日常生活で欠かせないものが電気です。以前は、電力会社が運営する発電所で発電された電気を、送電網で自宅や向上に送り届ける方式が一般的でした。現在、その電気の作られ方や届け方にバリエーションが生まれています。この記事では、発電・送電の仕組みの一つである、オフグリッドについて、定義や実現方法について説明します。
オフグリッドとは?
オフグリッドの本来の意味は、近年注目されている独立的な生活様式を意味しています。水資源やエネルギーの供給を公共インフラ施設に依存せず、住居または地域単位で充足させた生活を目指す態度です。具体的には、水道・ガス・電気などの公共または公的な役割を持つ企業によって提供されるネットワークを使わずに、小規模ながら自給自足的方法で生産から消費までの循環システムを構築します。もちろん、そのような公共インフラに接続するケースもありますが、あくまで補助的に用いる点にオフグリッドの特徴があります。
電力に関してのオフグリッドとは、再生可能エネルギーなどによる電力生産設備を稼働させながら、大手電力会社からの送電に依存しない状態を意味します。この場合の「グリッド」は、発電所から家やオフィスに送られる送電網のことを指しています。英語の文章などでは、オフ・ザ・グリッドと表記されることのほうが多いかもしれません。実際には、既存の送電網から完全に独立するというよりは、電力の自給自足システムと併用することで、コストパフォマンスを考えながら運用するスタイルが一般的です。
オフグリッドのメリット
オフグリッドには大まかに3つのメリットがあります。1つ目は、電力料金の支払いが不要になることです。住居の建設時にソーラーパネルなどを設置するためのイニシャルコストは増えますが、後はメンテナンスのためのランニングコストの負担のみになります。つまり、発電に用いる化石燃料資源の需給状況の悪化による電力料金の値上げなどを気にする必要がなくなるのです。もちろん、太陽光だけでは電源供給が安定しないこともあるので、蓄電池などへの投資も必要になります。とはいえ、世界的な脱炭素社会を指向する潮流を考えれば、比較的安価な化石燃料を使った大規模発電の将来性は厳しいといわざるを得ません。そうなると、長期的に見て充分に採算ラインをクリアできるオフグリッド電力供給システムの構築は可能と考えられます。
2つ目は、環境負荷が低減できることです。福島原発事故以降の電力会社による大規模発電では主に温室効果ガスを排出する化石燃料を使っています。1970年代には化石燃料の枯渇が問題になり「省エネ」という概念が生まれました。現在では、全部使い切る前に温暖化が進行して海水面が上昇し、世界の主な都市が水没するのではないかとの意見も出てきています。いずれにせよ、エネルギー資源の脱炭素化と再生可能エネルギーへの転換は世界の潮流です。その意味で、オフグリッドが採用する太陽光なども地球環境の持続可能性確保に向けて大きく貢献できます。
3つ目は、災害時などのBCP対策として有効な点です。日本では、地震や台風による発電所の操業停止や送電線の切断などによる、電力供給の喪失の危険は常に存在しています。オフグリッドで自律的な電源の確保とその供給システムがあれば、非常用電源設備などを備える必要もなく、災害時にさまざまな対応が遅滞なく可能となります。とくに、事業の継続性が問題となるビジネス環境においては、オフグリッドによる安定的な電源供給システムはBCP対策を支える重要なインフラとなりえるでしょう。
オフグリッドはどうやって実現するの?オフグリッド生活をはじめるには
オフグリッドを実現するには、既存の送電網への依存度によって主に3つのタイプが選べます。
部分的導入タイプ
既存送電網をメインに使いながら、部分的にオフグリッドを導入します。住宅であれば、市販のオフグリッド化キットなどを購入すれば、比較的手軽にオフグリッド生活を試すことが可能です。たとえば、小型のソーラーパネルによる太陽光発電などによって得られた電気をポータブルな蓄電池に充電するタイプなどがあります。
オフグリッドを主に利用し、既存送電網は補助とするタイプ
既存送電網との接続は維持しつつも、屋根や屋上に設置したソーラーパネルなどで、ある程度の容量の自家発電を行います。可能であれば、使用される機器全体に必要充分な電力供給を目指すタイプです。既存送電網は、曇天が続いてソーラーパネルからの発電量が不足するなど、一時的な電力不足のときのために使います。
既存送電網に接続しないタイプ
既存送電網に接続せずに、完全自家発電で電力供給をまかなうタイプです。山間部の山小屋など、送電網から離れている場所での実例はありますが、市街地の住宅などではあまり現実的ではないといえます。というのは、既存送電網からの受電が容易であるにもかかわらず、自家発電設備の規模が大きくなったり、維持管理コストなども割高になったりするためです。
電力を心配しない!EcoFlowのオフグリッド電力ソリューション:EcoFlowパワーシステム
オフグリッドを実現するためには、既に述べた3つのタイプのどれであっても、蓄電池が不可欠の要素です。市販されている蓄電設備にはさまざまなものがありますが、導入が容易で汎用性のある蓄電システムの一つに「ポータブル電源」があります。これは、持ち運びが可能であることが特徴の一つです。通常の電源は発電施設から送電線でつながっているのですが、ポータブル電源は独立して自由に移動可能です。それを実現するためには、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積しておける蓄電池を使います。
なお、スマートフォンの充電用に「モバイルバッテリー」があります。原理は同じですが、ポータブル電源は冷蔵庫などの家電への電源供給が可能な点が異なるのです。容量も桁違いで、AC出力などがコンセントからの給電と同じように使えます。ただし、コンセントからの給電と異なる弱点もあります。たとえば、容量が大きくなればなるほど充電時間が長くなったり、定格出力を超える消費電力の家電は利用できなかったり、製品ごとに蓄電容量が決まっていたりします。
ポータブル電源のおすすめは「EcoFlowパワーシステム」
そのような一般的なポータブル電源の持つ弱点を克服した製品が「EcoFlowパワーシステム」です。まず、充電時間に関しては、「X-Stream」技術によって、多くのモデルで充電開始から約1時間で容量の80%まで充電可能となっています。次に、消費電力の問題は「X-Boost」技術によって、定格出力を超える消費電力の家電なども、電力消費をコントロールしながら作動させることができるのです。最後に、EcoFlowのモデルによっては「エクストラバッテリー」を接続することで容量を増加させることが可能です。
たとえば、容量3600WhのDELTA Proモデルであれば、2台を接続して、それぞれに最大2台のエクストラバッテリーを取り付けると、トータルの容量が2万1600Whになります。その他、専用アプリを利用したスマートフォンからのリモート操作ができるモデルも用意されています。さらに、EcoFlowパワーシステムは、以上のような高い利便性だけではなく安全性への配慮も万全です。「バッテリーマネジメントシステム」によって、リチウムイオン電池セルの過充電・過電流・過放電・温度管理などを適切に制御します。
なお、「EcoFlowパワーシステム」には、ポータブル電源本体だけではなく、充電用のソーラーパネルや専用発電機も用意されています。そのため、簡易なオフグリッドシステムを手軽に構築することができるのです。
「EcoFlowパワーシステム」でオフグリッド生活を始めよう
ポータブル電源「EcoFlowパワーシステム」は、日常的なオフグリッド生活を手軽に体験できるアイテムです。また、キャンプやバーベキューなどのアウトドア環境での電源供給にも使えます。さらに、災害時などの生活電源確保の備えとしてもおすすめです。用途に合わせてさまざまなモデルが用意されていますので、ぜひお試しください。
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