネルの設置枚数を増やせば増やすほど、全体の発電量も大きくなります。しかし、設置する枚数に応じて費用も増加するため注意が必要です。

ソーラーパネルの性能は変換効率で決まる

高性能なソーラーパネルを設置したい場合は、変換効率を重視して選びましょう。変換効率は、「太陽光エネルギーをどれくらい電気エネルギーに変換できるか」を表す指標です。

ソーラーパネルの変換効率は、素材に応じて異なります。例えば、ソーラーパネルには以下のような素材が存在します。

  • シリコン系
  • 化合物系
  • 有機系
  • 量子ドット系

近年では、変換効率を高めるための研究が盛んに行われています。素材ごとの特徴を詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご確認ください。

→太陽光発電に必要なソーラーパネルの仕組み|構成要素・素材・原理を徹底解説(未公開)

日射量・天候・時間帯などで発電量が変わる

発電量は、日射量・天候・時間帯などによって変わります。各都道府県では、天候や日射量が変わることから、家庭ごとに発電量に差が生まれます。

また、日が短い冬は1日の発電量が低下しますが、夏場は逆に発電量が増加するため、年間を通して期待通りのパフォーマンスが発揮されます。

年間の予想発電量を知る方法

ソーラーパネルのシステム容量によって、年間の発電量は異なります。以下の計算式で、年間の発電量をシミュレーションできます。

【1年間の予想発電量の計算式】

年間予想発電量(Ep)= 平均日射量(H)× 損失係数(K)× システム容量(P)× 365日 ÷ 標準状態の日照強度(1)

地域の日射量について知りたい方は、「NEDOの日射量データベース」をチェックすると良いでしょう。

家庭用ソーラーパネルの価格・設置費用の内訳

経済産業省の調達価格等算定委員会が取りまとめた「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2022年設置の家庭用ソーラーパネルの平均値は「26.1万円/kW(中央値 26.9 万円/kW)」です。設置費用相場(1kWあたり)の設置費用の推移は以下の通りです。

2019年2020年2021年2022年
30.5万円29.2万円27.5万円26.7万円

なお、設置後にはメンテナンスや修理が必要になるため、定期点検費も考慮する必要があります。発電量維持や安全性確保の観点から、3~5年ごとに1回程度の定期点検が推奨されています。1回当たりの定期点検費用の相場は約3.5万円程度です。

設置費用の内訳

前述した通り、家庭用ソーラーパネルの設置費用の平均値(2022年)は「26.1万円/kW」です。平均値の内訳は、設備費が約55%、工事費が約27%を占めます。具体的な内訳は以下の通りです。

内訳割合
ソーラーパネルの本体14.5%
パワーコンディショナー代4.2%
架台費2.1%
設置工事費7.1%

製品や工事業者によって変動する場合もあります。あくまで設置費用の目安として覚えておきましょう。

蓄電池(ポータブル電源)を導入すれば効率よく節電可能

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家庭用ソーラーパネルと蓄電池を導入すれば、効率的な節電を実施できます。節電方法の1つとして、発電した電気の売却が挙げられます。

FIT制度(固定価格買取制度)では、太陽光発電によって生成した電気を10年間固定価格で売却することが可能です。具体的な詳細は以下の通りです。

  • 一般家庭用の太陽光発電システム:10年間
  • 産業用の太陽光発電システム:20年間
電源規模2023年度下半期2024年度
住宅用10kW未満16円16円
産業用(地上設置)10kW以上50kW未満10円10円
50kW以上・入札対象外9.5円9.2円
産業用(屋根設置)10kW以上50kW未満12円12円
50kW以上12円12円

参考:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します|経済産業省

FIT制度終了後でも、蓄電池があれば昼間に充電し、夜間に電力を消費することで節電が図れます。節電以外にも、非常用電源として活用できる、好きな時間に電力を使用できる、といったメリットが見込めます。

なお、「低価格で太陽光発電システムを構築したい」という方は、蓄電池ではなくポータブル電源の導入がおすすめです。導入費用を抑えられるほか、設置工事の手間も削減できます。さらに携帯性が高いため、アウトドアでの利用も可能にします。

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まとめ

本記事では、家庭用ソーラーパネルの仕組みや発電量、設置費用について解説しました。

家庭用ソーラーパネルを導入すれば、効果的な節電が可能になります。蓄電池も併せて導入することで、余った電気を売却して収益を得る、停電時でも家電製品を用いて快適に生活できるなどのメリットが見込めます。

「家庭用ソーラーパネルの設置費用を抑えたい」という方は、EcoFlowの据置型ソーラーパネルの導入をご検討ください。ポータブル電源とソーラーパネルのセット商品もおすすめです。

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