今回のテーマはキャンピングカーとソーラーパネルについてです。キャンピングカーはアウトドアに快適な空間を持ち込むことができるツールですが、昨今は人との接触機会を減らせるレジャーとしても注目されているキャンプの楽しみ方の1つとしても人気が高まっています。キャンピングカーで快適に過ごすためのカギは「家電」です。
キャンピングカー車内やフィールドで家電をうまく活用できれば、アウトドアがさらに楽しく快適になりますが、家電を活用する上での要(かなめ)は、電力を供給するサブバッテリーやポータブル電源などのバッテリーです。
バッテリーが大きな電力を高い出力で供給できれば、それだけ多くの家電を長時間使用することができるため、快適度アップに大きく貢献します。しかし、バッテリーに蓄えた電力は、使えば失われてしまうため、バッテリーに蓄える電力を回復したり、増やしたりすることにも目を向ける必要があります。
というわけで、まずはキャンピングカーライフを快適に過ごすためのバッテリーの充電について考えてみようと思います。
キャンピングカーのバッテリーを充電する方法
キャンピングカーのサブバッテリーや、フィールドにも持ち出せるポータブル電源を充電する方法は大きくわけて3通りです。
(1)走行充電
(2)外部充電
(3)ソーラー充電
1. 走行充電
通常、自動車はオルタネーター(発電機)が発電した電気を使いながら走行していますが、発電量より電気使用量が多い場合にバッテリーに蓄電します。これは通常のエンジンルームに入っているいわゆるメインバッテリーのお話しです。
自動車が走っていない状態ではオルタネーターは発電していないので、最初にエンジンを始動させるための大電力は、メインバッテリーに蓄えた電力だけが使われるため、メインバッテリーの充電量が不足することは極端に言うと生死にかかわるケースもあるほど重要です。
キャンピングカーのように、エンジン停止中にも車内照明や冷蔵庫、換気扇、電子レンジや給排水などで電気を使う場合にメインのバッテリーから供給してしまうと、下手するとエンジンが始動できないという事態にもなりかねません。
そこでキャンピングカーは、停車中の電力を賄うための専用の電源「サブバッテリー」を装備していますが、走行充電は、走行中に使う電気やメインバッテリーに溜める電気を取ってもさらに余った場合に、サブバッテリーにも充電しておく仕組みです。
こうしたサブバッテリーの走行充電には以下のような特徴があります。
・走行して発電していないと充電できない
・停車中はエンジン停止(停車中のアイドリングはマナー違反、迷惑行為)が原則
・あくまでメインバッテリー優先で、余った分がサブバッテリーに充電される
サブバッテリーに走行充電が可能であれば、キャンプや車中泊へ向かう道中で充電しておけますし、帰路には使用した電力を充電しておくことができます。
ただし、あくまでメインバッテリー容量が優先なので、必ずしも使った分がすべて補充されるわけではなく、もし走行充電で充分に充電し切れなかった場合には、AC100V電源などから充電しておく必要があります。
2. 外部充電
「外部充電」とは、自動車の外装部分にコネクターを設置し、AC100V電源と接続することでサブバッテリーに電力を供給する仕組みをいいます。
自宅駐車場や、電源設備を借りることができるキャンプ場やRVパーク(※)などでは、外部のAC100Vコンセントから直接電力を引き込み、サブバッテリーに充電したり、車内のAC100Vコンセントに繋いだ家電を直接動かす(パススルー)ことができます。
※キャンプ場やRVパークで電源を借りる場合、多くは有料となります。
外部充電には以下のような特徴があります。
・AC100V充電で最も早く充電できる
・車内のAC100Vコンセントに繋いだ家電を直接動かすことができる(パススルー)
・自宅、外部充電を借りられる施設など、限られた場所でしか充電できない
パススルーとは、電源から給電された電力をバッテリーに充電せずに直接AC100V出力へ流す仕組みで、AC100V出力がスイッチOFFなどで不要となればサブバッテリーを充電します。
最も効率よく充電できる方法ですが、AC100Vコンセントに接続できなければ利用できないという大きな欠点を併せ持っています。
3. ソーラー充電
ソーラー充電は、ソーラーパネルによって太陽光で発電した電気をバッテリーに蓄電する仕組みで、再生可能エネルギーとして注目を集めています。
キャンピングカーにおいてもソーラーパネルを設置してサブバッテリーを充電する仕組みは取り入れられており、走行充電のようにメインバッテリーを優先することも、AC100Vのようにコンセントのある場所だけといった場所的な制約なく充電できるメリットがあります。
反面、太陽光が無ければ発電できませんが、キャンプや車中泊の日が必ずしも晴天であるとは限らず、発電量は天気に左右されるというデメリットもあります。
ソーラー充電には以下のような特徴があります。
・晴れていればどこでも発電・充電ができる
・ソーラーパネルを含めて装置を一旦設置すれば、手間をかけず発電・充電を行うことができる
・再生可能エネルギーで地球環境に優しい
・エネルギー自体にコストがかからないので節約につながる
・十分な日照がなく太陽が出ていない場合や、屋内駐車場などではまったく発電・充電できない
自然のエネルギーである太陽光によって発電・充電可能なソーラー充電は、非常にエコである反面、発電量は太陽光の強さに依存するため、常に安定した発電が難しいのが難点です。
上記で説明した各充電方法に使用する装置の設置にはそれぞれ費用がかかりますが、AC100V充電には電気料金が、走行充電を行うには自動車を走らせるための燃料が必要で、間接的にエネルギー自体にコストがかかります。
自然エネルギーである太陽光発電にはコストはかかりませんし、再生可能なエネルギーとして何回でも利用することができます。
ソーラーパネルの種類と長所・短所
ひとくちにキャンピングカー向けのソーラーパネルといっても様々で、設置方法で分けると2つのタイプに分けられます。
固定式ソーラーパネル
キャンピングカーのルーフ(屋根)にパネルを固定するタイプの「固定式ソーラーパネル」は、以下のような特徴があります。
・いつでも太陽光が当たれば充電できる
・出力が比較的大きい
・ほとんどの場合太陽に正対しない
・大型で嵩張る
・自動車ルーフへの設置が難しい
自動車のルーフに固定されたソーラーパネルは、特に発電しよう、充電しようと意識しなくても、太陽光が当たれば勝手に発電しサブバッテリーに充電されますが、効率よく発電するためには、太陽光にソーラーパネルが正対していることが必要です。
同じ太陽光が当たっていても正対していない場合は発電量が落ちますが、ルーフ固定式ソーラーパネルは、ほとんどの場合水平な状態であり、太陽に正対するのは真夏の正午ぐらいで、あとは必ず多かれ少なかれの角度がついた状態になります。
さらにキャンピングカーの実情を考えると、太陽光がパネル全面に当たるような場所にはなかなか駐車したくないのが本音ではないでしょうか。
特に夏の炎天下に、充電のためとはいえ日向に駐車してキャンプはしたくないものです。できれば木陰などの日陰になる場所に止めたいのが人情だとすれば、ルーフ設置のソーラーパネルは本領を発揮しづらいのではないでしょうか。
ポータブルソーラーパネル
もう1つの種類は「ポータブルソーラーパネル」です。
ポータブルとは「持ち運び可能な」と言う意味で、折りたたんで自由に持ち運べる機動性に優れたソーラーパネルが各社から発売されています。
ポータブルソーラーパネルの特徴は以下の通りです。
・コンパクト
・設置自由(機動性)
・移動や向きの変更が可能で太陽光に正対させやすい
・劣化しにくい(雨ざらしにしない)
・固定式に比べて発電量が少ない(重量増)
ポータブルソーラーパネルの最大のメリットは、移動可能で向きも自由に変えられる点でしょう。
いくら出力の高いソーラーパネルでも、太陽光が当たりにくい、正対していないなどの悪条件が重なれば、出力が小さくても全面に陽が当たり太陽光に正対しているポータブルソーラーパネルに発電量で負けてしまうこともあり得ます。
また、ルーフのパネルは1回ごとに脱着できないため風雨や雪・雹などに晒されたままでダメージを受けますが、ポータブルソーラーパネルはその都度片づけることが可能なため、自然の影響による劣化が起こりにくいこともメリットです。(※)
反面、発電しよう、充電しようと意識してその都度設置しなければならず、手間がかかります。うっかり接続コードを忘れたりすれば、いくら太陽が輝いていても発電・充電ができません。
※収納時に折りたたむことや、移動の際の衝撃等が、ポータブルソーラーパネルの寿命に影響を与える可能性はございますのでご了承ください。
機動性が活きるポータブルソーラーパネルとポータブル電源の相性
前項で述べたように、ポータブルソーラーパネルはどこへでも移動でき、最も太陽光を受ける場所に太陽の方向に向けて設置できる機動性を持っています。
しかし、充電するバッテリーが車内に固定されたサブバッテリーの場合は、そうしたポータブルソーラーパネルの利点を活かすことができません。
そこで、充電するバッテリーもポータブルなものにすることで、ポータブルソーラーパネルの機動性を活かすことができます。つまり、ポータブル電源です。
ポータブルソーラーパネルとポータブル電源の組み合わせは、使用の面のみならず、機動性の点でも最高の相性と言うことができます。
また、サブバッテリーにソーラー充電する場合、ソーラーパネルとサブバッテリーを接続するだけでは発電した電気を充電することはできません。
必ず、過充電を防ぐための「充放電コントローラー」が必要ですが、ポータブル電源はそうした機能も内蔵しているため、ソーラーパネルと接続するだけで簡単に充電が行える点も大きなメリットであり、ポータブルパネルとポータブル電源の相性の良さを表しています。
ポータブル電源の機動性が活きるのは充電時のみではありません。
車内に固定されているサブバッテリーは車外へ持ち出すことはできませんが、ポータブル電源は車内で使えるのはもちろん、車外へも持ち出して使いたい場所で自由に使用することができます。
充電しやすく、充電した電力も使いやすいということで、ポータブルソーラーパネルとポータブル電源の相性はばっちりなのです。
走行充電とソーラー充電の使い分けがおすすめ
走行していないと充電できない「走行充電」、太陽が出ていないと充電できない「ソーラー充電」、いずれもどちらか一方だけでキャンピングカーの充電を賄うことはできず、状況によっては最終的にAC100Vからの充電に頼る場合も少なくありません。
しかし、走行充電とソーラー充電を組み合わせることで、最大限の充電量を確保し、できるだけAC100V充電に頼らないバッテリー充電の仕組みを作ることが可能です。
キャンプ場へ向かう道中
サブバッテリーを走行充電できるのはもちろん、もしサブバッテリーが充分な充電量であれば、シガーソケットから出力してポータブル電源に走行充電しながら現地へ向かうことも可能です。走行充電でポータブル電源に蓄電する方法です。
現地ではソーラー充電
相性のよいポータブルソーラーパネルとポータブル電源を効率よく充電できる場所に設置して、ポータブル電源に太陽光によって発電された電気を貯めておきます。
もしまだ陽が高いうちにポータブル電源に充分な電力を貯めることができたら、外部電源のプラグをポータブル電源のAC100Vに繋いで、太陽光で発電した電気をサブバッテリーに移すことができます
自宅に帰る道中
帰路の道中は、再び走行充電でサブバッテリーをいっぱいにし、もし余る場合はポータブル電源にも走行充電すれば、自宅に戻った際にはサブバッテリーとポータブル電源両方に蓄電することができているかもしれません。
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
EcoFlowのソーラーパネルは3種類
EcoFlowでは、必要な出力によって、110W/160W/400W(※)の3タイプのソーラーパネル(ソーラーチャージャー)をラインナップしています。
同じ出力のパネルであれば複数接続することで出力をアップさせて充電量を増やすことも可能です。
折りたたんで専用保護ケースに収納でき、キャンピングカーへの積み込みも、展開も簡単です。
専用保護ケースはソーラーパネルを立てるためのスタンドとしても使うことができ、0~180度の角度で自由にパネルを立てることが可能なので、太陽光に正対させることも簡単です。
もちろん、EcoFlowの各ポータブル電源との相性はばっちりで、付属のコードを使えば、余計な機器を接続する必要なく、すぐに充電することができます。
機動性に優れたEcoFlowのソーラーパネルとポータブル電源を持ってフィールドに出かけませんか?
※ EcoFlow 400Wソーラーパネルは4月より公式サイトにて発売予定となっております。
DELTA Max1600
EcoFlowの特許技術X-Stream充電テクノロジーにより、標準的なご家庭のACコンセントから1500Wの急速充電が可能に。
160Wソーラーパネル
21〜22%の高い発電効率を有する単結晶シリコン型のソーラーパネルを4枚搭載しており、最大160W(21.4V/9.6A)の出力に対応します。
110Wソーラーパネル
21〜22%の高い発電効率を有する単結晶シリコン型のソーラーパネルを4枚搭載しており、最大110W(21.7V/6.3A)の出力に対応します。